とらいあんぐるハート×マリア様がみているSS









設定……
恭也が交通事故に会った時の話の前
ただ、士郎が亡くなり、恭也自身が自分を追い込んでる時の話です
だから……なのは、レン、晶が出ません
名前程度ならフィアッセなどでると思われます
多分恭也10歳頃の話です……
後、小笠原親子とは面識があります
以上!!!(他書くとボロが出るので却下!!!)








『Lost Memories』(選択肢3、小笠原家編)








「僕は、小笠原家に居たいです……お姉ちゃんや融さんや清子さんと一緒に居たいです」

 恭也くんのこの言葉を聞くのは私もはじめてだ
 最初聞いておいた答えと違う……
 私はばっと恭也くんの方を振り向いた
 髪の毛がばさっと揺れる

「恭也くん、如何言う事かしら?」

 私の様子を見て、恭也くんはちょっと考え込んでるようだ
 眉間にしわが寄っている……何があったというのか分からない
 それでも、恭也くんには何かあるのだろう……自分が意見を変えた理由が

「ふむ、恭也くん……僕もその理由を知りたいな
 此処に居ると言う事は小笠原家の一員として、習い事から何まで全てこなさないといけない
 此処だと不自由なことが多いと思うのだけど……」

 お父様の言うとおりである
 確かに此処に暮らすのは賛成だが、流石にずっと一緒だということは
 小笠原家のしきたりなどを全て覚えないといけない
 今からである……それがどれだけ厳しいか分からない訳じゃないだろう

「お姉ちゃんが泣いてるの見たくないから……
 僕のせいでおねえちゃんが泣くなら、僕は頑張って此処の子になる」

 恭也くんのまっすぐな目はお父様を捕らえていた
 わたしがないていた……それは……恭也くんが寝てしばらくしてからだった
 私は、不意に涙が出たことがあった
 それが恭也くんと分かれる日が近いということなのだと言う事に気づいていた
 それに気づかれていた……
 お父様とお母様がジーと私を見る

「なるほどね……それだったら良いよ
 ふしだらな理由だったり、楽が出来そうだからとかじゃない
 恭也くんが祥子を支えたいと思ったなら、それで良いよ
 清子は良いかな?」
「私は構わないわよ」

 お父様は何故か私を見ると……

「祥子、ある一定の責任は祥子にもあるわけだ……
 恭也くんの世話および何か分からない所、その他の礼儀作法などは祥子が教えること
 涙を出した自分が一番弱い部分を見せれる相手が此処にもう1人増えたわけだ」

 お父様の言っていることは正論だ
 確かに小笠原家の娘として弱い部分を見せるというのはかっこ悪い
 私でも祐巳とお姉さまくらいしか知らないだろう
 後は、お姉さまのお姉さまくらいだと思う

「恭也くん、こんな娘だけど、姉として慕ってやってくれ」
「はい……これからよろしくお願いします、お父様、お母様」

 恭也くんが初めて使う『お父様』『お母様』
 お父様とお母様は本当に嬉しそうに笑顔を浮かべて恭也くんを撫でる

「恭也、大変だとは思うが、頑張るんだぞ……僕は恭也を息子だと思ってるからな」
「はい」
「そうね……可愛い息子ね」

 お母様もお父様に混じって頭を撫でている
 今まで一人っ子で居たけど、これからは弟が出来るのだ
 祐巳に姉弟のあり方について聞いておきましょう……
 そうでないとちょっと不安ね……

「それで、しばらくの生活だけど、1週間時間をくれないか?
 恭也の学力のこともあるけど、小学校は行ってなくても年齢などで学年が決まるから
 最初厳しいと思う……祥子、低学年から全て教えてやるように
 教科書などは全て持ってもらうから」
「分かりました」

 お父様はそういってさっさと決めていく
 いつもニコヤカだけど仕事となると鬼のように変わると聞いている
 お母様はその変容振りとかっこよさに骨抜きにされたと言っていた
 娘の前でのろけないで欲しいものだ……

「えっと、小学校に行くんですよね?」
「花寺という所の小中高大のストレート行ってね」
「はい」
「後、リリアン女学園への祥子のお迎えも頼む」
「分かりました……あの、武装は?」
「ま、そのあたりも整えておこう……でも、無理は禁止」
「はい」

 恭也くんなら平気で無理は慣行しそうだが、お父様も分かってるのだろうか?
 まぁ、分からないならちゃんと教えるまでだが……

「後ね、成績あまり悪いといじめの対象となになる可能性もあるから」
「そうね……恭也くんは肉体的には強いから大丈夫だとは思うけど……
 あまり無理しないでね」
「はい」

 恭也くんは頷きながら話を纏めていっている

「それで、1週間の間で祥子に基礎を教えてもらっていてくれ
 マナーの方は見て覚えてるのもあるだろうけど、他にも覚えて欲しいことがあれば
 此方から言うよ……一応して欲しいのは、経済学の専門をつけるくらいかな」
「お願いします」

 恭也くんは大丈夫かしら?

「それと、家族の間だけなら、お父様、お母様、お姉ちゃんで良いから
 まぁ、お姉ちゃんってのに慣れてるっぽいからね」
「はい……祥子お姉さまですね……外に出た時とかは」
「ああ」
「そうそう、恭也くんを周りにお披露目もしないとね」
「うう〜、時間が足りないぞ」
「大丈夫よ……スケジュール見せて」

 お母様が見ると、そのままペンを走らせていく
 それは下に置かれたメモに書かれていく

「これとこれは後回しに出来るから、コレとコレとコレを此方に持っていって、コレを此方にコレを此処に
 で、此処と此処をこっちに持っていって……頑張ってね♪」
「あの、休む時間が無いのですが」
「大丈夫よ……新しい息子のためだもの、頑張るわよね?」
「えっと……この平均睡眠時間が4時間切ってるのはどうかと?」
「だ・い・じょ・う・ぶ・よ・ね?」
「はい」

 お母様の無言の気迫
 普段はお父様の方が強いのに、事こういう家族間のことになると
 お父様はお母様に頭が上がらない
 恭也くんも初めて見る光景におろおろしている

「あの、そんなに無理なことをしなくても僕頑張りますから」
「いいのよ〜、恭也くんは祥子と私からみっちりと家庭教師と高校に行って勉強よ」
「あ、う、はい」

 お母様は笑顔だ……何処と言えずに問答無用さはあるが

「あっと、そうそう、言い忘れてたけど、そんなに押し付けないから……
 一応、やってもらっておきたいのは、経営学、経済学の2つは頭に叩き込んでおいて
 後は応用的なことだから……
 それ以外は自分で選んでくれたらいい……何をするのも文武両道で頑張ればいいんだよ」
「分かりました……1つだけ、頼みが」
「ん、何?」
「小太刀は振るい続けると思うので……」
「良いよ……でも、僕が言ったことを守れたらだ
 それに、君はもう守る側から守られる側の人間になったんだよ
 これで」

 恭也くんは何か言おうとして止めた
 それは、自分の今までが変わったということだろう

「ま、それでも君は君だ……したいのを止めたりはしないし
 他にしたいことがあるから言って見てくれ」
「はい」
「ね、ね、恭也くん、弓道しない? 弓道……似合うと思うんだ〜」

 お母様はそこかしらからパンフレットを持ち出して
 何かしないか聞いてる
 切り替えが早いという訳じゃないと思うけど
 それでも、何時の間に持ってきたんだろうか?
 お父様とお母様が動いたとは思えないのだが、誰か持ってきていたのかもしれない
 というか、お母様だとさせたいというのもあるのだろう

「ね、お願い」
「あまり時間ないと思うのですけど、いいのですか?」
「ええ、大丈夫よ……ほんの少しだけだから」
「分かりました……一度行ってみます」
「うん」

 最初から引かせてくれるとは限らないけど
 それでも、恭也くんはスジが良いと思うから、弓道もすぐに的にあてていけるだけの実力を手に入れそうだ
 精神的な鍛錬もそれなりに積んでるわけだから、弓禅一体を出来ると思う
 弓道の一種の言葉だが、禅も弓も辿り着く所は同じという意味だそうだ

「祥子も行ってらっしゃいな……知ってる先生なんだし
 たまには挨拶してらっしゃい……明日に行くように
 連絡は昼にでもしておけばいけるでしょう」

 お母様は決めたことを言っていく
 というか、私まだ何も言ってない……恭也くんの方を見ると、着いていった方がいいだろう
 これで、彼女とか出来たら、彼女は大変かもしれない
 年上キラーという名前を聖様から頂いていたけど確かに当たっている
 このままではどれだけの女の子たちや女性が落ちていくのやら恐いことこの上ない

「分かりました……」

 と、お母様は此方に来ると、私に耳打ちする

「しばらく、色々回らせて興味深いのがありそうなら、それを習わせるから
 あまりこの時期の子に何かってのも期待悪いから
 で、祥子、それとなくだけどお願いね……
 後、どれだけの女の子および女性が落ちるかもよろしく」

 お母様もそっちの楽しみを覚えてるみたいだ
 何ていうか、お母様らしい……恐いことこの上ない人だ
 お父様も横でニコニコと笑っている
 多分手にとるように分かってるのだろう
 そして、今日はこのまま夕飯の席となった
 お父様はこれから仕事だとか半分泣きながら出かけていった
 お母様はそうとう無理のある仕事配分をしたのだろう
 その計算をはっきりとたたき出したお父様はある意味凄いと思うが

「お父様、大丈夫なのでしょうか?」
「うん、恭也は気にしなくて良いわよ〜、そのうちお手伝いすることがあったら
 手伝ってもらうから」
「分かりました」
「まぁ、そのときも祥子のお手伝いもしてもらわないとね〜」
「はい、お願いします、お母様、祥子お姉ちゃん」

 少しだけ嬉しい気がする
 『お姉ちゃん』ということは恭也くんが私を確りとした姉として認めてくれてると言う事
 私にとっては嬉しいことこの上ないことだ……
 この先何が起こるか分からないけど、この子は大丈夫
 家族という守る物と守られる物の二つが手にはいったのだから……











 エピローグ

「で、お母様、本当に此方なんですか?」
「ええ、折角恭也の晴れ舞台なのだもの……見に行かないと」

 今は全国中学個人戦の弓道大会だ
 全国大会……その中の1人が小笠原恭也である
 最初苗字を変えようか変えないか悩んでいたお父様だったが
 恭也の一言により変わったようだ
 『僕は小笠原でも良いし、高町でも、不破でも良いです
  ただ、此処に居させてもらえるなら』
 お父様はその言葉に自分達の息子という事なのに、小笠原を与えずして何を与えると考え
 小笠原恭也が誕生したのである……私達を守ってくれた士郎さんの忘れ形見は活躍してます
 私を守り、お父様、お母様も守ってくれてます

「でも、何で私まで……大学忙しいのに」
「あら〜、そうは言いながら、恭也に聞いてたじゃないの〜」

 お母様の意地の悪い言葉
 と、恭也が私達の前に来た

「やっぱり来てるし……お母様、お姉さま、言ったはずですよ
 恥ずかしいから来ないでくれって」
「あら、全国大会なのに……家族の応援もなしじゃあ可愛そうでしょ」
「だけど」
「恭也、お姉さま権限で見ますから覚悟を」
「うっ」
「さ、案内お願いね」

 お母様と私の言葉に恭也は諦めて案内をする
 何ていうか可愛いところがまだまだある15歳
 中学3年の最後の大会だそうだ……花寺からは初の個人出場な事で大騒ぎだ
 リリアン女学園でも有名で、恭也はあれで生徒会長もしているのだ
 本人は嫌だとか言っていたのだけど、私が祐巳に弟にお願いねの一言で
 それはもう生徒会長のお気に入りとなり、優さんも楽しそうにからかうのだ

「此方で待っててください……此処が一番よく見えますから」

 恭也はそういって案内してくれた席は向こうからも此方からもよく見える位置だ
 何気に気を使ってくれる優しさは変わらない
 と、何故か隣など知ってるような顔が……って

「江利子さま!! 聖さままで!!?」
「あら、祥子、奇遇ね……」
「本当、奇遇だね……どうかしたの?」
「それは此方の台詞です……なんで江利子さまと聖さまが?」

 お母様も不思議そうに耳を傾けてる

「え、知らないの?」
「??」
「コレ」

 聖さまが見せてくれた雑誌には……弓道をしている恭也
 そして、そのりりしい姿
 写真写り良いじゃない……前は嫌いとか言ってた子が良く言う

「なるほどね……スポーツの中でコレだけ人が集まる不思議だと思ったのよ」
「あら、祥子、奇遇ね」
「お姉さままで」
「私達の弟が出る試合くらいは見たいじゃない
 しかも、全国大会」

 お姉さま、凄く楽しそうだ
 というより、お母様も楽しげだ

「来ちゃいました」
「祐巳」
「すみません、抑えられませんでした」
「祐麒さんまで……」

 此処に過去の薔薇姉妹および花寺の生徒会長が揃っているのだ
 何気に優さんも来てるし、祐麒さんの横でにこにこ笑顔だ
 多分此方に気を取られてる隙に姉である祐巳を逃したのだろう
 可愛そうなものである

「しかし、あれだね……恭也を楽しみにしてる奴ら何人居るんだろう?」
「優さん?」
「恭也は僕と一緒に真実の愛を探すのに」

 聖さまの一撃が優さんに入った
 といっても、ハリセンで叩かれただけだが
 スパーんといい音が立った

「あの、聖さん、流石に此処ではそういうの慎んでもらわないと困るのですけど」
「あれ? 恭也くんは行かなくていいの?」
「案内です……全く、何でこんなに着てくれるのか分かりませんけど
 凄く恥ずかしいんですよ……何気に自分の名前は連呼されるし」
「あははは」

 そこには志摩子、令、由乃が居た……何ていうか、この人たちの顔ぶれを
 何とも思わず連れてくる恭也くんの人柄も凄いだろうに……
 花寺の応援団は居ないみたいだ……

「あれ? 花寺の応援団は?」
「あ、祐麒さん、それが、前の時、女性に席を奪われてしまって
 そのための体力づくりとかで居ないんですよ」
「へっ?」
「多分、そのうち分かります……僕はそろそろ隠れますので」

 恭也はそういって隠れながら自分のあてがわれた控え室に戻ったのだろう
 すると、旗やらなにやら持った人たちが私達の横を占領していき、広げる
 『恭也さま・命』『恭也さま、ラブ』……などなど

「これは面白いわね」
「ある意味、恭也くんがマスコットじゃないときってあるのかどうか悩んできたな」
「お姉さま、大丈夫ですか?」
「祐巳、1つ教えてくれないかしら?」
「はい?」

 私は思い切って聞いてみることにした

「恭也ってもてるの?」
「……お姉さま、それは知らないで済まされない事実ですよ」
「私も知らないのだけどな〜、祐巳ちゃん」
「あう……清子叔母様まで」

 そして、祐巳が話し始めた

「まず、恭也くんは年上キラーの名前を冠していたのだけど
 何ていうか、あの的を見つめる真剣なまなざし、それにたまに見せる笑顔
 もう、それで何人かは軽く落ちるそうです……ちなみに雑誌記者が幾人かアプローチかけてるみたいですけど
 恭也くんはそれを全て断ってます」
「へ〜、さすがね〜」
「しかも、告白されても、全て断ってるそうです」
「私相談されたことないわね……」
「お母様、流石に姉や母に相談できることでは無いかと」

 そして、祐巳は話し始めた
 この子、今かなり輝いてるように見える
 流石、薔薇さまを経験しただけはある

「それでですね、恭也くんは元々顔が美形で、かっこいいに加えて
 最初の小学生の頃、お姉さまのお迎えなど
 それはもう、凄い所業だったじゃないですか?」
「そうね、あの子が5年生だったし」
「ええ……それで弓道がその頃からってのもはじまって
 もう、色々とパパラッチも多いのです」

 しかし、恭也も大変ね……

「そういえば、恭也の同級生の方々は、それで追い出されたとして
 リリアン女学園ではどうなってるの?」

 お母様がそういって意見を求める
 祐巳は視線を逸らせた
 私はちらっと見ると

「祐巳?」
「あの、そのリリアン女学園で部活動としてでしょうか……
 『小笠原恭也愛好会』なるものがあると」
「あ、祥子お姉さま」
「あら、貴方も来たのね……瞳子」
「はい、恭也くんを見に来たんですよ」

 そういって瞳子は席に座る
 というか、これって全体の何割が恭也目的なのかしら?
 恭也も大変ね……これだと

「瞳子、さっきの祐巳の話本当かしら?」
「えっと、確か総勢でリリアン女学園の半数以上が占めてるとか」
「はい?」
「だから、半数以上です」

 それってある意味凄いわね……
 リリアン女学園はかなり閉鎖的だと思っていたが
 恭也の事だけは別格みたいだ
 中学でも生徒会を纏め上げてるのだし
 これからも多大に期待して良いわね

「あ、恭也く」
「きゃ〜〜〜〜、恭也さま〜〜〜〜」
「私を見て〜〜〜〜〜」
「お顔素敵〜〜〜〜〜」

 確かにこれは身内としては恥ずかしいかもしれない
 というか、誰の声かもわからないままに始まるのだろうか?
 と、静かにするようにと放送が流れ、恭也の周りの空気が変わる
 確かに恭也はかっこよくなったと思う
 身内びいきなしで……

「わっ、初めて見るけどかっこいいですね」
「本当だよな……恭也くん自身は分からない所で恐いことなりそうだぞ」

 祐巳と祐麒さんが何か話してるが
 私は少しだけびっくりしてるところがあった
 経済学でも経営学でもあまり凄い答えを導き出したり
 お父様やお母様ですら、頭を悩ますような事をたまにポンとした発言で助けるのだが
 恭也はそれをしながらも、自らを高めていたようだ
 中学最後の弓道……全国へと進めたのはコレで5度目だ
 前の時は私も忙しくていけなかった
 2年の3回、今回の2回で計5回だ
 そして、恭也は春の大会お制してるので、そのまま進むことになっている
 それで注目の的になったのだから、本人の意思とは無関係で進むことだろう





 この日、小笠原恭也は、2年の秋から全国3連覇を成し遂げて帰る際は
 私の後ろや祐麒さんの後ろに隠れていた
 あの確りした恭也がこうやって隠れて震えてる様子は、小学5年の時を思い出させる

「全く、そこまで恐れるほどじゃないでしょうに」
「姉貴、それは、違う……あの人たちの恐ろしさは
 誰が居ようがお構いなしに恭也くんを追いたてるという
 とても危ないような人たちなんだ
 俺も何度か話してると、いきなり横に吹っ飛ばされたし」

 祐麒さんも苦労してるのね
 まぁ、恭也は年上の知り合いが多いから
 大丈夫だとは思うが、何気に20代前半の人も混じっていたような
 あ、そういえば、あの方も見た覚えが……大学でかしら?
 恐いわね……

「恭也くんは大変だね」
「祐麒さんと祐巳さんの時よりはマシだと思うのですけど」
「高校入ったらマジで大変だよな」
「……」

 恭也は否定できなくなったのか、悲しそうに瞼を閉じる
 その様子にお母様は心底楽しそうに言い切った

「ちゃんと節度あるように付き合うなら私は応援するけど」
「お母様!」
「あ〜、でもダメね……祥子ブラコンだし」
「お母様!!」

 一度目は恭也、二度目は私だ
 私はブラコンじゃない!!
 と、言おうとしたらお姉さまの手が私の肩に置かれる

「知らないって幸せね……はい、コレ」

 お姉さまが出したのは先ほどデジカメで取った写真だろう
 私の顔が映っている……とても恐い笑顔の顔が……

「これね、恭也くんが叫ばれてるときの顔
 恐くて声もかけられなかったわ」
「本当ね」
「確かにこれで声をかける勇気あったら凄いわね」

 むっ……そこまで言わなくても

「だから、ダメね……お姉ちゃんにもう少し操立てて上げてね」
「お母様……!!」

 恭也はさっと後ろを振り返る
 どたたたたたたたと砂埃らしきものが立っている
 ああ、なるほど……あれが、恭也の言っていた大変なことか

「お姉さま、皆様、先に帰ります
 もし、なにかあれば連絡しますから
 夕飯は居るのだけど、祐麒さん、後で連絡します」
「ん、ああ……良いけど」
「何で、祐麒さんなのかしら? 恭也」
「単に、どうやって女の人を振ればいいか考えてるんだって
 上手くはぐらかしはしてるけど、振るってのになれないらしい」
「大変ね」
「それは恭也くんじゃあって居ないし」

 そう、すでに恭也は走り去っていた

「何ていうか、恭也くんは別の意味で大変じゃないの?」
「車のお迎え要るわね」
「自転車だと何時何されるか分からないでは
 家の子としても危ないし」
「恭也は優しい子だから、女性に手を上げないし」

 何ていうか可愛そうな子である
 この日恭也は疲れきった顔でお父様の迎えの車が欲しいと頼み込んだ
 ちなみに理由を聞いたお父様が大うけして、お爺様に知らせて
 お爺様も凄く笑顔だった
 小笠原家が笑いに包まれるのだった
 シオンと美姫は控え目に笑っていたようだが、家に帰るなり大爆笑だったとの事
 恭也はこの後、凄く有名になるのだが、それはまた別のお話










 おわり








 あとがき
 というわけで、これで終わりにしますね〜
 シオン「あの、別のお話ってのは?」
 ……さ、寝るか
 ゆうひ「教えなさい」
 シオン「そうよ」
 一応出来るには出来るってだけだよ
 ゆうひ「まぁ、出来るならかけるって事よね」
 そういうことだ
 シオン「なんていうか、遊び人は時間つぶしなどで書くからね〜」
 全くだ
 ゆうひ「で、何とかなりそうなの?」
 ん、まぁ何とかなるんじゃないのかな?
 シオン「でわ、これで」
 ゆうひ「み〜ちゃん、遊び人の止めOKだから〜」
 いや、んな止めって……むぎぎゅぎょえふ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!
 美姫「飛び出てじゃじゃじゃ〜ん♪」(両腕に剣を遊び人に刺したまま
 シオン「じゃあ、任せたから〜」
 ゆうひ「思う存分ストレス発散してね」
 美姫「ええ」
 その後、遊び人は美姫の発散材料となるのだった



……出掛けるって、あっちに行ってたのか……。
すいません、遊び人さん。止めれなかったです。
……まあ、済んだ事は仕方がないか〜。(下手に止めていたら、今頃自分が……)
この結末は結末で、とても楽しいですね。
今後のお話を色々と考えられて。
それでは、今回はこの辺で〜。



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