第3話 彼女の日常

 

 学園で終業式が行われている頃、草薙家の庭では優奈が洗濯物を干していた。

 汗をたくさんかくこの季節。当然、それだけ洗濯物も多くなる。しかし、彼女は嫌な顔一つせず、寧ろ楽しそうにそれを干している。

 同じ年頃の人間たちの多くが学校で授業を受けているであろう平日のこの時間。一人てきぱきと家事をこなすその姿は宛ら若奥様といった感じである。清潔感あふれる白いエプロンが彼女にはよく似合っていた。

 優奈が最後の洗濯物を干し終わってリビングに戻ると、美里がソファの上に寝転がってマンガを読んでいた。

「またそんな姿勢で読んで。背中が猫みたいになっちゃうわよ」

 軽く注意すると、美里はごろんと仰向けになって答えた。

「いいじゃない。あたしたち元は猫だったんだから」

「今は人間でしょ。けじめはちゃんとつけなきゃダメ」

「掃除や洗濯をするのが人間らしくすることなの?」

「これはほんのお返し。この家でお世話になっているのだから、出来ることはしなきゃ」

「そういうものなんだ」

 わかったようなわからないような顔で頷く美里。

「そうよ。だから、美里も手伝って」

「何すればいいの?」

「そろそろ優斗さんが帰ってくるわ。それまでにお昼ご飯の支度をしておきましょう」

「そしたら優斗、喜んでくれるかな」

「ええ。だから、一緒に頑張りましょう」

 励ますように優しく微笑む優奈。

 美里は今度はちゃんとわかったと頷いてマンガを閉じた。

 リビングの電話が鳴ったのはそのときだった。




 ―――あとがき。

龍一「少し短いですが、第3話をお届けします」

蓉子「本当に短いわね」

龍一「うわっ、出た!」

蓉子「失礼ね。人を妖怪か何かみたいに言わないでよ」

龍一「おまえ、妖怪じゃないか」

蓉子「うっ、そ、そんな設定もあったわね」

龍一「……まあいい。それで、今回の話だが」

蓉子「そうよ。どうして、こんなに短いわけ?いや、それ以前にあたし出てないし」

龍一「次の話が少し長くなるからここで切った」

蓉子「…………」

龍一「ま、待て待て。ちゃんと続けて第4話を送るから」

蓉子「それなら許してあげる」

龍一「ふぅ……」

蓉子「落ち着いてないでさっさと次行くわよ」

龍一「お、おう。

それでは、また次回で」



と言う訳で、続けて第4話、5話と頂きました。
美姫 「続けて読めるので、私は全然問題ないわよ」
同じく。
今回は、優斗が学校に行っている間の優奈と美里の様子だね。
どうも、優奈の方がしっかりしてるな。
美姫 「どっちも可愛いから、良し!」
はいはい。それじゃあ、次の話へと……。
美姫 「そうね。早く続き、続き」
それでは、次のお話で〜。



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