とらいあんぐるハート×魔法少女リリカルなのはA's









魔法少女リリカルなのは〜守りたいものありますか?〜A's

第七話 子供たちは











 恭也の前に一冊の魔道書
 魔道書単体が浮かんでいる……恭也が使えるロストロギアの一つ
 夜天の魔道書と対を成す魔道書
 名前を日天の魔道書……世に出る事は無かったロストロギア
 恭也が捕まえたものではないが、それを使える
 ばれなかったら良いかという恭也
 シグナムたちも忙しく動き回り、はやてはのんびりとすごしている
 ユーノが無限書庫に入って、リーゼロッテとリーゼアリアが調べてるとの事を教えてもらっていた
 そして、なのはとフェイトがまた戦っていることも
 日天の魔道書は、夜天の魔道書と似た性質を持つことから鏡と同じだ
 何かが夜天の魔道書に起きれば分かる代物でもある

「また戦ってるんだな」

 戦闘があるよ〜くらいには理解してるのだ
 恭也は夜の鍛錬の間、探知魔法に引っかからないように注意しながら探索していく
 だからといってフェイトやなのはを助けるようなことは絶対にしない
 したとしてもためにならないし、今は神風が居ないので助けに入ったらバレる
 わざわざ小さくなってまでの意味が無くなる

「乖離剣、日天の魔道書……やれやれだな」

 小さくため息をついて、小太刀を持つ
 魔道書と乖離剣は消え去る……小太刀を振るって、今を守りたいと
 はやては遅かれ早かれ全てに気づく
 いや、気づかされるだろう
 全てを引き換えに……管理局の狙い、いや、多分、誰か個人の狙いが分かってきたのだ
 だからこそ、恭也はどうするか考える
 大体の予測が立つからこそ
 かといって、それを誰かに言う事すら叶わないと分かりつつも
 今、守れる命を守ろう






 なのはがヴィータと戦って、戻ってきた
 逃げられたことに悔しさはある……だが、また次に次にと考えていく
 次こそは捕まえる……そして話を聞くのだ
 だが、その後、数日してフェイトのリンカーコアから魔力が引き抜かれた事を聞く
 そのことになのはは動揺した……フェイトちゃんも同じ目に
 どうしてという言葉が浮かぶが、それをどうにもできないことだった
 何より誰かが助けにいければよかったが出来なかった……
 寝てるフェイトに近づいてなのはは謝る……助けにいけなかったことに
 そして、怒りを覚える……仮面の男が出てこなかったらと
 フェイトが起きたとき、ちかくに居たのはリンディだった
 辛そうだったからという言葉にフェイトは頷く
 ユーノが調べ、色々と事の真相が明らかになっていく
 闇の書の全てと言うわけではないが、暴走するということと破壊にしか使われたことが無い
 それは分かっていたが、裏背景も出てきている
 ユーノの能力が凄いとも取れるだろう
 幸いにしてアースラも復旧して仮面の男の画像データも取れた
 まぁ、元より犠牲が大きかったとも取れるが、そのために恭也も呼ばれていた
 戦闘を経験したものにとっての意見も聞きたいというのが本音だ
 一撃と油断でやられたクロノは論外だとか言うことなかれ……会議も頻繁かしている

「ん〜」
「恭也さん、何か分かったの?」

 恭也がうめいてる様子をリンディから何かを期待した瞳

「何かというより、変身魔法と強化魔法をかけてるんですよね」
「ええ」
「二人居ますよ」
「一人じゃなく、二人の男だと?」
「ええ、まぁ、ロストロギアなんかの世界や次元干渉のものがあれば別ですが
 そんな力のロストロギアは大体が凍結か封印されてますからね」
「それじゃあ、あの二人が誰か分かりますか?」
「言って良いのかどうか悩むんですけど」

 恭也の言葉は微妙に言わなくても良いんじゃないかを含む
 だが、恭也は言っても良いかと思っていた
 なのはとフェイトの敵ではないのだが、敵みたいなものだしと色々悩んでるのだ

「まぁ、良いか……クロノの油断をつけたことや癖なんかを知ってないと無理です
 一番油断してるときを早々狙える人は、知り合いの可能性が高いですから」

 恭也の言葉にクロノは考える……そして、候補を絞る
 勿論、リンディも……ただ、この言葉の通り、恭也はクロノの戦闘能力を把握もしている

「猫耳のそっくりさん……それだけで分かるんじゃないですか?
 後、しっぽも生えてますね」

 その言葉でリンディとクロノには分かってしまった……それが誰であるか
 そして、それがどういうことかも
 裏切りとは言えないが、ありえないことではないと言えること
 そして、これまでの言動や行動から導き出される答え

「そんな」

 愕然とするのはまだ早いのかもしれない
 恭也の目はそれ以上を捉える
 リンディは目を閉じる……気づいてはいけないのかもしれない
 闇の書という事件が、自分たちの夫を亡くす事件だったことを
 暴走を止められず、夫は皆を守り死んだという事実

「それくらいですね……大体分かってたんですけど
 殺す気がないことや、相手の蒐集を手伝ってるということは、闇の書を完成させて
 永久凍結とかでしょうか?」
「……そんな事を」

 フェイトが言葉を発する
 だが、恭也はその事に対して、微妙に不機嫌になる

「罪は無いのにな……その闇の書が完成して暴走前は普通の少女であり
 罪を犯した大罪人でもない。だからこそ、それを考えた人がどういうふうに考えてか分からない
 闇の書本体には罪はあるかもしれないが……」
「悪意ある改変を受けてるからこそって事ですね」
「ああ」

 ユーノの言葉に皆消沈する
 何がどうとかじゃなく考える事が山ほどあるから
 何より恭也の言葉は重たすぎる

「俺たちが取る方法は何個かあると思う。ただすることは決まってる
 まず、闇の書の永久凍結には意味が無い……防衛本能と再生機能だけで食い破る
 だからこそ永久凍結は不可能だ……更に封印などしてもしばらく経てば、アホが開けておしまいだ
 それから、闇の書と呼ばれてるのだが、本来は夜天の魔道書
 このことについての質問は後で受けるが、あの少年が持ってる書も似たものだ
 日天の魔道書……能力は似たようだものだと思う
 闇の書の改変部位を戻したら夜天の魔道書となり、かなり優位になるのは確かだが
 それ以上に守ってるヴォルケンリッターの騎士たちも厄介だろう
 それに戻す元が分からないだろうからな」
「恭也さんは分からないのですか?」
「リンディさんが分からないのに俺が分かってても怖いのだが」
「どうして、私なのかしら?」

 にっこり笑顔のリンディは恭也に聞く

「単に魔法に関わってる年数やらを計算に入れての事ですよ」
「そう、分かったわ」

 リンディはそういうがあまり納得してるようには見えない
 雰囲気が変わったリンディに皆、ちょっと引き気味ではある
 恭也は気にしてないようだが

「リンディさんは年齢感じさせないほど綺麗なんですし、良いじゃないですか?」
「……褒めてるのかけなしてるのか考えものね」
「綺麗な人だと俺は思ってますけどね、周囲は知りません」
「そう、ありがとう」
「いえいえ」

 恭也の微笑みがハラオウン家で爆発
 直視したエイミィは真っ赤になり、フェイトも同じく
 なのはは軽く上を向いている。アルフはこれが恭也の微笑みかぁなどと遠い目をしている
 そして、リンディは近くで見たために必至に一人で良いわけじみた言葉を吐いていた

「私には夫が居るのだから、何、年下の男の人に見惚れてるの
 でも、あの笑顔は……いえいえ……しっかりしなさい、リンディ。私には夫が居たのよ
 って、今でも愛してるのよ、そう、うん、きっと」

 無限ループ状態のリンディ
 だが、それを止めるストッパーが居ない
 クロノとユーノは互いに見合わせてため息をついた
 女性たちが多いのだが、それを踏まえて考えて、恭也の笑顔の威力の凄さに驚いているのだ

「それで話を戻して良いですか?」

 一番もっともな意見の恭也に皆、どうにか復帰する
 ティッシュを鼻に当てた部分がちょっと赤くなってるエイミィは頷く
 それでもキーをしっかり叩けるエイミィはしっかり者ではある

「まず、男たちの目的は闇の書の凍結で間違いないでしょう
 で、闇の書が完成したらしばらくは平気だが、その後暴走する
 再生とか云々考えたら、恐ろしいことになるのは間違いないでしょう」
「闇の書と呼ばれるようになった闇の部分か」
「ああ」

 恭也は頷く
 その言葉に皆どうしたら良いか考える
 止めるという方法がもっともなのだが

「止められないかな? どうにかして」
「……無理だろうな」
「え?」
「彼女たちは、自分たちの意思でその魔道書の完成を望んでる
 自分たちの主を目覚めさせるために」
「じゃあ、どうして彼女たちは気づかないんだ!? ザフィーラも」

 そのことに恭也はため息をついた
 クロノの発言に恭也はため息をついた

「何をいまさら……彼女たちが気づいたらプログラムが可笑しいということで
 彼女たちに知らせるわけないじゃないか
 もしそうなら暴走なんて起きない……彼女たちだって集めてはいるが優しい心を持っている
 俺はそう思うし、そう感じてる」
「どうして?」
「殺そうと思えば殺せるのに殺さない
 それはある種、凄いことだと思うけどな」

 恭也の言葉はしみじみとしていたが、事実でもある
 例えばなのはを攻撃したときも殺すつもりでやれば、そんなに時間はかからない
 だが、魔力を集めるということのみを考えてるからこそ、殺すことが出来ないのだ

「じゃあ、止める方法は無いの?」
「無いな……彼女たちより先に止めるのはあの男たちというか、女の人二人だ」

 その言葉に皆、驚きつつもあの唐突に出てくる者たちを何とかしないといけないのかと考える
 クロノの中でも難しいと考えてるのだろう
 まず一つに近接に特化してるが、シールドも生半可じゃない
 何より肉体強化は彼女たちの得意技だったはずだとも

「恭也さんなら、どう戦いますか?」
「……俺の言葉で良いならだが、ヴォルケンリッターの誰かを追い込み、男たちを引きずり出す
 だが、もうページが埋まりかけてる状態だからこそ今は危険だろうがな」

 恭也の目は闇の書を見つめる
 もうページがそろいそう……だからこそ、クロノたちはどうしたら良いか悩まなくてはならない

「何とかして、闇の書の主を起こしてからになるだろう
 後はその主の心次第だ」
「……その人の強さによりけりですか?」
「そうだな」

 恭也はそうもらす
 ヴォルケンリッターの騎士たちは今日も動くだろう
 そして、その次の日、なのはとフェイトはすずかに誘われて一人の少女の病室へと行く
 恭也はすずかから聞いていたので知っていた





 ヴォルケンリッターの騎士となのはとフェイトは邂逅する
 八神はやてと……恭也は人知れずため息をつく
 神風のメインの凪がまだ戻ってこないから

「また、あの格好か……」

 あまり好みの格好ではないらしい
 というより子供の体系というのも嫌なのだろう
 文句は言えない変身ぷりだが








 つづく








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