『TRIANGLE HEART BEAT 〜三人目の『不破』の物語〜




第十五話 −WHAT THE DEATH OF “THE PARENTS” BRINGS

 

 

 

 

 

 

「藤枝さん、なんで俺なんか好きになってくれたんだ?」

 

一緒に下校中、正確には早苗によばれて翠屋へ二人で向かっている途中、それまでのどうにもギクシャクした沈黙を打破しようと玲二は美緒に話しかける。

それに対して美緒はすこし、はっとした表情を浮かべると、やがて恥ずかしそうに

 

「あの...うまくいえるか分からないんですけど...」

 

と前おいてから、一息ついて考えをまとめるような仕草をする。

 

「ずっと、みてたんです。それで...玲二さんって空を見上げてるときとか、そこらへんの木を見ているときとか、なにか凄い大切なものを見るようにみてるのに気がついて...」

 

そういって恥ずかしそうに一度俯くと、すこし顔を赤らめて

 

「あっているかどうか分からないんですけど...なんか、ああ、この人には私にとってなんでもないことが全く違ったものに見えてるんだなぁ、って...す、すいません。訳分からないこといってますね、私...」

 

と今度はすこししょぼん、と俯く。

 

「いや...よく見てるね、そんなところ...」

 

そんな美緒に対して玲二はすこし口調を柔らかくする。

そんな玲二にすこし驚いたように眼を向ける美緒。

 

「たしかに...空も、木も...この国は素晴らしいよ。とても、素晴らしい...」

 

玲二にとってそれは、本来なら二度と見上げることのなかったはずの空、踏むことのなかった土、触れることのなかった木や草。

それらはすべて玲二にとって特別なものだった。

そして自分のそんな表情、そして感情をちゃんと見ていた隣を歩く美緒に、正直感心していた。

だから、玲二は正直にその気持ちを美緒に伝えることにした。

 

「嬉しいよ、藤枝さん...理解してもらうことは難しいだろうけど、ありがとう」

 

そういって少しだけ美緒のほうに顔を向ける玲二。

そのいつもとはすこし違った穏やかな表情に、美緒は頬を染める。

そうしてなんとか始めのぎこちなさもとれ、軽くだが話していて笑うことも出てきた美緒に、自然と心が和み始めていた玲二。

そんなほのぼのした空気が二人を包み始めたそのとき、玲二の視界にかなり場違いなものが飛び込んできた。

フルカウリング仕様の真っ赤なバイク。

そしてすぐにけたたましいまでの排気音が、そのバイクから鳴り響いた。

美緒はびっくりしてそちらに目を向ける。

しかし、玲二はその排気音に隠れたもう一つの音の方に気を取られ、緊張感を高めていた。

9mmパラベラムの銃声。

それは美緒の鞄についていた何かのマスコットのキーホルダーを弾き飛ばしたらしい。

それが落ちる音が響いたとき、美緒はバイクから自分の足元に目線を移し、なぜか落ちている自分のキーホルダーを不思議そうに拾い上げる。

まさか前に止まっているバイクと自分のキーホルダーの因果関係など気付きもしないだろう。

しかし玲二はそのバイクに跨ったライダーがら目が離せなかった。

後ろで結んだ金髪と翡翠色の瞳の少女。

明らかに自分を睨みつけているその冷たい視線にこそ覚えはなかったが、その少女を玲二は懐かしいと感じていた。

そして玲二の脳裏に、ある少女との生活が浮かんでは消えてゆく。

自分が守れなかった、自分が死なせてしまったはずの少女。

あの頃の彼女の目は、あれほど冷たい輝きは放っていなかった。

しかし玲二の感覚すべてが目の前の少女は彼女だと告げている。

 

(そ、そんな...まさか......生きて、いたのか?キャル......)

 

もう一瞥して走り去るバイクを愕然として見送る玲二。

やがてその排気音の大きさに顔をしかめていた美緒が、玲二の様子に気がつくと

 

「あ、あの...玲二さん、どうかしましたか?」

 

と心配そうに顔を覗き込んでいた。

本来の彼女なら恥らって絶対にそんなことは出来ないだろうが、今は自分の思い人の心配をするあまり、そんなことは二の次三の次になっている。

そんな美緒の真剣に心配している表情を見た玲二は

 

(...そうだな、彼女には本来関係のないことだ。しかしこれからは今までのような平穏など望めはしないだろう。巻き込んだような形になってしまったのなら、せめて俺は彼女が笑っていられるように...)

 

と表情をおだやかに作り変え、

 

「いや、なんかあの子、バイク乗るには免許取れなさそうな歳に見えなかった?」

 

とすこしふざけてみせる。

そんな玲二の言葉に美緒はきょとんとした顔をすると、すぐにくすくす笑いながら

 

「そうですね...次見かけたら歳、聞いて見ましょうか」

 

と彼女にしては珍しく冗談にのっかる。

それに、これ幸いとばかりに軽口を叩き、玲二は

 

「それよりも早く翠屋に行かないと...早苗に何言われるかわかったもんじゃない」

 

と冗談めかして笑う。

それに軽く笑い返しながら

 

「そうですね」

 

といって美緒は、恐る恐るといった感じで隣を歩き、翠屋を目指すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

掃除当番がやっとおわり、恭也が帰り支度を丁度済ませたとき、ふとおかしな音が耳に入った。

 

(!いまのは...でも、まさか...)

 

なんとなく見当はつくものの、それが本当にそうだとはにわかには信じがたいといった表情の恭也。

そんな恭也に教室に残っていたもう一人が、いつもと違うすこし緊迫した声をだす。

 

「恭也、気付いてるでしょ?あれ、銃声だ」

 

イチのその断言とともに、二人は走り出した。

途中すれ違った教師がなにか言っていたようだが、今の二人にはそんなことを気にしている暇などない。

そのまま普通の人間では考えられないようなスピードで疾走すると、そのまま学校をでて坂に差し掛かる。

 

「このあたりのはずだよな?」

 

「うん...音からするに通常サイズのハンドガンタイプ。サイレンサーをつけてなかったってことは、多分なにか大きな音で隠した可能性がある」

 

「だが幸い被害はないようだ。硝煙の匂いはするが血の匂いはしない」

 

それを確認した恭也は、ほっとしたような口調でイチに告げる。

 

「そうだね。となると考えられるのは威嚇、もしくは警告」

 

「そうだな。こんなところで拳銃を使う人間が一発だけ撃って外れたから終わりにするというのは考えにくい」

 

イチの意見に恭也も同意し、その場で考え込む。

しかしイチは、ふと顔を上げると

 

「しかし恭也が狙いじゃなかったみたいだし、この時間にここを通る知り合いもいない。となると、やっぱりこの街には他に狙われる理由のある人間がいると考えるべきだよね」

 

といって、また口元に手を持っていく。

 

「まあ相手もプロらしい。ここでこうしていても何もつかめないだろう」

 

「そうだね、それじゃあ僕らはとりあえず当初の任務を果たすとしましょうか」

 

「そうだな、この件は美沙斗さんに伝えておく。もしかしたら香港警防の隊長の話というのが関係しているのかもしれん」

 

それを聞いたイチは、ふと思いついたような表情になると

 

「恭也、僕はこれから暫く鍛錬を休むから」

 

といって翠屋への道を歩き出す。

 

「お、おい、ちょっとまて。気まぐれではないのだろうが、理由くらい聞かせてくれ」

 

実際はイチとの鍛錬がなくなるのが困るというのが本音なのだが、それでもイチという人間をある程度理解している恭也としてはそちらも気になるらしい。

 

「保険だよ、二重のね」

 

イチはそういって微笑むと、すこし恭也に近づいて小声で続きを伝える。

 

「もし僕らにも関係があるのなら、手の内は全部見せないほうがいい。恭也たち三人が御神の剣士だってことは結構調べがつくものだから隠しても大して意味はないから、僕は鍛錬を見られてることも考えてこれから外れて僕に対する警戒をゆるくする」

 

「なるほど、それなら影で動けるか」

 

「そゆこと、こういうときくらい忍らしくしないとね。んじゃとりあえずさっさと翠屋にいこう」

 

「ああ、そろそろ人手が足りなくなってくるところだな」

 

そういって二人は周囲への最低限の警戒を怠らないように、しかしそんなことはけして表には見せずに翠屋へと急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「いらっしゃいませ〜♪」

 

なぜかこんなところでチーフウェイトレスをしている歌姫二世の声に出迎えられた玲二と美緒は、そのまま店内を見回す。

見飽きた眼鏡をかけた活発そうな少女が二人に向かって手を振っているのを見つけるのには、そんなに時間はかからなかった。

玲二は、美緒に顔を向けて苦笑いを浮かべると早苗のほうへと歩いていく。

なぜかエレンが一緒にいるのには驚いたが、おそらく帰宅途中に捕まったのだろう。

疲れたような態度を装っている。

 

「玲二!美緒!こっちよ、こっち!!!」

 

もう分かっているのは明白なのにもかかわらず、大声を上げて手を振る早苗。

そして予め用意されていたように早苗とエレンの対面の席に並んで座らされる二人。

美緒は、もう少々赤くなって照れたような表情を浮かべている。

玲二もそれに合わせて、なんとなく妹の前で居心地が悪い、というような雰囲気をつくってみる。

それは成功していたらしく、早苗は

 

「ああ、エレンならもう私が話しておいたから問題ないわよ」

 

とにやにや笑いながら身を乗り出してきた。

 

「で?結局どうなったのよ?二人そろってちゃんと来たってことは、失敗ではないみたいだけど?」

 

ずけずけと聞いてくる早苗に、美緒は真っ赤になりながらも、

 

「えっと...断られはしなかったよ」

 

と嬉しそうに微笑んでみせる。

すると早苗は呆れたような顔をして、

 

「はぁ!?なにそれ、断られなかったって!?あんたなんて言ったのよ!?」

 

と、今度は玲二に突っかかる。

それに玲二はすこし引きながら、話してもいいのか美緒に目で確認すると

 

「なんてって...まだ藤枝さんのこと、よく知らないから知る時間をくれって」

 

と正直に話す。

 

「はぁ〜!?一昔前のガキか、あんたは!?こんな美少女が告白してきてんのよ!?昔の人だって言ってるでしょ、据え膳食わぬは、って!!!」

 

「早苗、それはかなり飛躍しすぎ」

 

エレンは律儀につっこんでおいて、どうやらこの話にのることにしたらしい。

 

「でも兄さん、本当になんで?こんなチャンスめったにないわよ?」

 

兄である玲二のことを好きで、すこし小憎たらしい妹というのがみんなの前でのエレンのポジション。

そんなエレンに玲二は

 

「だってさ、こんな俺に告白してくれたのは本当に嬉しいけど、俺は藤枝さんのことを全然知らないんだよ。それなのにOKなんかしたらそれこそ顔とか体目当てみたいで失礼だろ」

 

と真面目に切り返す。

しかし実際のところ、これはエレンに対する隠語であった。

片思いされている友人として傍にいるだけでもプレッシャーにはなる、そして、体目当てではないことを強調し、今のところ彼女を巻き込むつもりはない、とエレンには読み取れる。

それにエレンは納得し、

 

「そっか、アニキもちゃんと考えてるんだね」

 

と、玲二に了解したという意味を込める。

しかし二人の会話に予想以上に反応してしまう少女がいた。

 

「れ、玲二さんが私の...か、体目当てって...で、でも玲二さんになら、私...」

 

普段の彼女からは想像もつかないほどに暴走してしまっている美緒を、思わず唖然としてみてしまう玲二とエレン。

早苗は

 

「ちょっと、美緒!しっかりしなさい!なにをとんでもないこと口走ってんの、あんた!!!」

 

と乗り出して肩を揺さぶる。

程なくして正気に返った美緒は、自分の口走っていたことを思い出して顔を真っ赤にして俯いてしまう。

それをやれやれといった表情で見ている早苗とエレン。

玲二は自分が対象だっただけに、なんと声をかけていいのか見当もつかないらしい。

そんな膠着状態におちいった四人に、頭上から声がかかる。

 

「まあまあ、そういってもらって嬉しくない男なんていやしないですよ♪...まあいくら言っても冗談としか思わない男ならいるけど...それより、もうちょっとボリューム下げないと周りのお客様が注目してますよ?」

 

そこには翠屋チーフウェイトレス、フィアッセ・クリステラがすこし困ったような笑みを浮かべて立っていた。

 

「ど、どうもすみません、お騒がせして...」

 

これをいいタイミングとばかりに話題を打ち切る玲二。

どうやら彼女もそのつもりで声をかけたらしく、軽く微笑んで席を離れる。

しかし早苗はその彼女に

 

「あ、あの!今日は高町先輩と狼村先輩、いないんですか?」

 

と後ろから声をかける。

それに一瞬きょとんとした表情を浮かべるフィアッセだったが、やがて

 

「恭也とイチは今日は掃除当番っていってたよ」

 

と教えてくれる。

そしてそれとほぼ同時にドアが開き、話題の二人が入ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「...早苗、かなり分が悪いと思うわよ」

 

エレンはそういって早苗の肩をたたく。

そのエレンの言葉に同調するかのように大きく頷く玲二と、その隣で申し訳なさそうな笑顔を送る美緒。

しかし早苗はそんなことは気にしていないらしい。

 

「ばっかねぇ、あんたら!こうやってここにくれば高町先輩の笑顔がみれるのよ!?それだけで設けもんだとおもわない?」

 

そういう視線の先では翠屋店主の息子、高町恭也がオーダーされた紅茶を淀みない動きでいれている。

 

「高町先輩の笑顔はたしかに珍しいけど...たしか早苗は狼村先輩のファンじゃなかった?」

 

遠慮がちに小さく手を上げながら発言する美緒。

 

「あまい!あまいわよ、美緒!狼村先輩はいつも優しそうでしょ?なんか大人の雰囲気なのよ。だからね、ここで狼村先輩を見るときは休憩時間を狙うのよ」

 

「なんで?」

 

呆れたように聞いてくるエレンに、良くぞ聞いてくれましたといわんばかりに薄ら笑いを浮かべた早苗は、

 

「休憩時間、狼村先輩はいつもカウンターでカフェオレのみながら本を読んでるんだけどね、その時の隣の席は早い者勝ちなのよ!」

 

と拳を硬く握りながら力説する。

 

「で?早い者勝ちだとどうしたんだ?」

 

冷ややかな視線をむけながら、これも付き合いとばかりに玲二が質問する。

 

「なにいってんの!?狼村先輩とおしゃべりできるのよ!?しかも喫茶店で隣同士で!」

 

人差し指を鼻先に突きつけながら力説する早苗に、周りに座っている女性たちも頷いている。

小学生から若奥様風の女性まで、かなりワイドレンジな同意の視線だった。

 

「ねえ藤代さん、高町先輩と狼村先輩ってそんなに人気があるの?」

 

「はい、高町先輩はずっとここで働いてましたし、学校でも去年まで剣道部の赤星先輩と双璧って感じの人気でした。狼村先輩は最近突然現れたらしいです。優しい、大人な人だって聞いてます。ファンクラブも出来たとたんに高町先輩たちのと同じくらいの人数が集まったそうです」

 

「く、くわしいわね、美緒」

 

「え、あ、早苗からずっと聞かされてるから」

 

「「ご愁傷様」」

 

虎視眈々とイチの休憩時間のタイミングを計る早苗をよそに、いまや完全におまけ状態の三人は比較的楽しそうに談笑していた。

結局その後、イチの隣の席はブリジットとアイリーンに取られ、落ち込んだ早苗は丁度そこに居合わせた恭也によって簡単に復活するといった、漫画のような出来事があった。

そして帰り、美緒を家の近所まで送り届けたあと

 

「高町恭也、かなりの戦闘能力をもっているわよ」

 

「ああ、動きや気配を探る感覚に隙がない。俺たち以上だぞ、あの人」

 

と玲二とエレンは翠屋でのことをおさらいして歩く。

 

「マスターから聞いた話だと、日本最強の古流剣術の後継者だそうよ。表沙汰にはなっていないけどCSSのコンサートのガードを事実上一人でこなしたとか」

 

「な!本当か、それ!?剣術でその能力か...」

 

「ええ、美緒を使おうとするなら高町恭也にだけは絶対にかかわらないようにしろ、といってたわ」

 

マスターとはサイス・マスター、エレンを洗脳して初代ファントム・アインとして仕立て上げ、玲二の記憶を奪い、ファントム・ツヴァイとして暗殺を強要した外道。

その男でさえ高町恭也にはかかわるなと口にしたという。

 

「味方につけられれば一気に現状打破できる可能性もあるが、やはり関わらせない方向で考えるべきだろう」

 

「そうね、これは私たちの問題だから...でも高町恭也、やっぱり彼、少し気になるわ...」

 

そういって考え込むエレン。

 

「そうはいっても俺は...」

 

「そうね、貴方はその女のほうを気にしておいたほうがいいわ」

 

「ああ、すまないが俺にはアイツがどうしても...」

 

そういって翠屋に向かう途中で見た女のことを考え辛そうに目を伏せる玲二を、エレンもまた少し辛そうに見ながら、彼女は再度心に誓うのだった。

 

(たとえ私自身がどうなろうと、絶対にこの人を死なせはしない...たとえそれがこの人の望んだ結果でなくとも...)

 

 

 

 

 

 

 

 

玲二とエレンが恭也の正体について憶測を交わしていたその頃、恭也とイチも銃声のことについて話し合っていた。

 

「それにしても、やはりあの銃声...なにかあるよな」

 

「そうだね、でも僕らには情報収集能力がないからねぇ。とりあえず帰ったら美沙斗さんに話してみるのがいいと思うよ」

 

「ああ...あと、もうひとつ...」

 

「四人連れのテーブルにいた...えっと、早苗ちゃんの友達だよね?」

 

「名前はしらんが向かい合わせて座っていた男女だ。両方とも気配が普通ではない」

 

「うん、たぶんくぐった死線の数はかなりのものだと思うよ。実力自体は僕らみたいな人外な事はないと思うけど、その分戦い慣れしてる」

 

「そうなんだが...女の子の方が、なんとなく気になってな」

 

「ん?それはどういった意味で?」

 

意地の悪そうな笑みを浮かべるイチを暫く、わけが分からないといった感じで見ていた恭也だったが、暫くして思い当たったらしく

 

「な!そ、そういった意味じゃないっ!!!...ってお前相変わらず分かっててやってるよな」

 

と疲れたような声を出す。

そんな恭也にイチは子供のように、にへらっ、と笑って見せると

 

「はいはい、わかってるよ。たしかに彼女はなんかおかしかったね。なんか裏にもう一つなにかある感じがする...」

 

と真面目に戻る。

そんなイチに少しズッコケ気味に躓く恭也。

しかしすぐにもとの調子に戻って

 

「ああ、銃声の件と関係があるかどうか分からないが、このタイミングで、というのが少しきになるな」

 

「それも含めて美沙斗さんに聞いてみるしかないね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい...そうですか、分かりました。どうやら私たちが動くしかないようですね...ええ、恭也たちにも依頼してみます...はい、それでは」

 

美沙斗がそういって電話を切ったところに、丁度恭也とイチが連れ立ってリビングに入ってきた。

 

「俺がどうかしましたか?美沙斗さん」

 

「あ、恭也、それにイチ君も、ちょうど良かった。実は二人に頼みたいことがある」

 

そういって自分が使っている部屋へと向かう美沙斗。

どうやら人に聞かれたくない内容だろうと気付いた二人は、その後に従う。

和風になっている美沙斗の部屋に入ると、美沙斗は二人に座布団を勧めると、先ほどの電話の内容を伝える。

 

「...香港警防の隊員が暗殺されたんですか?」

 

「そう、昨日発見されたらしい。それもかなりの銃器関係の使い手による仕業とのことだ」

 

「それよりも僕、気になってることがあるんですが...」

 

「なんだい、イチ君?」

 

少しためらうように俯いた後、イチは

 

「その殺された香港警防の隊員の二人がしてた仕事ってなんですか?」

 

と重い口を開いた。

その質問に美沙斗は感心したように驚きの眼差しを向けると

 

「ある重要人物二人の親、という肩書きを持っていた」

 

と正直に伝える。

それを聞いてなにやら考え込むイチ。

恭也はイチの質問の意図を暫く考えていたが、やがて一つの考えに行き着く。

 

「おいイチ、もしかしてその二人って例の二人か?」

 

信じられないといった表情でイチに詰め寄る恭也。

 

「そうなんだろうね、たぶん...」

 

そう短く告げるイチの言葉で恭也にはイチの考えていることが理解できた。

そしてどうやら二人がある程度の真相にたどり着いていることを読み取った美沙斗は、二人に驚愕の事実を伝えた。

 

「その二人、吾妻玲二と吾妻江蓮は数年前アメリカ全土のマフィアなどを震撼させた暗殺者、ファントムと呼ばれていた人間だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 


あとがき

 

さて、実は今飛行機に乗る7時間前ですw

昨日は必死こいて200問近い数学問題をとき、

そして今日寝不足でテストを受けてその後小論文を3つ仕上げた後こうやって書いてますw

ようするに馬鹿です

それはそうと飛行機といいましたが、私一週間ほど帰国しますw

といってもやることないんでのんびりとSS書き続けるつもりです

物語はだんだんと絡み合ってきましたし、これからも気合いてていきます!

それでは読んでくださっている方々、また次回で〜♪

     





徐々に接点を有するように流れる。
美姫 「これもまた運命なのかしら!?」
事態がどんな風に動きて行くのか!?
美姫 「最早、目が離せないわね」
ああ〜、続きが気になるよ〜。
美姫 「一体、どうなるの?」
次回も楽しみにしてます。
美姫 「それじゃ〜ね〜」
ではでは。



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