注) これは、私作【乙女はお姉様達に恋してる】を基本にしたルートです。

   ですが、本編とは違い恭也は小鳥とは付き合っておりません。

   恭伽が男だと言う事は瑞穂とまりや以外は知りません。

   多少なりとも性格などが変わっていますので、そこのところはご了承ください。

   では、どうぞ……

 

 

 

 

 

 

 

1、盆栽を見に行く

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ、やはり盆栽か」

掲示板の園芸コーナー辺りを見て、恭也はそう呟く。

(暫く盆栽の世話も出来なかったからな……鍛錬も出来ないし、その間に色々とやるか)

そう思い、恭也が歩き出そうとした瞬間……

「あれ、もしかして恭也?」

後ろから、声をかけられる。

その声に反応して、恭也は後ろに振り返る。

そこには……

「瑞穂、それにまりやさん」

私服を着た瑞穂と、まりやの二人が立っていた。

「久しぶりじゃない、元気してた?」

笑いながら、まりやが恭也に尋ねる。

「えぇ、まぁ」

そんなまりやに苦笑しながら恭也は答える。

「それよりも、瑞穂とまりやさんこそどうしたんですか?」

「えぇ、みんなで買い物に行こうって話になって」

「ここで待ち合わせしてるってわけ」

恭也の質問に、瑞穂とまりやは答える。

「そうなんですか、じゃぁ俺はここら辺で……」

「ちょぉっと待った」

踵を返す恭也の肩を掴み、まりやが恭也を引き止める。

「どうせなら、恭也も一緒にどう?」

そして、恭也を誘うまりや。

「いや、なぜそうなる?」

当然の疑問を、恭也はぶつける。

「いやぁ、恭也が居た方が面白くなりそうだし」

それに対し、まりやは笑いながら答える。

「皆、俺の事はしらんだろうに」

眉間を押さえつつ、恭也は言う。

「だ・か・ら♪」

これ以上ない笑顔で、まりやは恭也の目の前に大きめのバックを見せる。

「恭伽ちゃんになってもらうのよ」

後に瑞穂は語る、あんなに楽しそうなまりやを見たのは生まれて初めてだ、と……

 

 

 

「あっ、お姉さま〜〜」

それから20分ほどして、まりやたちの後輩、由佳里と奏がやってくる。

「あっ、由佳里ちゃん、奏ちゃん」

それに気付いた瑞穂が、二人に声をかける。

「お待たせしてしまって申し訳ないのですよ〜」

「ふふっ、良いのよ奏ちゃん」

申し訳なさそうに謝る奏に、瑞穂は微笑みながら奏の頭を撫でてあげる。

「ところでお姉さま、まりやお姉さまはどちらに?」

辺りを見回し、まりやがいないことに気付いた由佳里が瑞穂に尋ねる。

「えっと……もうそろそろ来ると思うわ」

そんな由佳里に、瑞穂は苦笑しながら答える。

「お待たせ〜〜」

そこに、ちょうどまりやの声が聞こえる。

「まりやお姉さま、遅いで…す……?」

振り返った由佳里が、言葉をなくしかける。

目の前には自分の姉、まりやと……

「お久しぶりね、由佳里ちゃん、奏ちゃん」

「恭伽お姉さまっ!?」

由佳里が、その名前を叫んでその人物に抱きつく。

そう、まりやの隣には女装させられた恭也……今は、不破 恭伽が立っていたのだ。

「恭伽お姉さま、どうしてここに?」

「偶然そこでまりやさんとお会いしてね、一緒に買い物でも、って誘われたのよ」

苦笑しながら、恭伽は由佳里に説明する。

「そうだったんですか」

そんな恭伽に、由佳里は笑顔を浮かべながら言う。

「そうそう、恭伽にはビックニュースがあるのよ」

「なにかしら?」

「なんと、今年のエルダーは奏ちゃんなのよ」

まりやがそう言うと、恭伽は奏のほうを見る。

「は、恥ずかしいのですよ〜〜」

顔をちょっと赤くして、奏が言う。

「でも、奏ちゃんがエルダーなら安心ね」

そんな奏の頭を撫でながら、恭伽は言う。

「さらに奏ちゃんは『白菊の君』なんていわれてるのよ」

そこに、瑞穂が楽しそうに言う。

「それはまた、凄いわね……」

「それに加えて、由佳里は生徒会長になってるんだから」

そんな恭伽に、まりやが言う。

「さらには『琥珀の君』よ?」

「まっ、まりやお姉さま!」

恥ずかしいのか、由佳里は顔を真っ赤にしながらまりやに叫ぶ。

「でも、二人とも楽しそうで何よりだわ」

小さく笑いながら、恭伽は言う。

由佳里も奏も、何となく学生寮にいた頃を思い出していた。

瑞穂がいて、まりやがいて、そして恭伽がいて。

そして自分たちがいて。

だから、今が凄く楽しく感じられる。

「んじゃま、そろそろ行きますか」

「そうね」

まりやの言葉に四人は頷いて、早速デパートの中へと入って行った。

 

 

 

「何でこうなっちゃうのかしら……」

恭伽は、小さく呟く。

自分は確か園芸のコーナーに行くはずだった。

それがどうして……

「恭伽お姉さま、どうですか?」

「えっ、えぇ……似合ってるわよ」

多少顔を引きつらせながら、恭伽は答える。

そして、考える。

何故、女性服のコーナーにいるのかを……

「んもぅ、恭伽ったらさっきからそればっかりじゃない」

先ほどから同じことしか言わない恭伽に、まりやが突っかかる。

「でも、似合ってるのは確かなんだから」

そんなまりやに、瑞穂がやんわりと言う。

「由佳里ちゃん、奏ちゃん、ごめんなさいね……気のきいた言葉が出てこなくて」

申し訳なさそうに、恭伽は二人に言う。

「いえ、恭伽お姉さまと一緒に買い物が出来るだけで嬉しいですから!」

「そうなのですよ〜〜」

由佳里と奏は、顔を少し赤くしながらそう答える。

「やれやれ、皆恭伽の味方なんだから」

ため息をつきつつ、まりやは苦笑しながら言う。

まりやも、恭伽に気のきいた意見を期待して言っているわけではないのだ。

「そうだ、私達が恭伽お姉さまとお姉さまの服を選んでもいいですか!?」

そんな時、由佳里が瑞穂と恭伽の二人に尋ねる。

「えっ……」

そんな由佳里の言葉に、瑞穂が驚く。

「あっ、それいいかもね」

それに、まりやが面白そうに言う。

「ちょ、ちょっとまりや!?」

「いいじゃない、せっかくなんだしさ」

うろたえる瑞穂に、まりやは始終楽しそうに言う。

「恭伽お姉さまはどうですか?」

「私は、別に構わないわよ」

尋ねてくる由佳里に、恭伽は小さく笑ってそう答える。

「ほら、恭伽もこう言ってる事だしね」

まりやがそう言うと、瑞穂の方も降参と言った感じでうなずく。

そして、由佳里と奏が嬉しそうに二人に似合う服を探しに行った。

「でも、恭伽が賛成してくれるとは思わなかったわ」

「そう? 別に減るものではないからいいと思っただけよ」

二人が行ったのを見計らって、まりやが尋ねると、恭伽は苦笑しながら答えた。

「まぁ、それもそうか」

まりやがそう答え、暫く待つと二人が大量の服を持って帰ってきた。

そして、瑞穂と恭伽が着せ替え人形のような状況になったのは言うまでもない……

 

 

 

「あ〜、楽しかったわねぇ」

笑いながら、まりやが言う。

その両手には今日買った服や、色々なものが入った袋が握られている。

「そうね、色々見るものも多かったし」

その隣で、同じように今日買った物が入った袋を持った瑞穂が言う。

「楽しかったね、奏ちゃん」

「そうですね、由佳里ちゃん」

その後ろでは、奏と由佳里が楽しそうに会話をしている。

勿論、その両手には今日買ったものが入った袋を持っている。

「そろそろ、私も行かないといけないわね」

腕時計を見ながら、恭伽が言う。

「あっ、もうそんな時間?」

「えぇ、そろそろ行かないと」

まりやの言葉に、恭伽は頷きながら言う。

「恭伽お姉さま、お帰りですか?」

尋ねてくる由佳里に、恭伽は頷く。

「また今度も、誘ってくれると嬉しいわ」

恭伽はそう言って、由佳里と奏の頭を撫でる。

「それじゃぁね」

そう言って、恭伽はデパートの中へと戻って行った。

 

 

ちなみに、恭也は自分の服が女物になっているのに気付いた時には既に遅く。

そのままの格好で桃子達に合流して、散々笑われた事を追記しておく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


あとがき

 

 

まずは皆さん、散々お待たせしました!!

フィーア「この大阿呆ぅっ!!!」

ぶべらぁぁぁぁっ!!

フィーア「あんた、受付が終わってからもう一ヶ月たってるのよ!!?」

うぅぅ、病人に酷いじゃないか……

フィーア「う・る・さ・い!!」

げふほっ!!

フィーア「全くこの馬鹿は、途中で腸炎なんかで入院しちゃって」

仕方ないじゃないか、あれは急に起こったんだから。

フィーア「救急車で運ばれて、あれよあれよで入院だものねぇ」

普段から君や美姫様がボクや浩さんを酷い目に合わせるから。

フィーア「あら、手が滑ったわ」

ぶぐふっ!!

フィーア「あんた、散々待たせておいて短いけど、どうなのよ?」

うぅぅ、申し訳ございません。

フィーア「改正させたりもしますので、今はこれで勘弁してあげてください」

ではでは。





う、うぅぅ。酷い。退院したばかりなのに。
美姫 「まあ、また病院送りにならなかったということは、フィーアもちゃんと手加減してるって事よ」
ひ、酷い(涙)
美姫 「という訳で、アンケートの結果は1番だったみたいね」
だね〜。乙女ルート。
まさか、再び女装させられるとは。
美姫 「今度は、女性になったんじゃなくて女装だものね」
あ、あははは。mああ、奏と由佳里は楽しそうだったから救いじゃないかな。
美姫 「かもね。フィーア、お疲れさま〜」
アハトさん、お疲れ様です。そして、…頑張ってください。
美姫 「それじゃあ、まったね〜」
ではでは。



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