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えっと、Kanonで舞endです
舞が剣を自らに刺して、その後の話です……
以上





『力の限りに……』








 舞は病院に運ばれた……簡単な怪我の治し方なんて分からないけど
 一応検査のためにと病院へと運んだのだ
 俺はすぐに学校の片付けを終えて、舞を追った
 舞と佐祐理さんは同じ病院だった
 ついでということもあるが、此処には救急病院が一つしかないのが原因だろう

「はぁはぁ」

 息が切れる……体の所々が痛い……
 でも、舞が待っているし、佐祐理さんだって……だから、走らないと……
 いつも、名雪に鍛えられてるんだ……これくらいで負けるかぁ!!




 病院までつくと、看護師さんたちがきて、俺の体をチェックする
 ほとんどが舞の血なのだが、ちょっと危ない光景に見えたらしい
 もしも、此れが昼だったらと思おうとぞっとする
 光の元で見た俺は……返り血を浴びた状態に近かい
 なんて言うか、バイオハザードみたいなのだ
 髪の毛も乱れ、そこかしこに着いてる物が、殺しの後みたいに見えるのだ
 最初叫ばれて、落ち着いた医師が着て、俺の怪我を診てくれた
 俺はその医者から、舞と佐祐理さんのことを聞くと……
 2人は大丈夫だといわれた……舞は佐祐理さんの所で寝てるそうだ
 良かった

「君、良かったと思ってるところ悪いけど……」
「はい」
「何があったんだい? 舞って子もそうだが、佐祐理って子もだ……
 あれは車に撥ねられたくらいの衝撃だったし、舞って子は血だけ見たら、どこを怪我したのか
 お腹だろうけど、傷はほぼふさがっていたし……」
「……誰にも言わないっていうなら……話してもいいんですけど
 医者としては信じられないことだろうし」
「いいよ……世の中不思議なことがある……俺もそういうのは二度ほどあるから」
「分かりました……では」

 俺は簡単に掻い摘んで話した

「なるほどね……でも、もしも、大怪我していたら、病院には運ぶのが普通だ
 まぁ、それでも、今回は特大だな……初めてだったし」
「その割に驚いてませんね」

 そう、この人は驚いてるように見えないのだ

「まぁね……俺も色々とあったってことだよ……」
「そうですか……」

 俺は曖昧に頷いて、外に出たくてうずうずしてる
 舞と佐祐理さんの顔が見たい……まだ、安心できないんだ

「おいで……2人はこっちだから」
「あ、はい」

 気付いてたんだ……年の功だろう
 秋子さんもそう言う部分がある……どう、見ても20代の人なんだけど
 着いて行くと、個室の病室の前だった……

「此処に2人は居る……大丈夫だよ
 今は巡回以外では人も見ないしね……
 一応、今回だけは目を瞑ろうじゃないか」
「すみません、ありがとうございます」
「なぁに……君がどっちの彼氏か知らないけど、大切な女性を大事に出来ない男なんぞにはなるなよ」
「はい」

 俺は病室に入ると、舞が起きていた……
 目をあけて、俺を見ている

「佐祐理、大丈夫だって……」
「良かったな」
「はちみつくまさん」

 舞は佐祐理さんの手を握っていた
 月光の下で、2人の絆が分かる……本当に親友なんだなぁって
 俺もこの2人の関係に入って大丈夫なんだろうか?
 いや、今までも同じように大丈夫だったんだ、大丈夫だ

「舞、疲れてるんだろう……寝てろよ
 俺が見てるから」
「ぽんぽこたぬきさん……佐祐理が起きるまで見てる」
「……舞」

 舞は俺を見ると……

「祐一の方がぼろぼろ……」

 そういって、くすっと微笑みを浮かべる
 その顔には……今までにない笑顔が浮かんでいた

「舞の隣に座らせてもらうぞ」
「……」

 沈黙は肯定だろう……
 俺は舞の隣に腰を降ろす
 どっと、疲れが出た……お互いに窓際の所で佐祐理さんを見る
 俺は不意に睡魔に襲われた……疲れがピークに達してるのだろう

「祐一、寝たほうがいい」
「そう、させて、もら、うわ」

 俺はそのまま寝てしまった






 私の近くで2人の寝息が聞こえる
 1人は親友の佐祐理
 そして、もう1人は私の幼馴染で最初の友達の祐一
 本当は祐一にも使ってあげたかった……私の力を
 回復の力……ゼロから作るんじゃない……ただ、再生能力を高めるだけ
 自然治癒力を最大まで引き上げるだけ
 祐一が眠ったのは、私が今、半径2メートルで佐祐理を包んでいたから
 力の限りを尽くして、早く治って欲しい
 私の力だって、そう思ってくれてるはずだ……

「祐一、ありがとう、佐祐理、大好きだよ」

 私は力を振り絞って、最後の力を佐祐理に注いだ
 受験も終わり、大学に進学するだけだけど……佐祐理が居なかったら
 私は学校をやめていたかもしれない……守られてたんだよね、私
 ありがとう、そして、これからもよろしくね……佐祐理

「ごめんね、守れなくて……でも、ありがとう、誕生日プレゼント嬉しかったよ」

 私は、そのまま深い闇に落ちた……






「祐一くん、舞さん……佐祐理さんと仲良くね
 でないと、ボクは怒るからね」








 懐かしい声を聞いた……そう、あゆの声を……
 全てを思い出し、病院の中で看護師さんに会うと、聞いてみた
 慌しく動いてる中で、1人の看護師さんが応えてくれた……
 そして、連れて行かれた場では……白い布を被せられ、今、出て行こうとする
 月宮あゆが居た……もう、この世で目覚めることなく、7年のも間寝ていた少女
 だが……何かが悪かったのか、俺は……

「あ、昨日の……どうかしたのかい?」
「い、いえ……大丈夫です」
「そうかい……まぁ、溜めないで人様に相談するのをお勧めするよ
 此処にはいいカウンセラーも居るからね」

 俺はそれに頷いて、何とか返すと、舞と佐祐理さんが居るところまで帰る
 今日は学校を休もう……時間も単位も大丈夫だろう……
 青空が見えていた……そう、今日はいい天気になりそうだ
 あゆが飛び立ついい日に……気付いてやれなくて、ごめん
 本当に最後になってしまったな……あゆ
 俺は全てを思い出したよ……遅かったけどな
 病室は朝の光が差し込んでいた
 舞と佐祐理さんは寝ている……大丈夫だ

「もう少し寝よう」

 そういって、舞に俺の上着をかける
 俺はそのままソファが置かれていたので、寝る
 やっぱり横になると寝易い
 そのまま、眠ってしまった……






 私は、誰かの声で目が覚めた……上着?
 起きて、周囲を見ると、祐一がソファに移動していた
 上着が落ちていた……祐一の上着?
 何で、私が……それよりも、祐一は泣いている
 起きては居ないけど、泣いてる……

「舞、祐一さんが……」
「はちみつくまさん」

 佐祐理は祐一の頭を撫でる
 私は祐一の近くまで行くと、抱きついた
 大丈夫……これからは私たちが着いてるから

「あ〜、いいなぁ……佐祐理もしたいです」
「佐祐理、体大丈夫?」
「あはは〜、少し痛いくらいで、大丈夫ですよ〜」

 佐祐理は笑顔で応えてくれる

「祐一さんは?」
「抱きついて、寝てる……」
「あはは〜、お母さんに甘える子供みたいですね〜」

 私の頬が熱くなる……
 不意にそう言う事を言われると私は困ってしまう
 いや、照れてるのだろう……恥ずかしい

「ま〜い♪ 良かったね」
「! はちみつくまさん」

 祐一は寂しかったのかもしれない
 悲しかったのかもしれない
 いつか、話を聞けたら聞いてあげたい
 そして、少しでも寂しさや悲しみを共有できたらと思っている
 だから、いつか話してね、祐一








 柔らかな温かさに気付いて目が覚めた
 目を開けたら、前は真っ暗だった
 でも、温かくて……少し呼吸がしずらいけど、気持ち良かった
 と、目の前に光が来る

「祐一、目が覚めた」
「え!?」

 俺はがばっと起き上がると、舞が、俺を抱き締めて寝ていたようだ
 佐祐理さんが俺を見て、にっこりと微笑んでる

「あはは〜、祐一さん、舞は気持ち良かったですかぁ?」
「さ、佐祐理さん!!」
「大声はダメですよ〜、病院なんですから」
「……はい」

 怒るに怒れない、俺は、少し理不尽な怒りを感じながらも
 そのまま、何も言わないでおいた
 舞は佐祐理さんのところに行くと

「佐祐理、ごめん、結局巻き込んで」
「ううん、佐祐理が舞の言った事を無視したのが悪かったんだよ
 だから、気にしないで」
「でも……」
「じゃあ、約束……今度、今回のこと全てを教えてくれるって」
「分かった」

 舞は簡単にOKを出していた
 多分、本音なんだろう……

「で、祐一さん、舞の抱きごこちはどうだったんですか?」
「言わないとダメですか?」
「いえ、舞は祐一さんの抱きごこち良かったみたいなので……
 佐祐理も舞に抱きつくと気持ちいいから」
「気持ち良かったですよ」
「良かったです、舞、良かったね」
「さ、佐祐理」

 ぽかぽかとチョップを出したいところだけど……
 流石に問題かと思うために……俺へとチョップをしてきた

「舞、俺も怪我してるんだけど……」
「祐一なら、大丈夫かと思って」
「いや、それは無いな……」

 舞と俺は佐祐理さんと軽く話して……
 自分たちの家に帰っていった
 しかし、その後待っていたのは、色々な所への謝罪と秋子さんたちに寄るしかられることだった
 秋子さんは俺が帰らないのが心配なのか、一晩中起きていたようだ
 それはそれで、悪いことをしてしまった……





 舞と俺は、放課後に絶対会うようにして、佐祐理さんところへと向かう
 しばらくの間は安静を心がけるようにということで、1週間ほどの入院らしい








 俺と舞は2人でデートをして、佐祐理さんの所に行く
 2人がこれから3人に増えるまでの間……
 俺たちにとっては2人きりという時間になるのだった











 おわり














 あとがき
 こういうのどうですか?
 あまり、得意じゃないから、微妙だけど
 シオン「って、こらこら、得意じゃないのを出すな」
 いや、でも、出さないとだめだし
 ゆうひ「そりゃそうだけどね……もっと考えて書けば?」
 考えておくよ
 シオン「でわでわ、どうぞ〜」
 ゆうひ「み〜ちゃん、どうぞ〜」
 もう、ダメ〜




美姫 「遊び人さん、ありがとう!因みに、浩なんだけど……」

俺はここだぞ〜。

美姫 「完全に復活するには、流石にもう少し時間が掛かりそうね。
     何が起こったのかは、浩のSS『祐一のハーレム伝説(in 美坂家)最終話』を参照してね♪」

そんなに楽しそうに言われても…。

美姫 「自業自得でしょ」

そうだけど。

美姫 「それにしても、跡形も無く消された上に、異次元に放り込まれたというのに…。
     もう戻って来てるし…。まあ、流石に完全復活ではないみただけど。今の身長は20センチ……もないわね」

そうだよ。元のサイズに戻るには、もう少し力と時間が必要なんだよ!
くっそ〜。復活するのに、こんなに力を使うなんて初めてだよ。

美姫 「いや、そもそも復活する時点で何かが間違ってるのよ」

おまけに、元の世界に戻ってくるのに、色んな世界を見てきたじゃないか。
そう、小っちゃな浩くん、ワクワクドキドキ大冒険?って感じだよ。猫に追いかけられるわ、犬に咥えられるわ。
蟻さんと一緒に働かされるわ。もう大変。

美姫 「いや、よく分からないって。まあ、無事に戻って来れたんだから」

しくしく。思い出しただけで、涙で前が…。
と、まあ、それは置いておいて、遊び人さんありがとう!

美姫 「じゃあ、今回はこの辺で。ばいばーい」





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