恭也のハーレム伝説(in神咲家編)





第7話 出会い








「そう言えば、恭也くん、お久しぶり……覚えてないかもしれないけど」

 雪乃さんにそう言われて俺は考えている
 どこかで会った気はする
 でも、何処で?

「覚えてないかな? ちょっとの間だけだったけど一緒に居たのだけど」
「そうじゃな……確か一週間いたの」
「あの頃の写真もあるはずよね……探したら」
「しかし、あの子がこんなけ立派に成長しているのを見ると年を取って嬉しいと思えるの」

 和音さんと雪乃さんがそう言いながら俺を見る
 今は道場で3人だけだ……
 薫さんと葉弓さんと楓さんと那美さんは一樹さんと北斗君を寝かせに行ってる
 久遠は確か外で日向ぼっこだ
 人が争うのを好まないから、見たくないんだそうだ
 で、道場の近くには居ても、中には入らないのだ
 雪乃さんはあの頃を思い出してるのだろうか?

「でも、私たちの旅行でいい人と出会えましたね……
 あれで私が結婚して無かったら、私は士郎さんになびいていたかもしれないですね」
「全くじゃ……でも、恭也も士郎に似ておるの……
 瓜二つじゃ……ただ、性格は違うけどの」

 笑いながら俺を見て言う和音さん
 雪乃さんがニッコリと微笑むと……

「自分が20代前半だったら恭也くんと添い遂げようとか頑張るのに……」
「ほっほっほ……まだまだ若いんじゃ……少しは年上を味わうのもいいぞえ♪
 恭也……」

 なんて、恐ろしいことを言うんだろう
 それに、それは不倫と言われる奴ではないだろうか?
 いくら婿養子で立場が低いとは言え、家族に手を出したら一樹さんが一番に怒るだろう
 しかも妻だし……一樹さんは多分、娘とか息子も好きなんだろうな
 家族第一に考えている人なんだと思う

「さてと、恭也くん、これからみんなで退魔の仕事のお払いに行くのだけど……
 一緒に来ない? 私はちょっと買い物がてらだけど」
「霊に対しては俺はあまり知識とか無いので……買い物なら手伝えますが」
「じゃあ、荷物もちお願いしようかしら」
「あ、それくらいなら……」
「わしは少し連絡したいことがあるでの……メールしてくるわ」

 和音さんは自分の部屋に戻るのだろう
 しかし、足音がほとんど立たない
 床のきしみの音くらいだ……やなりのようにも聞こえるから音だけの察知がかなり難しい
 そんなことを考えてしまうあたり、その人の剣の腕とかをすぐに見てしまう
 失礼なことなのに……

「さてと、私もお昼の準備しますので……先に行きますね……
 恭也さんはどうしますか?」
「あ、俺は瞑想したいので……御飯できたら呼んでください」
「はい、呼びますね……でわ、後で」

 雪乃さんも出て行く
 体が弱いと言っていたけど、どこが弱いのか分からない
 病弱なのかもしれないし、もしかしたらどこか悪いのかもしれない
 もし悪いなら腕のほうだろう……足は普通に動かしていた
 俺みたいに多少引きずったりとかもしてない
 分からない部分が多いのだけど……
 とりあえず、俺は座禅を組むと父さんから譲り受けた小太刀「八景」を前に置く
 もう1つの小太刀を手前に置き、目を閉じる
 うっすらと開けた世界の中で俺は……精神を集中していく




 自然との一体化
 確か、この修行の意味はそうだったと思う
 自然と一体化することによって気配を殺し、動物たちと触れ合え
 更には奥義を獲得していく際には必要なことなのだそうだ

 明鏡止水
 剣筋を曇らせることなく、澄み切った想いを込めて
 一刀一刀に力を注いでいけと……
 何にとらわれるでもなく、ただ御神の剣士は守る為に……




「恭也さん……お昼できました」

 後ろから声がした……那美さんだな
 俺はそれが分かると、立ち上がる
 小太刀を手に持ち、振り返ると那美さんが扉のところにいた

「分かりました……向かいますね」
「あ、はい」

 那美さんの顔は真っ赤だった
 どうかしたのだろうか?
 少し前に来ていて、俺に声をかけるかどうか悩んでいたみたいなんだが……
 ダイニングに行くとみんなが座って待っていた
 そして……みんなで食べ始める



「で、出かけるって事なんだけど……俺と雪乃さんはデパートで買い物してきますね」
「神咲家の当主が全員行くって始めてかも……」
「でも、楽しいじゃないですか」
「でも、霊象なのに、可笑しいですね
 ……誰も何も出ないなんて」
「確かにその通りじゃ……だから、うちらが取りに行くか
 調べるかせんとな」
「そうですよ……気は抜かないで下さいね」
「分かってるよ」
「もちろんです」

 と、準備万端で車でデパートまで送ってもらう
 そして……俺と雪乃さんは食料の買い物を頑張るのだった
 俺は荷物もちだが……





〜〜その頃、薫たちは〜〜

「これが、例の奴やね……でも、妖気も何も無いね」
「そうじゃね」
「でも、たまに微かに出てます……あまりにも微弱ですが」
「葉弓様のおっしゃるとおりです」
「でも、これってどういうことなんだ?」
「これだけ弱いのに……何が封印されてるんでしょうか?」

 1つの箱の前で楓、薫、葉弓、十六夜、和真、那美が囲んでみている
 だが、これからあふれ出る妖気もあまり感じず
 しかも封印も解けかけている
 そして、薫は十六夜を構えてみる

「みんな、少し離れて……」

 楓たちが離れる
 そして……

「せいっ!!」

 霊剣十六夜を一閃させる
 斬ったのは封印のみ……だが、変化は無くただ箱が残っていた

「中はどうなってるのでしょうか?」
「さぁ、こればかりはあけないことには……」

 和真と葉弓が考えている
 薫と楓と十六夜も同意見のようだ
 そして……

「私が開けてみます……何かあっては大変なので離れていてください」

 十六夜がそう言って箱のふたに手をかける
 そして、あけた……
 だが、何も起こらずただ箱があるだけだった

「どういうことじゃ!?」
「何も起きない?」
「十六夜さん、箱に蓋をしめてもらいますか?」
「あ、はい」

 十六夜もボーとしたのか、だが、葉弓の声に蓋を閉める
 明らかに焦りが見える4人
 葉弓以外の4人だ……何故、何もなかったのかに驚いている

(さっきの妖気は確かに出ていた……で、箱の蓋を開けても出てきていた
 蓋を開けても変わらなく湧き出てきていたみたいな
 そんな、おかしな状態……妖気があふれ出るなんてことはないはず
 じゃあ、これは妖気ではないのでは……?
 では何を示してるの?)

 葉弓が考えをめぐらせる
 ここでの参謀は葉弓となるだろう
 十六夜も考えてるようだ……だが、考えてるようだ
 何かを……

「とりあえず持って帰りましょう……そちらの方がいいでしょう」
「そうやね……他の人に開けられても多分害はないかと……」
「でも、一応です……もし何かの類なら封印をしておくに越したことはありません」
「十六夜の言うとおりやね」
「そうだな……じゃあ、デパートに迎えに行きますか」
「そうですね」




〜〜で、恭也視点に戻る〜〜


 俺と雪乃さんは買い物を終えてのんびりとお茶を飲んでいた
 前に見える駐車場が見える位置に座って俺と葉弓さんは紅茶を飲んでいる

「でも、恭也さんが和菓子が好きなんですね……今度美味しいお店紹介しますね」
「あ、お願いします」
「私が作った物でもよければ作りますよ」
「甘くなかったら食べてみたいですね」
「洋菓子みたいな甘さは無いですよ……」

 と、携帯の着信音が鳴る

「あらあら……失礼しますね」

 そう言って、雪乃さんは携帯で話し始めた

「そう、着いてたの? 気づかなかったわ
 じゃあ、そっちに行くから……え?
 気を付けてって私を何だと思ってるの? これでも4人の母親だから平気よ
 じゃ、ちょっと待っててね」

 電話を切ると雪乃さんは立ち上がる
 俺もつられて立ち上がると荷物を持つ

「ごめんね……慌しくて」
「いえ、気にしないで下さい」
「じゃあ、行きましょう……駐車場に着てるんだって」
「そうですか……気づけませんでしたね」
「そうですね」

 お金を清算して車に行くと5人が待っていた

「ごめん、ちょっと遅れたわね……後ろ開けてくれる?」
「ああ……で、後ろには箱が入ってるからあけないように」
「うん……って、開いてるわよ」
「え!!」
「何で!?」
「どうして開いてるの?」
「やっぱ前で持つべきだったかな?」

 そう、トランクを開けてもらって、見たら箱が開いていた
 ちょっとした片手で持てる箱
 カラフルでインテリアのものなのかな?
 でも、嫌な予感がする……そう何か嫌な予感が……

「じゃあ、閉めとくわね」
「あ、お願い」
「まっ……」

 俺が待ってと言おうとする前にすでに雪乃さんの手は箱に触れていた
 そして、光が箱からあふれ出るのだった






 つづく〜♪







 あとがき
 はぁ、疲れてるな
 シオン「眠いよ……」
 ゆうひ「今午前4時」
 ま、それくらいだね……
 シオン「お腹すいた……何かお菓子ないの?」
 すまん、買い置きは日曜に買いにいくから……
 ゆうひ「ま、待て状態だね」
 そういうことだな……
 シオン「ハーレムは今回早かったね」
 まぁな……ちょっと進めておかないとな
 ゆうひ「さてと、感想などは掲示板かメールでお願いします」
 お願いします
 シオン「でわ、また〜」
 ゆうひ「ほなね〜」
 でわでわ〜(^^)ノシ



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