マリア様はみている×とらいあんぐるハートSS








設定……
高町恭也、大学3回生で22歳です
秋の話で、護衛の仕事をしながら、大学に通ってます
海鳴大学の近くの私立の大学に通ってます(あるか無いかは知らないZO!
で、海鳴大学1回生の水野蓉子が入ってます
それくらいかな……学部が同じですので、それでお願いします(法学部ね)








『彼と彼女のサードタイム』









「あら? 恭也さん」

 後ろから声をかけられて、俺は振り返る

「蓉子さん」

 駅前のビルの本屋
 俺の愛読書が置いてある唯一のお店にして、俺の来る場所としては
 最もポピュラーな所だ……お金もここがメインでしか使ってない

「あら?」

 俺が手に持っている本を見る
 そこには、盆栽とでかでかと書かれている

「そういえば、趣味と言ってましたものね」
「ええ」

 前に話したときに盆栽と応えたのだ
 盆栽と釣りと散歩くらいかなと言ったら、2人から俺らしいと言われた
 そんなに枯れてるように見えますかと聞いたら
 首を横に振って
 「恭也さん(恭兄様)には似合うから」と応えた
 どうとって良いのか悩みどころだ
 しかし、その日から3日後に会うとは……
 しかも本屋なんかで……

「そういえば、蓉子さんは何を?」
「えっと……それは、その、何と言われても考えものなんですが
 友達と待ち合わせをしていたのですが、まだ時間があるので本を物色しようかと」
「そうなんですか……此処が一番揃ってますからね」
「そうなんですよ」

 そういって、軽い会話をしながら、俺は雑誌を持ちながら法学関連のところに行く
 勤勉なんだな……俺とは大違いだ
 しかし、最近蓉子さんと会うようになったな
 悪いことじゃないけど、ちょっとのんびりする
 家で盆栽の世話などしていると、周りから枯れてる枯れてるといわれるからな
 他にすることが無いからバイトをするとか言ったら、彼女連れて来たらとか色々言われるし
 他にするのには時間が足りないし、鍛錬はもうしない事にしてるし……
 美由希に皆伝を渡した後、俺はしばらく剣を振るっていたが辞めた
 それは俺の知り合いにすべて伝えた
 日常生活に支障が出たら……俺は多分バイトも出来ないだろうから
 何も出来ない俺は、多分家族の中でも居る場所が無いだろう

「恭也さん?」
「あ、何か?」
「いえ、その、あの上の左から5番目の本をとって欲しいんです
 届かなくて……台を探していたのですけど、見つからなくて」
「あ、ちょっと待ってください」

 俺はそういって本を手にとる
 確かにこの高さは蓉子さんには辛いか……
 俺は本を確かめて、渡す

「ありがとうございます」
「いえ……俺は勝手に付いてきたに等しいですから」
「そうですか? 確かに1人で暇をしていたので、ちょっと嬉しいですけど」
「蓉子さんだったら、引く手数多(あまた)でしょうに」
「うふふ、そう言ってくださって嬉しいですけど……私の隣を歩いてもらうのは
 私が厳選した方だけですの」

 俺は厳選されたうちの1人というわけか
 確かに蓉子さんと付き合うのに釣りあいの取れる人が居るとは思えないが
 そこは高校の同級生とかなら納得しそうだ

「俺は大丈夫なんですか?」
「もちろんですよ……大概はお断りしてますし
 何かミス海鳴とか言うのにも選ばれてしまいましたけど」
「……ああ、大学のミス○○ですね」
「ええ……そういえば、隣の大学のミスターなんとかって高町って名前だったような」
「俺は知らないんですよ……その参加してなかったので
 ミスも選ばれてると思うのですけど……」
「知らないことって多いものですね」
「はい」

 このとき知らなかったが
 赤星に聞いたところ、水野さんはミス海鳴大であったそうだ
 ちなみに、その後俺の方も忍に聞いたら、ミスターは俺だったらしい
 そして、ミスは忍だったそうだ……昨年は那美さんに負けたとか如何とか愚痴を言われた

「これですね……教授が良いって言っていたのは」
「良かったですね」
「はい」

 見つかってという意味が無くともわかる言葉
 そして、買い終わると時計を見る

「恭也さんにはお世話になりっぱなしなので、何かおれいをしたいのですけど」
「そんな気にしないで下さい」
「いいえ、気にしますよ」

 しばらく、そのことで話していてが、結局俺が折れた
 というか、負けたという感じだ
 頭を下げられては断れないし……悪いと思ったのだ
 断る理由が少ないのにと……

「此処で良いですか?」
「ええ……」
「ここは緑茶が美味しいらしいんです
 恭也さんが前の時に緑茶と和菓子が好きって言っていたので
 聞いてみたら、此処が一番良いとか」
「なるほど……じゃあ、入りましょう」
「ええ」

 そして、2人で席を取り、すわりメニューを見る
 確かに和菓子と緑茶とかしかない
 しかも、せんべいとかまである
 分からないお店だ……お持ち帰りもできるしとの事だが
 値段もリーズナブルだし、これで美味しかったらいう事なしだな
 茶葉売ってあったら、買って帰ろう
 出された緑茶を飲みながら考える
 メニューは芋羊羹にしようと考えてる

「決りました?」
「ええ」
「すみません」

 近くに来た店員さんに、俺のお茶の御代わりと芋羊羹を頼む
 蓉子さんは白玉ぜんざいを頼んでいた
 確かに少しずつ寒くなるこういう時には良いかもしれない

「では、少々お待ちください」

 店員が歩いていくのを見て、蓉子さんを見る
 蓉子さんは両手で丁寧に茶碗を持ち、飲む
 コクコクと動く喉に俺は少し目をそらした
 何ていうか、目に毒な気がしたのだ……

「そういえば、恭也さん」
「はい?」
「羊羹でよかったのですか?」
「ああ……言ってませんでしたか? 俺、凄く甘いのとか苦手なんですよ
 和菓子の甘いのはまだ食べられるものもあるんですが
 洋菓子となると食べれませんね」
「喫茶店で働きたいと言ってる割に、あまり良くない意見では?」
「かあさんは、そろそろ新しい風入れたいから和菓子作ろうかなぁとか考えてますが」
「……確かに、あそこで和菓子メニューもいけるかもしれないですね
 洋菓子とのコラボレーションが楽しめそうです」
「はい」

 そして、しばらく話してると注文の品が届く

「お待たせしました」

 お盆をテーブルの上に置いて、両手で出していく様は確りと教育をしてるんだと分かる
 そして、定例の言葉を言って歩いていく……
 のんびりだな……出してくるのは意外と早かったのは、多分、切っていただけだろう
 ぜんざいも作り置きがあるだろうから、暖めて、白玉を入れれば完成だ

「頂きます」
「頂きます」

 手を合わせて食べる
 ふむ……芋の甘さが良いな……
 羊羹はあまり甘くなくしているところが、またいい感じだ

「美味しい」

 蓉子さんの方も美味しいらしく嬉しそうだ
 ちょっと教えてもらって満足だ……多分此処が最近出来たお店なんだろうとは思うが
 俺はあまり知らないので、よく分からないものだ……

「恭也さんは白玉は食べられるんですか?」
「ええ」
「どうぞ」

 お箸に乗った先には白玉が乗ってある
 そして、それを手を小皿代わりにして、差し出している

「あの、汁がたれるので、早めにお願いしたいのですけど」
「えっと、それって」
「どうぞ」

 にっこりと笑顔で微笑まれる
 俺はそのまま白玉を口に含む……お箸が抜かれる
 俺の頬は真っ赤になっているだろう
 目が泳ぐ……
 と、出入り口で何故か此方を見ている女性が2人居る
 誰だろうか?

「よ、蓉子が……」
「そ、そんな……」

 先ほど蓉子って聞こえた気が……

「あ、蓉子さん、俺の芋羊羹もよければどうぞ」
「ありがとうございます」

 お箸で切り分けて食べる
 俺もお箸貰えばよかった……楊枝みたいなもので芋羊羹は食べるので大変だ

「そういえば、時間大丈夫ですか?」
「え?」
「何か待ち合わせとか……」
「あ!!」

 蓉子さんでもこういうことするんだな
 そんなことをしみじみと考えながら蓉子さんは携帯を取り出してボタンを押してる
 出入り口の女性の携帯がなる

「え?」

 驚いた表情で蓉子さんは出入り口を見る
 そして、顔を赤くして、固まる
 俺が不思議そうにしていると、蓉子さんは携帯を切った

「…………」

 沈黙が蓉子さんに降りる
 俺はそのまま芋羊羹を食べ終えると、蓉子さんに聞いてみる

「えっと、お待ちになってるのって」
「……その、はい
 此方に呼びますね」
「え、ええ」
「あの、席よってもらえますか?」
「はい」

 お互い気まずいような気がして仕方ないのだが
 何が如何とか全く意識してなかったのだ
 店員さんにつれてきてもらい、前に座ってもらう

「蓉子ったら、私達を待たせて、彼氏とデート?」
「ち、違うわよ……たまたま会ったから、時間を忘れてしまっただけで……」
「へ〜、あの蓉子が……」
「しかも、他人の前で『あ〜ん』だなんて」
「本当、リリアン女学園の卒業生や在校生が見たら卒倒するわね」

 り、リリアン女学園!!!?
 確か、そこって……超有名女子学園で、幼小中高大と揃っているマンモス学園
 しかも、その隣に花園とか言う男子の同じ規模の学園があるとか

「で、そちらの彼は私達に紹介するために呼んだの?」
「違うわよ……前、江利子と聖が美味しいケーキ食べたいって言ってたから
 美味しいお店見つけたから紹介しようと思っただけよ」

 何とか冷静に戻ったのか、蓉子さんがそういう
 俺はお茶をのんびりと飲んでいる
 何故かちくちくと視線が刺さる……いや、突き刺さっている

「じゃあ、この人は蓉子の友達で彼氏ではないと?」
「え、ええ」
「嘘ね」
「嘘よね」

 2人の友達に簡単に一蹴される
 何ていうか、それはそれで、カワイそうな気がしてきた

「あの、お二方とも、俺と蓉子さんはそういう男女の関係じゃないですよ
 それに、俺なんかだと蓉子さんと釣りあいませんて」
「「はい??」」

 2人から驚きと、どういうことって感じで俺と蓉子さんを見る
 俺の言葉に蓉子さんは少しだけため息をついてる
 ぜんざいを少しずつ食べながらだが……

「本人を前にして言うのもなんだけど、恭也さんは鈍感なのよ」
「いや、本当にどうかと思うぞ、蓉子さん」
「だから、最初に言いたかったけど、ごめんなさい」
「はぁ、まぁもう言われなれてますから……」

 そういうと、確かに言われなれてるなぁとしみじみと考えていた
 なのは、レン、晶、美由希、フィアッセ、かあさん、忍、那美さん、ティオレさん
 その他CSS関係者とか……うむ、多いな
 慣れもするわ……納得

「でも、そういうのってお互いの気持ちじゃない?」
「そうですね」
「恭也さんの気持ちはどうなの?」
「俺に言い寄られたら迷惑だと思うので……それに、今はそこまで考えてませんよ
 俺の周りは簡単に言えば喧騒ですから」
「……??」

 意味がわからないのか、3人とも首をかしげる
 美人さんがそれをすると絵になるな
 う〜ん、卒業生とは違った魅力があるな

「でも、蓉子が忘れるなんてね」
「仕方ないじゃない」
「何が?」
「うっ……だって、その楽しい時間は早く過ぎるって考えが及ばなかったのだから」
「そうね」
「そりゃあ、あんなことしてたら忘れるでしょうね……」
「もう、いいじゃない……美味しいケーキ食べに行きましょう」
「……その話は後でじっくりと聞くわ」

 今日は平日だが、大丈夫なのか?
 まぁ俺がどうこう言うわけじゃないが……
 と、何故か蓉子さんが顔を少しだけ青くしている
 気づいたのは俺だけみたいだ

「蓉子さん、どうかしたのですか?」
「えっと……恭也さんはこの後、どうするんですか?」
「え? この後は時間が空いたのでバイトの方に入ろうかと……」

 蓉子さんがこめかみを抑えた
 必死に何かを考えてるようだ

「ほら、蓉子行くよ」

 両腕を持って連れて行く
 あ〜、警察官に連れて行かれる犯人はあんな図かもしれないな
 しかし、どうなんだろうか?

「あ、レシートが無い」
「恭也さんの分は私が払いますから」
「あらあら、蓉子ったら優しい」
「前、奢ってもらってるからです」
「いえ、しかし、悪いですって」
「いえ、本当に良いですから」

 そして、レジをすますと連行されていく蓉子さん
 俺は、これから用事があるという事で、先に別れようとすると
 一も二も無く蓉子さんに早く行く方がいいって言われたので頷いておく
 珍しいな……慌ててる蓉子さんって
 俺はその後、2人に自己紹介をして別れる
 翠屋へと向かい、中に入ると盛況だった
 というか、多いな

「恭也〜〜〜、助けて〜〜〜〜」

 かあさんの泣き言が聞こえる
 俺は分かった分かったと言う風に頷きながら、フロアを纏める
 バイトの子があたふたと動き回っている
 この一杯の状態で2人はきついだろうに……
 俺はすぐに仕事分担を決めて、飲み物系統をしていくのでといって
 フロアを2つに区切って、相手を担当してもらい
 洗い物はつけておくようにとだけ言っておいた

「いらっしゃいませ〜」

 声が響く中、着実に飲み物のオーダーをこなしていく

「あの、恭也さん、お客様が、何か用事とかで呼ばれてるのですけど
 お願いできませんか?」
「俺?」
「はい」

 何だろうか? 俺がそちらに行くと
 顔を赤くして俯いてる蓉子さんと先ほどの鳥居さんと佐藤さんが居る
 というか、美味しいケーキってうちだったのか……全く考えなかった

「えっと、オーダーでしょうか?」
「うん」
「お勧めのシュー3つとレアチーズケーキ2つ
 お勧めの紅茶3つとベリータルト1つと高町くんを」
「うちのお店では高町くんという商品はございませんが」
「ううん、あなたよ」
「へっ」
「うん、高町くん」

 2人が笑顔で俺を指名する
 が、俺は此処の店員だから、何とかしないと……

「当店では誰かを指名とか言うのは無いので……」
「蓉子に根掘り葉掘り聞くから居ないと困るかと思ったのに」
「本当よね」

 いや、そこで盛大なため息をつかないでくれ
 本当に恥ずかしいのか蓉子さんは俯いたままだし……
 ある意味、目立ってるし
 中よりのどこからでも見える席だしな

「それに、蓉子と高町くんの関係も気になるしね
 あの、言葉で納得出来るわけ無いじゃない」
「そうね……親友として見過ごせないわ」
「2人が楽しみたいだけじゃあ」
「蓉子、何を言うの!? 聖の時だって私のときだって心配したのに……」
「そうだよ……私たちが心配しないわけないじゃない
 …………ちょっと面白いかなとか思うけど」
「思ってるんじゃない!」

 蓉子さんが少し怒った
 まぁ、分からなくも無いが……

「それで、どうなのか、本人を交えて話したいじゃない」
「そうだね……さ、高町くん、蓉子の隣座って座って」
「いえ、だから、俺は働いてる最中ですし」
「大丈夫よ、恭也」

 俺の後ろから声が聞こえた
 かあさんだ……そこには何故か、忍と美由希が居た
 何故に? 今講義中ではないのか?

「私が呼んだら急いで来たわ……恭也に彼女が出来るかもって言ったら」
「はぁはぁ、疲れた」
「美由希ちゃん、早いわ」
「まだ負けませんから」

 そう言いながら二人は声を合わせて言う

「私達が居るから、働くのは後にしてもらって
 そっちの質問に答えたら良いよ」

 声をそろえていうな
 サラウンドで聞こえるぞ……しかし、困ったな
 何て応えたら……

「しかし、今日はお客さんも多いし」
「だから、ヘルプが2人」
「だ、だが……」
「私も入るから大丈夫よ……さ、2人が待っているから応えてあげたら」

 しかし、何で怒り口調なんだ?
 鬼気迫るものが無いか?

「しかし、蓉子さんは何て応えたんだ?」
「え!?」
「あらぁ? 先にそちらを聞きますか?
 罪作り?」
「いや、気づいてないと見た」
「え、あ、あ、の」
「蓉子が祐巳ちゃん見たくなったね」
「あ、確かに似てるかも」
「えっと、落ち着いてください、蓉子さん」
「は、はい」

 顔を赤くしながらも深呼吸を繰り返す

「それで、何と言ったんですか?」
「聞き返さないで下さい……2人とも知ってるから、後は恭也さんの意見のみです」

 蓉子さんが落ち着いたのか、冷たくあしらわれる
 ん〜、どう応えたらいいのだろう

「確かに最近よく会うし、その、色々と話してますけど
 男女間の関係でいえば、友達でしょうか?
 親友とも捕らえられます……」
「へ〜、じゃあ、その先の関係だね」
「そうだね……大体、お店の中で『あ〜ん』ってしてたし」

 カランとお盆が落ちた
 落としたのはバイトの子だった

「しかも、蓉子は笑顔だったし、高町くんもちょっと照れくさそうだったけど嬉しそうだし」
「本当、あれを見せられてカップルじゃないとか言われたら……
 感性を疑うわ」
「いや、ちょ、ち、違いますよ……それは蓉子さんに失礼じゃないですか?」
「でも、蓉子自身は迷惑じゃないし、失礼でもないって言ってましたよ」
「え?」

 俺が振り向くと顔を赤くしてそのまま俯いてしまった
 穴があったら入ってるかもしれないな

「恭也、成長したのね……士郎さん見てますか?
 あの、朴念仁で鈍感で果てしなく枯れているかと思われた恭也が……
 あの恭也が、ついに彼女が出来るかもしれないんです
 なのはの方が早いかもしれないと凄く危惧していたのに
 いまや、恭也の方が先取りです……」

 いや、そこで感涙してる高町母よ
 何故、俺をちらりと見る
 しかも、その全開の笑顔は何だ?

「で、恭也、本当はどうなのよ
 彼女のためにバーンと答えないと、あんたのバイト代しばらく無しだからね」

 いや、何か基本的に必要な時に貰ってるものの
 毎回貰ってることがないのだが……

「「そうよ、恭也(恭ちゃん)、答えて」」

 何故にそこで2人が聞く
 でも、応えないと悪いよな……

「確かに、蓉子さんとよく会うし、親しい間柄といえば間柄だ
 こういっては蓉子さんに失礼かと思うが、好意は抱いてる
 恋愛感情といえるかどうかは分からないのだが……」

 俺がそういうと周りにため息やら頭を抱えてる人が増えた
 なんなんだ?

「えっと、恭也さん、本当ですか?」

 捨てられた子犬みたいなちょっと頼る目で俺を見る蓉子さん
 初めて、こんな蓉子さんを見た気がする
 俺が頷くと、嬉しそうに微笑む

「蓉子、良かったね〜」
「本当〜、これでもしもダメだったら、高町くんに何を言うか考えてたわ〜」
「「で、蓉子、これからじっくりはっきりしっかりと応えてもらいましょうか?」」
「え、えっと……今日は辞めてほしいわ」
「あら、前ロサ・キネンシスともあろうお方が敵前逃亡?」
「何を言うのかしら、前ロサ・フェテイダと前ロサ・ギガンティアが」
「……あの、お三方とも喧嘩はダメですよ」
「まぁ、いいや……後1時間ほどで戻らないといけないから
 その間にじっくりと聞きましょうか?」
「そうね」

 この日、俺は寝掘り葉堀り聞かれた
 蓉子さんの事をどう思ってるかを皮切りにそれはもう多数の言葉をかけられるのだった










 そして、そんな事があった土曜日のまた蓉子さんと会うのだった










 おわり











 あとがき
 何ていうか、本気で難しい
 シオン「何が?」
 蓉子様が慌てふためく様子
 ゆうひ「……本文中には無いものね」
 そういうことだ……無いかな無いかなって探したけど無いし
 シオン「余裕で祥子様を弄ぶ姿しか浮かばなかったわ」
 ……お姉様の玩具になる妹……ちょっとえっちぃだな
 ゆうひ「……百合?」
 確か、それだ……個人的に非生産的だとは思うが、悪いわけじゃないだろう
 シオン「どういうこと?」
 だって、生産主義ならダメだろうけど、別に愛とか語るなら性別でどうこう言っても仕方ない
 ゆうひ「……それって、愛は何でも超えるって考え?」
 平たく言えばそうかもしれんなぁ
 シオン「何て鬼才な」
 ほっておけ
 ゆうひ「でわ、また〜」
 ほなね〜(^^)ノシ 眠いので、真昼間から昼寝かな……



慌てふためく蓉子。
美姫 「確かに、珍しい光景よね」
ああ。でも、それはそれでもまた良い!
美姫 「この先、どんな蓉子が見られるのかしら」
それも楽しみにしつつ、また次回〜。



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