Kanon×リリカルなのはA's







設定……小さな男の子が出てきます
黒髪で目がくりくりした可愛い男の子です、5歳ですから幼稚園児です
ただ、その男の子は……まぁ、良いや、中を見てからで








シグナムの拾ってきた人(side祐一)








 うぁうぉあう……み、見てしまった
 夜の公園の中を歩いている……み、見てはいけないものを見てしまった
 キーワードが揃い踏みだったおかげで俺の頭にはなまめかしい肌やら肢体が浮かび
 思考が回ってないことが分かる

「え?」

 結界? 多分、そのようなものが張られていることに気づいた
 狙いって俺か!!
 そして、一人の人……ピンクの髪の毛とロングコートみたいな甲冑
 ……あっ
 魔力を吸い取られてる……少しでも抵抗を……
 自分の意思ごと持って行きやがれ!!




 気づいたら、どこか知らない本の中だろう場所

「成功」

 急ぎ準備してメモリーから引っ張り出して直していく
 といっても、これ事態が壊れてるわけじゃなく、書のある一部を直し、正せば良い
 闇の書と言われた闇部分を破壊し、新しい部分を作れば良いんだ

「お前、何してる?」
「うぉっ!」

 いきなり声をかけられて驚いてしまった
 黒い六枚羽の女性……誰?
 あ、分かった

「メインプログラムか」
「ほぅ、よく気づいた……まぁ、良いが、何をしようとしている
 それにそこは」
「闇部分って言うんだろ?」
「ああ」
「なぁ」

 俺は相手の女性を見つめる
 その人は悲しそうに闇部分を見つける
 訂正しようにも訂正部分の直す再インストールの元が無い
 それでは訂正しても直せないというものだ

「一つ方法があるんだが、試してみる気は無いか?」
「試す?」
「そうだ……考える時間はあまりないが、闇部分を壊し新たに作る」
「作るだと!? 防衛プログラムだぞ、それは!!」
「だから、一度壊し俺が補完するから、手伝ってくれって言ってるんだ
 闇部分を壊せばあんただって大助かりだろうが」
「……なるほど。それは分かったが、お前は何故此処に居るかの答えにはなってないな」

 自分の身を危険にさらしてるけども

「あんたの守護者に確保されてるのを祈ってる
 子供だから、違う場所に飛ばされてたらしゃれにならないけど」
「人格ごと打ち込んだか」
「そういうこと……で、単純明快解決策、どうだ?」
「良いだろう……乗ろう
 壊れたら再生機能で勝手に治るだろうがな」

 ああ、そういうことね……ならば、再生機能を止めるプログラムを打ち込むまでだ

「なら、一度だけでも攻撃してくれたら、こちらで再生プログラムを止めるプログラムを作り上げる
 時間稼ぎだけして、こちらから打ち込めば……しばらくしたらまた戻るが
 一時的な足止めにはなる」
「そして、その間に防衛プログラムを書き換えると?」
「いや、戦ってる間も書き換えはするが、再生プログラムの方は手直し要らずか?」
「いや、頼めるなら止めたりしてもらえると助かる」
「よし、じゃあ、一時的にだが急遽なチームだ
 俺はこっちのシステムをいじるから、頼んで良いか?」
「ああ、だが大丈夫なのか?」
「出来る出来ないなら、あんたのことは俺の方があんたより知っている
 俺の中にはメモリーっていう能力があるからな」
「メモリー?」
「それと回復……だから、今、あんたと直接繋がってる分、あんたの自動回復も出来るし」
「よし、じゃあ、システムハッキング頼むぞ
 私があれを足止めしないといけないからな」
「ああ」

 でないと、俺後ろからばっさり倒されちゃう
 殺されると一緒だ……まぁ、相手からしたら俺も力の一つとして喰うのだろうが
 俺は別個問題
 魔力だけを蓄積するのに俺は意識もこちらへと流したからだ
 さて、さっさと直していきますか
 いくつ物魔方陣と魔力の流れとか色々なシステムからと出ている画面を消したり入れたり
 バイパス消したり繋いだり、一時的に足が止まる

「再生プログラムを一時的に止めたから、どうだ?」
「ああ、丁度しばらくは休憩できそうだ」

 今の間に防衛プログラムも少しずつ直していく

「本当に知ってるんだな」
「まぁ、あんたの初期を入れたら良いと思えば良い
 思い出せなくとも、一部はあるんだ……ならば、それを元に作れば良い」
「……メモリーか。よく心が壊れないものだ」
「壊れたからな……俺の知り合い、親戚が亡くなって、俺は自殺願望者になりさがった
 更には回りから死神と恐れられた……でもな、そんな俺を必要って言ってくれる子が居た
 だから、俺にも何らかのことが出来ると思ったんだよ」
「そうか……だが、それでも私がした過去は消えない」
「当たり前だ。過去は消えない。なら、これから償え
 主を守ることや大切なことを守ることを戸惑うな……守ると誓えるなら誓え」
「お前は強いな」

 しばらくはゆっくりしてるだろう……彼女はそのまま俺の隣で画面を見ながら座っている
 と、魔力のバイパスがまた復活した
 再生機能のおかげだろうが、彼女は立ち上がる

「リイン」
「なんだ?」
「賭け事みたいな事で悪いな」
「暴走させたくないのだろう?」
「ああ」
「ならば、今は私がお前の背中を守ろう」

 お互いに全力で立っている
 精神みたいなもので、眠くないと思えば眠くないし、空腹も無い
 まぁ、本体である体は元気に過ごしていたなら問題ないのだろう

「サンキュ」

 お礼を言って画面をいくつか出す……魔力バイパスを切るとかすると
 彼女自身にも影響を与える……いくつかの方法を試し、防衛プログラムを直して来れた
 まず無差別攻撃などの闇部分の訂正というよりも削除
 ほぼ初期化を終えて、今度は再生プログラムを止めた

「悪い怪我の状態のままで」
「大丈夫だ……あっちも止まったからな」
「ああ、防衛プログラムと再生プログラムがセットじゃあ無理だからな
 まず防衛止めて再生も止めさせてもらった……後は」
「頼むぞ……私はもう何も出来ないから」
「あんたに直接防衛と再生のプログラムをセットさせる
 人格の云々には影響が無いようにしたら問題ないだろう」
「その手か」
「もっとも楽な手だ」
「そうだな」

 にやりと笑いあう
 考えることが大雑把になったものだ……だが、これがもっとも良い手だと思ったのだ
 防衛プログラムと再生プログラムの二つがいじられ、闇の書の闇となったなら
 夜天の魔道書としての機能を取り戻すには、誰かの人格を打ち込み
 闇としてじゃない、光として戻したら良い
 プログラムの主人格になってもらえばいいのだ

「どうだ?」
「ああ、確かにこれなら、問題は無い」
「良かった……」
「お疲れ様だな」
「あんただって精神的には疲れただろうが」

 と、不意に俺と彼女は後ろを振り返る
 何かが居る?
 だが、此処に俺と彼女以外で誰か入ることは出来るのだろうか?

「マイスター!」

 ……??

「私がもう一人?」

 !! どうして!?

「そうか、これは一時的にしろ私が主を二人にしてしまったことが要因か
 更には守護騎士たちも大事にしてるからそれが反映されたか」
「というと?」
「言うなれば、お前もマスターなんだ
 多分書き換えた人=親だからだな」

 なるほど……って事は、俺は娘を作っちゃったのか
 いや、もうどうでも良いや……投げておこう

「あ、俺そろそろ戻りたいのだけど」
「無理ですよ、マイスター……でも、私たちを無理やり機動させようっていう
 変な人たちが居ます。その人たちを懲らしめましょう。マイスター」
「あの、俺は此処に居るので無理なのですが」
「……?? マイスターが二人?」
「うっかりしてた。外に俺の幼少時代のが居るんだ」

 バイパスを切らないために残してきた体

「じゃあ、私が守ってきますね……ええ、任せてください
 あの二人なんてぺぺいって倒してきますよ」

 あ、なんか怒ってるっぽい
 俺は慌ててシステムの方へと向き直り、消えた娘は大丈夫だろうが
 外の映像を出してきた……うあっ、やべぇ

「非殺傷設定に何とかしたけど、ボロ雑巾だな」
「というよりも、それは私たちが管理しなければならないんだな」
「ああ」
「すまない、すっかり忘れてた」
「……いや、まぁ、良いよ
 子供だし許してくれるさ」
「本当は大きいのにな」

 記憶は二重になるけど、それで壊れるほどの心じゃない
 何よりダブったところで俺は構わない
 好きな人の記憶がダブっても、違う子供時代とつなげれば良い

「じゃあ、また会った時にはよろしく頼む」
「こちらこそ……でも、危険な橋だったなぁ」
「何を言っている……危険なのは常に私だったじゃないか
 危うく主人格である私が死ぬなんてことになるんだぞ」
「そうだったな……完成してないのに暴走だもんな」
「ああ」
「そうなったら世界滅亡だな」
「かもしれないな」

 お互いに握手して俺は歩き出す
 というより、消えるので歩く必要は無いのだが

「またな、祐一」
「ああ、リイン」

 名前……リインとは俺が勝手につけた名前だ
 某小説から適当に取ってきた……





 久々の外は夜空で俺は書を持っていた

「これで大丈夫なはずだから」

 はやてさんにその書を渡す

「…………逃走!」

 周囲を考えれば全員魔法使い〜〜俺はランナーとなって走り出す

「祐一」
「ぐほぁ!」

 バインドで捕まった状態のままフェイトに抱きつかれた
 せ、背中〜〜〜

「えっと、どういうこと?」
「……説明を要求するテスタロッサ」

 いや、分からないでもないけど、感動の再開中でもないか?
 微妙な再会中に声を掛けるとは、やるな

「私だって詳しく知らないんです」

 いや、フェイトさんや、その視線は辞めようぜ、怖いし

「わたしもしっかりと聞きたいね〜
 あんな可愛い姿して、何を思っていたのやら」

 アルフ、お前、一応俺がドッグフード買ってきたこともあっただろうが、恩を仇で売るのか!?

「説明するけど、信じられないと思うんだけど」
「なんだ?」
「闇の書の元が夜天の魔道書っていうのは、まぁ、ユーノが喋ってただろ?」
「うん」
「んで、まぁ、リーゼ姉妹と提督が怪しいと思ったのも、考えて、あの人たちなら出来るって思った
 それから、これが俺の力なんだけど、俺、人を見るとある程度の相手の過去が分かる
 といっても、抑えたり出来る能力の一つ」
「ほぅ……じゃあ、どうして私の蒐集されたとき子供になったんだ?」

 簡単な説明にシグナムさんが食いついてきた……というより、気になる所だったのだろう
 まぁ、子供の姿になった俺を見た面々は確かに驚くわなぁ

「それは、自分の人格を書の中に打ち込んで、書を改変部分を直し勝手に付け足したからだ」
「付け足した?」
「元が無いなら作れば良い……」
「じゃあ、完成したからこそ、最後の一手を?」
「うん、それとお仕置き……くだらないこと考えやがって」

 ふぅとため息をついた……まぁ、怒りもあるのだ
 なんせ、自分たちの怒りを納めるためとはいえ、一人の少女の命を軽く持った事や
 幸せなことを分かってない事とか

「あの、子供の頃の記憶ってあるんですか?」
「いや、あれは純粋に子供の頃だから、多重した生活にはなるものの無いよ」
「そうですか……ほっ」

 記憶はあるにはあるが母親というか、姉が増えた感じだ
 だから、一緒に入ったっていう感じはあっても思い出せないというのが正しい

「で、テスタロッサと祐一との関係は?」
「私が拾ったんです……その、以前の事件で
 で、利用価値がありそうって思ってたら、あっという間に解決しちゃって
 その後、しばらくは一緒に居たのですけど……
 消えちゃったんです」
「消えた?」
「はい……引っ越してしばらくは一緒に過ごしてたんですけど
 リンディさんのお風呂に入ってるときに入っちゃいまして、そのまま……」

 しかし、あれはあれで、本当に三十路を超えたのか?
 うちの家系も女性たちは若作りだが、リンディさんも可笑しいよな

「見てしまったし、女性が多いからやっぱり俺どこかで一人暮らしの方が良いかなぁって
 で、見つけてしまったわけだ……それを、んで、見つかったと」
「ああ」

 シグナムがこちらを見る

「じゃあ、もう一つ聞こう……何故、私たちを教えなかった?」
「あのさ、五歳の頃のことだぞ、分からないって」
「そういうことですか……一種、成長などの力なども全て書に預け直していった
 だけど問題は体を残しておかないと、バイパスが切れては問題
 だから、小さな体ながらも一番有効だろう子供にしたんですね」
「そうなるかなぁ……深い考えがあったわけじゃないし
 蒐集されてる間に自分も取り込まれるようにするんだし危険はあったからなぁ」
「普通ならリンカーコアの魔力だけを喰うんだから、そりゃそうだろ」

 考えは及ばなかったけど、上手くいってよかった
 それに、幸せな光景がどういうものか分からないけど、怪我無く終わるのが一番だ

「作り変えたと言っても差し支えないかもしれないけど、頑張った」

 自然とこぼれる笑顔になった





 後ほど完成した魔道書からリインが現れ、はやてはリインフォースと名づけた





 で、俺はというと、フェイトのわがままに付き合ったり
 一緒に風呂とか買い物とか

「フェイト、今度からちゃんと捕まるから」
「どうせ、私はぺったんこですよ……母さんの時は赤面したくせに」
「いや、フェイトでそうなったら俺ロリコンってレッテルが」
「ぶ〜〜〜〜」

 もう、何がとか聞かないでくれ……念仏のように俺はロリコンじゃないって唱えてました

「アルフ、裏切ったわけじゃないんだし」
「そりゃあね、分かってるよ……まぁ、でも、あんなに可愛い時代があったんだね〜」
「ぎゃ〜〜〜〜、写真は止めて〜〜〜」

 玩具にされました

「祐一さんも大変やね」
「というよりだ、何故に俺?」
「荷物持ちや」
「うぃ」

 シャマルさんとはやてさんの二人が天使に思えました
 まだ、軽いものでよかった……まぁ、荷物はリインフォースの服なのだけど

「立て、祐一!」
「無理っす」

 シグナムから何故か剣の稽古に付き合わされたり……普通にサンドバック状態

「ザフィーラ、痒いか?」
「よだれたらした奴の責任だ、綺麗にな」
「……うぐぅ」

 ザフィーラの上で寝てたのは覚えてる
 喋る犬な上に、なんていうか硬いけど温かいみたいな感じなのだ

「祐一くん、大丈夫?」
「リンディさん、俺のせいじゃないでしょうに」
「でもね、事を知っていながら何も言わず消えた上に心配かけた
 家族としては、そんな人を放り出すことは出来ないわ」

 街の被害やら色々は無かったものの、リンディさんは簡単に母親孝行で許してもらった
 後は仕事を斡旋させられた……執務官になれって事だった
 いや、本気でこの人ならやりかねないし嫌なのだけど……始末書なんかまで手伝ってるし

「リンディさん、俺魔法使いじゃないんですけど」
「大丈夫よ〜、だってジュエルシード使えば魔法使えるでしょ」

 知ってたのか!?

「以前魔法で雪を作ってたの見たからかしらね」

 隠れてたつもりなんだけど、ばれてたのか

「ま、しっかり働いてね♪ ユウイチ・A・ハラオウン」
「い、何時の間に!!?」
「ん? そりゃあ、あなたが出かけてる間に」

 資料作成してると入ってきたリンディさんは暇だからって事で話してくれた
 で、でもだ……

「人としてそれはどうかと」
「でもね、祐一くん、ご両親は貴方を捨てたわ」

 俺は驚かなかった……心の中で気づいていた事だから

「だからね、新しい家族。私とクロノ、フェイトにエイミィの四人
 それにね、フェイトちゃんはすっごい喜んでいたわよ」
「……」
「その笑顔を裏切ること出来る?」
「ですが、俺は男ですよ」
「いつか私を襲ってしまう可能性があるってことかしら?」
「そ、そういうこと聞かないでくださいよ
 俺だって血気盛んの男なんですから」
「まぁ分かってるつもりだけど……ま、その時はその時よ」

 リンディさんは軽いよ……資料を全て書き終えて渡す
 機械を通すけど、それらはエイミィさんから教わってるのでまぁ大丈夫だろう

「俺はもともとはフェイトの補佐みたいなものだったのに」
「何言ってるの? そんな惜しいことするわけないでしょ、私が」

 ……艦長って怖いんだな
 その後、俺はリンディさんの補佐官となった……ちなみに、戦闘技術、開発部などの掛け持ちも
 執務官じゃなく、そっち系統へと連れて行かれることなった
 執務官じゃないんだ……良かった
 リンディさん曰く『ああ、あるとないとじゃあ待遇が違うからよ』の一言
 ただ、俺の活躍というか俺のことはすでに広まってるらしく
 どこでも受け入れ態勢は整ってるらしい
 あの、それ、どうしたらいいの?








 おわり







 あとがき
 まぁ、補完?
 シオン「微妙ね」
 後と前を足した
 ゆうひ「書の中では戦闘してたのね」
 というより書き換えだ……魔法の書と自分とリンクさせて直していく
 シオン「人格プログラムへと変更したりはすぐ出来るの?」
 壊れる可能性があるから、そちらを直したりしながらだと戦いながらは無理
 ゆうひ「ああ、それで祐一が悩んでたのね」
 まぁ、そうなる
 シオン「でも、技術開発とか祐一有効そうだよね」
 有効利用されるだろうね……魔道書のいったんを直したんだし
 ゆうひ「確かに……でわ、また〜」
 ほなね〜(^^)ノシ



今回は祐一視点。
美姫 「闇の書の中で何をしていたのかということね」
だな。
美姫 「一仕事終えて現世に戻ってみれば……」
更なるお仕事とお仕置きが待っていた(笑)
美姫 「うーん、でもある意味自業自得?」
どうなんだろう、それは。ともあれ、今回もありがとうございました。
美姫 「ありがとうね〜」



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