とらいあんぐるハート×魔法少女リリカルなのは








魔法少女リリカルなのは〜守りたいものありますか?〜

第六話 見えない絆










 アルフという犬型使い魔が姿を消した……というのも、フェイトが鞭で叩かれるのを見て
 怒りを覚えたから……周囲の母を見て、あの人が可笑しいと気づいたから
 プレシア・テスタロッサ、その人が
 でも、母と慕っているフェイトを考え、止めていた行い
 急に出てきた、恭也という青年にも諭されてしまっていた
 だからこそ、プレシアへと攻撃しようとして、攻撃され、思いっきりダメージを喰らい
 アリサの家に保護されることとなった……フェイトはアルフが居ないことにショックを受けた
 勿論、家に帰ったら居るとも考えていたが、居なかった
 プレシアからは『あんな駄犬忘れなさい』などと酷い言葉を投げかけられた

「恭也さんに会いたい」

 何故か出た言葉が、母親じゃなく、恭也へと会いたいと思ったことだった
 アルフとも会いたいのだが、アルフは帰ってきてくれると思っているから






 さて、その頃なのはは色々と説明を受けていた
 アースラで事件のあらましなどの説明を受けていく
 そして、家に戻り、これからのことを考えていく……恭也も普段どおりの生活
 自分が監視されてるとは考えない
 何時もの日常……そんな平和な家庭
 恭也は考えていた。『フェイトは温かさ必要なのだろう』と
 恭也は誘わた。なのはにアリサの家に行かないかと
 送ってほしいと

「仕方ないな」

 その言葉だけでしっかりと付いていく恭也
 なのはと恭也はアリサの家に行くと、アリサが出迎える
 一匹犬が怪我をしていたので、家に居るが見る事となる
 その時、ユーノとなのはと恭也に驚きが走る
 そして、アルフにも……

『どういうことだい!? 恭也とこの子が、兄妹!!』

 そのこと事態に驚いてるアルフ
 そして、アリサに呼ばれて、なのはと恭也は檻から離れる
 ユーノが残り、声をかけ、話が続けられる
 だが、その言葉はアルフに届いてない
 アルフ自身が信じられないものを見てしまったから
 恭也となのはの関係である
 ただ、説明を聞いてるうちにプレシアのすることが分かり、アルフも全てを打ち明ける
 フェイトが悪いわけじゃないと……ただ、恭也の事を聞くが、普通だったと話すユーノ

「アリサ、すまないが、この子を連れて行っても良いか?」
「え? 恭也さんの知ってる犬なの?」
「ああ、実は、この子の飼い主を知ってるから連れて行こうと思う」
「でも、怪我してるし」
「ああ、抱っこしていくさ……アルフって名前なんだが良いか?」
「恭也さんなら大丈夫だろうし、恭也さんの知り合いなら良いよ」
「ありがとう」

 恭也は檻からアルフを出し、抱きかかえる
 大きな犬だが、それを背負うようにして、恭也は歩いていく
 なのはとユーノがついて行こうとするが、恭也が止める

「なのは、アリサと約束があるんだろう? なら、一緒に居ないと
 それに俺はこの子のことを早く伝えないといけないから」

 ただ、まだ魔法の方で探知が出来てないから、つけておきたいというのもあるのだが
 先に恭也に動かれてしまい、アースラでも必至に言葉が掛けられてるのだ
 アルフの方は、どうしようか考え込んでいて、恭也に連れて行かれそうという感じを受ける
 フェイトのところへと連れて行ってくれるのはありがたい
 でも、フェイトが捕まってしまうかもしれないのは……だからこそ考える

「でも、お兄ちゃんだって犬を背負ってたりしたら」
「大丈夫だ……その人の家まではそう遠くないし
 何より、そんなこと気にしないさ」
「なら、その前まで送ろうか?」

 アリサの余計(なのはとユーノにとって)な一言により、更に加速する
 何とか、アースラの通信でユーノは手が無いか探る
 自分が付いていくという手もあるが、犬とフェレットでは分が悪すぎる

「恭也さんなら大丈夫だって……なのはまで、お兄さん信じられないの?」
「そうじゃなくて……」
「だったら良いじゃない……そりゃあ、私は寂しいけど、飼い主居る人にはちゃんと返してるもの」
「あぅ」

 確かにそれで、アリサの家から離れるならアリサは寂しいだろう
 いくらすずかが居てもだ……恭也は頭を数度撫でて行ってしまった
 アリサはにこやかに微笑み、なのはとすずかと一緒に遊ぶ
 ただ、ユーノは恭也の頭に飛び乗っていた
 これしか手が無かったから……自分だけしかと

「ユーノが付いて来たな……後で洗うか」

 びくっと震えるユーノ
 まだまだ恭也の手洗いは怖いものであるらしい……全身くまなく洗われるのは嫌なのだろうが
 だが、文句を言えず、なくくらいしか出来ないのだ
 無意識で喜んでいるのだが、それは分からないことだろう

「まぁ、良いか……自動ドアとかドアに挟まっても知らないからな」

 そういって、車をビルの前まで案内し、出て行った
 送って貰ったお礼などを言って、車を見送り、恭也は歩いていく
 ビルの中に入るとインターフォンを押すが、反応が無い
 恭也は鍵を開けて中に入ると、アルフは怪我した体でフェイトに寄り添う
 だが、ユーノもそれに続こうとして、恭也の鋼糸に絡め取られていた

『なっ!!』
「今は感動の再会の途中だ……やぼってものだろ」

 その言葉に、諦めたようだ
 だが、声を掛けなければいけないが、全く無関係なものが居る限り念話しかない

「フェイト、この前の石をもう一つ拾ったのだが」
「あ、ありがとうございます」
「普段ならお土産を買ってきたかったが、アルフを背負いながらは無理だ」
「いえ」

 アルフは恭也に頭を下げる。フェイトもだ
 ユーノには気づいてるが、ばれたと思って飛び立つことも許されない状態だ
 恭也が居るから……それにユーノは恭也の鋼糸により捕まっている
 何故!?
 そんなことをするような人には見えないのに
 アースラのスタッフも驚いてた……恭也が持っていたジュエルシードに
 反応は無かったのに、そこで持っていた人物が居るという事

「ああ、これはフェイトとアルフの再会を邪魔しようとしたから、捕まえたんだ」

 物理的に捕まえられたユーノ……魔法で解くというわけにはいかない
 制限が大きすぎる……魔法でこの場に登場するという方法も取れないし、フェイトも飛ぶということが出来ない
 外に出れば、一気に捕まる可能性があるからだ

『アルフ、どうしよう?』
『ごめん』
『というより、誰か、僕の縛ってるの取って〜〜〜』

 恭也の事がだんだん怖くなるユーノだった
 というよりも、苦手とは違うが、これまた拘束なんて事されてしまったユーノ
 ただ、恭也は小さく撫でて落ち着かせている
 落ち着いてる時点でユーノが心まで動物になっちゃったよ状態なんだが

「あの、離してあげたらどうかな?」
「いや、拘束はといたぞ……何より撫でられて気持ちよさそうなんだが」

 恭也に調教されたユーノ……そういう感じだろう
 というよりも、洗われてる間に気持ちの良いツボみたいなのを発見し
 恭也がそこを念入りに洗ったり押したりしたということだが

『はっ!』

 慌てて飛び降りるユーノ
 そして、何処に行こうかと考えたが、結局恭也の肩に乗る
 良く分かってない恭也はため息をついた

「撫でられるのが嫌だったのかな」
『そういうんじゃないのだけど』

 何とか念話で返すユーノ……恭也には聞こえてない
 恭也には聞こえてないと思い込んでるようだが、丸聞こえだ

『毎日のように洗われてたんだね〜』
『アルフ、分かってくれるかい? 毎日、みんなの前でぶら〜んって乾いたらそうやって
 なのはも助けてくれないし……恥ずかしいし』
『あの、それよりも、管理局が何の用事ですか? しかも、恭也さんまで』

 だが、事はそうは問屋が許さなかった
 恭也自身はのんびりとしていて、紅茶などを準備していく

「ユーノはミルク大丈夫だったかな」

 そういいつつも、お皿二つ準備して、ドッグフードとミルクを入れてまずアルフに
 そして、すぐにユーノの分も入れていく……そして、紅茶をフェイトと自分へと渡して椅子に座る

『さすがに管理局が動いてきて、それで、ロストロギア事件で、君は立件されてる
 どういう経緯であれ、執務官の動きを邪魔したりしたら、それはそれで
 何より急に消えるロストロギア、ジュエルシードなんて聞いてないからね
 何か知らないかを調べてるということだよ』
『私だって知りません……こちらだって集めて母さんに渡してるだけです』
『そのお母さんの名前は?』
『プレシア・テスタロッサ』

 そして、徐々に判明されていくこと
 恭也は手料理を作っていく……フェイトがお腹すいてるだろうと考えてだ

「恭也さん、手伝います」
「ああ、それじゃあ、卵を割ってくれるか?」

 何もしないのが悪いと思い、すぐさま恭也の横へと並んで料理を作り始める
 根は良い子なのだ……ただ、知らないだけ
 恭也はそんなフェイトにお礼を言って、作っていく

「フェイトは傷、大丈夫なのか? 鞭で叩かれた跡があったし
 誰にされたかは知らないけど、敵対してるところからじゃないみたいだったしな」
「その、お母さんが罰って……私、駄目な娘だからって」
「そうか……悪い事を聞いてすまない」

 恭也の言葉にフェイトははっとして顔をあげた
 優しい手がフェイトの頭を撫でる
 その言葉に遺憾を覚えたのは、クロノたちアースラに居るものたちだった
 そして、勿論、中継して聞いているなのはも遺憾を覚えていた
 母親なのに、と

『でも、私のお母さんですから』
『だが、ジュエルシードを集めることは悪いことだし、それが危険であるというのも分かってるはずだ』
『私は何に使用するのか知りませんから』

 フェイトの言葉にアースラの面々は面食らう
 ただ、恭也にも聞こえてることだった
 そして、料理が出揃い、食べ始める
 小さなパンをちぎり恭也は食べやすい大きさにするとユーノに渡す
 ユーノは器用に手で受け取り食べる

「慣れてるのですね」
「なのはが何時もしていたからな……ああ、妹のことだ
 これは一応うちのペットになるのかな? ユーノというフェレットっていきものだ」
「フェレットですか」

 そして、今日起こったことなどを少しずつ話していく
 魔法の事に触れても、恭也はそんなことが出来るのかぁ程度にしか捕らえてない
 そのことに驚くのはアースラの者たちとユーノだ

「なのはも魔法使いだと」
「私たちの間では、魔導師というのですけど」
「そうか、なのはが」

 恭也は考えているようだ……そして、フェイトは一種の賭けだった
 もしも、恭也が敵対したり、離れたりするなら……恭也を人質に取る
 だが、恭也は更に違う答えを出した

「なのはが選ぶ事だな。俺が何か言ってもなのはは俺にとって妹で変わらない
 父さんや母さんには言わなければならないかもしれないが、父さんも母さんも
 なのはが選ぶことをすぐさま否定はしないだろう」
「すぐに私を捉えようとしないのですか?」
「フェイトが悪い子なら考えたかもしれないが、フェイトが良い子なのは分かっている
 小さな命を救うことに一生懸命な女の子だと
 なのはと似ているくらいにはな」

 その言葉にアースラの面々も恭也という人柄が大きい事に気づく
 だが、リンディはクロノに命令を下した

『クロノ、すぐさま突入出来るようにしておいて……捕まえる人は高町恭也』
『艦長!!?』

 エイミィが声を上げるが、クロノは出て行く
 何か考えがあってだろうと考え、更にフェイトは杖に手を伸ばす
 もしも恭也を襲うならと考えたのだろう
 勿論、その言葉は恭也にも聞こえてるのだから、恭也も考えていく
 戦闘シーンを思い返し

『何で、高町恭也さんを捕まえるのですか?』
『勘違いであってほしいのだけど、勘違いじゃなかったら
 事は、もっと大きいものになるから』

 エイミィとリンディの会話が届く中、ユーノはどうするか聞いている
 そして、アルフとフェイトは恭也を守ろうと考える
 元よりそのつもりなのだ……恭也が連れてきていても
 もし敵対するならと考えた。でも、そうじゃないなら……

『アルフ』
『ああ、勿論。恩を仇で返すなんて出来ないしね』
『うん、相手は手ごわいけどね』
『ああ』

 お互いにクロノには煮え湯を飲まされてる
 だから辛いとも分かってる
 フェイトはそれでも恭也を守りたいと思ったのだ

「じゃあ、フェイトさん、アルフ、無理しないようにな……俺はちょっと用事があるから帰るよ」
「え!」

 そのことに驚いたのはフェイトとアルフだ
 此処から離れれば、自分たちですら手を出せないかもしれないから
 そして、恭也は歩いていく
 クロノが出る先はビルの屋上に出た
 恭也は急に現れた気配に気づく
 だが、気にしないで歩いていく……

「また、来るから」
「あ、はい」

 小さな笑顔にフェイトは顔が赤くなり、ことを見送るしか出来なくなった
 そして、ユーノもついていこうとしてあわやドアにはさまれるところであったが恭也が気づいて止めた
 そのまま歩き出して、屋上へと向かう
 クロノは驚いていた

「装備があまり手元に無いが、まぁ、おとなしく捕まるようなことはしない」

 恭也は屋上の扉を開ける
 そこに居るのは、黒いコートに身を包んだクロノ・ハラオウン

「気づいていたのですね」
「さぁ、どうだろうな? だが、呼ばれた気がしたから」
「……フェイト・テスタロッサの場所も貴方は知っていた」
「俺はただ呼ばれただけだ」

 構えるクロノ……その前に立つ恭也は無手な上に何も持ってない
 だが、油断無く構える……なのはから対応策は聞こえない
 ただ、油断したら負けるといわれた
 それがどういうことか分からない……魔法を使える自分たちが、ただの一般人に負けるという事は無いと
 だが、恭也はそれすらも自分の味方として戦う
 恭也はすぐさま、翻すと階段を一気に駆け下りる
 そして廊下に出る……結界に覆われたビルの一角

「くそっ」

 クロノは判断を誤ったと瞬時に悟る……非殺傷設定にしていても、衝撃はビルを通る
 そして、もしもビルが倒壊して押しつぶされたら、なのはが怒るだろうし
 何より、それでは意味が無いくらいは理解している……リンディが、艦長が捕まえろという命令なのだから
 だからこそ、自らも階段へと飛ぶ
 高速飛翔……
 恭也とクロノの対決が始まった










 つづく








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