とらいあんぐるハート×リリカルなのは


設定というか、恭也がとらハの恭也で大学2年生であることと、誰とも付き合ってないことです
恭也の年齢が20です……春やしね






『とんでも一言』







 それは、フェイトがリンディを母と呼び、クロノを兄と呼んだ日の次の日だった
 春のその日は暖かくお日様も優しく周囲を包み込む
 ただ、ハラオウン邸はそうもいかなかった
 提督と執務官、それに、嘱託魔導士、更に、執務官補佐と、嘱託の使い魔
 そして、それだけならば普通の朝食とも取れるのだが、そこにはもう一人違う人が居た
 何も無かったのように朝食を食べている、高町なのはの兄、恭也である
 隣でリンディが楽しげに世話をしている。というより、甘えてる
 息子と娘+αの前でその様子は恋人同士のようだ
 周囲がピンクとか甘いとかそんな生温い空気が流れている

「恭也さん、今日の朝食はフェイトが起きるの遅かった私の代わりに作ってくれたんですよ
 どうですか?」
「ああ。十分美味いと思うぞ」
「良かったわね〜、フェイト」
「あ、うん、そうなんだけど」

 言葉をつなげようとするが、それはリンディがすぐさま恭也に向き直り甘い言葉の一つや二つ出てくる
 それに一番困るのは、フェイトたちだ……美味しい朝食なのだが
 味がしないというより、全ての味に砂糖を大量にかぶせたような甘さが付け足される
 この目の前のバカップルのような状態の、恭也とリンディを止めなくては
 クロノは魔法の準備をしながら、声をかける

「母さん、どうして、此処に恭也さんが居るのかは置いておいて、何で、そんなにべったりなの?」

 クロノが勇者に思える一言である。ちなみに、フェイトはなのはの兄って事もあり何もいえない
 アルフも気にはなっているが、言ったら犬モードなのに喋ってしまったことになるからだ
 今日は休みで友達の家にお邪魔しようとか考えていたが、これでは行くにいけない
 まずは聞いておかねばならないこともある

「あら? 言ってなかったかしら?」
「何が?」
「ほら、あの人との事も終わって、心機一転っていうのもおかしな話なのだけどね」
「うん」
「二人に新しいお父さんよ〜」

 満面笑顔でのたまうリンディ
 クロノは一瞬引きつるが、すぐさま普段の冷静さが戻ってくる。叫ぶのはエイミィとフェイトとアルフのみ
 というより、驚いて声が出たというのが正しいのだが
 恭也とリンディの二人は耳をしっかりと押さえて防御していた
 勿論クロノもだ……エイミィとフェイトたちはすぐさま連絡をする
 アルフも遠距離ながら、ザフィーラと連絡を取る
 その速さが普段の行動に現れたらそれこそ仕事はもっと速く終わるだろう

「母さん、恭也さんといくつ差があると思ってるんだよ!! 第一僕の方が近いじゃないか
 フェイトもか……」
「でもね、もう……黙っておけないところまできちゃってるのよ」

 いとおしげにリンディはおなかを撫でる
 その行為にエイミィが更に加速度的に指が早く動く。勿論、色々と伝聞するためなのだが
 リンディは艦長としてもそうだが、その若い年齢により、周囲からの信頼もそうだが実力なども含み
 それこそ、管理局では結婚したい女性第一位である

「えっと、それって?」
「どういうことですか?」
「まぁ、ありていに言えば妊娠しちゃったんだ……すまない。で、責任と取ろうと思って挨拶したかったんだが
 昨日というかちょっとしばらく忙しかって、無理だったんだ」

 恭也はそういってコーヒーを飲む……食後のコーヒーというところだ

「でも、母さんと恭也さんがそんな関係なんて気づきませんでした」
「えっと、それは……そのね」

 お互いに何もいえない。恭也にしても、リンディにしても良い大人がなんてことをって思うこともあるし
 何より、恭也にいたっては、リンディに子供が居ることも知っていた
 勿論、リンディも恭也の事は知っている。ただ、お互いに求めた結果であったのは確かなのだ

「あれ? でも、此処最近は忙しかったし、何時関係を?」
「……そういえば、デートとかもしてる風には思えないし」
「私も知らないよ」

 エイミィ、フェイト、アルフはそういって、首を傾げる
 恭也とリンディは頬に小さな汗をかいている……

「あの、リンディ提督、妊娠何ヶ月ですか?」
「えと、その」

 だんだんと小さくなるリンディ。恭也は何も言わない
 クロノとフェイトが見ている

「3ヶ月です」

 リンディ・ハラオウン妊娠+3ヶ月

「って、ちょっと待って。それじゃあ、此処に来て2ヶ月も経ってない時?」
「1ヶ月ちょっとだよ。エイミィ」
「うぇぇぇぇ〜〜〜〜!!」

 またも驚くエイミィ。クロノは固まってるし

「落ち着きなさい。エイミィさん」
「あ、はい」

 艦長の言葉により落ち着いた補佐みたいな感じだ。だが恭也は驚くこともなく
 今度は隣で叱責を言うリンディを落ち着いてという風に撫でる

「もぅ、恭也さん、駄目です。ちゃんと叱るところは叱らないと」
「いえ、もう反省されてるようですし……驚くのは分かるが、とりあえず、その、リンディと夫婦になるって事を
 伝えないといけないから、今朝は来させてもらったんだ……ちょっと忙しかったのは確かだがな」
「あの、馴れ初めを聞いても良いですか?」
「私は気絶しちゃってたし、あまり覚えてないけど、私も蒐集されそうになったところを
 助けてもらったのよ。といっても、たまたま通りかかっただけなのだけど、助けてもらったの」
「ええっ! 聞いてないですよ!?」
「といっても、本当に歩いてるときに人が来て助かったってだけなのよ」
「でも」

 そう、それはちょっと……

「それから会いに行ったりして、その後も恭也さんが紳士的に接してくれて
 そのね、私は恭也さんにほれてるんだなぁって」
「……えと、それって一目惚れ?」
「とは違うけど、まぁ、クロノなら気づくんじゃないかしら?」

 クロノは恭也の目を見て固まっている

「どうしたの? クロノくん」
「父さんそっくりなんだ。なんていうか、純粋っていうか、こう……説明がしにくい」

 守る者が持っている瞳……恭也は守護者という感じだ
 だからこそ、クライドと似た瞳を持っていておかしくないのだ
 クロノが少し驚きながらも何とか、持ちこたえている

「まだまだ若輩者だが、よろしく頼む」
「えと」
「あの」
「というわけで、この後高町さんところにも行かないといけないから」
「……もしかして、言ってなかったの?」
「俺もちょっと仕事に出ていて言う暇が無かった。まさか、妊娠してるというのも
 昨日聞いたんだ」
「だって、病院行ったのおとついだし、みんなの前では恥ずかしいから
 そ・れ・に、あなたに先に知って欲しかったの」

 笑顔で言うリンディ。フェイトは少し考え込む
 ということは、自分とクロノは義兄妹だが、なのはは叔母?

「あの、それでこれからってことは?」
「そう。高町さんたちにも伝えてあるから、この後皆で翠屋に行くわよ」

 リンディの言葉にまたもやフリーズする
 あの予定云々は?

「クロノとエイミィさんとアルフ、フェイトの四人はついてきてね。ほら、息子、娘なわけだしね
 ちゃんと休暇届なんかも出してあるから大丈夫よ」
「それは職権乱用って言うんだよ」
「ええ。そうよ……新しいお父さんとお母さんの為にちょっとは手伝ってね」
「えと、ふつつかな娘ですが、これからお願いします」
「フェイト、挨拶が微妙におかしいよ」
「そうかな?」

 フェイトはすでに、恭也を認めてるというか何と言うかだ
 アルフがちょっと考えながら突っ込んでる
 と、携帯がなり、何処に集合したらいいなどの返事も
 それらを返しつつ、恭也はリンディを抱き寄せる

「恭也さん?」
「今朝方こちらに来たわけだし、また慌しくなるんだ。今くらいはいいだろう」
「そうですね……クロノたちは喜んでくれないかもしれないって、当たりましたね?」
「仕方ないさ。リンディが魅力的だから、結婚とか遠いと思ったんだろう」
「あら? どうしてかしら?」
「たむろする男たちは娘と息子が守らないとってことだ」
「なるほど。ほんといい息子といい娘だわ」

 恭也の肩に寄りかかるリンディを優しく包む

「あのさ、一つ良いかい?」
「何かな?」
「それで、何時からそんな関係に?」

 恭也とリンディの二人は少し苦笑い

「12月末からだ……その、リンディさんの元夫には悪いとは思ったんだが
 ちゃんとお墓参りにも行ってきた」
「何時の間に!?」
「私と二人でね……墓前で謝ったの」
「謝ったって、それでも僕は反対だ」
「クロノ」
「父さんのことをそんな簡単に……」
「ああ。クロノくんにとっては、俺は父とはいえないだろう。勿論、フェイトさんにとってもだ」

 恭也は冷たく言い放つ

「クロノくんやフェイトさんにとっては、俺は、母親を取った悪い男としか写らないと思う
 だが、それでも、俺はリンディを愛してるし、帰ってくるとも誓ったんだ」
「帰ってくる?」
「……俺が出かけてたのは、とある護衛の仕事だ。君らは分からないかもしれないけど
 此処の世界でも、人の命を刈り取る暗殺者みたいなのは居るし、俺はその人を守る仕事をしているんだ
 で、今回1月ほどその仕事をしてきて、帰ってきたんだ」
「ボディガード?」
「エイミィ、それが正解」

 リンディがそういって、恭也にネコのように甘えてる

「まぁ、急なことだし、別にお父さんと呼ばなくていいから」

 恭也が苦笑いで言うので4人頷く
 だが、クロノは納得いってないようだ

「もう、私だってたまには人にすがりたくなるときがあるの!
 そりゃあ、クロノやフェイトに相談しなかったのは悪いと思ったのよ。でもね
 この想いは誰にもゆがめらるものじゃないのよ」

 母としてより女としての言葉
 一人の一個人としての……それはとても優しくも厳しい一面を持つリンディの言葉だ

「だからって」
「恭也さんを好きで、愛してる。だから、私は共に居ることを誓ったの
 クロノだって恋愛をしたら分かるわ。身を焦がすような恋愛を一度でもしていたら」
「母さん」
「私はクライドさんと一緒になれて幸せだった。最後は意地汚くても生き残って欲しかった
 だけど、恭也さんはクライドさんのことも受け入れて私と一緒に居てくれる道を選ぶって
 だから、私はもしもクロノやフェイトさんが認めてもらわなくても良い。でも、ちゃんと言っておかないとって」

 激情。リンディの中にある熱い思い
 それはクロノとフェイトにも分かる。それが事件の真相の一つの鍵であることが多いから

「恭也さんは、二人に親として認められなくても家族になれるって……私は最初、シングルで通すって
 そういったのよ。でも、伝えたらイヤだって」
「当たり前だろう。俺だってそんなことで分かれるつもりは無いし、半端なままで悪かったとも
 だから、こうやって挨拶にも着たんだ。この後高町家にも伝えないといけないがな」
「認めてなんていわないわ。ただ、私たちは愛し合ってるってことだけは理解して」
「分かったよ。もう僕からは何も言わない」
「ありがとう、クロノ」

 ただ、確認の意味があったのだ。クロノとしても、いきなり年齢の近い父親というのは難しい
 それに、考えてしまうからこそだ





 その日、高町家は大荒れに荒れた。まず一つに父である士郎が
 更に、母である桃子もだが、こっちは楽しげだった
 なのはたちは、どういって良いか分からず、というより、年上の姉たちがどんより落ち込んでるのだ
 励ましの言葉も届かず、周囲の明暗が分かれてるともいえるだろう

「お兄ちゃんとリンディさんが結婚って事は……えっと、私はフェイトちゃんからしたら、叔母だよね……
 ううっ、クロノくんからしても、年下の叔母……喜んで良いの?悲しんで良いの?」

 と、高町なのはは大いに凹んだり喜んだりだった
 ただ、4月の初め、高町家に新たに加わるのだった……リンディ・H・高町
 クロノ・H・高町、フェイト・T・H・高町という具合に……









 あとがき
 どうしよう!?この混沌的ss……自分で書いてなんだけど、結構無理がある
 リンディさんの思いめちゃくちゃだなぁとか想ったり、想わなかったりだけど
 いやはや、困った困った……久々に考え込ませる作品にはなったけど
 まぁ、メモどおりに書いたらこうなってしまったって感じだ
 は〜、どうしようかね〜、これって感じだよ
 まぁ、なのはは本気で悩みそうな……ほなね〜ノシ







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