とらいあんぐるハート×マリア様はみているSS









設定……
恭也は三薔薇を知っています(以上)
恭也が高校3年生の秋頃だと思ってください
一応オールエンドで完治してます(何ていうか適当だよなぁ)
というわけでレッツラゴ〜(ちょっと頭が飛んでます)







『薔薇は優雅に咲き誇る18』










「いらっしゃいませ」

 そういって、俺が見本を見せてる間に覚えていく
 何ていうか、1つ教えたら10くらい理解してそうだ
 といっても、メニューが少ないのが功を奏している

「前のときよりメニューが少ないのが利点だね」
「本当に」

 覚えることが出来るというのは楽らしい
 ということで、俺は厨房のお手伝いをしている

「く〜、本当は恭也に外に出て欲しいのに
 美由希が出来ないのが此処まで痛手だなんて……」
「桃子かあさん、聞こえるように言わないでよ」
「美由希、ちょっとは料理覚えなさいよ」
「無理」

 などという漫才的なことをやりながらも注文を聞いて、そのまま作っていく
 厨房2人で回転は正直な話負担がでかい
 というわけで、1人くらい助っ人が欲しいのだが

「志摩子ちゃん、料理出来るの?」
「でも、此処の味の再現は無理です」
「う〜ん、どうしよう……蓉子ちゃんと江利子ちゃんも出来るのよね」
「ええ」
「はい」

 少し考え込むかあさん
 背に腹は変えられないが、それでも無謀な挑戦といえるだろう
 明日は戦争勃発状態まで行くのは目に見えて分かる
 ということは、那美さんたちも此方になるだろう
 忍は今日は店だから、明日はこっちだろう……という事は、助っ人を頼んでるだろう
 バイトたちは全員総出演決定らしい
 何でも二週間前には報告したそうだ
 俺の知らないところで勝手に進んでるな

「じゃあ、蓉子ちゃん、企業秘密だから、誰にも言わないでね」
「はい」
「もしかしたら、このまま永久就職先が決まるかもしれないけど、それは許してね」
「望むところです」
「って、蓉子、それはダメよ」
「分かってるわよ……ちょっとした冗談じゃない」

 いや、今の目がマジだった気がしたのは俺の気のせいか?
 何気に睨んでる志摩子と祥子が少し恐いぞ

「恭ちゃん、飲み物で……レモンティとアイスカフェオレとアメリカン」
「了解」

 俺は飲み物を先に作ろう
 かあさんのことは置いておこう
 江利子と志摩子も持ち場に戻ってるし……多分蓉子は……
 疲れ果てて帰ってくるだろうな……激戦必死だろうし
 俺は何も見てないし、聞いてない
 うん……聞いてないし、見てない




 5分後……

「江利子、交代しましょう」
「よ、蓉子」
「じゃあ、任せたわ」
「え、え、え……」

 蓉子は少しふらふらとしながら出てきた
 少しだけ頬がやせたのは気のせいかもしれないが
 疲れたのだろう
 椅子に座ってもらい、俺はアイスティのオレンジを出す
 オレンジペコのアイスバージョンだ

「生き返る〜」
「ご苦労様」
「ね、あそこは修羅場?」
「毎度のことだが、あれは日々平凡という言葉でやってのける人たちの溜まり場だ」
「ごめんなさい」

 謝ってどうにでもなる問題ではないが、ちょっと楽しみとか思っていたら
 大きな間違いがあるという事に気づいたようだ

「さてと、俺もあまりサボると何を言われるか……」
「恭ちゃん、蓉子と話してないで、仕事仕事……次はダージリンとミルクティお願い」
「了解」

 着々と飲み物を作っていく
 その中で色々と面白い飲み物が発掘される
 かあさん、カクテルなんてどうするつもりだったんだ?
 いや、何で冷蔵庫の中にカクテルが……しかも、奥から

「恭兄様、メロンソーダって何処ですか?」

 何ですかという質問がなくなって大分楽になった
 というか、最初のあの質問は大いに悩んだ……紅茶の種類は知ってるが、グラッセって何とか
 まぁ、決定的なものはレモネードって何ですかだったな
 あれはアイスレモンティの甘い版なんだが……分からない場合は分からないみたいだ

「それはこっちだ……はい」
「ありがとうございます」
「恭ちゃん、オレンジジュースは?」
「恭ちゃん、紅茶とか出来てる?」

 パタパタと動きながら紅茶などを出していくと、段々疲れが癒えたのか蓉子も働き出す
 すると……丁度中に入って5分で出てきた江利子は疲れたように蓉子が座っていた椅子に座る
 その顔には疲労の色があった

「大変だったんだな」
「恭ちゃん、あれを毎日してる桃子さんって凄いですね」

 手をグーにして言う江利子
 何ていうか、燃えてる?

「いつか、私だって……でも、今は休ませて
 あそこ、修羅場というよりは、激戦地生中継だよ」

 俺もそう思う……毎度昼時と土曜日曜の怒涛な展開と
 そのときに見られる鬼かあさんと鬼松尾さんはあるいみ脅威だ
 だから、うちの店のバイトが辞めないのは奇跡に近いような気がする
 確かにその分の給料は払ってるが、入ってる人は少ないし……鬼だな

「お疲れ様です」

 江利子にもアイスのオレンジペコを入れる
 あまり美味しくないかも知れれないが、大丈夫だろう……

「あ、ありがと……恭ちゃん、私頑張ったよね」
「多分、蓉子と同じくらいかと……」
「あれ以上居たら、気が狂うわ」
「まぁ、うちは結構売れ筋もいいものが多いから」

 俺はそう言ってかあさんの方を見ると、手伝ってという視線を此方に向けている
 はぁ〜飲み物どうしよう……

「とりあえず、コップの洗い物お願いします」
「うん、セットするだけでいけるんだよね?」
「ええ」

 江利子には悪いが、今は猫の手も借りたいほど忙しい

「飲み物の注文があったら言ってください」
「うん、皆にもそう言っておくよ」

 そうして、俺はかあさんのところに行くと、切る作業に入っていく
 イチゴが並んでいて、お願いというジェスチャーだけだ
 かあさんはシューの方の仕上げに入っている
 今から作って何とかなるのだろうか?
 まぁ、おやつと言うのも必要か……

「恭也、オレンジペコとアップルティとセイロンティを1つずつ」
「分かった」
「此方にはアイスカフェオレお願いします」
「恭ちゃん、ブレンドは何処に?」
「あっち」

 指差しながら包丁を取り、さっと切っていく
 しかし、かあさんの採点は厳しいので、丁寧に丁寧に切り
 すぐに紅茶などの作成にも入っていく
 お湯は炊いておいて貰い、温度調整をして葉を蒸す
 そして、時間を見て、入れていく
 どれもコレも大変で……教えられてなかったら大変だっただろうな
 かあさんが……多分噴火して大変な状態に突入したかもしれない
 まぁ、ホテル時代に比べたら楽なんだそうだが

「恭兄様、このブランジュって何処にあるのですか?」
「ああ、それはコレなんだが……ちょっと待ってくれ
 ……かあさん、ブランジュって持っていって良いんだよな」
「ええ……ごめん、お願い」

 そういって、1つ取るとお皿に取りブランジュを渡す
 その上にフォークなどを乗せていく様を見ていると
 ポンと肩を叩かれる

「きょ〜〜〜〜や〜〜〜〜〜〜〜」
「かあさん、今は仕事をしないと間に合わないぞ」
「もう、大丈夫よ……で、何をのんびりと見ているのかしら
 私は休憩なしに頑張ってたと言うのに……」
「お、落ち着けかあさん……ほら、なのはも見てるぞ」

 なのはが此方を見て笑顔になっている
 多分、山と谷を同時に越えられたからだろうが
 その顔は達成感であふれている……

「お母さん、お疲れ様」
「ありがと〜、なのは〜」

 ぎゅむっという感じで抱きしめる親子
 まぁ、感動といえば感動なのだが……かあさんは年齢も考えろよ
 などと不謹慎なことを考える
 ちなみに、なのはも嬉しいのが抱かれたままだ

「お兄ちゃんもお姉ちゃんたちもお疲れ様」
「そうね、ありがとう……」
「いえ、いい経験をさせていただきました」
「私も」
「アレが職場で働くって事に繋がるんだと思うといい経験だよね」
「本当」

 そういいながら、ちょっとした笑顔だ
 まぁ、俺もそれが悪くないと思う……皆でやったという感じ
 それが文化祭や体育祭で現れるものだという事も……

「もうすぐしたらオヤツの時間だから、それまでは少しだけ休憩ね」
「しかし、かあさんたちはよく此処に店を出していいって言われたな」
「まぁ、私自身が出してみたかったのだけど、恭也は最後の文化祭かもしれないから
 だから見に着たかったのよ……ふだんは見てあげたり出来ないから
 で、明日も店は出すけど、自由時間は貰ったのよ」

 そういって少しだけ笑顔だ……

「明日はちゃんとバイトの子たちも着てくれることになってるから
 今日は色々あって、時間の都合が合わない子が多くてね……
 はぁ〜大変だったわ……恭也、後で肩もんでね」
「分かった」

 俺はそう頷く

「恭ちゃんと桃子さんって凄く仲がいいんですね」
「??」
「ん〜変な意味に捉えないでね……その、桃子さんが若いというのと
 恭ちゃんが大人っぽいからか、凄くお似合いのカップルかなぁって」

 聖はそういうとにやっと笑う
 なのはは驚いたように俺とかあさんを交互に見る
 蓉子と江利子も同じような状態だ

「あ、本当だ」

 江利子は真っ先にそういうと、少し考え込んだ蓉子が……ポツリと言い切った

「桃子さんも恭也狙い?」

 いや、聞いていた
 かあさんは首を横に振ると

「恭也はね、息子……年離れてないように見えても、私みたいな母親でも息子としていてくれる
 とても良い子なのよ」

 その言葉に誰もが納得という顔をする
 納得なのか?
 しかも、かあさんの自慢? 何で俺が恥ずかしいんだ?

「しばらくは休憩してて良いわよ……私も自由に動けるし
 恭也が居てくれるし……なのはも少し休みなさい……ちゃんと働くには休むのも必要よ」

 かあさんはそうやって声をかけて、全員に一度休憩に入ってと声をかけていく
 2人でやるという事なんだろう……なのはがかあさんに

「お母さんは休まなくていいの?」
「大丈夫よ……」

 かあさんはそういって俺に視線を送る
 もう接客だけで何とかなるという事なのだろう……
 まぁ、俺は普段より動いてないから余裕あるし、大丈夫だな

「では、皆さんちょっと休憩しててね……
 今は少しだけ休憩しててね」

 そしてかあさんに言われて、俺とかあさんは接客に入る
 結構な広さがあると行っても、外と中で分かれて客を区分けしていく

「あれが本来の姿なんだね」
「みたいね……慣れてる二人で確りと客層を分けて見ていくあたり凄いよ」
「え?」
「ちゃんと学生と先生と一般とで分けてる
 人が少ないと言えど、何時そうやってあわせてるのか分からないね」
「禁煙とかの席を聞かずに対応してってるし……」
「桃子さん、凄いですね……恭兄様もかっこいい」

 それはどういう意味だろうか……話しながら休憩を取るのは仲が良い証拠だろう
 そして、俺はその話を耳に入れながら、紅茶を入れたりしていく
 かあさんもみたいだ……大体視線からして、オレンジペコかな
 ま、俺も入れてるから2人分だな

「お待ちしました」
「待ってたよ〜、高町くん」
「沙絵さん……どうかしたのですか?」
「実は忍が逃亡しちゃって」
「まぁ、忍だし」
「参ったね……で、うちのクラスの仕事が全員に分担して増えたんだよね〜
 どこぞの誰かさんは多数の女性に囲まれて、それはそれは嬉しそうだし」
「と、すみません、仕事してますので」
「まてぃ」

 俺の腕をぱっと手で取る
 むっ

「翠屋の件はいいけど、彼女たちは置いておいていいのかなぁ?」

 そういわれて、見てみると5人の男たちが何やら声をかけている
 むっ、もしもコレで迷惑が掛かることがあったら……俺が悪いな
 それに……ちょっとむっと来る

「離してもらえませんか?」
「ん、了解……高町くん、明日は来れたら見に着てね
 楽しいものが見られるから」
「ああ」

 邪笑というものだろう……何か企んでいて、それがとても良い結果を結ぼうとしているとき
 人はとても良い笑顔を浮かべると言う
 というか、どうみても恐い笑顔だが……近寄らないで置こう
 飲み物置いてレシートも置いたし

「すみません、お店でのナンパはお断りしてるのですが」
「うるせい!」

 そういって俺に向けられる視線
 そして、いきなりパンチを繰り出してくる
 俺はさっとお盆を前に出すことで当たらないようにする
 ガンという音がして拳の形に凹むお盆
 やはりアルミ製は問題だと思うのだが……縦にしたら攻撃力は上がりそうだが

「あ、恭兄様」
「大丈夫か……?」
「ええ、大丈夫は大丈夫なのですけど、そちらの方たちは?」
「ああ、そうか……気にしなくても良い
 蓉子、江利子、聖、志摩子、祥子、少しだけ待っててくれ
 すぐに終わる」

 俺は視線をナンパ男たちに向ける
 多分、その目は怒ってると思う
 むっと来たのは事実だし、彼女たちに失礼な行為をしていたら
 それこそいらいらの元だ……

「待ってるので」
「ああ」
「恭也、あまり無理はしないで下さいね」
「もちろんだ」

 そして、俺は見送られる形で相手を見る
 相手が後ろへと一歩後ずさる
 それは、恐いとかの本能的なものだろう
 良い性格をしている……ただ、遅いが

「恭也、相手を気絶させるなら半数は残しておいて持って帰ってもらってね
 お金は貰ってるから問題なしだから〜」

 かあさんからとんでもない言葉がかかる
 相手方も止めてくれるものと思って、少しほっとしていた所に追撃だった

「二度と彼女たちに言葉をかけるな……
 彼女達は俺の大切な人なんだから」

 そういってお盆で相手の意識を刈り取る
 それは、どういう事になるかとか気にしてない……かあさんに迷惑をかけるかと思ったけど
 かあさんが何気にパンチパンチとか言って一番元気に応援している
 なのははほぇ〜という感じで此方を見ている……
 俺はそのまま半数の意識を刈り取り、言葉をかける

「いいか、変なことしてみろ……翠屋だろうが、出張店だろうが
 同じようにしてやる……とっととそいつら連れて帰れ」
「ひっ、ひぃ〜〜〜〜〜〜〜〜」

 恐れをなして逃げたと言う感じだ
 俺はそのまま祥子と蓉子、江利子、志摩子、聖のところに行く

「大丈夫か?」
「ええ」
「大丈夫です」

 と、志摩子が肩を抱いて震えている
 俺はさっと手を出すと、志摩子が俺の腕を抱きしめて震えている
 泣いてるのとは違うが……恐かったようだ

「大丈夫だ……悪かった
 少し目を離した隙に……」
「ご、ごめんなさい……でも、男の人が恐いと思った」

 それはそうだろう……ナンパといえば、下心あるわけだから
 そういう目で見られれは不快感もあれば、恐いと思うのも不思議じゃない
 そういう武力的な防御能力はほぼ皆無なわけだし……

「恭ちゃんが悪いわけじゃないし……」
「恭也のせいでもないですから……私達も注意してなかったわけですし」
「まぁ、お店にももう来ないでしょう」
「たぶんね……恭兄様、かっこよかったですし」
「そうですか? 恐がらせたかと思って、凄く不安だったのですが」
「そんなことないよ」

 そして、笑顔で応えてくれて良かったと安堵すると
 かあさんが、何やら紙袋を持ってくる

「恭也、あんたモテモテね」
「はっ?」

 俺は訳もわからず渡される紙袋を受け取る
 中身は手紙なようだ……

「文化祭の誘いと他もろもろの手紙よ……ほら新聞部と写真部がしてたって言ってたじゃない」
「ああ、俺と赤星のやつだな」
「それで、明確に恭也に向けて書かれてるのを持ってきてくださったのよ
 まだ途中だけど、一杯になったからって」

 なるほど……意見箱みたいなのがあったが
 あれは、俺に差し出すための物だったんだな……恐ろしいな
 赤星の分もあると言えど恐いものだな……でも、紙袋一杯はどうかと思う

「恭ちゃん、さすがというか、何と言うか、頑張って」
「いや、これは無視するしかないだろう……流石にコレを貰っても手紙を返したりとか難しいし」
「そうだね……私もそう思う」

 江利子はそう言って手紙を一枚一枚取り出していく
 全員が近寄ってくる

「恭也、これ返事とか出来ないと思うけど、目は通して上げたら?」
「そうだな……時間があるときに日向ぼっこでもしながら見ようかな……
 あまり鍛錬ばかりしてると、ちょっと恐い整体女医にどんな折檻を受けるか……」

 俺は背筋に感じた恐い思いを頭の片隅にやりぼやいた
 彼女たちもどういうのか分からないけど、俺が恐がってるのを見ていたようで

「それは確かに恐いかも……」
「恭ちゃんが恐れるほどの方ってのも興味ありますけどね」
「でも、会いたくないかな……病院とか嫌いだし」

 何ていうか会話をしながら、一枚一枚見ていく
 俺もそれを少し見ながら休憩時間としていく……赤星も今は大変だろうな
 ま、あいつは人当たりがいいからもっと大変かもしれない

「恭兄様、本当に凄い言葉も書いてありますわ」
「本当ですね」

 祥子と志摩子が赤面しながらそう言葉を漏らす……
 と、俺に紙を差し出す二人……俺も中を覗き込むと
 顔が熱くなった……『愛してます』『抱いて下さい』『私に貴方の愛情を下さい』などなど
 それはもう、俺としては勘弁願いたいほどの言葉が羅列していた
 祥子や志摩子が出したことにより、聖、江利子、蓉子も出してくれる
 5人から出されるのを順々に確認していくと、あまり変わらない内容になってきた
 頬が赤いのは誤魔化しようが無いが、なれなくとも、何とか見えるくらいにはなってきた

「さ、恭也……あんたは仕事にそろそろ戻ってね
 彼女たちも動けるならお願いしたいのだけど……そろそろ追い込みだし
 後2時間頑張って」

 今が2時半……後2時間で売り切るつもりだ
 多分焼いてあるのは全て焼けるという計算なんだろう……
 かあさんならやり遂げそうだが、厳しいだろう
 9人で店を回転させるのと同じだ
 まぁ、これからは楽だろうが……だって、作るのと平行しなくていいし
 かあさんが、紅茶などの飲み物を全てしてくれるだろう
 だったら、彼女たちを助けたりとかも出来るし

「なのは、遊んできても良いわよ〜、美由希や那美さんの所行ってきたらどうかしら」
「いいの?」
「まぁ、明日も少しだけ働くから、そのためね」
「うん……じゃあ、ノエルさんも連れて行っていいかな?」
「もちろんよ……ノエルさん、なのはをお願いします」
「はい」

 そして、7人になる……ということは、ちょっと大変かもしれない
 店の大きさが意外と大きいのでちょっと大変だ……まぁ、それ自体は問題ではないのだが
 完全に外と中で分かれてるのが問題なのだ……半々に分けるか?
 いや、それだと……

「恭也と志摩子ちゃんと祥子ちゃんでこっちを……
 蓉子ちゃん、江利子ちゃん、聖ちゃんで中をお願い
 外は寒いから悪いのだけど、お願いね」
「了解」
「あの、何で私達は中なんですか?」
「ん〜、もう手馴れてるようだし、こっちの方が椅子の数少ないし」

 多分テーブルの数も入っている
 まだ入って2時間とかでも、使う部分は使っていく
 まぁ、それに俺達が手伝うのを楽しんでるし……

「そうだ……恭也、もしも外寒いなら、上着なさいよ」
「分かってる」

 そういって、それぞれの分担の仕事に戻る
 といっても、ウェイターの仕事だけなので、対して辛くは無い……慣れてるし
 彼女たちの働きぶりを見ながら、ちょくちょくと声をかけてくる男連中を追い払う
 中は慣れてるのか、それはもう鮮やかに振っていく
 もちろん、手を出そうとしている男にはかあさんが声をかけてくれている
 多分、気づいたらということで、俺にこっちを任せたのだろう……






 そして、文化祭1日目の終わりを告げる放送が流れる
 物は全て売れ、かあさんはホクホク顔だ……俺達にバイト代とか言って勘定してるし

「はい、みんなの分……後、今日のホテル代金も含まれてるから
 それとも家に来ます? 私は大歓迎だけど、プラス5人か
 恭也の部屋に2人、客間に3人かな」

 かあさんがそう考えながら行ってると

「あ!! リビングに6人で抱き合いながら寝るなんてのも1つの手よね」

 などとポンと手を叩きながら言う
 俺はそれを想像してしまい、妄想退散などと頭の中で漢字の羅列を浮かばせる
 いや、松太郎(盆栽の名前)を思い浮かべる……
 松次郎や松吉のことを……(やっぱり盆栽の名前)

「きょ、恭ちゃんど同衾」
「わわわっ」
「……(真っ赤)」
「恭兄様と……」
「恭ちゃんと子供の頃以来」

 なんか恐い発想に富んでるな……しかも、誰も止められないし
 俺はそれを少し考えながら、少しだけ言ってみることにする……

「一応ホテルという手もあるんだし……多分」

 俺は携帯を取り出すとメールがきていたようだ
 先ほどのようで、ピッという音と共に中身を見る

『恭也くんへ
 今日は5人連れてるようで悪いけど、頼むね……そうそう、高町家の方に連絡しておいた
 恭也くんの名前を使ったのは悪かったけど、手が無くてね……ホテル予約されてたし
 まぁ、道場もあるし、大丈夫だろうとは思うけど、宜しくね
 小笠原融より』

 泣きたくなるようなメールの内容だった
 多分かあさんはコレを知っていたんだ
 と、もう一度携帯が鳴る

『忘れていたけど、避妊はしてくれな……
 妊娠したまま学園に通うのは困るだろうし』

 というとても如何でもいいような事が書かれていた
 誰も見ていなくて良かった……というか、見られてたら問題だな

「えっと、家の家で良いですか? 最近何かと物騒ですし」
「大歓迎ですしね♪」

 かあさんは嬉しそうだ
 これで、彼女たちのお泊りは確定し、俺たちはそのまま高町家に帰ることとなるのだった
 蓉子、江利子、聖、志摩子、祥子にとっては行くに当たるのだろうが……








 この日、リビングを広く開けて、布団を引いていき一組に二人くらいの割合で寝ることとなった
 何故か俺の布団に2人がぺたっとくっつくことになり
 夜の鍛錬は中止となった……朝の鍛錬も中止という通達をし
 美由希と晶とレンは上にあがる
 かあさんが最後に『あまり激しくしたらだめよ、全員初めてなのだから』と言われた
 俺は『んなことするか!!』とかあさんのおでこにでこピンをして黙らせた
 いまや、俺の隣で寝息を立ててるのはじゃんけんで勝利を収めた2人
 江利子と志摩子だったりする……
 蓉子と祥子と聖は何かと話しながら寝る
 といっても、俺ははしっこがいいのだが、それを良しとしなかった2人と
 3人がそのままもう1つの布団の方で寝るのだった
 といっても布団は3組出され、俺の布団には1人用なのだが、3人が寝てる計算になっているのだった
 その後、俺が寝ることは出来なくて……朝まで志摩子と江利子の柔らかさに翻弄されるのだった
 ほ、頬に髪の毛が〜〜〜〜
 う、腕にむ、胸の感触が〜〜〜〜〜〜〜
 が〜〜、足を摺り寄せるな〜〜〜〜〜〜〜〜〜











 つづく










 あとがき
 多分次は大変だね
 シオン「というか、書いてる本人に聞くけど、この物語の明日で最後なんだよね」
 ああ
 ゆうひ「どう終わらすの?」
 秘密だ
 シオン「……まぁ、いいけど、その首についてるロープ跡は何?」
 これな……(ザシュッ!!)ごふっ
 ゆうひ「あ、喉に剣が刺さっちゃった」
 シオン「というか、誰かから投擲された剣が刺さったんだね」
 ゆうひ「大丈夫、遊び人?」
 こふ〜こふ〜
 ??「ごめんごめん、あたっちゃった〜、まぁ、大丈夫よね……じゃあね〜」
 シオン「ロープした本人だ」
 ゆうひ「○〜ちゃんまたね〜」
 シオン「隠すのもどうかと思うけどね」
 ゆうひ「話そうとしたところに止めを刺すか……いいわね」
 シオン「でも、凄いね……遠くからの射的」
 ゆうひ「投擲だよ」
 シオン「だね」
 ゆうひ「でわ、また〜」



 だくだくと血を出し続けてる遊び人が干からびかけるのだった



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