恭也のハーレム伝説(in神咲家編)








第11話 来訪者







「恭也……」

 俺は深夜という時間帯の来訪者が誰か分からなかった
 ただ、気配が……双葉さんに、母さんに似ていた

「母さん?」
「ふふ、お久しぶり」
「どうしたんだ? こんな所に……」
「息子に会いによ……全く、世界をまたにかける生徒に追われ今度はここかぁ
 相変わらず節操の無い」
「誰も襲ってない!!」
「ふふ、冗談よ……でも、恭也……1つ言っておくわ
 あの箱ね……御神が授かっていたものよ」
「どういうことだ?」

 母さんが道場の端、影の部分に座っている
 多分今はすっぴんだろう
 月下でない所というのはそう言う意味合いだろう
 母さんは香港警防隊の本当に暗部にあたるところに居るらしい
 もし他だったら美沙斗さんにばれてるだろうとのことらしい
 ま、そのあたりはいいんだが……

「恭也は知らないだろうけど……御神の中に伝承刀を入れるための箱があるでしょ」
「ああ」
「その箱の兄弟箱よ……あれは」
「まさか……あれは!?」
「そ、一臣くんと美影さん、士郎と美沙斗ちゃんに渡してどこかに渡したものよ
 だからここにあるとは思わなかったわ……士郎も私に一言言ってくれたらよかったのに」
「じゃあ、あの姿から戻る方法も……」
「ないわ」
「はい!?」
「あれは元々そういう作用のものなの……名のある魔術士が精魂込めて作り上げた
 怪我を治すために使うものだった
 恭也にも効果があるはずよ……ただ、恭也の場合は何年前に戻るかが微妙だけど
 今の姿を考えながら膝だけが治るイメージが浮かんだら……可能かもしれないわね」
「どうして? どうしてそんなこと知ってるんだ?」
「士郎を酔わせて吐かせた」
「母さん……あんたって人は」
「ま、私もこの道場に生徒としてくるから……よろしくね」
「分かった……できるだけ来いってことか」
「うん……じゃあ、今日のお昼にね」
「ああ」

 すでに午前の4時
 母さんと久々の対面だった
 ただ、顔は見てない……でも、これや雰囲気や気配は母さんのものだった

「再会だな」

 そう呟いて、また瞑想をする
 しかし、結構近くに居た……まだまだ俺は甘いって所か
 母さんがどう思うことがあっても……



 幾度となく戦いを繰り広げていく
 ただ、さっきの言葉が俺のイメージや思考を低下させている
 母さんがここに現れた理由……クリステラの恐怖は去っていった
 なら今度は何で此処に?
 それもあるが……あの箱の力……
 それは試す価値のあるものだ
 俺のイメージによっては……
 しかし、他のみんなには効果が無かった
 それに、俺も触っただけでは何もなかったはずだ
 なら、何で雪乃さんに変化があった……
 箱を閉めただけだ……蓋をしめただけ……しめた?
 もしかして……あれは!?
 閉める……今までの一番後悔してることを……あの箱に収めるってことか!!
 人を生き返らせるほどの力もなく……
 たんなる霊症であるはずが無い
 そうだよな……なら、可能性で考えられるのは……
 そういうことか!!
 俺はすぐに立ち上がると箱をおいてある保管庫に行く



 箱はすぐに見つかった
 俺は再度、箱を開く……そうか、何となく分かってきた
 この箱のからくりが……
 何を意味するかも……
 これは御神に伝わっていたものだ
 いや、正確には不破にだろうが……父さんが一度だけ持ち歩いてるのを見たことがある
 確か、俺にも言葉を掛けて……
 「お前なら隠したいものをどこに隠す」と聞かれて
 「誰かに頼んで隠してもらっておくよ……」と答えた
 父さんはそれを実行していたんだ……なら、今日とりにいったときに父さんと会った人なのか?
 いや、それは違うかもしれない
 俺は箱を開ける……何も起きない
 後は、俺のイメージの力次第か……膝が直ってると嬉しい
 でも、今の姿が最も嬉しいものだ……
 なら、俺は……


 座っている形を鏡に映す
 道場の端にある、鏡……本人だけで型を見るためだろう
 ま、家の道場にも小さな鏡がついてる
 それである程度の型の練習をするのだ……
 だが、今回はこれで俺の姿を想像し易くなった
 後は、膝が壊れてないイメージをする
 小さな頃、事故に遭う前の体を……
 これで大丈夫ということは無いだろう
 ただ……試してみる価値はあると思う
 今は夜だ
 多分平気だ……

「駄目だよ」
「え?」

 道場のドアの所には薫さんが立っていた

「薫さん?」
「十六夜が気配がするからと起こされて着てみれば……」
「この箱のからくり分かったみたいですね」
「ああ、十六夜からきいた……それに、私たちは不破夏織という人から
 さっき説明してもらった」
「俺の母さんですよ……俺を生んだ」
「なるほどね……じゃあ、質問を先にさせてもらうよ……それは使うべきじゃないと分かってるのか?」
「薫さんほどの人なら分かるでしょう……全力で動けないジレンマを」
「分かるけど、分かるけど……」

 頬を紅くそめている
 もう月も沈みかけている
 でも、光がなくとも俺は見える
 夜目って奴だな……ま、父さんとの修行の賜物だ

「恭也さま、それは後日じゃ駄目ですか?」
「何でだ?」
「今はイメージが乱れたと思います
 私たちが入ったせいで……だからです」
「でわ、俺からの質問に答えてもらおうかな……何故止めた」
「勝手に保管庫に入ったからだよ
 私が居れば別だけど……泥棒とか入ったら困るから
 霊的な仕掛けをかけている
 流石に普通の罠には引っかからないあたり凄いと思ったけど」

 保管庫の中には罠が結構あった
 平気だったけど……
 なるほど、それで気配がなくとも人がいると悟られたのか……

「さてと、恭也くん……今は箱を戻してくれないかな」
「分かりました……今度にしますよ」
「ん……ありがとう
 明日の朝には説明をみんなにする……
 ただ、恭也くんもすべてを聞いたわけじゃないだろう」
「多分、重要な部分は似てるでしょうけど詳しくは知りませんから」
「ま、その説明もするよ……」

 薫さんに箱を手渡す
 薫さんが箱の蓋を閉めても何も起きない
 過去の出来事じゃないのか?
 では、何で?

「恭也くん……この箱は人を選ぶんだよ
 恭也も選ばれているみたいだね……これは御神や不破、そういう人たちの思いで
 その力を発揮するんだ……それには、この箱に認められることが前提だけど」
「じゃあ、何で雪乃さんが?」
「あの人の出生などは不明なんだ……確かにここの家の子ということだけど
 お父さんが直径だし、お母さんはお父さんと恋に落ちるまで1人で居たからね
 だから、その頃の剣の思いがあった
 それがあまりに純粋だったんじゃないかな」
「ま、俺はどうこう言えないが……辛いものだな」
「恭也くん、母さんのこと頼むよ……私たちには母さんが元に戻ると思っては居ない
 だけど、一緒にいたいんだよ
 だから……頼むね」
「分かりました」

 俺は頷く
 雪乃さんがどう思ってるかだろうなぁ
 まぁ、楽しそうではあるけど……
 過去だから俺の行動にどうしようか迷っている様子だ

「母さんが一緒に入れたら、それはそれでいいからね」
「ま、家族が一緒なのはいいことですよ」
「だから、お願いします
 母さんは恭也くんのこと気に入ってるみたいだし」
「はぁ」
「ま、仲良くして、橋渡しも頼むよ」
「はぁ」

 頷いて返しておく
 あまり意味が分からないけど、仲良くしてろってことだよな
 ま、仲良くはしてると思うだのけどなあ
 いいか……深く考えなくても大丈夫だろう
 今までの通りで……

「じゃあ、うちはもう少し寝てるから」
「はい」
「おやすみ、恭也くん」
「おやすみなさい、恭也さま」

 薫さんと十六夜さんから頬にキスされてしまう
 挨拶だと分かっていても恥ずかしくて俺はそのままボーとしてしまうのだった







 つづく








 あとがき
 ねむて〜〜〜
 シオン「後少しよ」
 腕が〜〜〜
 ゆうひ「ぶっつづけだもんね」
 そのせいか?
 シオン「ま、とりあえずそろそろ休みなさい」
 そうだね……もう夜中の3時だし
 ゆうひ「明日の講義大変でしょ」
 多分
 シオン「でわ、今回は早いですけど、また〜」
 ゆうひ「ほなね」
 またです〜(^^)ノシ



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