少年は、しがないストリートチルドレンだった。

親の顔を知らない。物心ついたときには地べたを這いつくばり、泥水と残飯を漁っていた。

徹底した弱肉強食のストリートにおいて、少年は他に比して才能による強さを持ったために生き抜いた。

 

奪い、殺し、喰らう。

獣同然の生活に疑問はない。

いや、少年は獣に相違ない。

それも孤高の獣。

強さ故に群がる者達を、その強さで払いのけ一人を好んだ。

 

心を許すとか、許さないとか、そういう次元ではなく彼には心底弱者の思考が理解できない。

単純に理解できないものをそばにおきたくない。獣として、理解できないものをそばにおくことは致命的だと考えていた。

 

スリや窃盗という生易しいものではない。

少年の行為は、強盗。それも暴力だけではない。

徹底した力で“屈伏”させ、取り返そうとか、やり返すとか、訴えるとか、その手の意思を根こそぎ捻り潰す。

 

 

 

ごきり、と頬骨が砕ける感触が伝わる。

バリアジャケットを抜けた拳により、警察官は吹っ飛び、壁に衝突した。

 

 

「がっ・・・ぐっ・・・」

 

 

少年の追撃。朦朧としていた意識を、断ち切るのではない。文字通り、潰す。

額と梁を足の裏を押し付けるように前蹴りを放ち踏み潰し、後頭部を壁に強打させる。

バリアジャケットの防御を難なく抜けるその攻撃には高い魔力が込められている。

 

ビクンビクンと体を跳ねさせるほどの痙攣を起こして、警察官の動きは止まった。

警察官を示す帽子が顔へずり落ち、陥没した顔面を隠す。

 

 

少年は意識を潰したことを慎重に確認しながら、警察官の持っていた装備品や私物を引き剥がしていく。

官給品のデバイスには警察官の備品であることを示す紋章が入っている。その他のものも、紋章が入っている。これらの紋章が入るだけで、マニアは高値で取引したがる。

少年の居る路地裏のあちらこちらで転がるチンピラやマフィアくずれの連中より実入りがいい。ざっと数えても十人以上は居るだろう大人達を、少年はいとも簡単に潰していた。

 

デバイスを使わず、素手に込めた魔力だけで。

 

学もなく、正統な技術もない。けれども、少年は才能だけで十分に強い。

訓練を積んだ魔導士であっても才能だけで捻じ伏せる。誰かに学んだわけではなく、生きるためだけに創意工夫する内に、少年はあらゆる状況に対応できる柔軟性と勝つためのセンスを得ていた。

 

ストリートチルドレンから街を仕切るマフィアまで、少年のことはアンタッチャブル。

 

 

 

「それだけの力を持ちながら、君は追剥に甘んじるのか?」

 

 

 

その日だけ、彼に関わる者が現れたのは偶然を装った必然。

 

比喩ではなく金色の光を放つ金の長髪。まるでヘアモデルのような見事さで伸ばされている。

何かの組織に属しているのか、白い制服は腰のベルトに右掛けの肩ベルトが斜めに掛かり、その先には儀礼用の短剣が吊るされている。肌を晒すのを嫌うかのように、両手には手袋が嵌められ、足もブーツ。

黒いトレンチコートを羽織る姿はお高くとまった貴族そのもの。

 

薄汚れ、暴力と猥雑な音が溢れる掃き溜めには場違い過ぎる。

 

 

だからではない。少年が一目散に、その場から離脱したのは。

高速移動魔法のいろはを知らないが、知らなくとも使える少年は瞬時に安全と思える距離まで離れた。

 

獣であるが故に、少年は自覚した。

―――アレには絶対勝てない。

逆立ちしても、おそらくは指一本しか使わなくても勝てない。

 

 

 

「躊躇わずに暴力を行使するが、決して狂犬ではないのだな、君は」

 

 

 

けれども、逃亡さえ掌中。

逃亡先を瞬時に見破られ、先回りされていた。

 

低層階の建物が乱立する地区のおかげで、屋上は夕暮れの西日を遮るものがない。

黄金色に輝く金髪が、冷たい風に揺れている。

 

少年が初めて出会った強者。

それも荒れ狂う暴力ではなく、静謐な威のみの。

知らないものだ。獣である少年は、その人生の中で初めて知った。

 

 

彼は高貴な存在だ。

後付けの格や、爵位ではない。

生まれたときから人間を超え、人々の上に立ち、他者を支配するのが当然の存在。

 

支配されるのは、獣である自分も例外ではない。

いや、獣だからこそ、その支配を当然のものとして受け入れられる。

 

 

 

「君は、強いな」

 

 

 

彼は、童が美味しいお菓子を貰った時のように笑った。

 

 

 

「私の名前は、エテルナ=ディアマント」

 

 

 

君は、と問いかけられ少年は黙りこむ。

親もなく、人を近づけない彼には名前がない。

 

 

 

「名前がないなら、僭越ながら私が名付け人となろうか・・・」

 

 

言いつつ、考えるそぶりも見せずにエテルナは名前を決めていた。

 

 

 

「君の名前は――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦闘中以外は一日たりとも欠かしたことのない鍛練をしていた。

ディアルムドは槍型デバイスである[ゲイヴォー][ゲイジャルグ]を両手に一槍ずつ握る。

全長は2m弱であり、短槍に分類される。

だが、それでも片手に一本ずつ扱えるものではない。

 

槍とは、梃の原理を用い、手元の精妙な動きと強靭な下半身で繰り出すもの。

それを片手で扱うことは不可能。不可能であるはずだった。

だが、ディアルムドは不可能を可能にする。

 

 

足元の小石を足で四つほどは跳ね上げさせる。

小指の先ほどしかない、小石は視認しようとしている間に落下しかねないほど小さい。

 

ディアルムドはそれを。

 

パパパパアァァン!!!

 

四つほぼ同時に、粉砕した。

破砕ではなく、粉砕。突きを受けた小石は粉となって風に散っていく。

 

両手の槍を同時に放ち、あまつさえ引き手から更にもう一突き。

物理的に有り得ないはずの技。デバイスがなくとも、超一流の槍匠。

並の魔導士など、槍技のみで圧倒できる。

 

 

(良いか、槍とは―――――)

 

 

 

「陛下・・・・」

 

 

 

懐かしい夢を見たせいか、感傷が湧く。

槍の技を教えてくれた師であり、兄であり、父親でもあった、絶対の忠誠を誓った主君を思い返す。

 

獣の暴力をベルカ影流の技へ昇華させてくれた。

あの日、名前を貰い、初めて生まれたのだ。

 

 

脳裏に自らが理想とした槍技を思い出しながら、基本を繰り返す。

突きと払い。槍はそれだけしかない。

けれども、槍はそれだけで強い。

 

剣も遣ったが、槍も遣ったあの人がそうだったのだから、そうなのだ。

ディアルムドにとっての絶対の真理。

 

足の運び。

呼吸法。

視線。

握りの間隔。

 

技術以上のものまで、鮮明に思い起こせる。

全てが目標だった人。

あの人が騎士だったから、自分も騎士になった。

 

裏切ってしまっても、追いかけることはやめられなかった自分に苦笑い。表情は動かずとも、心は苦い。

 

 

 

 

ユアンはディアルムドの鍛練を見つめていた。

演武のような美しさはなく、唯々相手を殺すことだけを追求してきた武の冴えに敬意を払う。

 

 

「ああ、やっぱり・・・」

「何が、“やっぱり”なんですか?」

 

 

赤紅色の赤毛をセミロングにした物腰やわらかな女性は、ユアンと同じ倒木の上に腰を降ろす。

ユアンがかつて居た部隊の仲間だったカタリーナ=ウィル=アルカイックは、教えてくださいと丁寧に付け足す。

 

 

「ディアルムドと僕は、似てるんだ」

 

 

勿論、顔や性格ではない。

 

 

「ここにね、絶対に折れない大切な人を追いかける性を持ってるみたいなんだ」

 

 

心臓の上を親指でとんとん、と突く。

儚い笑い方をするユアンにカタリーナは胸を締め付けられる。

 

 

クロウディア=スール。

自分達の隊長だった女性。

ユアンにとっては一人の女性というよりも、生きている意味そのもの。

 

恐らく古代文明も含めて、最年少でSSSランクに到達した化け物。

まずは恐れから始まる。近づかない。愛想笑い。最低限の接触。

笑顔で次の瞬間に呼吸するように縊り殺されるのではないかという恐怖。

 

ユアンの人生はそれで彩られる。

それらを乗り越えてくれる友人は居ても、包み込んでくれる人は居なかった。

クロウディアに出会うまでは。

 

だから、クロウディアの存在は他の何者にも代えられない。

そして、ユアンは初めてであり、他者からの感情が恐怖ばかりであったがために、純粋に過ぎた。彼は悪意に慣れ過ぎて、悪意を悪意と感じられなくなっている。

 

ユアンにとって、ディアルムドは初めて出会った似た者。

 

 

「ねぇ、カタリーナさん」

「なに、ユアン君」

「僕のことをさ、怨んでない?」

 

 

唐突な言葉に、詰まる。

 

 

「・・・どうして、私がユアン君を怨むの?」

「だってさ、カタリーナさんも、クララさんも、アリーナさんも、他のみんなも僕のせいで死ねなくなっちゃったからさ・・・」

 

 

あの日、部隊が事実上全滅した日。

一人、残されたユアンがとった行動を誰が責められるだろうか。

それにカタリーナは感謝している。ユアンのおかげで、こうしてまだ生きていられる。死ねなくなったことの疎ましさがこれから出てきたとしても、ユアンを怨むことはないと断言できる。

 

 

「少なくとも、私は感謝してるわ」

 

 

言って、自分より小さなユアンを抱き締める。

 

 

「今回のことが、隊長を助けることに直接関係しなくても気にしなくていいの」

 

 

部隊が全滅して、ユアンのおかげで生き永らえた自分達は決めた。

ユアンが悪人になるのなら、自分達も悪人になろうと。

それが善悪も、拠るべき組織も失った自分達の拙い逃避だったとしても、今はそれを覆すことはない。

 

 

自分達の寄る辺は、この少年だけになってしまったのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でね―――あの本のね―――」

「ほぉー――――そうなんや――――せやったら―――」

 

 

場所は月村家のルーフテラス。

お屋敷である月村家の洒落た造りに感心するところしきりだったはやても、慣れると謎の関西弁も乗ってくる。

共通の趣味である読書から、最近読んだ本の話題が飛び交う。

 

 

(あ゛〜・・・鈴鹿ちゃんは、思いっきり見た目裏切るんやなー)

 

 

本の趣味や感性は割と近いのだが、一点だけ全く違うものがある。

月村鈴鹿という少女は、とかく『すぷらった』や『ほらー』に強い。

大人しく控え目で、どこかの箱入りお嬢様を出荷するような学校に入っても全く問題無いだろう令嬢は、恐怖に強いという意外性を隠し持っていた。

 

はやてもその手の耐性は人並以上にあるつもりだったが、鈴鹿には負ける。

 

 

話も一息つき、不在のノエルとファリンに代わってイレインがお茶を出す。

 

 

「何やろう、この美人さん一家は」

「え?」

 

 

どことなくふてぶてしいイレインを見送りつつ、思ったことがつい口に出た。

「なんでもあらへんよー」と適当過ぎる誤魔化しを入れておく。

 

マッドな部分はあるがプロポーション抜群で実は人好きする性格の忍。

冷静沈着そのもので隙というものがまるで見当たらない完璧メイドのノエル。

やたらとミスをするが、それがチャームポイントのドジっ子メイドのファリン。

清楚なお嬢様と言ったらその代名詞となってしまいそうな令嬢の鈴鹿。

ミステリアスでありながら映画女優のような魅力を放つ謎メイドのイレイン。

 

揃いも揃って美人さんである。

自分のところのヴォルケンズもそうだが、人口比における美人密度の高さは如何なものか。

 

 

(あれ?もしかせんでも、平凡なのってウチだけなん・・・!?)

 

 

病弱な美少女スキル持ちながら、萌え人気よりも人格人気の方が高くなりそうな自分にちょっと敗北感。

 

 

「そう言えば、今日は家族の人は一緒じゃないの?」

「あ、うん・・・なんやみんな、ここの生活にすっかり馴染んだみたいでなぁ、ウチとしては嬉しいやら寂しいやらでちょっと複雑やけど」

「へぇ、そうなんだ・・・じゃあ、今日ははやてちゃん、一人なんだ」

「そうなんよ、まぁみんな夜には帰って来るからええねんけどな」

 

 

帰ってくる。そこで、はやての顔が本人も気づかない内にパァッと輝く。

見るからに幸せそうなはやてに、鈴鹿もつられて笑う。

 

 

「うん、はやてちゃん、本当に幸せそうだよね」

「あは、そう見えるんやなぁ」

「うん」

「ウチな・・・ずっと、欲しかったものが手に入ったんよ・・・」

 

 

はやては、家族が欲しかった。

恭也に不満があったのではなく、純粋に家族が欲しかった。

 

母親が居て、父親が居て、姉が居て、妹が居て、兄が居て、弟が居て。

欲張りだから全部欲しかった。

明るく人を惹きつけるのは、欲しいものを周囲の人達に仮託していたから。家族の居ない寂しさを交友関係で補ってきた・・・それも、足の障害が酷くなるにつれて人々は自然と離れた。

 

そして、また恭也だけが残った。

 

けれども、今度は絶対に離れない絆を持った家族を得た。

子供にはなれなくても、母親になれた。

 

 

「良かったね、はやてちゃん」

「うん、本当に自分でもそう思うわ」

 

納得と幸福の表情。

 

 

「けどなぁ・・・一つ悩みがあんねん・・・」

「?」

 

 

幸福は幸福、不幸は不幸と前置き。

 

 

「恭兄ぃは大丈夫言うんやけど、家計を回すのも一苦労なんよ・・・」

「あははは、それははやてちゃんぐらいで考えることもでないと思うよ?」

 

 

家計を切り盛りする9歳ってどうなんだろうと、至極真っ当な突っ込み。

 

 

「単純計算で三倍やからなぁ・・・・あれをあーしてこーしてなー・・・」

「苦労っていう割には、はやてちゃんの顔が活き活きしているような気がするんだけど・・・」

「ふふふふふ、こういうときこそ磨いてきた主婦スキルをやな・・・」

「そ、そういうところは本当にお母さんなんだ」

「い、今めっさ嬉しくない納得をされたよーな・・・」

 

 

板についた主婦スキルがちょっと物悲しい。

ええ、今日もネットと折込の安売り広告はチェックしましたとも。

今日のタイムサービスの目玉商品から夕食の献立まで組立ましたとも。

 

ヴォルケンズの母親を自認するはやてでも、ちょっと気恥ずかしい。

その気恥ずかしさを誤魔化すように、はやては尋ねる。

 

 

「そう言えば、鈴鹿ちゃんのおとーさんと、おかーさんってどないな人なん?」

「え?あ、そうか・・・」

 

 

思いっきり首を傾げて、それから鈴鹿は納得した。

 

 

「私の両親も、もう居ないんだ」

「あー・・・・・・・」

 

 

何と言うか、見事過ぎる自爆っぷりに二の句が継げなかった。

鈴鹿の細やかな気遣いが木端微塵で、穴があったら入って土下座したい。

見るからに怪し過ぎる自分の家族構成を見ても、何ら一つの疑義も差し挟まずに受け入れたくれた鈴鹿に申し訳なさ過ぎる。

 

 

「・・・お姉ちゃんがね、私が物心ついた頃に言ったんだ。私達の親はもう居ないんだって。その時でも、何となくこの話は二度しちゃいけないんだって思ったの」

 

 

鈴鹿にとっては憧れの存在である姉が見せた、能面のような表情。

月村家において、親の話は絶対的に禁句であり、だから鈴鹿は人の家庭の事情にまで深入りしない。

 

 

「だからね、私は大丈夫だよ・・・」

 

 

だって、私には親が居たこといないから、居ないことの辛さを理解できない。

はやてには、鈴鹿がそう言っているように思えた。だとしたら、悲しいことだ。両親の記憶が残る自分とは決定的に違う。そして、自分の卑しさに少し嫌悪する。

 

今、少しだけほっとした。自分よりまだ不幸な人は居るのだ。

 

 

(最低や・・・)

 

 

 

 

 

 

 

冬の閉じて行くような感覚が好きだ。

ネズミ色の空を見上げながら、鈴鹿は佇む。

単純なことだけれども、夏よりも冬、昼より夜を好む。

 

 

手に、胡桃を握る。大きさで言えば、鈴鹿の握り拳より少し小さい程度。

 

 

―――パキンッ!

 

 

それを特に力を入れた風もなく握り潰した。小気味良い音をたてて砕けた胡桃を、パラパラと地面に落とす。すかさず、目敏い鳥たちが集まり、啄ばむ。

餌の少ない冬場だけに、鳥たちの必死さは際立つ。

 

 

「マスター、このままでは風邪を召されてしまいますよ」

「イレイン、ちゃんとはやてちゃんを送ってきれくれた?」

「・・・ええ、ちゃんと守護騎士が家に居る時間までに送り届けましたから」

 

 

微妙に噛み合わなかった会話にイレインは少し憮然となったが、すぐに返事をした。

 

 

「恭也さんは要らないって言うだろうけど・・・私ははやてちゃんが心配だから」

 

 

誰も護る者がいない隙を作らないようにする。

鈴鹿にとっての小さな一歩。

 

 

「マスターはエリザ様の後継者にならなくても良いのでは?」

「それはちょっと、違うかな・・・」

 

 

胡桃の欠片の残る掌を払い、冬の空気を吸い込む。

冷たい空気に意識がはっきりとし、少しせき込む。

 

 

「叔母様の跡を継いで、私がゲートキーパーズの“エクリプス”になるのは、きっと運命とかそういうものだと思うの」

「運命・・・・」

 

 

途端にイレインは不機嫌さを露わにする。

人工的に製造されたイレインにとって、その存在意義を特定されるような言葉は嫌いだった。

 

 

「イレインの思ってる運命とも少し違うよ・・・私の言ってる運命は、私が望んだ結果としての運命。選択肢が目の前にあって、そのどれを選ぶかっていうのは私が私である限り、どうしても決まってると思うんだ」

「結果としての運命ではなく、選択としての運命、と?」

「うん。私には護りたいものがあって、護るための方法があるから」

 

 

それでも言葉に反発は残る。だから、発するものも残る。

 

 

「八神はやてを護ることが、マスターにとっての運命?」

「ううん・・・これは、私の我儘。私達はね、似た者同士だから。私にとっての勝手な償いなのかな・・・?」

 

 

仲良くなった理由は幾つかあげることはできる。

でも、そのどれも決定的ではない。

あえて言うのならば、お互い本能的に嗅ぎ取ったのだ。

近しい趣味や性質を持つが、相手の方が自分より可哀想な存在だと。

 

優越感というより、心の底にどんな人間だって抱える不良品じみた感覚。

自分だけではないという安堵感が欲しい。もっと言えば、一人で居たくないという切実な願い。

倫理的にはよろしくない、不幸な仲間を探すこと。人はそれをやめることができず、そして見たくない感情として蓋をする。

 

 

「何より、私はやっぱりはやてちゃんに幸せでいて欲しいかな」

「恭也が近いうちに去るとしても、幸せは維持できるのか解らないのに・・・」

「だから・・・私のこれも、そのことを知ってる側としての優越感なのかもね」

 

 

鈴鹿は、本当に苦そうに笑う。

 

 

「はやてちゃんはもうすぐ一番の幸せの恭也さんを失うんだよ。そのことを知ってるから、私は優しくするんだよって・・・凄く嫌な子だよね。でも、そうやって失うことの恐怖も知らず、のうのうとしてるはやてちゃんを見ていると、嫉妬もするんだ」

 

 

人ではないが、並の人間よりも情動が豊かなイレインは眉を顰める。

鈴鹿に対してでも、はやてに対してでもなく、そうなってしまう環境に。

 

学校の成績は振るわなくとも、鈴鹿は聡い。特に人の感情の動きには敏感。

近隣ではアリサのバニングス家と双璧を成す資産家である月村家には、その資産目当ての輩がうろついている。それでなくとも金に魂を売り渡したような人間の多い環境で育ったために、人の感情を見抜くことに長ける。

 

だから、ようやく手に入れた安定した環境を大事にし、常に失わないように気を配っている。

学校での友人である、アリサやなのは、フェイト。

家族である忍、ノエル、ファリン、イレイン。

師であるエリザや恭也、スレイン達も。

 

関係に亀裂が入らないようにフォローする。

 

 

けれども、イレインは知っている。その行動原理の根幹は、大切な者は限られていることを知っているから。未来永劫不変のものなど一つもない。これからも、友達との友情は続いていくと思うが、それも形を変えて、やがて死という最後で終焉を向ける。思い出は残っても、二度と触れ合うこともできないのでは同じだと、鈴鹿は思う。

 

古代魔法文明の残滓によって誕生した自動機械であるイレインには、時間は関係ない。

破壊されるまで動き続ける。魔力を動力とした半永久機関は整備さえ受ければ止まることはないのだから。

同じように、古代魔法文明を継承した“夜の一族”である鈴鹿も千年単位の長寿を持つため、時間は関係ない。

 

鈴鹿の人生にとって、今の幸福な時間は短い。その短い時間を縮めることはできる限り防ぎたい。

 

 

反面、幸福な時間を無頓着に受け入れるだけなのは許し難い。当然だが誰にでもそんなことを考えているわけではない。近しく似た者同士のはやてだから、嫉妬する。

それでも鈴鹿ははやてのことが好きだ。友達になりたいと思う。微妙な二律背反だが、受け入れられる許容範囲。

 

 

 

「残された時間はそんなにないだろうけれど、私はそれまで続けるよ・・・イレインはこんな私のこと、嫌いかな?」

 

 

むしろ、嫌って欲しそうな鈴鹿にイレインは首を縦に振る。

 

 

「ええ、そういう偽善的なところは嫌いですが、お嬢様のことは好きですから」

「ありがとう、イレイン。貴女は嘘をつかないから、私も好きなの」

 

 

否定されても、鈴鹿は嬉しそうにする。

真冬の風が吹き始めている。

クリスマスまで、後二週間。リミットは迫っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『アースラ』のチームが拠点を置くマンションの屋上。正確には、屋上全体を利用するルーフバルコニータイプの屋上で、今日も鍛練は行われる。人払いがかかっているので、人は来ない。

御雫祇は高速で全身を動かしながら、フェイトの連続攻撃を防御しつつ考えていた。

 

 

(何て、羨ましい才能)

 

 

一を知って、百を知る。

本人は気付いていないが、自分との鍛練を始める前と今では格段に違う。

成長が遅いと苛々の足踏み。フェイトにとっては、強くなっているという実感はないだろう。実にフェイトらしいことに、鍛練へ集中し過ぎてその成果へ無頓着になっている。

 

アルフはしきりに褒めているが、フェイトに実感がなければ慰めにしか聞こえないだろう。それに、アルフは良くも悪くもフェイトを過大評価する傾向にある。

 

懸命に御雫祇の鉄壁の防御を崩そうと攻め立てるフェイトに、我知らず口元が緩む。

 

 

(貴女は気付いていないでしょうね・・・・)

 

 

数日前から、御雫祇に足捌きまで使わせていることを。

それまでは一歩も動かず、体幹と重心の移動だけで鉄壁の防御を構築していた。フェイトの動きを先読みし、重心移動を事前に行っていれば、足捌きは要らない。

つまり、フェイトの動きは先読みしにくいものになり、速さも上がっている。

 

 

だが、まだ真紅の騎士―――シグナムには届かないだろう。

むしろ、“闇の書”が完成していない時点で及ばないのでは、まだまだだ。

御雫祇が母から聞いた話によれば、“闇の書”が完成すれば守護騎士の能力は格段に上がる。

 

せめて後数年の時間があればまた別だったのだろうが。

一介の魔導剣士としては、その数年で強くなれてしまうフェイトの才能が羨ましい。

 

 

(やはり、あの人の子供だから・・・?)

 

 

開祖の師にして、御雫祇にとって恋い焦がれる存在。

その娘。直接的に親子関係はなくとも、血縁は厳然としてある。

子供。娘。愛すべき存在。ガルムはこの子のためなら、命を平然と捨てた。

 

これからもフェイトの幸せのためなら、ガルムは死ねる。理屈ではなく、感情で納得する。

あの人にとって、自分の命は軽過ぎる。軽過ぎる命を己の大切な者のために使い尽くす。

己の命さえも軽くして、大切な者を異常なまでに大切にしようとする姿から御雫祇は眼を離せない。

 

 

――カッ

――ヒュゥ

 

 

力んだところを受け流し、フェイトの体が泳ぐ。

ツインテールのおかげで、首筋がこれ以上ないほどはっきりと見える。細く、まだ幼いうなじ。

 

 

―――ギチリ

 

 

脳内で天使が囁く。

―――やっておしまいなさい、と。

豆腐へ包丁を落とすよりも簡単に首を落とせる。

才能の塊であるこの子も、今ならばいとも容易い。

 

フェイトを殺せば、ガルムは決して自分を許さないだろう。

殺しに来る。復讐なんて生温いものではなく、大切な者を汚した絢雪御雫祇を処断しにくる。

 

身震いする。

コマ送りに動いて見える、少女を殺すことで得られる歓喜を想像するだけで脳髄まで蒸発してしまいそう。

 

 

 

「!!?」

 

 

 

フェイトにも感知できるほど殺意が充満する。

充満し過ぎて害意とは判別できても、殺意とは解らないほどに。

 

 

[斬鉄椒林正宗]の刃先に魔力の位相を揃え、最小限の動きで打ち下ろす。

正確に軌跡をなぞり、飛来した射撃魔法を打ち落とし、逆手に持ち変えた左手で転びそうになるフェイトを掴んで助ける。

 

 

 

「セーラさん、誤射は冗談ですませませんよ?」

「・・・悪い」

 

 

 

義父が謝る時と同じ言葉で、謝罪する。

掴まれたままのフェイトは恐る恐る顔を上げる。殺意や害意など垣間見えない御雫祇は、仕方ないというようにしている。

 

 

「フェイトさんも、もっと重心の移動に気をつけないといけませんよ。受け流しでバランスを崩すようでは、あの剣士にいつ流れを奪われるかわかりません」

 

 

あまりに何時も通りな御雫祇がそこに居る。

 

 

「一つ・・・言っておくと、今のは防御できなかった・・・そこのへっぽこぷーのせい・・・」

「へ、へっぽこぷー・・・・有り得ないほど莫迦にされたよーな」

 

 

へっぽこぷー、こと高町なのはは今日も今日とて素晴らしい具合にボロボロだった。

セーラの視認できないデバイスからの射撃魔法との撃ち合いに負けていた。ランクが違うので当然と言えば当然だが。

 

 

「よーな、じゃなくて・・・莫迦にした。この世界基準で」

「あ・・・なんか、今おねーちゃんの気持ちがちょっと解ったかも・・・」

 

 

普段は自分に優しい―――周囲的には甘いらしい―――恭也が、美由希に対してだけは大層酷い扱いをするのを思い出す。

きっと、こんな気分とド付き合いの漫才のようなものなのだろう。

セーラに悪意もなければ、害意もない。だから本当の意味で人を傷つけるものではない。だから、微妙に酷い扱いでも美由希がどことなく嬉しそうだったのは決して美由希が特別な趣味の人だったわけではなく、そういうことだと思う。

 

 

「特別な趣味って・・・なに?」

「何を言ってるの・・・」

「あー・・・なんでしょう?」

「・・・ごめんなさい・・・次からは・・・比較的優しくやるわ・・・」

「可哀想な子扱いされてるっ!?」

 

 

別に打ちどころは悪くありませんから。

それよりも根本的に優しくするあたりがさっぱり信用なりませんから。

 

セーラはくるくるとハンドガン型のデバイスを弄んでから消す。

いつ見ても不思議な光景だと、なのはは思う。それはフェイトも同じ。

ミッドチルダ式やベルカ式とも違う、方式らしいが詳しくは知らない。

 

 

「あの、セーラさんはミッド式じゃないんですよね?」

「あ・・うん、そう・・・私はミッド式じゃなくて・・・レイヤード式」

 

 

バリジャケットの装着時には必ず背負っている大きな箱を床に落とす。

 

 

「良いの?」

 

 

御雫祇が確認すると、セーラは堂々と首を横にする。

多分、バレたら後でナインブレイカーから叱られるだろう。

 

 

「私が見せたいから、見せる」

「・・・知りませんよ。彼がどれだけ怒るのか想像もつきませんし」

「う・・・・・・」

 

 

怒ったところを想像したのか、セーラが僅かに怯む。

なのはやフェイトにとっては、「セーラさんにも怖いものがあるんだ」と驚きを提供する。ナチュラルに失礼だが、セーラだってナインブレイカーが怒るのだけは勘弁して欲しい。

若い頃のヤンチャで衛星を潰したことのある戦闘能力よりも、そこはかとなく漂う不機嫌オーラの方が幾万倍もセーラにとって恐ろしい。食べてるものの味も判らなくなる。

 

けれども、ナインブレイカーの不興を買うことを承知でセーラは二人に見せることにした。

 

 

「他言無用」

 

 

勝手に言い置いて、

 

 

[ANNIHILATOR]

 

 

箱型の待機状態となっていたデバイスを展開させる

 

 

 

「「・・・・・・・」」

 

 

 

なのはとフェイトは揃ってフリーズ。

 

セーラの背後に聳え立つ鉄の巨人。

SF世界にしか登場しないような、人型の機械。ロボット。

油圧式とは到底思えない、洗練された流線型のフォルムは機械的な造形美がある。

 

 

「これが・・レイヤード式?」

「そう。私が使っている銃や砲は、全て[ANNIHILATOR]のもの・・・詳しい仕組みは・・・教えられないけれど」

「あうあう・・・そういうのじゃなく・・・・もうツッコミどころが多過ぎてどこからツッコミを入れていいか分からないの」

 

 

本来なら魔法のアイテムをブン回している時点で十分にツッコミを入れられるべきだが。

けれども、今回は非常識もここまできた。よりにもよってロボット型のデバイス。これをデバイスと呼んでいいかも疑問な気がしてくる。

 

 

「重要なのはそこじゃない」

 

 

唐突に、セーラの喋りが流暢になる。

 

 

「え?」

「デバイスは相棒であっても、目的は自身にとっての便利な道具であれば良い。私という魔導士にとって、最も特性を引き出せるのであれば迷わず使う」

 

 

これが、と思わずにはいられない。

人間というのは、基本的に手を使って道具を操作することを前提としている。

むしろ、手以外の体の一部を使って操作しろと言われたら上手くできない。

世界に充ち溢れる道具のほぼ全てが手で操作するものばかりだ。人類の進化が道具の発展に伴ったのであれば、手で扱うことが最適だったのだろう。

 

詰まる所、ヒューマンインターフェイスにおいて手で扱うものが最適になる。

なのはやフェイトも天才の類だが、それはそれ。天才がどうこうというよりも才能の方向性の話。

 

 

「一つ、確認しておくことがある」

 

 

流暢過ぎて、いつものセーラとは全く印象が違う。違うが、何故だろう。こちらの方が、本来のセーラのような気がしてならない。

 

 

「貴女達にとって、強くなることは目的?手段?―――どちらなの?」

「手段です」

「手段・・・です」

 

 

なのはは即答、フェイトは即答しつつ若干詰まった。

 

 

「“闇の書”の守護騎士を倒すのは目的?手段?」

「あ・・・え・・・それは・・・」

「その・・・あの・・・・・・」

「どちらなの?」

 

 

手段か、目的か。

詰まってしまった。

 

 

「目的であるのならば、貴女達が矢面に立つ必要はない。私や絢雪御雫祇が処理すれば良い」

 

 

けれども、違うのでしょうとセーラは問いかけるように続けた。

 

 

「貴女達は言った。守護騎士がグラーバクに殺されるのを止める方法はないのかと。私や絢雪御雫祇は、その言葉を聞いたからこうして鍛えている。無茶を承知で、厳しい内容なものも自覚している。貴女達は、絢雪御雫祇のように莫大な時間を鍛練に費やしたわけではないし、私のように最初から魔法やレイヤード式に最適な素材として調整を受けたわけでもない、素のままから強くなろうとするから時間も手間もかかる」

 

 

彼女達は知らない。

絢雪御雫祇は最初から絢雪御雫祇だったわけではない。

先代の絢雪御雫祇が相討ちにより殺されてからの日々がどれほどのものだったか。

絢雪御雫祇は負けない。次元世界の守護者は、負けてはならない。

不敗神話こそが288代続いた絢雪御雫祇が、絢雪御雫祇たる所以。

メルセデス=ブロムクイストは、絢雪御雫祇となった。

 

 

「それが不満なら狂えばいい。目的が重要であればあるほど、狂えばいい。目的だけを考え、そのためだけに全身全霊を傾け、強くなろうとすればいい―――貴女達の“強くなりたい”は軽い」

 

 

彼女達は知らない。

セーラ=アンジェリック=スメラギという少女が、ナインブレイカーの娘となる前の人生を。

世界を滅ぼす悪魔の技術を人類が受け入れ、世界を糺すために世界を壊していく矛盾。

理由もなく、由縁もなく、少女は世界を壊す側となった。

目的もないのに強い少女は、見た。狂わんばかりに積み上げ続けた強さを。

単純な強さならば比較の余地もないほどの差。その差を埋めたのは一重に執念。

 

 

「私や絢雪御雫祇は貴女達を鍛えることができるし、技術を教え込むことはできる。でも、貴女達に目的を与えることも、魂へ強さを与えることもできない。最初からそういうポジションには居ない」

 

 

セーラにとってのナインブレイカー。

絢雪御雫祇にとってのガルムこと不破恭也。

そういう、魂に鋼の強さを与えてくれる人は別にいるはずだ。

 

 

「強くなることはそんなに“軽くない”。強くなれないのは、目的に対する意識が低いだけ」

「そんなことない!」

 

 

なのはは声を張り上げて否定する。

泣きそうなのは気のせいではない。

 

 

「なのは・・・」

 

 

フェイトは、同意できずに目を逸らす。

戦闘に向いていない。シグナムから受けた言霊が心を縛る。

 

 

「言葉は無駄」

 

 

背後の[ANNIHILATOR]が待機状態へ戻され、射撃スフィアが周囲を浮遊し始める。

 

 

「貴女達は強くなって証明しなくてはならない。それが、貴女達の選んだ道なのだから」

「何で・・・何で、そうやって道を一つにしようとするんですか・・・?」

「私は・・・いや、人類が次元世界で一体どれだけ同じようなことを続けたと思ってるの?それに、貴女が納得したいだけならばこんなことはしない。でも、貴女がやろうとしていることはそういうことなの。世界が人との繋がりであるならば、貴女の目的は貴女の力によってのみ達せられ、人々に納得させなければならない」

「そんな・・・・・・」

 

 

否定をしながら、セーラの言葉は納得しなくてはならない。

頭では分かっていても納得できない。

でも、なのはは一度それを実際にやっている。

 

フェイトとの決戦で、己の意地と願いをかけてフェイトを撃墜した。

あれこそが、力で証明し、力で納得させた何よりの実例だ。

 

 

「セーラさん、今日はここまでにしましょう」

 

 

無性に苛立っているセーラを宥めながら、御雫祇が割って入る。

その表情には、なのはとフェイトを励まそうという感じはない。むしろ、セーラに同意見とでも言うべき雰囲気がある。

 

 

「二人とも、よく聞いてください。力なき正義はただの無能に過ぎません。力が正しいわけでもなければ、正義と力がイコールで結ばれるわけでもありません。セーラさんが言うように、貴女達の目的が今は守護騎士を含めた者達を助けることにあるのならば、その目的のために力が要るのは厳然たる事実です」

 

 

事実。

その単語の前には神さえも抗えぬ。

そう錯覚しかねないほどの言葉の強さに、二人はそれぞれ眩暈さえ覚える。

 

 

セーラは射撃スフィアを収める。御雫祇も[斬鉄椒林正宗]を待機状態にする。

二人の偉大なる魔導士は、厳しい面持ちで屋上を出ようとする。言葉通りに今日の鍛練は終わりらしい。

 

 

「でも・・・だったら、どうしてなの?」

 

 

なのははどうしても納得できなかった。

だったら、どれだけ強くなればいいのだろう。

 

 

 

「だって、あんなに強いおにーちゃんでも、フェイトちゃんを置いて行っちゃったのに・・・」

 

 

 

強くなければ助けられないが、強いだけでは助けられないこともある。

このジレンマのようジレンマではなく、矛盾のようで矛盾ではない謎解きの答えを隣に居たフェイトは持たなかった。

 

 


あとがき

 

 

お久しぶりです。

今年の2月以来になる投稿。

 

 

あれから色々あって、私生活が激変。

えー、無茶ぶりな出世を果たしました。

 

 

ちょこっとずつ書き溜めていたリリカルアールズ13。

多分、前の話を覚えている人、もういないかもしれませんが書き手は書きたいものをということで、投稿させていただいています。

みなさん、お暇があれば前の話を読みなおしていただけると幸いです。

 

 

それでは失礼を。




投稿待っていました!
美姫 「フェイトとなのはの特訓はまだまだ途中ね」
だな。そう簡単には強くなれないだろうけれど、それでも成長しているっぽいな。
美姫 「鈴鹿にもさらりと意味深な台詞があったり」
迫る時間の中でどれぐらいの事が出来るのだろうか。
美姫 「本当に続きが気になって仕方ないわね」
うんうん。次回も待っています。
美姫 「待ってますね〜」



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