『フェイトにメイド服を着せてみよう(邪笑』




前回の続きになるのかな?フェイトと恭也とリンディの三人が医療へ
そんな感じです……まぁ、治療の所なので、意外と簡単に流した感じで書きます




「はい、承りました」

 医療事務担当が恭也の病状を聞いて、どうするかを書いていく。カルテみたいなものだ
 そして、それらはすぐに医療担当に渡る……

「体の傷は残しておいて良いのですね?」
「ええ。すみませんが」
「いえいえ。でも、ちょっと照れてしまいますね」

 医療事務の女性職員は恭也の膝を見せてもらい、さらに書き込みながら照れている。
 理由は簡単だ……ズボンを脱いでるから。一応隠してるが
 フェイトとリンディも少し顔が赤い……フェイトの方は真っ赤だ

『あなた以外の人の見るのは、今日が始めてだわ。あなた以上みたいよ』(何が! リンディさん!!)
『はぅ……』

 医療事務担当が少々顔を赤くしながらも仕事をこなし、何とか医療手続きも終了する

「えと、簡単に此処の説明をしますね……一応、病院内は移動可能ですけど、あまりご無理なさったら駄目です」
「ええ」

 一応は知ってるが、しかし暇になるだろう

「それと、私が外出許可とか貰いますから、言ってください。一応私なら信頼されてるだろうし」

 管理局執務官というのは、それくらいのことは出来る。そういうことで言ったのだ

「分かりました。それで、俺は此処で寝てたら良いのですか?」
「いえ、多分医療機器を持ってきて、一月かかりきりみたいになるんだと思います。寝て治るほうなら良いのですけど」

 フェイトが少し困った顔をしながら言う。魔力が戻るとかなら、また別
 でも、今回の場合は純粋な治療が必要になる。寝るだけじゃなく、回復も必要になるのだ

「手続きとお金の問題は気にしなくて良いから。今回は純粋にうちの責任だしね」
「えと、ありがとうございます。本来なら歩けるまででも十分だったのですけど」
「ごめんなさいね。中途半端には治せないわ」
「いえ、治るだけでも嬉しいです」

 リンディが伝える言葉に恭也も頷きながら返す

「それじゃあ、フェイト。早めに帰ってくるのよ」
「はい……あ、義母さん」
「何?」
「ありがとう」
「良いのよ。それに、楽しい出来事と嬉しい出来事が起きたのだから」

 フェイトは、リンディの言葉に首を傾げつつも頷く。たまによく分からないことを言うって事だ
 そして、恭也は恭也で、一人どうするか考えていた

「フェイトさん」
「はい?」
「此処は暇になるな」
「えと、一応、動けない人用の遊びとかもあるんです」
「そうなのか?」
「はい。一応ですけど、庭園と川みたいなのを」

 なんでこんな大きなのだろうか?

「その、此処の病院は本当に治療目的なんで、あまり暇になると動きたいという人が少なくはないですから」
「なるほど。それで、多少の余裕を持たせるためってことか」
「はい。一応つりとか出来る人には貸し出してますし、一緒にしませんか?私はしたことありませんけど」
「それじゃあ、楽しみにさせてもらおう」

 そして、恭也の入院は滞りなく終わった。



 数日後、フェイトは病院内である噂を聞いた。恭也がもててるという事だった。
 ロリコン疑惑も出ているが、それはもみ消してもらった。自分の責任でもあるわけだし。
 ただ、恭也が微笑ましそうにフェイトを見たりするからだろうという裏づけがあったからだ。

「で、今日も悪いな」
「一日中横になってる辛さ知ってますから」

 病気のとき暇だったのだ。後で皆がお見舞いに来てくれたのは嬉しかったが
 やはり、それなら毎日来てくれるほうがもっと嬉しい。家族はありがたいものだ
 ただ、管理局へと家族は連れて行けない
 というわけで、フェイトが毎日恭也のところに来て、遊ぶのだ。
 どちらかといえば、フェイトが甘えてるとも言えるのだが、それは本人は気づいて無い

「しかし、そんな頻繁に来なくてもいいんだぞ」
「……あの、恭也さんには失礼かもしれないんですけど」
「ああ」
「私は、特殊な生まれからお父さんが居ないんです」
「ああ」

 そういうことかと、恭也は納得する。兄が出来たとしても、父親が居ない。
 それはフェイトから聞いてるし、フェイトが自分を見つめる中に何かが含まれている。
 その意味は、簡単だ。親愛の情……それ一つというわけじゃないが、間違いないだろう。それが含まれてると
 それ以上にも含まれていると、恭也は全然気づいてないのだが

「たまにはゆっくりしよう。俺もそんな毎日連れ出してもらっておいてなんだがな」
「いえ。あの」
「ほら」

 フェイトはいつの間にか頭を撫でられていた。いつも水を替えたり、散歩に連れて行ったり
 ぼーっと空を見ていたりすると、何時のまにか頭を撫でられている。反応でき無い。でも……気持ちがいい

「ありがとうございます」
「嫌がるかと思ったが、意外と受け入れてるみたいだからな」
「ほっとするんです。恭也さんの手、大きいし温かいから」
「……そうか」

 少し考え込んだ恭也だったが、フェイトの言葉が純粋に嬉しかったので、そのまま伝える
 フェイトも微笑んで返す。のんびりした空気が流れる。
 そして、フェイトは時間が空いたら、恭也のところへと行くのだった
 思いは伝えられなくても、今一緒に居たいという思いは、変わらないから……






つづく







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