プロローグ

 

 ――初めて猫を飼ったのはまだ小学生の頃だった。

 チャトラ模様のかわいい仔だった。

 その仔は僕が七つのときに病気で死んだ。

 捨て猫を見つけたのはそれから何日も経たない雨の日の夕方だった。

 道端に置かれたダンボール箱の中で泣いていた。

 その姿を見た途端、僕は悄然として動くことが出来なくなっていた。

 結局、僕は持っていた傘をダンボールの上に差してその場を離れた。

 その仔猫がどうなったのか、僕は知らない……。

 

 ――そして今、俺は二匹の猫を飼っている。

 病に侵され、今にも死にそうな状態だが、医者は誰も助けてはくれない。

 こいつらが患っているのは治療法の確立されていない言わば死病なのだ。

 それでも諦めるつもりはなかった。今の俺にはこいつらだけが家族なのだ。

 人の力で治せないのなら、それ以外の力を試せばいい。

 俺は二匹を膝の上で抱きかかえると、呪文の唱え始めた。




 ――あとがき――

どうも。安藤龍一です。

恐ろしく短いですが、愛憎のファミリアのプロローグです。

初投稿でいきなり長編というのは無謀なのかも知れませんが、よろしければ最後までお付き合いいただければ幸いです。

  




死を待つだけのネコへと唱える呪文…。
美姫 「果たして、一体何が起こるのかしら」
次回が気になる所。
美姫 「次回が既に手元に! 一足先に、読もうっと」
待て待て待て。
俺も読むってば〜。



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