とらいあんぐるハート×魔法少女リリカルなのはA's









魔法少女リリカルなのは〜守りたいものありますか?〜A's

番外編5 シャマルと恭也











 事の発端は大したことは無かったのだが、いつの間にか大きくなっていた
 それが、後に恭也とシャマルがもらした、皆への言葉だった
 わらしべ長者……そんな二人の話






 二人があったのはスーパーの中で、たまたまだった

「こんにちわ、シャマルさん」
「こんにちわ、恭也さん」

 そういって、二人は挨拶をし、軽い買い物を済ませる
 シャマルは食材を恭也は文房具を……レポートとか書いてる間になくなったのだとか

「恭也さん、その子はどうかしたのですか?」

 恭也はそういわれて、指差された子供を見ると棚の影から恭也たちを見ている子供

「パパじゃない……」

 涙を流し始める少女
 焦ったのは恭也とシャマル
 回りから見たら、二人が泣かせたように見えるからだ
 社会的には悪い事だという理解から

「パパとママを探してるのか?」
「うん」
「いくつ?」

 恭也とシャマルが名前などを聞いていく
 得た情報は『ナオ』と『5歳』と『迷子』という事
 まず恭也とシャマルはスーパーの案内をしてもらうために、呼んでもらうが
 それこそ気づいてないのか帰ったのか分からないが出てこない
 二人ともナオの手によりズボンとスカートの裾を持たれてしまい動けない
 やることは無いはずと考えてるのだが、それぞれ家に戻るのは遅くなりそうだとメールを送った




 しばらくしても全く連絡が無いことに、さすがにスーパー側も焦り警察に連絡した
 警察も知ってる情報からでは分からないとの事で、それこそくまなく探すかという手も考えたのだが
 難しいというのが回答だった……勿論、恭也はすぐさまリスティに連絡を取ったりもしたが
 こういうときに限ってリスティは仕事で大忙しだった
 誰かの護衛だそうで、すぐに切られた

「お兄ちゃん、お姉ちゃん」

 ちなみに、ナオちゃんは最初、恭也とシャマルに『おじちゃん、おばちゃん』と声をかけてしまい
 二人から必至に頼まれて、こう呼ばれるようになった

「大丈夫だからな……」
「そ、そうよ」
『というか、裾は離しませんね』
『ええ……更につかまれてる気がします』

 力強くというよりも引き離せば確実に泣いてしまうので警察もスーパーの店員も困っていた
 時間にして5時のタイムサービスも終わり、8時にかかっていた
 スーパーも閉店時間なので、回りもどうするか考え出す

「ナオちゃん、おなかすいただろう、外に出て何か食べようか?」
「そうね、どうかしら?」
「うん」

 嬉しそうに頷くナオに、わがままを言わなかったんだなと感心する恭也
 ナオの頭を撫でて、恭也は警察に近くのファミレスに居ることを伝えると
 警察もそれが良いだろうと場所を移す
 本来ならよくはないのだが、空腹に子供が耐えられるとも思えないからの判断
 何時から迷子になってるのか分からないがある種危険であるのだ





 ファミレスで大人二人と子供一人で禁煙席に座る
 恭也とシャマルが隣り合うより、どちらが一人はナオの隣にとなって
 シャマルが隣に座る……母と子などと恭也が考えてはいたが顔に出さなかった
 先ほどの年齢というか外見などを気にしてる点を考慮に入れてだろう

「何が食べたい、メニューにあるものなら良いぞ
 ちゃんとご飯も選ぶんだぞ」
「えっとね、これ」

 そういって指差す先には、『お子様ランチ』……恭也とシャマルは頷いて飲み物とそれを頼む

「お兄ちゃんとお姉ちゃんは良いの?」
「ああ、俺は今は良い」
「私も」
「駄目だよ、一緒に食べようよ」

 子供の純粋なお願いは、誰の防御もぶち抜く

「駄目?」

 下から見られシャマル陥落……メニューを見て、ドリアを選び恭也を見る
 仕方ないと考え恭也はサラダとシチューを頼んでいた
 三人分の料理が届き三人とも食べ始める
 頼んだコーヒーが届き、恭也とシャマルはどうしようか考える

「警察の方たちは?」
「非常に言いにくいが、この近辺の子じゃないみたいだ」
「先に聞いておくべきでしたね」
「そうだな」

 黒髪の少女はお子様ランチを食べている

「ほら、ナオ、落ち着いて食べないと頬についてるぞ」

 恭也がナオの頬についたお米を取って食べる
 その事にシャマルはくすりと笑う……恭也も子供には甘いのだと理解したから
 こんな小さな子に悪いという感覚は無いのだ
 親が居ないことが寂しいと思うのが普通なのだが

「おなか一杯」

 食べ終えて、挨拶を終えると、ナオはそう言葉を漏らした
 恭也とシャマルは微笑みを浮かべる……子供の笑顔はそういう力がある
 シャマルはナプキンを取ると、ナオの口回りを拭く

「ちょっと汚れてるからね」
「……うん」

 遅い返事にシャマルと恭也は気づく
 疲れてきたから眠るのだろうと……そう思ってる間にもナオは船をこぎ始めた
 そのまま眠りに落ちる
 恭也とシャマルはもう一度家に連絡し、本格的に遅くなることを送る
 皆、それぞれに残念そうな声などが響いてくるが、謝って終わる
 寝てる様子をシャマルと恭也が見て、ふぅと一息つく
 恭也は思う『なんで、最近こんなことになってるんだ?』
 シャマルは思う『なんか、視線が痛い』
 二人に向かう視線……生温かい優しい目だったりする
 というのも、膝枕で寝ているナオ、している母親と優しい目で見つめる父親の図である

「は〜い、ここが海鳴にあるファミリーレストラン『シュライン』です♪」

 テレビ局の人たちが入ってくるまで、二人の空気は変わることがなった

「なんと、今日は此処で近日発売商品を見せてくれるとのことです
 そして、今日此処に居るお客さんに無料試食をプレゼント……お客様から数名選出して
 食べてもらいましょうって事なのです」

 ズバーーーンと言うが、その言葉にシャマルと恭也は固まりっぱなしだ
 なんせ、何故に此処でテレビって感じだし、中継なのか、本当に写っていたりする
 テレビに流されてる光景に恭也とシャマルは呆然とテレビを見る
 悪戯であってほしいなどと思う心があるが、否定している
 某有名テレビ局のジャンパーを着てるので違うと
 店の前にもお客が居るが、入れないように整理してるので間違いも無いだろう
 恭也とシャマルは店を出たいと思ったが下手に動けば目立つと思い動かない
 さすが二人ともと褒められるのだが……
 気づいてほしい……シャマルは可愛いより綺麗系の美人
 そして、恭也は下手な男優や俳優よりかっこいいしクールだ
 美男美女+子供……目立たないわけが無い

「いきなり来て申し訳ありませんが、明日発表の料理を」
「はい」

 丁度あいてるテーブルに座ってもらい、差し出す店員
 我関せずの様子で二人はお茶などを飲んでいる
 だが、この時テレビ局のスタッフが二人を見つける
 キラーンと光る目

「えっと、そちらのお二人さん」

 自分たちで無いという事で、首を振って回りを見る恭也とシャマル
 『自分でありませんように』、二人の願いは一致していた
 だが、神は許さない

「そこで首を振ってるお二人です……うん、二人とも丁度良いので試食係お願いしますね
 あ、テーブルこちらにどうぞ……お金のほうはこちらでお支払いしておきますので」

 レシートを奪い、恭也とシャマルは固まる
 移動してテレビに出ろって事なのだ
 恭也はシャマルに視線をよこす
 寝てるかって事だ

「うん、まま、ぱぱ」

 二人を見て、そう呟いてしまっていた
 似てるとかじゃなく、ただ二人は起きたことが困っていた

「わぁ、テレビに映ってる〜」

 嬉しそうな声に恭也とシャマルは落ち込んだ
 というより、これで移動しなければならなくなった
 そして……

「では、こちらの夫婦とこちらのカップル、後私で試食しましょう」
「当店の新作です。どうぞ」

 料理はデザートだった
 だからこそ、二人も誘われたのだが、恭也は甘いもの苦手でその旨を言うと

「では、カップルのように」

 そんなとてつもない内容が書かれたカンペが目の前にあった
 恭也とシャマルは固まる……シャマルの頬は若干赤い
 恭也にいたってはどうしろとって所だが、Go!Go!のサインばかりである
 仕方なく、新作パフェの前に鎮座するスプーンを取り
 クリームとアイスを取るとシャマルに差し出す
 スプーンの下に手を添えるのを忘れない
 プロデューサーはこの日の最高視聴率は此処だと思ったそうな
 ちなみに全員が見守る中、シャマルは少し顔を赤らめながら食べた
 真ん中で食べてるナオも食べていくことに二人の頬は緩むが
 カンペで『今度は奥様が旦那様に』と勘違いが……しかし、二人の脳内麻痺は大きかった
 シャマルがスプーンを恭也から奪い
 恭也へと差し出したのだ

「あ、あ〜〜ん」

 恥ずかしいのか震える声、恭也も諦めて食べるしか選択肢は無かった
 周囲からの口笛や声に二人は我に返り真っ赤になる
 試食の感想をカップルたちと聞かれ

「甘かったです、いろいろな意味で」
「同じく」

 二人の答えは確かにと周囲の人たちを納得させるほどだった
 ちなみにこのテレビを見ていた、高町家の面々、ハラオウン家の面々、八神家の面々は
 即座にからかうことを決定したらしい
 何気に、それをHDD/DVDレコーダーに落としたなのはと士郎
 他の面々に見せる気は満々である
 警察も入れず、本当の母親も入れずの状態
 何とか、全ての放映も終わり、お礼とか色々言われながら
 恭也とシャマルはナオにまたもやズボンとスカートを握られていた
 なんで、そうなのか分からないナオ

「お兄ちゃんとお姉ちゃん付き合ってるんじゃないの?」

 テレビの中で、その発言はいただけなかったのだが

「俺がシャマルさんのような女性に好かれてると思えない」

 という恭也の珍回答にテレビ画面を通して全国から、問い合わせが殺到したそうな

「それから、シャマルさんと俺は夫婦じゃない」
「ええ、私たちは夫婦じゃありませんから」

 テレビの前の皆はそれでも役割を通した二人は役者だと思ったとかなんとか
 まぁ、それも所詮サブストーリーでしかなかったりする




 なんとか解放された二人は、ナオがまた寝始めたので席に座る
 そして、母親と父親登場
 なんと引越し最中に出て行ってしまい、てっきりついてきてると思ったのだが付いて来ておらず
 気づいたのが、駅の時だったそうだ……買い物とかしていて歩き回った結果だ
 二人ともうっかりで忘れたのだから、子供にしたら溜まったものではないが

「お兄ちゃん、お姉ちゃん、またね〜
 結婚式には呼んでね〜〜」

 ナオはそのまま歩いていった
 ちなみに、テレビを見て居場所も分かったそうな……なんとも困ったことである
 そのことは新聞に載った……聞かれた事を素直に答え恭也とシャマルは開放された
 げっそりとした二人ではあるが、この時まだ知らない
 二人には、待っている家族の暖かい出迎えがあることを

「家に帰ります」
「送りましょうか?」
「いえ……大丈夫です」

 二人の携帯がなる……

「高町さんの家に集合?」
「すぐさま家に帰って来い?」

 二人は文面を読み上げ、不思議に思いながらも一路高町家へ





 地獄の扉に感じた……二人は目の前にある扉にそういうしかなかった
 というよりも、恭也とシャマルは重い空気が漂う場所に見えてる
 ちなみに、高町家の中では装備万端の魔法少女たちとヴォルケンリッターたち
 すずか、アリサ、たまたま着ていたレティ・ロウラン、同じくリーゼ姉妹
 エイミィ、リンディ、忍、ノエル、ファリンと勢ぞろいしていた
 待ち構えるは二人……尋問部隊と殲滅部隊に別れそうである
 ザフィーラとクロノはそれぞれの家でお留守番である
 『あれに付き合ったら命がいくつあっても足りない気がしたから』
 『あれだけ怖いオーラの主を見たことは無かったのでな』
 がクロノとザフィーラの言葉である

「ただいま」
「お邪魔します」

 勇気を振り絞りドアを開けて中に入る恭也とシャマル
 嫌な予感しかしないが、逃げたら逃げたで大変だと思いあけた
 リビングからの気配に恭也とシャマルはそちらかと思いドアを開ける
 テレビ画面では、恭也とシャマルの『あ〜ん』のシーンが放映されていた
 二人はドアを開けた状態で固まる

「おかえり、おにいちゃん」
「おじゃましてます、恭也さん」

 言葉は優しい気がするのだが、冷たい気が……するのは気のせいじゃないだろう

「シャマルさん、いらっしゃい♪」

 桃子からかう気が満々である

「二人にじっくりはっきりくっきりきっちり聞いておかないとね」

 桃子の目が光る……士郎はやれやれと思いながらも
 恭也を見る

「恭也、頑張れよ〜。俺は風呂に入ってくるわ〜」

 士郎は逃亡した
 そして、始る二人への質問(恐喝+拷問)
 二人の目の前で流れる恭也とシャマルの映像
 明らかになる二人の行動
 だが、恋する乙女たちに許してもらえるのは何時になるやら

「ですから、あれはたまたまです
 勝手にテレビ局の方たちが間違えただけで……ですから、はやてちゃん信じてくれますよね?」

 はやてに聞くシャマル
 だが、はやてはにっこりと微笑みを浮かべ

「どうして、すぐに否定せえへんかったかが聞きたいなぁ」
「あ、あれは、そういう雰囲気じゃなかったから」
「恭也さん、たす……」

 恭也はシャマルを見なかった
 というよりも、すでに話題を振られていて、こちらも困った顔をしているのだ

「お兄ちゃん、どうしてシャマルさんと一緒だったのかなぁ?」
「たまたまだって……」
「楽しそうでした」
「いや、あれは無理やり」
「でも、恭也さん、あれは駄目だと思うのよ、付き合ってないのだし」
「恭也がいたときのメニューで『恭也が食べさせる権利』とかって作ったらいくらかしら?」

 なのは、フェイトにきて、リンディが言葉を重ね
 最後に桃子の一番困る発言に恭也は何とか思いとどまるように桃子には言った
 そんなことをしたら羞恥だから二度とバイトしないとも言い切った

「まぁ、でもあれね……恭也とシャマルさんには罰が必要だと思う人〜?」

 桃子の声に満場一致で手が上げられた
 恭也とシャマルにしたら良い事したのに何でってことになるのだが……
 二人の罰は、翠屋での店員だった
 恭也にいたっては、本気で桃子の言ったメニューが載った
 恭也がいたとき限定、尚且つ有名になった
 シャマルはシャマルで諦めて店員となってバイト代を稼ぐことにした
 ただ、調理場には入れてもらえないが……理由は多々あるが

「恭也〜、お客さんよ〜
 あ、シャマルさんもこれからお願いね♪」

 痛恨のダメージはまだまだ続きそうである






 おわり







 あとがき
 いや、まぁ、でも頼む人はそのそんなに居ないと思うのですよ
 大体の知り合いとかだけで、あれの説明も子供限定とかってしていくかと
 恭也も子供なら大丈夫だと思うのでとか色々と条件をつけれたがって所ですね
 シャマルは完全に対応を言ってないので、誰でもになるかと思ったけど恭也を考えたら
 やっぱり知り合いだけだろうと思うのですよ……
 ああ、でもきっちりお金取る分にはとってます
 母親が子供を出しに頼んだりとか……800円が1800円になったりします
 恭也の価値ですね〜、ホストでしょうか? ホステスでしょうか?
 昼間からですか? 朝からですか? そんな感じですね
 あ、でも、もしもシャマルに『あ〜ん』ってされたらそれはそれで嬉しいかも
 サポートメインって言ってたし、癒されそう……なんか違うかな?
 でわでわ、ほなね〜(^^)ノシ







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