とらいあんぐるハート×マリア様がみているSS









設定……
これは、遊び人の作品『Lost Memories』の続編となっております
四つ目の選択肢の2つ目の作品です
ですので、それを踏まえて考えてください
では、どうぞ……






『Lost Memories』<恭也・クリステラの大変な一日>









 13歳で歌手としてデビューして日本公演ははじめてだ
 一応小太刀は握ってるものの、やはり、それは体を動かすのが好きだからってのもある
 最近は、日本人学校と普通の中学校を行き来してて、結構多忙だったりもする
 といっても、歌手としてデビューしてからは、ソングスクールも行ってるから
 正直言えば……休みの日があまり無い
 たまに、ゆうひさんやフィアッセ、アイリーンさんが俺を連れて行くくらいだ
 何ていうか、悩みどころだ

「で、先に聖様の所は良いけど……大丈夫なの? 時間」
「ええ、大丈夫ですよ……それに、お姉ちゃんをお迎えしないとって思って」

 言葉に対して少し照れながらも答える
 もう14歳で確りとしてきたと思うけどまだまだだな
 祥子お姉ちゃんからもらったロザリオは確りと持っているし
 歌っている時に握る時もある……これが有ると無いとでは違う

「そういえば、恭也はロザリオを持ってるの?」
「うん、たまに握って歌ってるんだ」
「へ〜、何て答えてるの? 何か記者に聞かれるでしょう?」
「ううん、聞かれてないよ」
「え?」

 驚いた顔をお姉ちゃんがする
 どうかしたの?

「だって、握ってたら分かるでしょう?」
「大丈夫だよ、マイクがあるから、わからないし……
 聞かれても大切な物を握って歌ってるって答えたら良いし」
「……」

 お姉ちゃん絶句したみたいだ……
 お姉ちゃんと呼ぶのは癖みたいなものだから、人前では気をつけよう
 運転手さんは笑い出しそうなのを抑えてるし……

「到着(つ)きました……、あちらに居られますね」
「お願いします」
「はい」

 運転手さんが出て行って、ドアが開く
 見知った2つの顔……懐かしいという思いと元気で居てくれたんだなって嬉しさがわく

「お久しぶり、恭也くん」
「お久しぶりね、恭也くん」

 聖さまと蓉子お姉様だ……

「聖さま、蓉子お姉様、お久しぶりです」
「本当、3年ぶりくらいかしらね」
「うんうん、大きくなっても可愛い〜」

 聖さまにいきなり抱きつかれた……反応は出来てるものの、避けるのも悪いので受け止める
 この車が前入れないで後ろだけで8人乗れるタイプでよかった
 ワンボックスというより、ほぼバスに近い

「恭也くんは元気そうね」
「はい」
「今日はご招待ありがとうね〜、祥子が全く語らないから
 本人の所にメールまで出しちゃったわ」

 最初、ティオレさんがかなり大喜びしてたんですよ、それ
 『愛する恭也へ』ってタイトル入れてくれたおかげで、かなり凹みました
 というか、痛いです

「じゃあ、聖さまは知ってたんですか?」
「まぁね……令と由乃も知ってるんじゃないかしら
 後、江利子はどうか分からないわ……祐巳ちゃんは?」
「私から言ったら、駅前で、志摩子と令と由乃と一緒に居るって」
「へ〜、志摩子も来るんだ……ま、志摩子も嬉しいわね」
「聖さま、離れて〜」

 パンパンと肩を叩くと、やっと解放される

「呼吸がとまるかと思った」
「あはは、ごめんごめん」

 ぎゅむっと抱きしめられて、ちょっとだけ心温かだったけど
 それでも、恥ずかしさがあるから……

「恭也くんって背が高くなったのね」
「まぁ、それなりに……」
「ちょっとごめんね」

 車が動いてる中、ぎゅっと抱きしめられる

「男の子から男性にへと成長していくのね〜私も年を取るものだわ」
「お姉様、それはおばさんっぽいです」
「まぁ、冗談だけどね……だって、あの頃はまだ背もそこまで高くなかったし
 でも、今は一緒くらいだから……こう抱きしめごこちがいいって言うか」
「あ、蓉子も分かるようになったんだ」
「まぁね」

 そういって微笑みを浮かべる蓉子お姉様
 何ていうか、お姉様らしい……こうやって人をからかったりするの

「そろそろ、江利子様の方へと到着します」
「じゃあ、私が行きますね」
「聖様、お願いします」

 そして、到着すると、聖様が行って、江利子様と戻ってくる
 早いな〜……車の音で気づいてるのかもしれないけど

「恭也くん、お久しぶり〜」

 江利子様も同じように挨拶されて、しばらく車の中で話す

「う〜ん、久々に妹と会うわ」
「私もなのよね……ま、恭也くんにも会えたし」
「本当」

 そういえば、お姉ちゃん何も話してないけど、どうしたんだろう?
 って、まさか!!?

「祥子さん、大丈夫?」
「え、ええ……酔い止めは飲んでるのだけど
 少し眠くて」
「あの、寝てても大丈夫かと……」
「いえ、やっぱり何かあったら問題かと……」
「大丈夫だから」
「そう、じゃあ休むわ……お姉様、起して下さいね」
「分かってるわよ」

 蓉子お姉様も分かってるのか、祥子お姉ちゃんは寝る
 まぁ、車で酔いやすい人も居るから……

「そういえば、次は誰ですか?」
「あ、次は、駅前で令様、由乃様、志摩子様、祐巳様です」
「へ〜、じゃあ、全員それで勢ぞろいなんだ」
「はい」
「でも、祥子はどうしたのかしら?」
「お嬢様は昨晩あまり眠れなかったとおっしゃってましたから
 多分、それで寝不足なのかと……」
「ふ〜ん」
「そうなんだ〜」

 聖様と江利子様の顔が少し邪って感じです
 っていっても、蓉子お姉様が止めてるけど

「ほらほら、2人とも、恭也くんが困るだろうから辞めてね」
「う〜ん、確かに恭也くんには嫌われたくないし」
「そうね」

 停まってくれた……と、車も赤信号で停止する

「でも、恭也くんも大きくなったね〜」
「まぁ、それなりに……でも、体だけだから」
「そう言うけど、大丈夫よ……心だって大人の階段と同じように進むものだから」
「そうだと良いけど……微妙ですね」
「うふふ、そうね……」

 笑っていると、車が発進していく
 そして、しばらく最近のことを話してると駅前に到着した

「恭也くんが出たら大変だから、私が行くわね」
「江利子が? 珍しい」
「令に真っ先に会いたいだけよ……あまりあえないからね」

 江利子さまがそういって出て行った
 何となく姉妹って本当にいい絆なんだと思う
 でも、僕と祥子お姉ちゃんってどうなんだろう?

「失礼します」
「お久しぶり、恭也くん」
「お久しぶりね、恭也くん」
「お邪魔します」

 入ってくる令様、由乃様、祐巳様、志摩子様
 あ、聖様が楽しげに志摩子さんに話し掛けてる

「それで、次どこですか?」
「へっ?」
「あ?」
「ん?」
「どこって?」
「何が?」
「いえ、ですから、次の行く場所です」

 と、視線が自分に集中する
 そういえば、どこって言われても……

「えっと、コンサート会場の近くにシーサイドホテルって言う
 高級な所があると思うのですけど」
「ああ、了解しました……ティオレ・クリステラが泊まってるというホテルですね」
「はい」
「じゃあ、そこに行きますね」

 運転手さん、流れから分かってるかと思ったけど知らなかったんだ
 まぁ、良いけど……

「ティオレ・クリステラって、『世紀の歌姫』の?」
「そうですよ……僕のお母さん」

 驚いた顔で自分を見る
 っていっても、すぐに戻る

「まぁ、それでも恭也くんらしさが抜けてないのが良かったわ」
「本当、これで恭也くんが……自慢してるようなら困ってたけど」
「てっきり、祥子の家で隠してるんだと思った」
「うんうん、祥子の子とかで」
「さすがにありえないわよ……でも、恭也くんって
 KYOUYA?」
「ええ」

 アクセントを変えて言われて頷く

「え〜、じゃあ、あの日本来日ってのは……」
「僕です……お忍びというか、一応、そのコンサート名目で来たのだけど
 それで、お姉様と会いたかったし、そのコンサートに自分のお披露目もかねて」
「なるほどね……それで、私達の予定も空けてほしいか……ありがとうね」
「いえ、でも、今日は着てもらってありがとうございます」
「いいのよ……気にしないで」

 全員がそういって首を横に振る
 と、何故か紙やCDを取り出す人たち
 っていうか、蓉子お姉様は紙を、聖様はハンカチ、江利子様も同じく
 令様はCD、由乃様も同じく、祐巳様はメモ帳、志摩子様はCDを持っている
 ペンというかマジックもついてる

「サイン頼んでもいいかしら?」
「う〜ん、それは良いけど……車の中だと揺れて字が乱れるから
 出来たら、着いたときで良い?
 今日はちゃんとVIP席準備したから♪」

 笑顔で言うと、頷いてくれる
 良かった良かった……どまっしょうめんを取っておいた
 というか、ティオレさんが誰か呼ぶ人が居るならって聞かれて
 小笠原家の人も呼んだが、清子さんが来れるってことだけしか分からなかった
 ただ、自分でチケットを取るって燃えてるのでダメらしい
 取れなかったら連絡くださいって言ったら、来なかったし、無いみたいだ
 お爺さんと祥子お姉ちゃんのお父さんは無理らしい……お仕事大変だなぁ

「でも、VIP席って……」
「その、真正面を……8席」
「え?」
「真正面って?」
「見上げる形じゃないけど、自分と多分3メートルか4メートルくらいしか離れてないから」
「それって、かなり恥ずかしくない?」
「でも、ちょっとは立派になった姿見て欲しいし
 その、あまりメールとか返信できてないから」
「あらら……それでか〜」
「蓉子お姉様が良く手紙くれて、その、周りから色々とよく言われるから」
「……蓉子って、恭也くんが好みなの?」
「違うわよ、心配だったのよ……どこか、祥子と似てたから」

 そう言われても困るけど、周りからやんややんやと言われている
 何ていうか、大変だなぁ……そう思う

「もうすぐホテルに着きますので」
「はい」

 そして、ホテルに着くと、車を降りる
 記者連中は追い払った……というか、後で記者会見もするし
 此方も用事とかで今は答えられないからって……
 そういったら、分かりましたって顔を赤くしながら何処かに行った

「ただいまです」

 ホテルを丸々貸しきり状態にして、うちのメンバーが勢ぞろいだ
 っていうか、ママが頼んだのだ……個性揃いで大変だからホテル丸々お願いって
 何ていうか、ママらしい

「お帰り、恭也……それと、お久しぶりです、祥子」
「はい、お久しぶりです」

 ママがそういって初対面の人と自己紹介していく
 僕はちゃんとマジック片手に頼まれたサインをしていく
 う〜ん、結構大変だったな……起きない祥子お姉ちゃんを祐巳様に任せて良かったみたいだ
 まぁ、自分が起してもいいのだけど、案内が要るし
 僕が居ないと入れないし……一応ボディチェックが入るから

「恭也、恭也……」
「何、ママ?」
「どの人が彼女?」

 おもいっきり文字がずれた……
 ママを軽く睨むと

「ママ、誰とも付き合ってないよ」
「あら? でも、蓉子からは手紙がたくさん来てるし
 聖と志摩子から、メールだったわよね」

 ファーストネームをそのまま言わないで欲しい
 と、何故か視線を感じて見ると、アイリーンさんやゆうひさんが居る
 あ、フィアッセもだ……他にもエレンさんやウォンさんも居る
 何故に?

「あれ? フィアッセたちじゃない
 つれてくるわね」

 ママが気づいて連れてきて自己紹介をする

「あ、うちは自分でいけるからって言っても、全員日本語大丈夫やからな〜
 うちは英語とか無理やけど」

 ゆうひさんがそういって笑う
 っていうか、イギリスいって唯一英語ダメだったゆうひさんだ
 歌さえあれば、大丈夫や〜の一言ですべてきり抜けたし……
 あれは一種の才能だと思う

「SEENAさん?」
「そやで」
「サイン欲しいんですけど」
「ええよ〜、先生にも頼んでみ〜」
「は、はい」

 何ていうか、サイン貰ってるな〜
 と、肩をぽんと叩かれる
 エレンさんかな?

「何ですか?」
「恭也、久しぶりに一緒に歌を歌えるわね〜
 私、今ついたばかりなのよ」
「あれ? 昨日くらいに着いたって……」
「いいえ、着いてないわよ……深夜についただけだから」

 なるほど……って、やっぱり昨日と変わらないじゃないか

「それで、何してるの?」
「サインを、ちょっと」
「へ〜、相変わらずね〜、年上キラー」
「何ですか? それ」

 英語で話してるので分からないだろうと思うけど
 自信は全く無し……っていうか、無理だろう
 何がって言うのは関係ないけど
 一応、お小遣いで生活してるけど、確かママが自分のお金を持ってるはず
 フィアッセはどうするのだろうかな? 確か、まだ歌は無理とか何とか

「秘密よ……さてと、恭也も頑張ろうね」
「うん」

 サインを渡して、そのまま部屋に戻る
 服を着替えないといけないのと、黒い服だとママがダメって言うからだ
 基本的に白が望みらしい……まぁ、周りも白だから仕方ないけど
 ちなみに、メインは自分らしい
 Kyouyaという名を世界デビューって事らしい
 ま、日本からなのは懇意にしてるからって事なんだそうだけど……
 多分、自分のことを思ってだろうなぁって思ってる
 ママだし

「でも、今日は全員が歌うんですよね? 一応、そうなってますが」
「そうよ……それで、恭也が今回は世界デビューをするために、初めて世界公演なのよ」
「へ〜、そうなんですか?」
「イギリスでは知られてる事でも、日本では知らないでしょう」
「はい」
「それでね……」

 そして、僕は準備を終えて戻ると、会話が終っていて
 何か楽しそうだった……紅茶とか出てるし

「さて、もう開演時間ね」
「じゃあ、頑張ってね、皆」
「はい」

 イリアさんも何時きたのだか?
 まぁ、いいや

「行って来ます、お姉ちゃん、見ててね……成長してるから」

 そして、歩いていく……
 見送られて案内をボーイさんに頼む
 といってもガードさんだけど……今回は舞台にたつのでガードは無理

「さ、皆、今日は頑張るわよ〜」

 今日もじゃないの?
 っていっても、聞かないから無理だけど……






 自分の曲が始まる……っていっても、まだ自分の歌が日本じゃあメジャーじゃないのは知ってる
 一応、知り合いというか、知ってる人にはCDなどを送って聞いてもらったりしてる
 ママがそうやって売り込んでいくとか教えてくれた……
 1人立ちが何時でもできるようにという配慮だそうだけど
 アメリカでも十分やってけるわよというのは、エレンさんの言葉

「はじめまして、恭也・クリステラです
 元日本人で、今はイギリス国籍を持ってる、養子です
 今日は日本のステージにはじめて立つので緊張してますがよろしくお願いします」

 お辞儀をして、曲の出だしが始まる
 ママが挨拶しろって言うからしたのに……

「かわいい〜」

 声があがる
 普段はこういう声は無いけど、言われて照れてしまう
 ライトの向こうにお姉ちゃんが居て、お姉ちゃんの友達
 それに、自分のお世話になった人が居る

「聞いてください、マイフレンド」

 英語で大切な親友を意味して、歌っていく
 そして……歌い終わると、ピアノの伴奏も終る
 は、恥ずかしい……っていうか、お姉様がたの視線が感じるから特にだ

「では、次は……えっと、SEENAさんやアイリーンさん、ティオレさんが居るはずなんですが……」
「あらあら、照れてるのね」

 ティオレさんがライトの下に来て頭を撫でる
 仕方ないじゃない……だって、恥ずかしいんだし

「ちょっと知り合い呼んだらダメなのかしら?」
「ママが先にリーファさんとかティーニャさんとか呼ぶからじゃあ」
「……まぁまぁ、恭也、それは置いておいて
 恭也の世界ツアーを見たいのよ……それに息子と歌うなんて事無いかなぁって思ってたし
 では行きましょう、ギブミーです」

 ママの声と共に、アイリーンさんとゆうひさんが現れる
 そして、4人で合奏に入る……元はティオレさんの曲だけど
 覚えた……

「後は頑張りなさい……新しい曲できてるんでしょう」
「で、でも」
「アカペラでどこまで出来るか試してみなさい」
「う〜、ママ、今先生モードでしょう」
「当たり前じゃない」

 仕方ない……ゆうひさんとかアイリーンさんは止める気が無いらしい

「えっと、今からマイクを切って歌を歌います
 アカペラですが、聞いて欲しいです……タイトルはまだ未定ですが
 仮でラブです」

 マイクの音を切り、空気を吸い込む
 手の平にロザリオをぎゅっと握り、胸の前に置く

「♪〜〜」

 誰の声も発せられない
 でも、その中でお姉ちゃんたちにこの思いを抱いた時の優しい感じを
 楽しい感じを嬉しい感じを忘れないで欲しい……
 だから、送ります……心を込めて

「ママは知ってたの? 恭也の声が届くって」
「そうね……この公演は幅が狭いから、全員に聞き取れるくらいの音が出るのは知ってるわ」

 ママたちの声が聞こえるけど、周りには聞こえてない
 歌に心を込めて、自分の声が通る事を……そして、お姉様やお世話になった人にこの心が届くように
 歌い終わると肩で呼吸をしている……

「すみません、聞こえてなかった人も居るかもしれませんが
 それでも、これが自分の精一杯です……ママに教えてもらって
 頑張ってます」
「この子が自慢の息子です♪
 さて、この子だけではあまり時間が流れないので……
 クリステラ総出演です♪ 恭也をよろしくという意味で友達の意味合いをつけた
 そんな歌で纏めます」

 そして、出てきて曲が始める
 僕もマイクを手に取ると、歌い始める
 それは、自分が最も大事なものだから
 今の家族だから
 お姉ちゃんたちには待ってもらう予定だ
 送らないと悪いから……お家まで行きますって言って置いたしね

「この日、皆さんの前で歌えたことが嬉しいです
 日本の土地ではじめて歌いました……嬉しかったです
 最後まで聞いてくれてありがとうございました」

 頭を下げると盛大な拍手が起こり、幕が閉じる
 良かった、気に入ってもらえて……

「さて、恭也は照れてるから、ホテルに戻りましょう
 恭也も明日の公演あるから早めにね」
「うん」

 お姉様から賛辞を受ける
 外にはCDを買ってる人があふれてる

「恭也くんのCDを」
「あの歌声いいよね〜」
「本当……良かったわ」

 そして、お姉ちゃんたちを連れて車に乗る

「お願いします」
「ええ」

 車が発進する

「恭也くん、良かったわよ」
「本当……感動したよ〜」
「照れてる照れてる」
「聖様、やめてよ」
「うふふ、可愛い」
「でも、本当にデビューなんだね〜」
「??」
「いや、なんか私が居てもいいのかなぁって」
「祐巳さんが居たらダメなの?」
「ううん、私はいいけど、恭也くんがって」
「気にしてないし、それにいい人だから……悪い人ならダメだけど」
「いい子だよ〜、恭也くん」
「そうそう、それに祐巳ちゃん、良かったわね」
「何がですか?」
「だって、恭也君は恭也君のままでしょ」

 祐巳さん、やられ放題
 祥子お姉ちゃんも少し楽しげだ

「恭也が元気で確りしてるって分かったわ」
「うん♪」
「これからも頑張ってね」
「明日だけどね」
「そうね……勉強もね」
「うん」
「こら、そこ、2人で姉弟みたいな会話しない」
「聖様」

 驚いた顔のお姉ちゃん
 ちょっと頬が赤い
 でも、明日も頑張ろう
 ロザリオを握っていて、ちょっと緊張ほぐれたし

「でも、本当に今日は素敵な時間をありがとうございます、恭也くん」
「いえ、志摩子様も聞いてくれてありがとうございます」
「楽しかったわよ」

 そして、全員を送りホテルに戻った
 それぞれにいい時間が過ごせたと言ってもらえて嬉しかった







 そして、この日、帰ってきたら、ママから、声は結構良かったと褒めてもらえた
 それと公演中はあまり歌をアカペラで歌わない事って……
 曲にしようねって言われて、ちょっと嬉しかった
 反省会も終えて、そのままシャワーを浴びて、寝るのだった
 明日も頑張ろう









 おわり










 あとがき
 で。こんな形
 シオン「作ったわいいけど、大変ね」
 全くだ
 ゆうひ「でも、アカペラで歌う?」
 さぁ、どこまで大きいか知らないからなんとも
 シオン「普通なら、マイクでだよね」
 まぁ、ぶっちゃけ、300人収容とかで考えてくれたらいいよ
 ゆうひ「1000人くらいじゃないの?」
 そこらかもしれない
 シオン「ひぞっこ恭也だからね」
 フィアッセと同じだね
 ゆうひ「で、歌で世界デビューは成功するの?」
 裏にティオレさんがついてるからなぁ……イギリスでは成功してる
 シオン「なるなる」
 ゆうひ「でわ、また〜」
 ほなね〜(^^)ノシ



世界デビューを始める恭也。
美姫 「果たして、立派な歌手になるのかしら」
まあ、ティオレさんがいるし。
美姫 「世界的に有名な歌手になるわね、きっと」
そうなる事を信じて。
美姫 「まったね〜」



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