とらいあんぐるハート×魔法少女リリカルなのはA's









魔法少女リリカルなのは〜守りたいものありますか?〜A's

番外編4 リーゼ姉妹











 恭也はクロノに呼ばれていた……というよりも、一度だけで良いと頼まれてきたのだ
 場所は鍛錬するためにと管理局の場所を借り切る事となった

「本当に手加減無用で良いのか?」
「……勝てるとかじゃなく、今ある力じゃあ足りませんから
 ぼくはまだまだですし、修練はしなければなりませんから」

 強い視線と強い心
 そして、恭也へと向ける視線に含まれる、憧れ

「自分に何が必要なのかは、自分で気づかねばならないですが
 このわがままを聞いていただいてありがたいです」
「そうか……」

 恭也はクロノがどんな思いで此処に着たか、此処で戦うことを選んだか分かった
 あの時、闇の書事件としてなった今、あの事件がきっかけ
 まだ足りないからという思い

「たとえ、魔法を知っていても、純粋な魔力の使い方が僕はなってない
 あの打ち上げる魔法は純粋に魔力を上へとポンプのように動かしただけだ
 普通なら誰だって出来るはず。いや、難しいけど、出来なきゃいけない事だった
 考えたら出来るんだって」

 クロノはぎゅっとデュランダルを握る。自分の中にある考えが
 根底から覆された……バリアがあるなら、バリアを壊せば良い
 だが、壊さずに上へと運ぶことは可能なのだ
 移動させることは容易い
 バリアごとすればいいのだから、物理的だろうがなんだろうが出来るはずだ
 そのための魔法があり、それを根底から考えてなかった

「アルカンシェルを打つことだって、他の考えがあったならそうするべきだった
 なのに、考えが纏まらないって二つ……土壇場の考えが足りない
 確かに力は無いのかもしれないけど、それでも、なのはや皆を守れるだけの
 発想がほしい」

 クロノは恭也を見つめ、そして、突っ込んでいく
 クロノは加速し、バインドを唱えたが消えた事を考え魔法攻撃の効果が無いことが分かる
 そして、すぐさま杖を強化する……持っているのはデュランダル
 氷の魔法の増加を促す杖
 氷の刃となし恭也へと攻撃する
 魔法の刃すら解けるように消えていく
 それを見ながらも突こうとクロノは動く

「自分の得物を考えろ。それに、杖は突くんじゃない……体の全てを武器と思え
 魔力で強化すればそれなりの攻撃手段なんだ」

 それは教師とが言うような、クロノはそれを聞いて、すぐさま飛ぶが遅く
 おなかに恭也の蹴りが入っていた……後ろに飛んで威力を殺したが
 それでも痛みがあるし、何より一時的に吐き気すら覚えていた

「回避はまぁまぁか」

 危険を察知してすぐさま避けて、これじゃあ、本気の恭也の攻撃は無理だ
 何よりクロノの頭では警告が鳴り響いていて、自分がどうしていいか悩む

「良いか。魔法が利かない相手でも魔法は目くらましに使える
 だが、それ以上の効果はないし、大きめの物を浮かべたら誰でも一瞬はびびる
 それにだ……ロストロギアに関わるならバリアの強いのだっているんだ
 発想の転換じゃない……ただ、どうやったら被害が出ないかを考えろ
 今、俺が持つロストロギアを奪うとして最も楽な手はなんだ?
 此処ごと爆砕させることだろう? 圧迫死がもっとも被害が無いだろうな
 捕縛が無理だと思うなら、回りを使え。人は生きてたら立て直せるのだから」

 クロノは頷く。今、もしも恭也が敵対してもしも戦うとしたら
 まず間違いなくクロノは自爆スイッチを押す
 もっともそれが、一番被害の無い方法
 自分ひとりで何とか手助けできる方法

「甘く考えるな……逃げ遅れたものはどうする?
 一人で俺を抑えきるだけの技量が無いからと言って諦めるな
 俺を魔力で閉じ込めれば良い……出来ないとか言う前に試す
 無理なら次の手次の手とやっていく
 たとえ、無理だと思っても……俺は諦めなかったぞ」
「え?」
「俺は、相手が強い者が多かったからな……だから、相手がたとえ強くても
 相手が見下してる限りは相手を叩き落す手くらいはあると考えて戦っていたから
 そうじゃなかったら俺は此処に居ない」
「……だから、戦う時に油断は無いのですね
 ありがとう、ございまし、た」

 クロノはそのまま落ちた……恭也が受け止めると、寝息を立てる
 疲れもあるが、間違いなく恭也の一撃が響いたのだ
 ドアがシューと開く

「こんにちわ、黒衣の剣士さん」
「??」
「ああ、ごめんなさいね、それロッテが貴方の映像を見て、そういい始めちゃって」
「リーゼ姉妹か」
「ええ、私はアリア、こっちがロッテ」

 そういってそれぞれに挨拶を交わす

「クロすけがごめんね……だいぶいじいじしちゃってたみたいだし」
「……自分が弱いとかそんなんじゃないと分かっていても
 常識を覆されれば誰だってそうなる」
「その第一人者が何を言うかなぁ」
「でも、どうして此処に?」

 恭也の問いはもっともだ……リーゼ姉妹はグレアム元提督と共に帰っていったはず
 それなのに居るということはなんらかの理由があるということだ

「一度ね、クロすけにあやまろうって思ってさ」
「こっちに居るって聞いて着てみたら、ボロ雑巾だけど」
「そんな酷いことしてないぞ」
「あはは、冗談ですよ」
「うん」

 頷いて返す二人
 恭也は小さくため息をつく

「恭也さん」
「なんだ?」
「警戒しないのですね……私たちだってそれなりの強さあるのに」
「勝てないと分かってるでしょ
 あなた方は強いですから」

 恭也の言葉に、アリアとロッテは見合わせる
 相手の強さが分かるのも強さの内
 だからこそ、恭也の強さが分かるアリアとロッテは苦笑い

「ほんと、やりにくい相手だね」
「少しだけクロノから話聞きました……グレアムさんを守ろうとしたって
 良い人なんですね……人の痛みを分かり、悲しみを分かる
 いつか、また此処に戻ってきたら良いですよ」
「恭也さんは?」
「俺は、ロストロギアのハンターに近いですから」

 ロッテは頷き、アリアは小さくため息をつく

「お願いがあるんです……本来ならこんなことを頼むのは引けるのですけど
 私とロッテ、二人と戦ってみてくれませんか?
 それなりの鍛錬になるでしょうし……」
「餞別代りだな」
「ありがとう」
「ありがとうございます」

 そして、二人が頷きあい距離を置く
 恭也は小さく呼吸を整える
 連戦になることにはためらいは無い
 クロノは端っこに横に倒れている
 呼吸は普通なので寝てるに等しい

「条件、もしも私たちが勝ったら、近くまで来たら家に来てください
 お父様、会いたがってたし」
「分かりました」
「その代わり、私たちが負けたら、いくらでも私たちを可愛がってくれて構いませんから」
「それ、俺が勝っても不利じゃありません?」
「どうでしょうか?」

 動き出したのはロッテ……近接攻撃メインのロッテはすぐさま恭也へと蹴りを放つ
 恭也はそれを腕で絡め取るように動くがすぐさま離れる
 その場所に上からアリアの攻撃が通るからだ

「二対一でも負ける気は無いのですが」

 攻撃が二人から放たれていく
 恭也は器用に避けていく
 二人のコンビネーションを崩すしかないが、攻撃の幅が手足だから実質8
 恭也の危機感知能力はすさまじい
 何より、先ほど言ったことが分かる……ずっと敵に囲まれて生活していたら
 嫌でも攻撃してくるものが分かる

「アリア!」

 ロッテはすぐさま気づきアリアの腕を掴むと下がらせる
 その部分に恭也の小太刀が飛び込むが空振りに終わる
 さばいていただけなのが攻撃してきた
 速さになれてきたという事
 そして、こちらの攻撃を読み始めてるということ
 浅く切られたロッテはそこをなめる

「久々に燃えてきた……条件追加、私が勝ったら運動に付き合ってもらう
 そのかわり私が負けたらペットになるよ、一日ね」
「あ、私もそれで良いわ」

 条件が追加されていた
 恭也はこれが二人のやり方なんだろうと諦める
 そして、手を向ける

「非殺傷にはしてある……あまり得意ではないが
 テンペスト」

 威力は弱く、アリアが前に出てシールドで防ぐ
 以前は貫通したが、それを簡単に防げるのは、日天の魔道書の主として変身してないためだ
 威力は格段に落ちる
 そのまま恭也は球に追いつくように移動し、バリアの横を通り抜ける
 目で見ていたのはアリア
 ロッテもまさかこんなすぐさま動くとは思っていなかった
 だからこそ、アリアは瞬時に魔法をくみ上げる
 シールドの二重展開

「シールドは効果が無いってクロノが言ってなかったか?」
「しまっ!」
「アリア!!」

 ロッテはアリアを引っ張った
 手は間に合うが、恭也の攻撃がロッテに当たる
 かばったのだ

「つぅ〜」

 体がしびれてるようである
 動きが無いし、耳や尻尾の毛が逆立っている

「動ける?」
「無理……引っ張った際に魔法が解けてテンペストだっけか当たったし
 何より、攻撃痛くて動きたくない
 というより、動けない」

 設定のおかげで生きてるが実際は死んでる
 それがロッテの判断だった……アリアはそれを聴いて小さく息を整え
 恭也を見る

「球をはじくまでに追いつくなんて……」
「早いほうが良いだろうと思ってな」
「まさか、あんな簡単な方法にだまされるなんて」
「俺が小太刀を出す理由だ」

 短距離での戦闘が得意
 だからこそ、簡単にシールドではじける
 だが、その簡単にシールドではじく時間……秒でも何でも動きは止まるのだ
 だからこそ、二重に出すシールド
 恭也には意味の無いものだった

「せぇぇぇぇぇい!!」

 アリアの攻撃に恭也はすぐさま反応し、アリアの腕を掴む
 武器なしでも恭也は遣り合える
 攻撃の腕をつかまれた瞬間にアリアは腕を引っ張る
 恭也もそれにつられて、体を流し、アリアの膝裏に足を当てる
 かくんと落ちる体にアリアがとっさに片腕を地面につくため差し出す
 だが、この瞬間、恭也から視線を外していた
 ロッテは声をあげようとするが固まる
 死人は言葉を発さないから
 膝のところから蹴り上げられる
 崩れ落ちる腕が泳ぎ、恭也が居た
 そのことに何とか空中で制御するが、貫いた手がおなかにあてがわれる
 ジ・エンド

「俺の勝ちだな」
「うそ」

 一瞬……二人の攻防にしては一瞬だったのだ
 恭也からしたら、まだ動きに荒が無いからこその攻めて
 もしも多少の荒があれば、読みにくかっただろう

「猫耳メイドになろうかな」
「ペットってどうしよう?」
「……可愛がられる?」
「……どうやって?」

 二人は神妙な顔つきで恭也を見る
 クロノは起きたようで、二人と恭也を見比べる
 リーゼ姉妹が来た事の報告を受けて、その説明のようだ

「アリア、ロッテも戦ったのか?」
「二対一でね……完敗」
「あ〜〜」

 二人に勝ってくれて嬉しいのやら、悲しいのやらのクロノ

「ま、分かってたんだけどね」
「条件なしってのはなしですか?」

 恭也はアリアに聞く

「いえ、やはりその方が面白そうなので」

 キュピーンと光る二人の目
 確かに面白そうであるとロッテも思ったのだろう
 ああ、良い玩具になってるなぁとクロノは哀れみの視線を向ける
 恭也は小さくため息をついた

「俺はまだ実家暮らしですし、駄目ですよ」
「うちを使えば良いんじゃないか? 丁度明日は母さん居ないし
 フェイトとエイミィはぼくが連れ出しておこう」
「さすがクロすけ、よく分かってる」
「そのかわり、恭也さん、今度、また教えてください」
「って、俺が」
「ぼくの師匠ですね。師匠に勝ったわけだし」

 恭也はリーゼ姉妹を見て、ため息ついた
 クロノが苦労したんだというため息なんだが、誰も気づかなかった
 そして、ひょんなことから恭也はリーゼ姉妹と一緒にすごすことなった





 翌日、クロノに言われた時間に行くと、ロッテとアリアは居た
 ネコ型で居るのかと思ったが普通の人の状態で、ただ服はメイド服だった

「「私たちを存分に可愛がってくださいね。ご主人様」」

 二人は悪乗りしていた……ただ恭也と共にすごしていた
 といっても、恭也はレポートがあるからと言ってレポートを書いてるのだが
 その手伝いや紅茶を渡したり、他にもと動いていく
 料理やお菓子なども準備していく
 恭也が頭を撫でると、何故かぽーっとなる二人だったりする
 もう一度というおねだりをしたりして、恭也はまんま猫だなぁと考えていた
 ただ、それは夕方五時、帰って来たフェイト、クロノ
 外で会って、此処に来たなのは、はやて、ヴィータ、シグナム、シャマルの面々が中に入ってきたのだ
 日曜日だから外に居るだろうと考えていたのだが
 リーゼ姉妹は固まった
 恭也に頭を撫でてごろごろしてるなんて姿を見られては、はっきり言えば猫になっていたし
 恥ずかしいよりもさきに、人としてどうだろうという事を……
 なのは、はやて、フェイト、ヴィータは羨ましいなぁとか、他嫉妬色々と
 シグナムは小さくため息をついて

「恭也に、そんな趣味があるとは……猫耳メイドだったか?」
「いや、これは勝負して勝った景品というか」
「まさか! 恭也さん、勝った景品がロッテとアリアの二人とか!!?」

 クロノが余計な一言を言い切ってしまっていた
 それにより、女性たち点火……『本当ですか?』と聞いていく
 首を振って恭也は違うと意思を示す
 事の経緯を全て話す恭也
 うちでしたら問題だからという事も話ていく……そして、二人も言い訳をしていく

「その、ほら、なんていうか悪乗りをね」
「そ、そうなのよ」

 なのは、フェイト、シグナム、はやて、ヴィータ、シャマルのじと目にさらされた二人は
 頑張って言うが、それこそドツボにはまり

「そりゃあ、撫でてくれる手が気持ちよかったりしたのは事実だけど」
「身をゆだねたかったなぁとか考えたけど、そんなこと実行してないよ」

 だが、それだけで少女たちは見つめる
 少女たちの中でリーゼ姉妹は危険だなと感覚的にだが理解していく

「あはははは」

 ロッテ、アリアとも恭也を見るが
 恭也は恭也で、お茶を飲んでいた……現実逃避と同じで見ないようにしてる
 クロノも似たようなものだった

「もう少し帰りが遅いと聞いていたが、良かったのか?」
「え、えっと、それは、そ、そう、そのどうにも時間がつぶせなかったので」
「そうか」

 クロノの言葉に恭也は頷く
 実際は今までの仕返しを含めてるのだが、そんなこと言おうものなら
 大変そうだしなと本音を漏らさずに居た

「アリアさん、これってどうでしたっけ?」
「あ! それは、こちらの資料です」

 恭也に声をかけられて、嬉しそうに歩いていくアリアにロッテは恨みがましい視線を向ける
 魔法使用してまでの資料探しから、レポートを書いてる恭也に周囲は一瞬考える
 恩を売るか、先に猫(を捨てる、こほん)にお引取りを願うか

「すみません」
「いえいえ……でも、ロッテ、何で恭也さんって父様そっくりなの?」
「雰囲気とお茶の飲み方とかね……」

 グレアムは60を超えてる人である
 恭也はそのまま落ち込みながらもレポートを書いていく

「撫でるのも手馴れてるし」
「というより、だいぶ遊んでるよね?」
「うんうん」

 何気に失礼発言だが、アリアとロッテは考えを口に出しながら纏める

「ということは、恭也さんって」
「間違いない。猫や犬の扱いは上手いね」
「それに、ぜったい彼女居ないって言いながらいるタイプ
 しかもモテルね」
「アリア、あたりだよ」

 二人してきゃいきゃい言いながら進める
 恭也はまたもやスルーする……というよりも、言葉を出さないようにする
 何か出せばまた何かを言われるのが続くから

「きっと、本当は私たちとあ〜んな遊びやこ〜んな遊びを……」
「そうに違い無いわ」
「二人ともあほなこと言ってないで、皆にお茶出しなさい」
「「はぁい」」

 恭也に言われおとなしく言うとおりにするアリアとロッテ
 どこか、父に怒られた娘に見えなくも無い
 恭也の背中から哀愁が漂ってる
 言われ放題が堪えたようだ





 その後、なんとか事なきを得た恭也だったが……皆から猫耳好きなのと聞かれたそうな
 ただ、高町家にリーゼアリアとリーゼロッテの二人が訪れるようになったとか……
 恋のライバルは増える一方のようである






 おわり







 あとがき
 リーゼ姉妹を見て浮かんでたのだけど、敵だけど敵じゃないみたいな
 あ〜でも、実際会った事は無いから、初対面なんだよ
 クロノの様子を見て、恭也と戦いたくなったんだろうね……気まぐれで
 賭けまで初めてみたいなのを書いてたら、何故か猫耳メイドさんが出来てました
 いや〜、暴走というか妄想て凄いね……ちなみに、鋼糸技で捕まえるという事を考えましたが
 ちょっと危険な思いにふけったので止めました
 ちなみに遊び人は猫派なので、リーゼ姉妹好きです
 ちなみに恭也に甘えていたリーゼ姉妹ですが、理由は恭也の雰囲気と撫でる手が良いからです
 猫は意外と選びますから……悪戯されたら近づかなかったり
 でわでわ、また〜(^^)ノシ








▲頂きものの部屋へ

▲SSのトップへ



▲Home          ▲戻る