とらいあんぐるハート×マリア様がみているSS









設定……
恭也が交通事故に会った時の話の前
ただ、士郎が亡くなり、恭也自身が自分を追い込んでる時の話です
だから……なのは、レン、晶が出ません
名前程度ならフィアッセなどでると思われます
多分恭也10歳頃の話です……
後、小笠原親子とは面識があります
以上!!!(他書くとボロが出るので却下!!!)








『Lost Memories』(選択肢2、クリステラ家編)








「僕は、クリステラ家に行きます」

 恭也くんはまっすぐにお父様を見ている
 お父様も恭也くんを見ている……その視線が絡んでる様子は男同士の対話にも見える
 といっても、子供と大人という違う点があるけど……

「分かった……じゃあ、手配はしておくよ
 ただ、あちらに行くまで少し時間がかかるけど、良いかな?」
「はい」

 恭也くんはそういわれて頷きながら返す
 私は、それを聞いて少しだけ安堵する……恭也くんがそういうなら問題無いだろうと

「祥子とも話し合ったんだよね?」
「はい……僕の考えを言った上で、アドバイスだけを頂きました
 どこの所も魅力的で何処を選んでも難しいと僕がいうと祥子お姉ちゃんが
 『最も傍に居たいと思える人の所に居なさい』って」
「ふむ……確かにそれがベストだね」
「ティオレさんの歌、綺麗だったから」

 そう、恭也くんはティオレさんの歌が好きになったみたいだった
 普段から他人しか見てない部分があったが、たった一つに固執する様子は初めてだった
 ティオレさんに無理を言って聞かせてもらった歌は
 ティオレさん自身がフィアッセちゃんに聞かせてる子守唄だったらしい
 前は子供のために歌っていた歌を聞かせてくれたのは貴重だ

「恭也くんが行きたいなら応援をするだけさ…………」

 お父様が小さく何か言葉を発した
 何を言ったのか分からないけど、それでも何か重要なことみたいにも聞こえた
 さっきのは英語だったかしら? 小さすぎて発音なども捕らえられなかった
 恭也くんはちょっと恥ずかしそうに俯いていた
 赤い顔をしている……まだまだ幼い体
 でも、心は大人のそれと似ている……私が彼に心許してるのはそういうところが確りとしているから
 祐巳もなんとはなしに分かってくれているのでありがたい
 お姉さまは恭也くんの事を猫かわいがりしていたし……お姉さまらしい
 心配のしがいがある子は大変好きなんだそうだ
 黄薔薇さま、白薔薇さまの言葉を借りると、心配してるときが一番確りしていて、面白いとの事

「今日はゆっくり寝てて良いよ……明日から準備に移ればいい
 高町家の方にも僕の方から連絡を入れておこう」

 お父様はそういうと手帳を開ける
 あの中には確りとスケジュールが書かれているはずだ
 調整をするのだろう……

「ありがとうございます」
「荷物は此方に送ってもらうから、必要な物とかの区分けは任せるよ」
「はい」
「祥子も手伝えるなら手伝ってあげてくれ
 それと、学校だが、あちらで準備してくれるから
 祥子と一緒に通ってくれて構わないから」
「分かりました」

 簡単に言うなら、学校には行きながら荷物の準備をしろって事らしい
 まぁ、詰め込めるものだけだろうが……
 後は、此方から遅れるだろうし、全員が知ってるわけだからまた会える

「さてと、今日はこれで終わりだ……
 とりあえず、恭也くんと祥子は部屋に戻ってると良い
 何か話すこともあるだろうしね……夕飯の準備が後1時間ほど掛かるだろうから
 それくらいしたら下りておいで」
「分かりました」
「はい」

 そして、それぞれに部屋へと戻る
 お父様はそのまま手帳などを開いて、書き込んでいる
 資料が届いたのか、私達とすれ違いに資料が机に置かれる
 お父様はそれを見ていくようにしているようだ……
 私と恭也くんは部屋に戻る……と、恭也くんが此方を振り向いた

「祥子お姉ちゃん、そっちに行っても良いですか?」
「良いわよ」

 私は恭也くんを招き入れる
 『お姉ちゃん』と呼ばれる事に慣れてきたと思う
 それがどれだけ貴重な意味を占めてるか分からないけど
 私のほんの少しだけの弟……いや、これからも弟だと思う人

「どうかしたの?」
「荷物の整理を手伝って欲しいんです」
「恭也くん?」

 普段なら1人ですることだと思う
 でも、恭也くんが手伝ってというのは不思議でならない
 いや、恭也くんなら自らしていくタイプだ……
 どう考えても私に手伝いを求めるというのも不思議だ

「その、お姉ちゃんに手伝って欲しいというよりは……お姉ちゃんと最後まで接してたいじゃダメですか?」

 なるほど……恭也くんが荷物の整理に忙しくなると
 私はその分、勉強などに励む結果となる……でも、恭也くんは最後まで
 私との時間を有効に活用したいということなのだろう
 恭也くんなりの優しさ……不器用だけど
 それでも、凄く優しい

「良いわよ」

 私は笑顔だ……恭也くんは嬉しそうに笑顔で頷く
 多分これから先会うことは少ないだろう

「名前が浮かばないけど、恐いけど……大丈夫ですから」
「そうね……そのうち思い出すかもしれないし思い出さなくても……」

 恭也くんと私の声が重なる

「「思い出は作っていけるから」」

 にこっと笑顔を浮かべる恭也くん
 どういう風に言って良いか悩んだ
 でも恭也くんは自らに答えを出した……思い出は記憶は見つければいいし
 自分で作っていけばいいという事だった
 私も彼のこの言葉は嫌いではない
 確かに、辛い過去に彩られて様とも、思い出を作っていけば
 華を添えることが出来るのでは無いかと……

「じゃあ、恭也くんのお手伝いとして行くわね
 明日からでいいわよね?」
「はい」

 恭也くんが部屋を出るためにドアの方に歩いていく

「お姉ちゃん、ありがとう」

 顔を赤くして恭也くんは出て行く
 お礼を真剣な顔して言えるのに、やっぱり恥ずかしかったみたいだ
 私を「お姉ちゃん」として認めてくれている恭也くん
 家族だと思ってくれてるんだという実感
 彼のそういう部分は良いと思う……





 夕飯時に下りていくと普段どおりのご飯を食べる
 お父様は仕事を今の時間までする事で明日の時間を作ったようだ
 明日が平日だということもあり、時間調整に結構掛かってるみたいだ
 まぁ、大丈夫だろうとは思うが、難しさもある
 お父様が幾ら有名でも、そこはそれということだ……
 大企業の社長と上議会議員では仕事から違うから……お父様の手腕に掛かっている
 ただ、ティオレさんは恭也くんの事を猫かわいがりしそうだけど……
 娘が1人で、息子も欲しいというような事を私には打ち明けてくれた

「祥子、どうしたの?」
「いえ、なんでもないです」
「そう……ご飯冷めるわよ」
「はい」

 お母様にそう声をかけられて、私はそのまま時間を過ごしていく
 その様子にお母様は満足なようだ……私の考えを見透かしたような人だから
 といっても、それはお姉さまにも当たるが……
 祐巳は少し違うわね……接し方が上手いのだ
 他の誰よりも、私に近しい存在だと私は思っている
 恭也くんよりも……それに関しては譲れないというほど自己主張している祐巳の姿だ
 それは姉である私が一番に認めている

「恭也くん、少しの間でいいから家族だと思ってね……一緒に過ごした期間が短くても
 貴方は私達の息子でもあるんだから」

 お母様はそういうとにっこりと微笑みを浮かべる
 お母様自身も家族だと言っているのだ……私は『お姉ちゃん』と呼ばれるようになって
 初めて弟というのはこういう子のことを言うのかもと思った
 家族のように普通に接せられる子……人

「……でも、僕は……」
「すぐに出て行くかもしれないからというなら却下」
「お母さん……」
「うん……恭也くんにはたくさんの家族が出来ると思うの
 これは予感みたいなものだから如何とも言えないけど……だから、弱くなっても良い
 諦めないで、生きていったら良いわ
 お母さんとしては何も出来ないけれど、お姉さんが居るのだから
 それに、融さんもそう思ってると思う……ね」
「はい」

 恭也くんが此処に居る間だけでも家族と認める
 それは私達の中では当たり前のように受け止められる
 お爺様はそれに反対するとは思えないし、お父様がとても喜ぶと思う
 ほんの少しでも孫のような子供、息子と話がしたいという望み
 それは良い事だとも私は思う……
 恭也くんにとっても

「祥子も恭也くんは弟なのだから、あまり甘やかしたらダメよ」
「私より、お姉さまや祐巳たちの方が甘いです
 令なんて猫かわいがりですから」
「……それはそれで恭也くんの魅力かしらね」
「ええ」

 恭也くんはご飯を食べながら照れている
 何ていうか、可愛いところがあると思う……うん、可愛い
 ナイフとフォークで食べるテーブルマナーは最初の頃に見ながら覚えたみたいだ
 ところどころ私やお母様、お父様の食べ方に似ている部分がある
 お父様はてきぱきと素早く動かす所
 お母様はのんびりとだけで綺麗に切り分ける所
 私は口に入れるときの仕草など……本当に人をよく見て考えて行動にする子だ
 食べ方を一度も教えたことが無いのだから少し驚いてしまう
 令みたいな子とも言える……令もあれはあれで不思議な塊だから
 そしてご飯を食べ終えると、恭也くんと庭に散歩に出ることにした
 あまり2人で出歩くというのはよくないけど、夜空の下で散歩というのは悪くない
 月明かりの下で恭也くんと庭を歩く

「お姉ちゃん」
「何?」

 隣で手を繋いで歩く
 木々の間を縫って歩く私達……そこそこの大きさがあるから
 ちょっと虫が恐いが、あまり居ないあたり、誰かが手入れしているのだろう
 恭也くんの手前、あまり変な姿は見せたくないが……

「僕、また此処に来ても良いですか?」
「家?」
「はい」
「良いわよ……私に聞くより、お父様やお母様、お爺様に聞かないといけないけど」
「ううん、先にお姉ちゃんに聞いておきたいから」

 恭也くんはそういうと月明かりの下で笑う
 それは何故か凄く懐かしい笑顔に見える……

「恭也くん?」
「お姉ちゃんに嫌われたら、家族が居なくなるような気がして
 クリステラ家の方に行くって言ったとき、お姉ちゃん凄く寂しそうだったし
 悲しそうだった」

 本当に私のことをよく見てる
 いや、皆を確りと見ているということだろう

「そうね、少し悲しいかな……会いたいと言ってすぐに会える距離じゃないでしょう」
「うん」
「だからね……私は少し寂しいかなって」
「夏休みとか冬休みに此方にきてもいいですか?」
「ええ……そうね、いらっしゃい
 歓迎するわ」
「はい」

 恭也くんは私の言葉に安心したのか空を見上げる
 この子の目から空は何を見せてるのだろうか?
 そんな詩的なことを思い浮かべてしまっている……私は姉として最後に……

「恭也くん、これを貰っておいてくれないかしら?」

 私は恭也くんにポケットから取り出したある物を見せる
 恭也くんの手がそれに触れて取る

「ロザリオ……!!!」

 恭也くんも気づいたようだ
 私達リリアン女学園高等部で伝統的に行われてる制度
 スール……本来は2人の妹など居ない
 でも、私にとって恭也くんは妹と差し障りの無い弟

「でも、コレは……祐巳お姉ちゃんの……」
「違うわ……これは、恭也くんのためだけのロザリオ……
 恭也くんが私の弟である証と共にあるものよ」

 そう、本来スールというのは姉妹を指す
 姉弟を指す言葉ではないのだ……私はそれを理解してロザリオを渡す

「恭也くんが此処の家族というのは分かるけど、何か物で分かる方がいいでしょう」
「お姉ちゃん」

 恭也くんを抱き寄せる

「行ってらっしゃい」
「うん」
「荷物の準備頑張ろうね」
「はい」

 耳元で聞こえる恭也くんの声は、男の子だと思えるちょっと高い声
 それでも、疲れなども大分吹き飛んでいるように思える
 たった1週間足らずの間の恭也くんとの日々は充実したものとなったと言える
 だから、恭也くんに何かあれば、私は駆けつけるだろう
 妹を引き連れて……やっぱり祐巳も恭也くんの心配をするだろうから

「お姉ちゃん、1つだけお願い」
「何?」
「呼び捨てで呼んで欲しい……」
「恭也」
「うん」

 恭也の腕が肩に掛かる
 ちょっと寂しい気持ちが交錯するが、それでもこれからの日々を楽しむそれが満載である
 そして、夜もふけてきたので寝るためにそれぞれの部屋へと戻るのだった









 4日後……ティオレ・クリステラが直々に家へとやってきた
 恭也を迎えにきたのだ
 電話は2日前にあり、皆とのお別れ会も済ました
 お父様が此方に来られるティオレさんのためにわざわざチャーター機を準備していた
 何ていうか、お父様らしい……

「恭也、これからはママって呼んでね」
「あ、う、はい」

 ティオレさんはそういって微笑みを浮かべる

「祥子さん、ありがとうございます」
「いえ、私はそんな……」
「でも、恭也を見つけてもらいましたし」
「あっ」
「居ないと聞いた当初、自分達も日本に行くべきかどうかで悩んだくらいですし
 祥子さんの適切な処置のおかげですよ……自信を持ってください」

 そう言われ、私は頷いた……
 恭也の手は私から離れ、ティオレさんと繋がれている
 それが少し寂しいが、恭也くんの事を思うと、私はそのまま見ていた

「ティオレさん、ちょっとだけ放して」
「ん〜〜、ママって呼ばない子の手を離すのはちょっと」
「……ママ、手、離して」

 恭也の顔は真っ赤だった……恥ずかしいのね
 ちょっと可愛い
 そして手を離してもらうと私の方に駆け寄ってきた

「お姉ちゃん、ありがとう……それと、ちょっとしゃがんで欲しいな」

 私達は玄関先で全員勢ぞろいだった
 シオンも美姫も着てるし、お父様、お爺様も戻ってきていた
 仕事は大丈夫なんだろうかという思いがあったが、お爺様も寂しいのかもしれない
 懐かしい友達の忘れ形見なのだから……
 言われたようにしゃがむと恭也くんは思い切ったことをしてきた
 頬に当たる恭也の唇……ぽか〜んとしてしまう

「僕の気持ち……お姉ちゃんの事、大好きだよ」

 恭也はそう言って走っていく……真っ赤な顔は私も同じだろう
 お母様とお父様がニコニコと微笑んでいる
 どこかお姉さまに似ている笑顔……

「恭也、また会いましょう」
「うん」

 恭也と玄関先で別れる
 迎えの車は着ているらしい……ティオレさんも忙しいのでこのままなんだそうだ
 大変な事である……確か、休みの合間にきているらしく、イリアさんという方が少し怒っている
 それこそ、イリアさんも忙しいのだろう
 ティオレさんサボるの好きそうだし……私からしたらちょっと困りものだ

「で、祥子〜、恭也くんからのキスはどうだったの?」
「お、お母様!!」
「まぁまぁ、清子……祥子は照れてるんだよ」
「そうかのぅ〜、ワシは寂しいのかと思ったぞ」

 お父様とお爺様も何気に私をからかっている

「あれだけ顔に出ると可愛いわね」

 私はその言葉で階段を上っていった
 もう、何とでも言ってくれという感じだ……恭也くんが居なくて寂しい
 けど、私には祐巳が居るし、お姉さまだってちょっとは助けてくれるに違いない
 それが妹としての特権であるのだから……









 エピローグ

「お姉ちゃん……ただいま」
「お帰り……恭也は大丈夫なの? 今日は公演でしょう?」
「うん、夜中だから、先にお姉ちゃんの所に来たの」
「そう……向こうは楽しい?」
「う〜ん、英語が分からない」

 そりゃそうだろう……大体人は8歳くらいで、母国語が作られる
 恭也は10歳でイギリスへと渡ってるのだから難しいことこの上ないだろう
 私はふとそんなことを考える
 今は私も大学生だし、祐巳も大学生だ……
 そして、お姉さまも社会人になっている
 就職は家の関係会社に勤めている
 このあたりはちょっと職権乱用させてもらった
 お姉さまは少し怒ってたけど、『お姉さまが私には必要なんです』という言葉で
 お姉さまはしょうがないわね〜という顔をしながら内定した

「それで音楽の方は楽しいの?」
「うん、護衛もしてるけど、フィアッセやゆうひさん、アイリーンさん、エレンさん、ティオレさんたちと
 よく一緒に歌ってたから」

 とても凄い有名人を一挙に羅列されて困る
 私だってそこまで有名人に知り合いが居るわけじゃあない
 ただ、知っているだけという事だけだ……

「でも、夜って事はあと4時間後くらい?」
「うん、6時から8時半までのコンサートだよ」
「楽しそうね」
「それでね……はい」

 恭也は私にあるチケットを渡す
 見て驚いた……VIP席な上に私達全員を誘う気だったのだ
 そういえば、前の時にこの日休みにするか、全員に5時から以降の時間を空けておいてとか
 そんな手紙と電話を貰って、そのまま言っておいたが
 まさか、こんなことだったとわ……

「じゃあ、みんなを向かえに行きましょうか?」
「うん」
「でも、Kyouyaと一緒に車に乗って話しながらってのも貴重ね
 あまり出来なくなってきたし」
「う〜ん、帰ってこれたらまた寄るよ」

 恭也はそう言って笑顔を浮かべる
 本当に面白い子だ……歌を習い始めたのは向こうに行ってからすぐのこと
 確か、同じ日本の人が居て、仲良く歌っていたらティオレさんに歌手になろうと力強く押され
 そのまま日本人学校通いのCSSと混じって歌を歌いの護衛の鍛錬をしていたそうな
 まぁ、護衛はティオレさんとアルバートさんに大反対されてあまり大きくはしてなくて
 こういう歌手活動の際に少しだけなんだそうだ
 それでも恭也くんは今の仕事を確りとこなしている

「そういえば、恭也は歌手として売り出してるけど……
 サインもらえない?」
「お姉ちゃん?」
「あの、ほら、恭也、私に手紙くれてもサインってしてくれないし」
「む〜、自分の何処が良いのかわからないけど、良いよ
 なんか最近、お姉ちゃんくらいの年齢の人からよく言われて悩んでるんですよ」

 そういって私にサインを書いてくれる
 出したのはサイン色紙だ……ミーハーというのではなく、ただ恭也に書いてもらおうと思ってたのだ
 で、持参していた……

「恭也、ありがとね」

 私はそういうと恭也の頬にキスをする

「さ、祥子お姉ちゃん!!」

 恭也は驚いたように私を見る
 やっぱりまだ照れる癖はあるようだ
 よかったよかった……まだからかい概があるところが残っていて

「ほら、分かれるときに私の頬キスしたでしょう」
「う、うん」
「そのお礼と、私の気持ちよ」

 弟として姉としての気持ち
 大好きだって事……恭也は頷くと

「もうすぐ誰の所に着くの?」
「先に聖さまを迎えに行くのよ……電話で連絡を入れておいたから」
「そうですか……ママが何を言ってくるか不安だよ」
「ティオレさん、からかうの好きだからね」
「お姉ちゃんの所行くのでも凄く言われたよ」

 恭也の苦労は私にはわからないけど、笑って流しておいた
 そして、本日は恭也と過ごすちょっと楽しい夜になりそうだった









 おわり








 あとがき
 というわけで、変わった未来編でした〜
 シオン「っていうか、恭也が幼児がしてないか?」
 たとえば凄い頼れる人が居て、その人が家族なら安心するんじゃないかなぁ
 ゆうひ「そうね、周りに居る人でその人の人生は大きく変わるって言うし」
 ああ
 シオン「で、それでこう書いたと」
 うん
 ゆうひ「シオンちゃん、美姫ちゃんから何が伝言無いの?」
 シオン「何か、この硬いのは困るって」
 いや、それは自分のせいじゃないし
 ゆうひ「でも、美姫ちゃんって暴れるタイプじゃないの?」
 説得したし、人徳?
 シオン「何をしたのよ!?」
 えっと、シオンと同じように説得したとしか……
 ゆうひ「し、シオンちゃん?」
 シオン「黒嫌、黒嫌、黒嫌、黒嫌、黒嫌、黒嫌……(エンドレス)」
 ん〜、やっぱりあの部屋への招待状はダメだったか……理不尽かつ無理やり放り込んで納得させたしね
 ゆうひ「鬼ね……あ〜、それで疲れてたのか」
 まぁそれも多々あるけど、ちょっとね……最近頭痛とか腹痛とか酷くて
 シオン「いや〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
 ゆうひ「ま、シオンちゃんが元気になるようにしてよね」
 無理だろう……今はちょっと可笑しくなってるだけだし
 シオン「黒嫌〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
 ゆうひ「み〜ちゃんが黒を見て暴れてたらどうなるんだろう?」
 さぁ〜、でも避難しておくのがベストだな……でわ、また〜
 ゆうひ「ほなね〜」

 遊び人とゆうひは避難した……スラりんと八雲がシオンの前で餌食となるのだった
 スラりん&八雲「遊び人、後でぶっ潰す!!!!! の前に死ぬ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」



少し変わった未来編。
でも、これはこれで…。
所で、美姫は黒は駄目だったっけ?
美姫 「フフフ。私は平気よ。でも、あそこはちょっとじゃないわよ。
本来なら、暴れまわるんだけれど、今回はこれを試したかったから……」
ああっ!そ、それは……。
美姫 「そうよ。その名もずばり、一撃殺虫、恭也くんよ!!」
で、どうだったんだ? それは。
美姫 「いや〜、予想以上の動きだったわよ。その上、見た目も可愛いしね〜」
やってる事は、えげつないけどな。
美姫 「まあ、これであの部屋も少しはましになったと思うけど…」
何か、嫌そうな顔だな。
美姫 「うーん、嫌な予感がするというか。まあ、良いわ。私、ちょっと出掛けて来るからね〜」
ああ、何処に行くのかは知らないけれど、気を付けてな〜。
さて、それじゃあ美姫もいなくなった事だし、遊び人さんまたね〜。



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