わたしが夢を見るとき、それは現実の世界で何かが起きる前兆だった。

 ――紅い夢。

 血と炎の彩る社でわたしの良心は命を落としました。

 ――白い幻。

 凍てつく雪原の中で兄は剣を折られました。

 ――そして、わたしはまた夢を見ます。

 夢幻を飾るは優しい青。

 暖かな栗色と寄り添い合って佇む姿は穏やかな日常の象徴……。

 そこに忍び寄る血の気配。

 それは巫女としてのわたしが受けた最後の託宣だったのかもしれません。

 ―――――――

 ゴーレムの大量発生から既に一ヶ月。人々の間で事件は早くも過去のものとなりつつあった。

 ……変わらずに過ぎていく日常。

 多くの人はその影で戦い続けている者がいることを知らないまま、個々の営みを繰り返していく。

 彼等の通う学園でも一ヶ月後に迫った学園祭に向けて生徒達が本格的に動き出していた。

「……えー、以上が今回の議題になります」

 黒板に書かれた文字をチョークで指しつつ、何やら学級委員が説明している。

 しかし、寝不足でぼーっとしていた優斗がそんなものを聞いているはずもなく……。

「というわけで、よろしくお願いします」

 気がつけばクラスの代表として実行委員に任命されてしまっていたのだった。

 過程を持ち、夜に働く彼は当然辞退しようとした。

 しかし、そのことを理由として出すわけにもいかず、また他に周囲を納得させられるだけの材料も持ち合わせていなかったため、断りきることが出来なかったのだ。

 こうして晴れて実行委員に任命された優斗は、これから1ヶ月の間学園中を奔走することになる。

 ―――――――

「じゃあ、行ってくるね」

 長年過ごした我が家を振り返り、少女は父親ともいうべき存在へと手を振った。

「人の世は久方ぶりであろう。くれぐれも用心するのだぞ」

「大丈夫だって。雪那も一緒なんだし」

「その油断が命取りにならねばよいがな」

 保護者の心配を他所に少女は一人、まだ見ぬ彼の地への期待に胸を躍らせる。

 そんな少女の傍らに控えるもう一人の少女の葛藤にも気づかないほどに……。

 ―――――――

 ……毎夜、夢に現れる不思議な少女。

 彼女が美里に語った幻想の闇、夢魔の防波堤とは一体……。

 ―――――――

 ――そして。

『決心はついたのかい?』

「……はい。それで、詳しいお話を伺いたいのですけど」

 決意を胸に受話器を握るファミリア。

 果たしてその選択が彼女の新たな道となるのか。

 名刺をくれたメイドに拘る男の正体とは……。

 ――――――

 愛憎のファミリア2〜夢魔の岸辺・晩秋の紅〜

 ―――――――

 ――近日公開予定!




 ―――あとがき。

龍一「というわけで、始まります第2幕!」

蓉子「またえらくハイテンションね」

龍一「おう。何せネタが後から後から湧いてくるんだ。おかげで構成も何もなしで書き始めてしまったぞ」

美里「ちょっと、そんなんで大丈夫なの?」

龍一「いや、大体の流れは考えているんだけどね」

蓉子「まあいいわ。それで、今回の見所は?」

龍一「キーワードは夢、祭、転校生。メインイベントは学園祭&修学旅行だな」

かおり「巫女の託宣とかメイドとかもあったわよね」

龍一「魔法、剣戟、怪現象ってのもあるぞ」

蓉子「今回は浩さんと美姫さんにも出演してもらうのよね」

龍一「他に新キャラも何人か出てくるぞ」

優奈「浩さん、美姫さん。出演承諾いただきありがとうございます。よろしくお願いしますね」

龍一「そんな感じで、今回は大ボリュームのてんこ盛りでお届けします」

蓉子「作者が思いつく限りのお約束と読者サービスをどかんと詰め込んじゃいますよ」

優奈「リクエストも受け付けますので何かあれば掲示板にお願いします」

一同「それでは今回もよろしくお願いしま〜す!」

 

 




良いな〜。ネタがドンドン出てくるんんだって。
美姫 「アンタも、少しは見ならって欲しいわよね」
どう見習えと。
美姫 「まあ、良いわ。今の私はご機嫌だから」
出演の件か。
美姫 「ふっふっふ。並み居る敵をバッサバッサと倒す私〜」
いや、その辺は多少は弱くなってるだろう。
美姫 「え〜」
いや、だから、パワーバランスがですね。
美姫 「まあ、良いわ。出番、出番〜♪」
……まあ、美姫の事は気にせず、第二部、頑張って下さいね。
美姫 「フンフンフ〜ン♪」
ではでは。



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