それは、恭伽達が学校生活に馴れ始めていた頃の事。

夜の寮の居間で、瑞穂、まりや、奏、由佳里、恭伽、小鳥、一子が揃って話に盛り上がっていた。

「あっ、そういえば……明日はポッコロの日ね」

ふとカレンダーを見たまりやが、そう言う。

「そうですね、まりやさん」

同じように、カレンダーを見ていた一子が言う。

「ポッコロの日?」

「なんなんですか、それ?」

瑞穂と小鳥が不思議そうな顔をしてまりやを見る。

恭伽も知らないのだが、さして顔には出してはいなかった。

「そっか、瑞穂ちゃんも小鳥ちゃんも恭伽も外部生だから知らないんだっけ」

思い出したように、まりやは手を叩く。

「ポッコロの日って言うのはね、自分の好きな人に薔薇の花をあげるって言う日なの」

「薔薇の花……ですか?」

不思議そうに、小鳥はまりやに尋ねる。

「まぁ、小鳥ちゃんもあんまり馴染みない行事だと思うわ……確か、昔のお話が元になったのよね」

「はいなのです〜。 確か何百年も前にあった実話で、高貴な娘に恋をしたある下級貴族の男の人のお話なのです〜」

まりやの説明に、奏が付けたしをする。

「その男の人は、娘の父親に自分の恋の誠意を見せようと、自ら進んで戦争に出かけたんです。

でも、不幸にも男は戦いで傷ついて、ついに力尽きて倒れてしまったのです。

そこが、偶然にも純白の薔薇の茂みだったそうで、男は最後の力でその薔薇一輪を手折って戦友に託したんです。

そして、娘は男の紅い血に染め抜かれた白い薔薇を届けられて、愛する人の死を知ったそうです。

奏、このお話はちょっと悲しいけどロマンティックだと思うんですよ〜〜」

「確かに、ちょっと悲しいけど……どこか、素敵な感じがするね」

奏の言葉に、小鳥もちょっと笑いながら言う。

「でも、そのお話じゃ男の人が女の人に薔薇を渡すんじゃないの?」

当然の疑問を、瑞穂はまりやにぶつけてみる。

「まぁ、あれだ。 バレンタインみたいなものだね、それにここ女子しかいないんだから」

当然、女から女にも手渡される事はあるという答えだった。

そして、瑞穂は予想しうる事態を、恐る恐る口にする。

「じゃぁ…明日……」

「瑞穂ちゃんの予想通り、大体皆エルダーこと瑞穂ちゃんに薔薇を手渡しに来るよ」

その時の光景を思い浮かべたのだろう、まりやはかなり楽しそうだ。

「瑞穂さん、頑張ってね」

瑞穂の肩を叩いて、恭伽が言う。

「な〜に、傍観決め込んでるのよ恭伽。 当然、あんただってたくさん貰うはずよ?」

「まさか…私はそんなに人気があるわけでもないし……」

その恭伽の言葉に、全員が溜息をついた。

「恭伽お姉ちゃん、そろそろ自分の魅力を理解した方がいいよぉ……」

苦笑いしながら、小鳥が恭伽に言う。

「まぁ、このポッコロの日にも義理薔薇なんてのもあるし、絶対たくさんもらうって」

「ぎっ、義理薔薇って……」

まりやの言葉に、瑞穂は乾いた笑みを浮かべながら言う。

「まっ、バレンタインと似たような行事だと思えばいいのよ」

言って、まりやは自分の珈琲を飲む。

「そろそろ寝ようかな」

「そうね、明日も学校だし……」

小鳥の言葉に恭伽が頷き、茶会は解散となる。

「小鳥、先に部屋に戻って寝ていてね」

「うん、恭伽お姉ちゃん」

小鳥にそういい、恭伽は壁に置いてあったバックを持つ。

中には小太刀など、鍛錬に使うものが入っている。

今現在、部屋の空きがないとのことで少々大きい部屋に恭伽と小鳥は一緒に住んでいる。

机は二つあるのだが、ベットはひとつしかない部屋である。

小鳥の要望で、毎日一緒のベットで寝ているのである。

「また夜の運動ですか?」

「えぇ、こればっかりは休むわけにはいかないから」

由佳里の言葉に、恭伽はちょっと苦笑しながら答える。

「恭伽って、これ以上運動してどうするつもりよ。 今でもプロポーションいいのに」

恭伽の体を見て、まりやはそう言う。

「もう何年もやってきてる習慣だから、やらないと落ち着かないのよ」

「あまり遅くならないうちに帰って来て下さいね」

瑞穂の言葉に恭伽は頷いて、寮の外へと出て行った。

それを見送った皆も、それぞれの部屋へと戻って行った。

 

 

 

 

 

 

乙女はお姉様達に恋してる

ポッコロの日

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、いくらたくさん貰うからって、これは自意識過剰すぎない?」

引きつった笑みを浮かべながら、寮の玄関で瑞穂がまりやに言う。

「なぁに言ってんのよ。 それでも足りないぐらいかもよ」

瑞穂の背中を軽く叩きながら、まりやは言う。

「そうね……でも、私こそこれは持ちすぎじゃないかしら……」

「恭伽お姉ちゃんも足りないと思うよ、私は……」

恭伽の言葉に、小鳥が苦笑しながら言う。

今瑞穂と恭伽の手にはいくつもの紙袋があった。

大き目の紙袋の中に、幾つかの紙袋を折りたたんで入れているのである。

「何だか納得はできないのだけれど……行ってきます」

「行ってきます」

瑞穂と恭伽はそう言って寮を出て行った。

「さぁて、私達も用意していこっか」

それを見送ったまりや達は、少し後から寮を出た。

 

 

 

「ねぇ瑞穂さん」

「なんですか、恭伽……」

「あのっ、お姉様方っ!!」

瑞穂が恭伽に尋ね返そうとした瞬間、二人の前に一人の女子生徒が現れる。

「こここここ、これをっ!!」

かなりどもりながらも、その女子生徒は二人に薔薇を渡して何処かへと走り去っていってしまった。

「あは、あはははははは……」

「…………」

瑞穂は乾いた笑いをして、恭伽にいたってはどう反応していいのか迷っていた。

「まさか、寮を出て数歩で貰うなんてね……」

「そうね……」

二人して苦笑いを浮かべ、薔薇を持って来た紙袋に入れる。

「ところで、さっきは何を……」

「お姉様方っ!!」

そして再び、瑞穂が恭伽に尋ねようとした瞬間、女子生徒が現れる。

「お慕いしておりますっ!!」

そう言って、またもや二人に薔薇を渡し何処かへと立ち去って行ってしまった。

「もしかして……学校に着くまで……?」

「続きそうですね……」

もはや二人の表情は引き攣っていた。

乾いた笑みが、止まらないのだ。

 

 

 

「はぁ、学校に来るのに随分と時間がかかってしまいましたね」

少し疲れた風に、瑞穂が言う。

恭伽と瑞穂、今は学校の玄関まで来ていた。

その間に、何十と言う薔薇を受け取っている。

もうすでに、袋が一つ一杯になっているのである。

「瑞穂さんは判りますけど、何故私もこんなに……」

自分自身の魅力に全く気付いていない恭伽は、首をかしげながら下駄箱に手をかける。

ちなみに、偶然その恭伽の仕草を見た一人の女子生徒は「恭伽お姉様……」とつぶやいて倒れた。

「恭伽さんは、十分魅力的ですからね」

少し笑って、瑞穂も自分の下駄箱に手をかける。

そして、二人が一緒に下駄箱を開けると……

 

ドサドサドサドサ

 

大量の薔薇が、下駄箱から溢れ出てくる。

「あぁぁぁぁぁ……」

「…………はぁ」

朝早くから、恵泉女学園全生徒のお姉様、エルダーシスターの宮小路瑞穂と。

つい最近転入してきて瞬く間に有名になり、エルダープリンス(全ての妹の王子様)という二つ名を与えられた不破恭伽。

その二人のなんともいえない声が、学校の玄関から聞こえてきた。

 

 

 

「あら、瑞穂さんに恭伽さん…随分とお疲れのようですわね」

二人が下駄箱の中の薔薇を袋に入れて教室にやってくると、入り口に二人とはかなり仲のいい前エルダーの十条紫苑が立っていた。

「紫苑さん、おはようございます」

「どうかしたんですか?」

瑞穂が挨拶をして、恭伽が何故紫苑が入り口で立っているかを尋ねる。

「うふふふ、教室を見れば判りますわ」

意味深な笑みを浮かべながら答える紫苑。

二人は首を傾げつつ、教室の中を覗いて見ると……

「「………………」」

もはや驚き疲れたといったところか。

二人は無言で、自分の机の“あった”場所を見た。

そこは、数十、もしかすると百数十という膨大な薔薇が積み重なっていた。

「あっ、瑞穂さんに恭伽さん。 おはようございます」

そこに、笑みを浮かべた美智子と、どこか同情的な視線を向ける圭がやってくる。

「おっ、おはよう……美智子さん、圭さん……」

かなり疲れた顔をして、瑞穂は挨拶を返す。

「凄い量ね…」

恭伽の肩に手を置いて、圭は言う。

「渡す相手を間違えたとかじゃ……」

「ないわよ」

恭伽の言葉を否定する圭の言葉に、恭伽は肩を落とす。

そこで恭伽は、圭の胸ポケットに挿してある一輪の薔薇を見つける。

「圭さん、その薔薇は?」

「あぁ、これは美智子から……」

どこは気恥ずかしげに、圭は言う。

その圭の後ろでは、同じように胸ポケットに一輪の薔薇を挿した美智子が笑顔を浮かべていた。

「ちなみに、胸ポケットに薔薇を挿すと、それは大事な人からの本命の薔薇って意味なんですよ」

「へぇ……お似合いね、お二人とも」

心から、恭伽は圭と美智子に言う。

恭伽はあまり、女同士だろうが、男同士だろうがそういうのを差別することはない。

好きな人同士なら、性別は関係ないと考えているのだ。

その恭伽の言葉を聞いて、嬉しそうに表情を綻ばせる美智子と、少し俯いて顔を赤くしている圭。

何とも微笑ましくて、恭伽は小さく笑った。

そして、瑞穂の方を見ると……

「しっ、紫苑さん……」

「あらあら、動かないでくさいね、瑞穂さん」

紫苑に髪を遊ばれながら、胸ポケットに薔薇を一輪挿されていた。

瑞穂もたいして嫌がってないようだが……周りから見ればかなり扇情的な光景だ。

エルダーの瑞穂と、前エルダーの紫苑が見ようによっては抱き合ったりしているのだ。

一般生徒には刺激が強すぎるみたいで、何人かが虚空を見てにやけたり、呆けていたりした。

「相変わらず仲がいいですね、瑞穂さんと紫苑様」

「あれは仲がいいというのかしらね……」

始終笑顔の美智子と、無表情な圭。

その後ろで、恭伽は自分の机の発掘作業に入っていた。

 

 

 

なんでも、あの机を埋めていた薔薇の中に、クラスの人達のも入っていたようだ。

だからか、休み時間のたびに瑞穂と恭伽は薔薇を貰っていた。

瑞穂の胸ポケットにはすでに紫苑から貰った薔薇が挿してある。

無理やり挿されたと言う見方もあるが、瑞穂も満更ではない様である。

だが、恭伽の胸ポケットにはいまだ薔薇はささっていない。

それを知った生徒達は、どうにか恭伽の胸ポケットに自分の薔薇を挿してもらおうと薔薇を手渡しに来る。

恭伽としては、その胸ポケットに挿す薔薇がどんな意味を持つかを朝美智子と圭に聞いていたので、相手はすでに決まっていた。

そして、その相手の小鳥も、その意味を聞いていたのか胸ポケットにはまだ薔薇はささっていない。

小鳥の方は、先輩からの薔薇のプレゼントが大量だった。

小鳥も何枚か紙袋を用意していたのだが、昼休みが終わる頃には一杯になっていた。

瑞穂と恭伽は2時間目の終了で持って来ていた袋を全て使い果たしたが……

5枚の紙袋が、薔薇で一杯に詰まっていた。

その薔薇の入った袋は、教室の後ろにおいてあるが……

「薔薇の匂い……凄いですね」

放課後、恭伽が隣の席の瑞穂に言う。

「えぇ、何しろ百単位ですからね」

ちょっと苦笑しながら、瑞穂は答える。

二人の後ろからは、結構な薔薇の匂いが漂っていた。

「これ、どうやって持って帰ります?」

物理的に、全てを一人で寮に持ち帰るには無理がある。

必然的に、誰かの手を借りねばならないのだが……

「まりやと由佳里ちゃんは部活だし……奏ちゃんは、先に帰っちゃってるわね」

唇に指を当てて、瑞穂は言う。

「小鳥は、まだいるかしら……」

そう考えて、恭伽は小鳥の教室へ行こうか悩む。

「恭伽お姉ちゃ〜〜ん」

と、そこにちょうど小鳥がやってきた。

「小鳥? どうかした…の………?」

恭伽が小鳥の方を向くと……

小鳥の両手には大量に薔薇の入った袋が……3つ。

「小鳥ちゃんも、ずいぶんと貰ったようね」

苦笑しながら、瑞穂が小鳥に向かって言う。

「そうなんです、ちょっと持ちきれそうにないから恭伽お姉ちゃんに少し持って貰おうかなって思ってきたんですけど……」

小鳥はそう言って、瑞穂と恭伽の後ろにある大量の薔薇を見る。

「恭伽お姉ちゃん達の方が、手伝ってほしいみたいですね」

苦笑しつつ、小鳥は持っていた薔薇の袋を床に置く。

「あっ、そうだ」

何か思い出したのか、小鳥は自分の鞄の中に手を入れて何かを取り出そうとする。

「恭伽お姉ちゃん、これ」

そう言って小鳥が恭伽に差し出したのは、赤い薔薇。

「ありがとう、小鳥……私からも」

小鳥からの薔薇を受け取り、恭伽は自分もかばんから赤い薔薇を取り出し、小鳥の胸ポケットに挿してあげる。

そして、自分も小鳥からの薔薇を胸ポケットに挿す。

「良かったわ、小鳥も胸に指す薔薇の事を誰かから聞いていて」

どこかホッとしたように、恭伽は言う。

「朝ね、寮を出てから由佳里ちゃんと奏ちゃんが教えてくれたの」

苦笑しながら、小鳥は朝の様子を説明した。

「うふふふ、小鳥……似合っているわよ」

微笑みながら恭伽はそう言って、小鳥の髪を撫でる。

梳くように、優しく髪を撫でていく。

「恭伽お姉ちゃん、ちょっとくすぐったいよ」

そう言いつつも、どこか嬉しそうにされる小鳥。

「あの、二人とも……私の事、忘れてない?」

苦笑しつつ、瑞穂は二人にそう言う。

「あっ、ごめんなさいね、瑞穂さん」

少々顔を赤くして、恭伽は瑞穂に謝る。

「でも、本当にどうしましょうか……これ」

困ったような笑みを浮かべて、瑞穂は薔薇の山を見る。

小鳥の持ってきた袋を合わせて、13袋分。

いくら瑞穂が男で、恭伽が元男でも、この量はかなり厳しい。

3人がどうしようか悩んでいると……

「あら……お姉様に、恭伽さん、小鳥さん?」

「あっ、貴子さん」

入り口に、生徒会書記の君枝と一緒に、生徒会長の貴子が立っていた。

「どうかしましたか?」

教室の中に入ってきて、貴子は瑞穂達に尋ねる。

「えぇ、この沢山の薔薇をどうしようかと思いまして」

それに、恭伽が答える。

「これは……凄い量ですね」

驚きながら、君枝が言う。

「私と恭伽さんが5袋、小鳥ちゃんのが3袋です」

内わけを聞いて、君枝はまたしても驚く。

「でも、お姉様……これだけ大量の薔薇を持ち帰ってどうするおつもりですか?」

「そうですね、活けるにしてもこれはちょっと多すぎますし……」

貴子の言葉に続いて、君枝も言う。

何百とある薔薇だ、花瓶に挿しても花瓶がまず足りない。

それに、これだけ大量に持って帰ると寮内が薔薇の匂いで一杯になってしまうだろう。

「だからと言って、捨ててしまうわけにもいかないし……」

沢山の生徒達の思いが篭っているのだ、無碍に扱う事はできない。

「でしたら、学園の園芸室に寄贈されてはいかがでしょうか?」

「園芸室?」

君枝の言葉に、不思議そうに聞き返す恭伽。

「はい、確か園芸部が薔薇の栽培をやっていると聞いた覚えがあります」

その言葉を聞いて、恭伽と瑞穂は顔を見合わせる。

「じゃあ、そうしましょうか」

「そうですね、そこにこの薔薇を寄贈しましょう……送ってくださった方たちには、申し訳ないですけどね」

本当に申し訳なさそうに、二人はそう言う。

それから大量の薔薇を残っていた生徒会役員にも手伝ってもらって、園芸部へと寄贈した。

 

 

 

「今日は疲れたわ……色々と」

寮の自室のベッドに腰掛けて、恭伽は溜息混じりに言う。

「お疲れ様、恭くん」

その恭伽の隣に座って、小鳥が恭伽に言う。

「小鳥こそ、今日は疲れたんじゃないの?」

小鳥が貰っていた薔薇の量を思い出し、恭伽は尋ねる。

「ちょっとね……でも、一番欲しかった恭くんから貰えたから、疲れなんて何処かへ行っちゃったよ」

嬉しそうにはにかんで、小鳥は恭伽に言う。

「私も、小鳥からもらえて嬉しいわ」

そう言って、恭伽は小鳥の頭を撫でる。

恭伽と小鳥、二人が渡しあった薔薇は、部屋の花瓶に2本揃って活けられている。

しかし、もはや行動の殆どが女性らしくなってきた恭伽。

小鳥も、もうこのままでも良いかも、と最近思ってきているぐらいだ。

だが、恭伽は中世的な女性というか、下級生から見れば王子様のような女生徒なのだ。

だからこそ、エルダープリンスと言う二つ名を与えられているのだが……

もちろん、このエルダープリンスと言う二つ名は生徒達が自主的に恭伽の事をそう呼んでいるだけである。

そんな恭伽を慕う生徒は多い。

噂ではあの生徒会長の貴子も恭伽に気があるといわれている。

まぁ、実際半分ぐらい事実なのだが……

だからか、小鳥は不安になることもある。

小鳥から見ても綺麗だと思える貴子や、他の生徒達。

もし、恭伽が自分よりそっちの女性を選んでしまったら……

そう思うと怖くなって、泣き出しそうになる。

でも、恭伽は小鳥にハッキリと言っていた。

自分は、小鳥と一緒にいることを。

恭伽…恭也にとって浮気は論外の行動である。

そんな腐った考え、とまで思っているぐらいだ。

だから、好きになった人には全霊を尽くす。

それが、相手に対する最大限の礼儀だとも思っている。

そのことを聞いて、小鳥は泣きながら喜んだ。

嬉しさのあまり泣いてしまい、恭伽は勘違いして慌てたらしいが……

そんなこんなで、二人は今を過ごしている。

「そろそろ、夕食の時間ね」

「そうだね」

恭伽の言葉に頷き、小鳥と恭伽は立ち上がる。

そして二人は仲良く食堂へと歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


あとがき

 

 

久しぶりのお姉様達〜〜〜

フィーア「本当に久しぶりね」

まぁ、元々遅い更新ものだしね。

フィーア「今回はわりとほのぼのね」

うん、ARIAって言う漫画のポッコロの日をモデルにしてるから、そんな感じにしようと思って。

フィーア「にしても、もうずっと恭伽のままでいいんじゃない?」

う〜ん、これ見てると自分でもそう思えてくるよ……

フィーア「しかもエルダープリンスって……」

まぁ読んで字の如く、瑞穂のエルダーシスターみたいな称号をなんかつけたくってさ。

フィーア「でも、安直すぎ」

うぅぅ、気にしてるんだから言わないでくれよぅ。

フィーア「でも、最近彼女たちの流儀のSSばっかり書いてたから、結構甘め?」

まぁ、向こうはあんまり需要ないからなぁ……このSSも浩さんがオトボクを勢いで書きまくってたからこっちもそれに便乗って形だし。

フィーア「それに、堕ち鴉のほうがまだ需要あるんじゃない?」

そっちはまだ30%ほどしか書けてないんだよねぇ。

フィーア「吸血鬼達は?」

最新話が90%ってとこかな。

フィーア「じゃあ早く全部書きなさい」

いや、ね、ちょっとぐらい待とうよ……ね?

フィーア「可愛く言っても駄目だって言ったでしょうがぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

ぎゃぁぁぁぁぁぁっ!!!

フィーア「やれやれ……ではでは〜〜〜」





いやいや、流石はエルダーと恭伽。
美姫 「小鳥もね」
うんうん。まさに薔薇づくしだな。
美姫 「もの凄い人気だわ」
ポッコロの日か〜。
美姫 「面白い行事よね」
流石はアハトさん。目の付け所が。
美姫 「アンタには真似出来ないわね」
ぐっ。え、えっと、次回はどんなお話になるのかな。
美姫 「それも楽しみだわ」
次回も待ってます。
美姫 「それじゃ〜ね〜」



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