とらいあんぐるハート×マリア様はみてるSS








設定かなぁ?
というわけで、今回は紅薔薇姉妹ですけど、一風変わってます
というより、性格もちょい変わってます!
どういう事かなどは内容を読むほうが良いのであまり言いませんが
一言……恭也はどちらかというと自分で出来ることはする性質です!!







『紅き薔薇は優雅に咲き誇る』









 何故か小笠原邸にやってきていた
 というよりは、強制的に呼び出されたのだ……
 大体の理由はわかるが、何かと恐い場所だ

「えっと、何か用事でしょうか?
 その、最近は物騒だから護衛とか?」
「その必要は無いだろう……祥子が頼んだら恭也くんは飛んでくるだろうし」
「それは確かにですわ、融」

 いや、奥様とそんな会話を弾ませないでくれ
 流石に俺が悩みを覚える……

「で、何か用事でしょうか? しかも、お二方ともお時間を作ってるようなのですが」
「ああ、そうだった……恭也くん、これから女子高の講師をする気はないかい?」
「無いです」
「非常勤の剣道部の顧問なんだが」
「無理です」
「……確か世界史とか日本史は見れるんだよね、それと経済も」
「確かに出来るとは思いますが、難しいので却下したいです」
「じゃあ、決まりだ……君、リリアン女学園の非常勤講師ね」
「いや、何で俺なんですか? あそこは若い男性ダメだって」
「……祥子の命が狙われるかもしれないからね」
「なっ!!」
「というのは冗談で、祥子がどれだけふて腐れるか見てみたいなぁと」

 それが父親の言葉ですか?
 俺はふとそんなことを考えてると、清子さんと目があった

「頑張って、恭也くん……私的に2人が恋人同士ってばれる方が楽しいかなぁって」
「……リリアン女学園は付き合うの禁止では?」
「大丈夫よ、2人の愛の行く末を見守ってくれるわよ
 本当に2人が愛し合うならね」

 そういってにこやかに言う
 そして、融さんが俺を見ていた

「君らが本当に好きなら、これくらいは何とかしたまえ
 俺は個人的には応援したいが、全面的、社会的には応援できない
 それは分かってるだろう」
「分かりました……融さんの言うとおりですね」
「でだ、出来れば、俺のことは義父さまとか、義父さんって呼ばれたいんだけど」
「あ、私も、義母さまか義母さんがいいなぁ」

 俺はため息をつくと、2人はにこにこだ

「よろしくお願いします、義父さん、義母さん」
「おう」
「ええ」

 俺は立ち上がると、教職員のための準備をする
 明日からいきなり連れ出されるのは分かりきっている

「でわ、俺はこれから準備があるので」
「ええ、頑張ってね」
「頑張れよ」

 そう言って送り出してくれる義父さんと義母さん






 翌日、俺は朝の時に校庭でリリアン女学園の生徒たちの前に立っていた
 祥子の驚いた顔が目に入る……何気に怒ってるようだ
 言わなかったのがいけなかった?
 やはり、そこはそれで悪かったようだ

「高町恭也です……事情があり、此方に勤務することになりました
 事情の方はいえませんが、誠心誠意頑張りますので、よろしくお願いします」

 そう言って頭を下げると、全員から拍手が起こっていた
 優しい人たちが多いのだろう
 そして、全員が校庭から去っていく
 俺はそれを見ながら、今日は学園になれるために歩き回って良いとされている
 気になる点などもあるから、俺は学園を見回るつもりで居た
 丁度良かったと言える……

「せんせっ」
「はい?」

 先生と呼ばれるのにちょっと抵抗がある
 年齢的には5歳くらいしか離れてないのにな……
 確かに文字通り先に生きては居るが

「えっと、先生は此方に来たという事なのですけど……此処をどう思いますか?
 それとこのアンケートに答えていただきたいのですけど」
「すみません、今回はちょっと事情があって、そういうのも答えないようにしてるんですよ
 俺は一時的にしか居ませんし……」
「そうですか……でわ、失礼します」

 そう言って歩き去っていく生徒
 しかし、礼儀正しい方たちばかりだな
 俺も気を抜けない……

「んっ?」

 俺が歩いてると、1人の女性が待っていた
 確か……

「生徒会でしたっけ? そこの方ですよね?」
「ええ、最初に案内をすると申し上げていた水野蓉子です
 妹が急遽することになったので、写真を渡しておきますから、この子に頼んでください
 名前は小笠原祥子ですので」
「わ、分かりました」

 声が上ずってしまいそうだ
 手が少しだけ震える……いきなりかい!!
 って、絶対誰かの陰謀だ

「でわ、祥子、来なさい!!」
「で、ですが……男性と歩くのは……」

 祥子さんは先ほど聞いてなかったのですか?
 そういえば、驚いた顔のまま、固まっていたな

「新任の先生の案内を任せましたよ……私は忙しいから
 それと、ちゃんと先生を案内しないと困るのは祥子なんだからね」
「わ、分かってます」

 そう言って、祥子は歩き出す
 祥子、どう思ってるんだろうな……

「でわ、お先に失礼します」

 蓉子さんはそう言って歩いていった
 残された俺と祥子はそのまま見送った
 といっても、2人とも見送るというほど見てないが

「えっと、祥子?」
「……後ほど確りと教えてもらいますから」
「いや、それはな……」
「後ほどと言ったでしょ……どうせ、お父様とお母様が考えたのでしょう」
「ああ」

 俺はそう頷くと、彼女が盛大なため息を着いた
 まぁ、彼女らしいと言えばらしい
 ただ凄く嬉しそうだが……

「ちょっとだけ嬉しいですね……一緒に居ても構わないという事ですから」
「そうですね……ただ、リリアン女学園は男性とのかかわりを絶ってるんじゃないんですか?」
「……そうでしたね、何とかなりますよ」
「そうだな」

 そう、俺達の未来を自分らの手で切り開けというのが義父さんと義母さんの想い
 だから、そのための手助けの一端がコレだろう
 俺を彼女の傍に出来るだけ居れるようにするという事
 そのための障害くらいは自分らの絆で何とかしろと……

「あの」
「はい、どうかされましたか?」

 急に呼ばれて、俺は振り返る
 そこには、1人の少女が居た……綺麗な子たちだな
 ただ、此処はお嬢様ばかりが通うので心配ではあるが

「祥子さまと一緒に楽しそうに話されてましたけど、何かあるんですか?」
「いえ、彼女に案内をして頂いて、色々と面白い話を聞かせていただいたんです」
「……本当ですか?」

 歩きながらの会話で、流石に他人に聞かれてるとは思わなかった

「ええ、本当よ……志摩子こそ、どうかしたの?」
「いいえ……初めまして、山百合会の1人で、白薔薇のつぼみをしてる
 藤堂志摩子です……以後お見知りおきを」
「ああ、先ほど挨拶しましたが、高町恭也です
 短期間になるかもしれませんが、よろしくお願いします」
「はい」

 藤堂さんは頬を赤く染める
 どうかしたのだろうか?

「高町先生、あまりお顔を近づけると、恥ずかしいと思うのですけど」
「あ、すみません」
「いえ……」

 このとき、知らないというのは幸せだということに気づかなかった







 翌日の下駄箱……ばらばらばらばらばらばらばらばら〜〜〜〜
 手紙の山……というより、開けた瞬間にこれでは拾うことを躊躇う
 それに、何故に教員の名前まで?





 更に次の日……昨日より一袋分増えたようだ
 下に高町先生へと書かれた紙つきの袋があった




 次の次の日……2袋に増えていた
 俺は、頭を抱えながら、職員室へと向かった




「や、休みだ……」

 俺は土曜までの授業を終えると、休みだという開放感にちょっとだけ酔いしれていた
 しかし、俺の休みはすぐに終わった

「先生、これからちょっとした議会をするので参加してもらえませんか?」
「俺はまだ着たばかりですので、他の先生にでも……」

 と、周りを見ると、手を振っている先生方ばかり

「お願いします」

 頭を下げられ無碍に断れず俺は歩いていった
 俺の休みは5分と持たなかったのだった




「高町先生、お疲れですか? 紅茶ですが、どうぞ」
「あ、どうもありがとうございます……で、先生が居ないといけない作業って」

 そして、俺はそういって回りを見る
 そこには山百合会の面々が居る……

「高町先生に質問がありまして……というよりも、聞きたいことですね」
「何でしょうか?」

 確か、3年の紅薔薇さまである、水野蓉子さん
 ほかに、黄薔薇さまである、鳥居江利子さん
 白薔薇さまである、佐藤聖さん
 そのつぼみたちである、小笠原祥子さん、支倉令さん、藤堂志摩子さん
 で、その妹の福沢祐巳さん、島津由乃さん

「誰も付き合ってる人が居ないのに、手紙を受け取っているそうで」
「いや、あれは、勝手に置かれてるので、持っていくしか手がないだけですが」

 水野さんの問いかけに俺は応えてると

「でわ、何で誰とも付き合ってないのでしょうか?
 それとも、すでに誰かと付き合ってて、それがばれると危ないとか?」

 ドキリとすることをサラリと言ってくれる
 俺はちょっとだけ考えるそぶりを見せると……

「ただ、彼女たちは俺のどこを見て手紙をくれるのか分かりませんが
 珍しいもの見たさだと俺は思ってます
 それに手紙を貰っても、アレだけに返事を出すのは難しいものがありますから」

 そういって、俺はコレがもっともだよなと考える
 この中からも手紙を出した人が居るのだが、黙っておこう
 何気に鳥居江利子さんと島津由乃さんと藤堂志摩子さんなんだが
 黙っておくのがベストだろう……

「そうね、では、二つ目の質問は?」
「あれは、確認ですよね……居ませんよ」
「本当ですか?」
「ええ」

 俺はそういいながら、軽く視線だけで周りを見る
 祥子は俯いて考えてるようだ

「ただ、どういう意味で俺に聞きたいのか分かりませんが
 俺は男色でもないですし、新聞に載ってるようなことをしてるわけでもありません
 俺は此処の生徒たちに何かするつもりもありません……
 生徒たちには」

 俺はそう言っておく
 生徒の場合じゃないときは良いと思う
 ちゃんと、考えて行動すれば……

「男性との付き合いは禁止されてる場所なんですから、距離をおくに限ります
 下手に近づかないのが無難だと俺は思ってますけど
 何か問題がありますか?」
「いいえ」

 俺の言葉に首を横に振る
 ただ、祥子は何か考えてるようだ

「でわ、1つだけお願いみたいなものですけど……
 昼は此方で食べませんか? 社会科で分からないのがありまして聞きたいもので」
「それなら構いませんよ」

 それは鳥居さんの意見だ
 俺はそれに頷くと、ちょっと笑顔を浮かべる
 全てを拒否するわけじゃない……それに、そこに行くと祥子と一緒に居られるし
 最近、一緒に居られないのが辛い時があるからな
 コレだけ近くに居て手が出せないのが辛いとは思わなかった
 今は我慢の時だと思っている

「でわ、俺はこれで失礼しますね」

 俺が立ち上がり、外に出ようとすると……

「先生は本当に誰か好きな人が居ないのですか?」
「いや、好きな人なら居ますよ……」
「……」
「じゃあ、最後ですけど、その人が今とても傷ついてるならどうしますか?」
「慰められるなら……慰めます
 でも、多分、彼女は俺が手を伸ばせばいいだけだと思うので
 どこだろうと抱きしめてるでしょうね……」

 俺はそう言ってドアを開けて出る
 ドアを閉めて、しばらく歩くと、誰かが出てきた
 誰だ?

「恭也さん!!」

 彼女だった
 祥子が俺を後ろから抱きしめていた

「こんなに胸が締め付けられるものなんて思いもしませんでした」

 祥子はそういうと近くの物置の部屋に入る
 俺はそれに着いていくと、彼女に正面から抱きしめられる

「近くに居るのに、触れられない
 でも、私は抱きしめてもらいたいし、もっと頼ってもらいたい
 もし周りが敵でも、私達2人なら平気です」
「祥子」

 俺は祥子を抱きしめて、唇を奪う
 お互いの舌が口を行き来する
 唾液の交換も果たす……それが如何いうことか分かっている

「土日になったら一緒に出かけよう」
「はい」
「一緒に遊びに行って、一緒に色々と感じよう」
「はい」
「だから、学校に居る間は先生と生徒だ」
「……」
「祥子、俺は祥子の辛さ分かってやれなかったんだな
 悪かった……だから、幾らでもせめてくれて構わない」
「違う! それは恭也さんだって一緒だった」
「祥子」
「だから、恭也さんだけを責めるなんて出来ない」
「分かった」

 祥子はそういうと嬉しそうに微笑みを浮かべる

「先ほどのことで、体が楽になりました
 もちろん、心も」
「そっか……悪かった」
「いいの……恭也さんが他の誰を見てるわけじゃなく、私を見てくれてると分かったから」

 祥子はそういうと、俺の頬と唇にキスをする
 背伸びをして、一生懸命な彼女を抱きしめる

「反対されても、俺らが婚約者なら良いんだよな」
「そうですね……キスとか抱きしめるくらいで何かとか言われないと思います」
「ああ、先に校長先生には言っておくよ」
「はい」
「じゃあ、大変だろうけど、家でな」
「はい」

 最後は嬉しそうに部屋を出て行った
 心臓が凄くドキドキした……それに、元気になった物をどうしたらいいのだろうか?
 自らのことながら恥ずかしい限りだ
 そうだよな……俺と祥子自身が二人で確りと言えば
 何かしらの問題が起きたとしても、何とかしようと思えるんだ
 婚約者として、彼女の近くで守るものとして……
 まぁ、彼女はおとなしく守られてくれる人ではないので問題だが

「ふぅ〜」

 やっと動悸が治まってきた……顔は少し熱いが問題無いだろう
 それに、今日はもう帰ろう
 何かあれば、そのときに二人で解決すればいい
 それが恋人同士というものなのだろう
 まだまだ分からないことだらけだな……
 職員室に戻り、校長と明日話が放課後にしたいと言うと
 校長はそれに頷いて返してくれた
 一応、予定は開いてるようなので、良いらしい






「明日の放課後、校長室で」
「そうですか……」

 同じ部屋で二人して話す
 彼女は少し悲しそうに、俺に抱きつく

「交際しても良いとは思う……ただ、それが先生だと教育委員会とか
 色々な問題が出てくる」
「そうなんですね」
「だが、俺はそれでも祥子と一緒に居たい」
「はい」
「だから、学校を説き伏せようと思う」
「そうですね……一緒に頑張りましょうね」
「ああ」





 翌日の夕方、いや放課後、俺と祥子は校長室に居た

「で、話したいこととは何ですか?」
「事後報告というよりは、此処に来る前からなんですが
 俺は小笠原祥子の婚約者です……彼女のお父さんとお母さんにより
 自分が此処で学ぶこともあるだろうと、来させてもらいました」
「そうですか……一応の話は聞いてあります」

 聞いてたのか?

「ですが、付き合ってると認めるわけにはいきません
 学校の校風に差し障りが出てしまいます」
「分別ある行動を取るつもりでもですか? 学内では生徒と先生としてでも?」
「そのことについては問題ないでしょう
 今までの二人の行動を見ても、そういうのは無かったと言えます
 ですが、街中とかで見つかったらどうなりましょうか?」

 校長の言わんとしてることは分かる

「そのときは、認めるまでです……恥ずかしい行いをしてるわけじゃないですし
 何か間違ったような行動はしてません」
「それを証明できますか?」
「証明は出来ませんが、約束は出来ます
 彼女を抱きしめ、キスするまでです……それ以上はしてませんし、まだしません」
「……良いでしょう
 私だって鬼じゃありません、その約束が守られるなら良いです
 それと、校内で、ばれなかったらキスくらいは良いですよ
 生徒の方たちもしてる方はいますので……
 此処だとマリア様の像のところの銀杏並木が良く見えるのよ」

 なるほど、そこで何度も何かあったのだな
 俺はそんなことを考えながら、校長を見る
 校長は俺の視線を受けて、はっきりと言った

「教えるものとして、学業が疎かにならないように……
 高町先生を此方によこした、小笠原さんの考えは分かりませんが
 悪いことをしてないなら、良いでしょう
 貴方達は純粋なようですし」

 校長はそういって微笑みを浮かべると
 二人で絆を作っていきなさい……此処での行いが二人を確りと結び付けてくれるでしょう
 私に言いに来たのはあたりだということを
 そして……

「山百合会の面々に言うのか……」
「どうかしたのですか?」
「……実はな、コレだ」

 俺はそういって手紙を見せる

「なっ!!」

 俺が出した手紙には藤堂さんと鳥居さんと福沢さんの手紙
 通称ラブレターというものだった
 内容はどれも似たり寄ったりなので、何も言わないが

「祐巳に嫌われた?」
「違いますよ……姉や妹が居るのに付き合って欲しいは多いですね
 ただ、相談に乗ってくれと彼氏になってが混合してるんでしょう」

 俺はそういって歩いていく
 コレを全て、彼女が居るからという理由で断らないといけないのかと思うと
 かなり厳しいよな……

「そういえば、祥子さんのお姉さんである水野蓉子さんには話したのか?」
「いいえ……相談できることでは無いですから」
「そうか」

 薔薇の館に着くと、中に入る

「失礼します」
「た、高町先生、それに祥子までどうかしたの?」
「ごきげんよう、お姉さま、祐巳、薔薇様方」

 挨拶をして、皆さんに座ってもらう
 どことはなしに視線を集める、俺に……祥子が言葉を紡ぎだした

「高町先生には付き合ってる彼女が居るそうなんです……
 前は、ああいったのは色々と事情がおありで、
 何とかしようと一生懸命に考えた苦肉の策だそうです」
「すみません、本当のことを話すのが一番かと思ったのですけど
 どうしても相手を思うと、そう答えるしかできなくて」

 俺は頭を下げていた

「先生」
「誰を思ってか知らないけど、嘘は良くないです
 でも、誰かを思って、裏切らないで、ちゃんと謝罪を述べてるのなら
 いう事は無いですね」
「…………そうだね」
「江利子、どうかしたの?」

 暗く重たい空気が、室内に立ち込める
 それは、三人から放出されてるくらい空気だ

「志摩子?」
「お姉さま?」
「祐巳?」

 それぞれが心配そうに見る

「私達に黙ってるような女性って誰ですか?」
「俺には勿体無い女性です」
「……その方は私達が知ってる方ですか?」
「ノーコメント」

 幾度か質問が投げかけられる
 俺はそれに応えつつも、水野さんを見る
 何かを真剣に考えてるような目

「祥子、応えなさい……貴方が恭也さんの恋人ね」

 誰もが「え?」という声を出しそうになりながら、口を閉ざし出なかった
 ただ、祥子さんは前髪をかきあげている
 そんな姿も絵になるのだから、祥子らしい
 惚れた弱みだろう

「お姉さまは何故そう思うのですか?」
「簡単な推理よ……でも、どうなのかしら? 応えられないのかしら?」

 水野さんの何も言い訳は許さないというような視線
 それは怒気もはらんでそうで恐い

「先生は私の婚約者です……優さんには悪いですけど、正式なことで決まりました」
「じゃ、じゃあ!! 私達に悪いと思ったから……」
「先生は誰も傷つかない方法を一生懸命考えていたの?」
「そんな……お姉さまだなんて」

 何を言って良いのか分からない

「静かにしなさい……では、高町先生は放課後は出来るだけ此方に顔を出してください」
「……何故とお聞きしても宜しいでしょうか?」
「祥子のためです……此処なら早々お客が来るわけじゃありません
 だったら、お分かりになるかと」
「物陰に隠れてとかって事ですか?」
「そうです……いい隠れ蓑になるはずですが、何か?」

 頭の回転が恐ろしく速い

「いいでしょう……俺なんかで力になれることがあるなら使ってください」
「はい」
「高町先生が、すでに祥子の婚約者?」
「「うう〜〜」」

 若干三名ほど壊れてる? おろおろしている、支倉さんと祥子
 ただ、佐藤さんは面白そうに見ていると

「祥子は高町先生を振り向かせるのに、何年掛かったの?」

 何で年数表記なんだ?

「2年ほど……」
「じゃあ、高校一年頃からなんだ」
「ええ」
「しかし、あれだね〜、先生鈍感なんだ?」
「はい、私の思いに気づいて、最初は戸惑っていたようですし」
「年齢さでしょ?」
「ええ、ですが……私が大きくなるにつれて罪悪感というか、道徳のようなものが
 色々と凌駕しちゃいましたから」
「なるほど〜、祐巳ちゃんと志摩子には言っておくわ」
「何を?」
「高町先生はすでに愛しき人を見つけてるって
 だから、今日は借りるね」
「……あまり抱きついたりしないでくださいね」
「分かってるって」

 そう言って、佐藤さんは二人を連れ出す
 といっても、すぐに帰ってきそうだが

「あの、お姉さま?」
「そうよ、私は押しが……」

 ぶつぶつと何か呟いてる鳥居さん
 チョット恐い

「さ、由乃ちゃん、祥子、雑務があるんだから」
「は、はい」
「先生も手伝ってください」
「あ、ああ」

 俺は祥子の隣にせきかけて、雑務をこなしていく
 祥子と同じ作業をしてるだけでドキドキして、楽しい
 横を向くと、笑顔で居る祥子が居て、そっかと思う
 こういうのを夢見てたのかもしれないと……小さな事を二人でするということを

「そこ〜!! 二人でピンクな空間を作成しないで!!」

 鳥居さんが俺の隣に席を取り、そのまま仕事を片手に
 俺と祥子のことを根掘り葉掘り聞かれた
 真雪さんやリスティさんみたいだ
 正直、恐いな……目が据わってるし

「令、助けなさいよ」
「祥子、私は二人のことには何も口出ししないよ」
「令!」
「お姉さま、皆さん気になることもありますし、じゃんじゃん聞いておいてください」
「もちろんよ!!」

 大変だなぁ

「遠い目してるところ悪いけど、高町先生、此処間違ってますよ」
「あ、すみません」

 数字嫌いだ……

「これから楽しくなりそうね……何かと」
「俺は楽しくないです」
「私も」
「いいから、応えてよ〜、どこまで進んでるのか?」

 誰か、隣の鳥居さんを止めてくれ






 その日から、俺達は前向きに頑張るようになった
 それは、祥子と一緒に居れる時間と触れ合える時間が増えたからだと思う
 家と学校で一緒というのは嬉しいことだ
 そして、俺達は愛を紡いでいくつもりだ
 恥ずかしい限りだが……
 彼女が卒業するまでは、お互い、町を感じながら歩いて
 社会勉強をしていくが、よく祐巳さんと志摩子さんが着いてくる
 何故だろうか?














 おまけという名の恐ろしいこと

「誰か、お姉さまを止めて」
「江利子は本当に恐いわね……ストーカーよね」
「って、紅薔薇さま、お願いします」
「無理よ……それに、私だって、高町先生好きだし」
「え?」
「だからね、やっぱり婚約って事はまだ道はあると思うのよね〜」
「と、止められない! あ、でも、これって魔の多角形」

 妄想もとい暴走は止まらなくなるのだった






「ん、ふあっ」
「祥子、激しいぞ」
「で、でも……ああっ」
「だから、動くなって」
「そんな、恭也さんが……」

 と、何をしてるかというと、マッサージだ
 今日重たいものを運んでお互いに力尽きたのだが
 流石に筋肉痛が恐いので、祥子にはしてる
 俺は平気だが……

「あ、そこは……んんんっ!!!」

 妖しげな声というか、艶っぽい声を出さないでくれ
 ただでさえ、元気なのに……
 どこかで血を抜いておくか?

「ああーーーーー」

 だから!!
 その日の翌日、義父さんと義母さんに勘違いされたまま家を出る俺と祥子だった
 顔を真っ赤にしたままで……
 ただ

「激しいのはだめよ」
「そうだぞ、優しくだ!」

 などと言われ、俺はしてないと言ったのだが全く聞いてくれなかった












 おわれっつ〜の



 あとがき
 というわけで、超危険な関係エンドみたいな
 シオン「って、頭大丈夫?」
 大丈夫
 ゆうひ「でも、これ、どうするの?」
 どうもしないよ
 シオン「おいおい」
 ゆうひ「で、これはどっちにするの?」
 さぁ
 シオン「でわ、今回はこれで」
 ゆうひ「ほなね〜」
 また〜(^^)ノシ



遊び人さん、サンクス〜。
美姫 「あそこって、サーク○Kとくっ付いたんだっけ?」
何の話だ、何の。
美姫 「だから、サン○ス」
くだらなさ過ぎるぞ。
美姫 「うん、私も少しそう思った」
だったら言うなよ。
美姫 「仕方ないじゃない!咄嗟に浮んだんだから」
や〜い、馬鹿、馬鹿。
美姫 「……コロス!」
あ、あはははは。じょ、冗談だよ。
いや〜、美姫のボケも良いもんだな、うん。
美姫 「もう、遅いわよ!喰らいなさい、煉獄焔舞!!」
ぬぐりょっぴょ〜〜〜〜〜〜!!
美姫 「ふん!」



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