とらいあんぐるハート×マリア様がみているSS









設定……
恭也が交通事故に会った時の話の前
ただ、士郎が亡くなり、恭也自身が自分を追い込んでる時の話です
だから……なのは、レン、晶が出ません
名前程度ならフィアッセなどでると思われます
多分恭也10歳頃の話です……
後、小笠原親子とは面識があります
以上!!!(他書くとボロが出るので却下!!!)








『Lost Memories』(その4or選択肢かな?)










 私はあるがままに伝えることにした……虚言をしても恭也くんには見抜かれるような感じがしたから

「恭也くんのお父さんは……士郎さんはすでにこの世には居ません
 もう亡くなってるそうです……原因はわかりませんが、お父様はそうおっしゃいました」

 鎮痛……痛ましいほどの静けさ
 恭也くんは此方を見ずに静かに自分の膝を見ている
 膝上の両手はきゅっと握られている……

「無神経かもしれない……でも、泣いても良いんだよ」
「かあさんは?」
「そこまでは私は聞いてません……でも、居ると、まだ居ると思います」

 私はそういうと勇気を振り絞って恭也くんを抱き寄せる
 泣いてもいいよと言っても、恭也くんは誰かに見られていたら絶対に泣かないだろう

「これで隠れてるから……ねっ」

 私はそのままに彼の頭を撫でていく
 そのまま車は走っていく……恭也くんは……泣いていた
 声は上げず、涙を流し、ただただ泣いていた……涙を流していた
 情報は入ってくるものの、彼はどこまで辛い過去を持っているのだろうか?
 もしも、私が恭也くんなら耐えられない
 これ以上に落ち込むだろう……士郎さんはどう思うのだろう?
 今の恭也くんを……自らを傷つけてまで力を欲しいと思い、小さな体で何とかしようと
 一生懸命で……だけど、それが諸刃で自ら傷つけ
 それでいて記憶障害まで起こるほどのことだった……
 私は恭也くんを抱きしめながら、胸に当たる恭也くんの涙が
 彼の悲しみだと思うと、張り裂けそうなほどの辛さがあった……
 弟したいほど、お父様には好かれている子だ……多分、他にもなり手は幾らもいるかもしれない
 でも、恭也くんはどれほどの悲しみがあるか知らない
 そして、自分の友達も自然と出てくると言っていたが、今はどうだろうか?
 自らの気持ちを吐露できる人も居ないのではないだろうか?
 それほどまでに辛い環境下に置かれた状態は普通の精神の強弱で言うなら
 強くないと生きていけないだろう……

「祥子お姉ちゃん」

 恭也くんが此方を見上げる
 私はそれに応えるべくそちらを見ると……

「ごめんなさい……お洋服、ぬらしちゃって」
「いいの、気にしないで……これくらいなんてこと無いわ」

 私はそういって恭也くんを安心させるように苦手な笑顔を浮かべる
 といっても、作り笑いというのはすぐさま分かるだろう
 恭也くんは聡い子だから……もしも、弟ならこれ以上に辛いことがあるかもしれないし
 逆に辛くないかもしれない……
 でも、家族が居なくなるという現実を突きつけられて周りに気を配る余裕があるなら
 大丈夫だと思う……私は再度恭也くんを抱きしめた
 どこか、離れたらこの男の子はそのまま違う場所に、違う所に
 気持ちの拠り所がないままになってしまいそうで……私にだけでも甘えて欲しい
 他にも甘えられる所はあるのだから……

「お嬢様、着きました」

 分かったという意味を込めて頷くと、私はそのまま恭也くんと共に車を降りる
 服を着替えるためにシオンと美姫に声をかけて、着替えを頼む
 恭也くんには先に行ってもらおうかと思ったら、恭也くんもシャワーを浴びたいと言った
 涙がついた顔を見られたくないのか、少し恥ずかしそうだった
 ほとんど変わらない表情に彼のらしさというものが出てた……
 今日のことは恭也くんにとってどれだけ辛い日になるか分からない
 一度なくした親を再度無くすという事だ……知らなかったとは言え、過去自分に起こり
 そして、再度亡くなった……

「辛いでしょうね」
「美姫、聞いてるの?」
「ええ、お嬢様が辛いとお思いになられたら、少し言葉をかけてやれと言われております」
「そう……でも、良いわ
 私より恭也くんの方が大変でしょうし」
「それはお嬢様に一任されてると思います……融様は一生懸命仕事のさなかに権限を行使し
 探しておいででしたから……連絡も中々こず、かなり心配なさっていたようです
 清子様も凄く気にしてるようでした」
「お母様もお父様も人が宜しいですから」
「それは祥子お嬢様もですわ……では、お召し換えを……」

 服を貰い、着替えていく
 ロングスカートでいいやと考えて、着替えを終えると着ていた服を美姫に渡す

「じゃあ、私は先に行きます」
「何処にですか?」
「決まってるでしょう」

 そう言って私は歩き出す……隣にある恭也くんの部屋に
 部屋の中に入ると彼はまだシャワーを浴びているようだった
 中には誰も居らず…………!!!?
 居ない!!!

「恭也くん、居ないの?」

 私はきびすを返して、お風呂場へと向かう
 シャワーといえば、2つあるが、どちらを選んでるか分からないので
 前、私と入っていた場所へと急ぐ……居ない
 もう1つの方へと小走りで移動すると、そこにはシオンが居た

「シオン、恭也くん、知らない?」
「えっと、恭也さまは……部屋に戻られたはずですけど」
「何分前に?」
「まだ2分ほど前ですけど」

 可笑しい……此処から、あそこまで要した時間が2分あるか無いかだ
 だったらもう一度戻ってみよう

「ありがとう」

 私はお礼を言って、歩き出す
 恭也くんは何処に行ったのだろうか?
 部屋で着替えてるなら別だが、もしかしたらリビングに行ってるかも知れない
 先に恭也くんの部屋に行こう……それくらい遅くなっても問題無いだろう
 ドアをノックして入ると、恭也くんは目を薄く閉じて座禅を組んでいた
 その顔には辛さや苦しみは無さそうだ
 ただ、無表情で……静かで……

「祥子お姉ちゃん……」
「ごめんね、迎えに来るの遅くなって」
「ううん……ありがとうございます」
「良いから……」

 そして、私は恭也くんの手を取り、座禅から立ち上がってもらう

「お父様とお話してから考えましょう
 まだ結果は出てない……途中の情報までだから」
「うん」

 そして、リビングに顔を出すと、お父様が居た
 珍しい事もあるものだと思う……本来ならこんな時には帰ってない

「おかえり」

 お父様は厳しい顔付きで此方においで言った
 それはどういうことか意味していることも分かる

「とりあえず、祥子から聞いたと思うけど、恭也くん」
「はい」
「気持ちの整理はついたかな?」
「お父様、あまりにもお時間が短いかと思われますが……」
「祥子……それは、こらからの事を踏まえてるから、とりあえず聞く心境があれば良い」
「大丈夫ですから……教えてください」

 そして、今日一日で調べられた情報を教えてくれる
 お父様は何故これだけ早くに調べられたかと言うと、イギリスの上議会議員のある人の聞いたようだ
 確か、アルバート・クリステラ……ティオレ・クリステラの夫で
 とても真面目でいい人だったと記憶している……

「恭也くんのお母さんだけど、生んだ人じゃないけど、士郎さんは再婚している
 その人が今の君のお母さんに当たる人だ……名前は高町桃子さん」

 お父様はそういって一度言葉を切ると

「で、義理の妹にあたる子で高町美由希ちゃん……そして、士郎さんと桃子さんとの間の子供の
 高町なのは…………ここまで来て何か思い起こすことはあるかな?」
「…………」

 恭也くんは真剣に考えてるのか、目を閉じて、ぎゅっと手を握っている
 思い出したとして、恭也くんはどうするのだろうか?
 此処を出て行くのは確かだろう……

「父さんがなくなって、新しいかあさんが居て……でも俺は実の子じゃない」
「ああ……士郎さんの連れ子だ」

 お父様ははっきりとそう言う
 多分嘘をついてもすぐばれるということなのだろう
 私もそう思うから、何も言わない……いや、言えない

「恭也くん、辛い選択肢をぶつけるようで悪いけど、1つ聞かせてくれないか?」
「何ですか?」

 恭也くんは顔を上げると、お父様を見る……
 その表情には力があまり篭ってないように思える

「恭也くんはこれから、何処で過ごしたいか?
 此処に居たいならここでも良いし、イギリスの知り合い
 名前を言うとティオレ・クリステラ、アルバート・クリステラも家にくるなら大歓迎と言っている
 そして、自分の家である高町家だろう場所に戻るか……
 1ついえるのは、どちらも新しく感じるだろうと言う事」

 お父様はそういうとじっと恭也くんを見る
 私は、どれを応えたとしても、ちゃんと恭也くんを送り出したりしないといけない
 たった一日だけだけど、恭也くんはリリアン女学園に居たわけだし……

「猶予は1週間くらいかな……一応、高町家のほうには連絡を入れておいた
 それと、君の状態から言ってあわせるのもどうかと思ったんだけど、会うかい?」

 恭也くんはまだ無理なのだろう
 首を横に振って、いいという意思表示をしてみせた

「今はまだ良いです……会う時は自分から言います」
「そうかい……なら、その旨も伝えておこう」
「ありがとうございます」

 恭也くんはそう言って下を俯く
 ここまで下を見ている恭也くんは珍しいと思ってしまう
 普段は前を向いて、確りと見据えている彼がだ……
 と、お父様が私を見ている

「祥子、恭也くんのことは任せる
 僕も仕事があるし、清子に任せるのも悪いと思うからね……
 何かあれば連絡くれたらいいけど、あまり過度な期待はしないでくれ
 もしも移動が必要なら連絡したら連れて行ってくれるだろう」
「分かりました」

 恭也くんが不意に私の手を取る

「融さん、僕……部屋に戻っても良いですか?
 それと祥子さんをお借りしてもいいですか?」
「ああ、良いよ……恭也くん」

 私と恭也くんが立ち上がるさなか、お父様が声をかける

「恭也くんがよければ、僕のことを『お義父様』と呼んでくれてもいいんだけど」
「それは僕の心が決まってからで」
「了解……恭也くん、一生を左右することだと思う
 だから、存分に悩んでくれ
 時間は短いけど」
「はい……」

 私と恭也くんは部屋を出ると、私の部屋に入る
 恭也くん自身はどちらでも良いみたいだったので、私自身が落ち着きたい場所にきた
 何処の部屋も恭也くんには緊張するかもしれないから……

「無責任かもしれないけど、恭也くんが1人で悩み答えを出すものよ」
「はい……祥子お姉ちゃん」
「何?」
「思い出せませんでした」
「え?」
「お母さんの名前聞いても、苗字を聞いても、全然思い出せないんです」

 恭也くんが悩んでるのは家とかじゃない
 もっと大前提的なものだった……高町家を理解できないのだ
 思い出せるはずなのに、端的に言えば、経験はしてるはずなのに、再現できない

「恭也くん……それで高町家に行くのを」
「恐いんです」

 初めて聞く言葉のように恭也くんから発せられた
 『恐い』という単語……

「でも、会わないといけないような気がして……」
「恭也くん、一度全員と会ったらどうかしら?」
「全員と?」
「そう、クリステラ夫妻と高町桃子さん、それのなのはちゃんと美由希ちゃん
 そして、結果を出しても良いと思うの……付き合うわよ」
「でも、学校が」
「休んでも問題ないわ……」
「じゃあ、会いたいです……クリステラ夫妻にも、高町桃子さんにも」
「決まりね……アポイントは早めに取るわ
 今は少しだけお姉ちゃんにならせてね」

 私はそういうと恭也くんを抱き寄せる
 やっぱり辛いなと思う
 そして恭也くんが強いとも……









 そして、私と恭也くんは1週間でクリステラ夫妻と高町桃子に会い話を聞いた
 誰もが恭也を抱きしめて、嬉しそうだった
 ただ、1人恭也は辛そうな笑顔で、私はその顔を見るたびに胸が痛んだ
 思い出せないと言っていた……それは顔を思い出しても名前が全く思い出せないのだ
 致命的な欠陥みたいな自分が恐いのだろう……
 約束の1週間が来た……恭也くんと私はお父様の前に来た
 今日は会社に来ている
 日曜なのにお父様が仕事で朝から居なくて、昼に出かけるということで
 此方まで顔を出したのだ

「答えは出たかな?」
「はい」
「祥子、お前は後悔ないね」
「恭也くんが選んだことを私がどうこう言えるものでもありません
 でも、しいて言うなら恭也くんはほんの少しの弟です」
「よし、なら聞こう……恭也くん、君は……どこに行きたい
 小笠原家、クリステラ家、高町家……3択だけしかないのが悪いが
 答えをくれないか?」
「僕は……」

 恭也くんの答えは……











 1、高町家
 2、クリステラ家
 3、小笠原家












 つづく














 あとがき
 あれ?
 シオン「ね、増えてるわよ」
 あれ?
 ゆうひ「あれ? じゃないでしょうに」
 本当だね
 シオン「どうするの?」
 どうしよう?
 ゆうひ「選択肢ってことは選択肢後かけるの?」
 書くよ…………………多分
 シオン「えらく考えてたわね」
 ま、まぁね
 ゆうひ「何を考えてたの」
 いや、高町家だと3そのまんまかなぁって
 シオン「…………ひ、否定できないね」
 そう、で、クリステラ家だとNewStoriesな展開に
 ゆうひ「本当だね」
 あ〜、じゃあ、やっぱり小笠原家かな
 シオン「他のパターンないの?」
 あぁ、そのね、別にこだわりを持たないならショートで手はあるからなぁ
 ゆうひ「気合で全部書くのよ」
 個人的に誰かの意見を聞いてから書きたいのだけど
 シオン「初挑戦ながら考えてるみたいだしね」
 まぁね
 ゆうひ「ちなみに、子供(恭也)と姉(祥子)の組み合わせのことだからね〜、また〜」
 ほなね〜(^^)ノシ



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