An unexpected excuse

  〜江利子編〜






 

 

え〜、この話は、浩さんが書いた2次小説マリとら江利子様EDの続きと思ってください。

年代が逆だよーっていう方、すいません、黙認してください(涙)。

言動、行動などが違う点もあるでしょうが、よろしくお願いします。

では、どうぞ……

 

 

 



「俺が好きなのは……」

恭也の言葉に、FCの少女達も美由希達も息を飲む。

「その人のお名前は……?」

FCの少女が尋ねる。

「江利子さん、と言う方だ」

その名前を聞いたとき、美由希以外から悲鳴のような声も上がる。

「まさかあのお師匠を振り向かせられるお人がおったとは……」

「その人とどこで知り合ったの、恭也!!?」

FCの少女を押しのけて、忍が叫ぶ。

「美由希は知っているだろうが、以前俺は護衛で東京まで行っただろう?」

「確かリリアン女学園だっけ?」

恭也の言葉に相槌を打つ忍。

「そこで知り合った人だ」

「どんな人!!?」

間髪いれず、また忍は尋ねる。

「普通に綺麗な人だったな……あと、聖さんがいうにはなんでも人並み以上に出来て、蓉子さんは希少なものには目がない人だと言っていたな」

次々と出てくる女性の名前に、忍はおろか那美もFCの少女達も倒れそうになっていた。

それぐらい、ショックだったのだろう。

狭い恭也の友好関係上、女性の方が多いのは知っていたがまさか自分達の見知らぬ場所でそんな事になっていたとは。

「そういえば恭ちゃん、今日じゃなかった、来るの?」

随分と前から知っていた美由希は大してショックもなく、今日の予定を恭也にたずねる。

「ああ、そういえば……」

美由希に言われ、恭也は思い出したような仕草をする。

「その人、もしかして今日来るの!!?」

今だにショックは抜け切っていないが、忍が甦って恭也に尋ねる

「あっ、ああ。 確かそう言っていたはずだ」

恭也の言葉を聞き、忍は一人闘志を燃やしだす。

その忍につられて、何人かは同じように闘志を燃やしだす。

「おっ、いたいた。 恭也く〜〜〜ん!!!」

そこに、少し甲高い声が響く。

その声に聞き覚えがあった恭也は勿論の事、‘恭也’と言う単語を聞いて、ここにいる少女達が振り向かないはずがない。

「聖さん!!?」

思っても見なかった人の登場に、恭也は驚きの声を上げる。

「ハロハロ〜〜、お久しぶり、恭也くん」

手を軽く上げながら聖が歩いてくる。

そして、その後ろにもう二人ほどの影があった。

「蓉子さん!!? 江利子さん!!?」

そして、その姿を確認した恭也はかなり驚いた声をあげる。

恭也の口から出てくる女性の名前と、さっき話していた女性の名前が一致する。

そのため、忍は3人を注意深く見る。

「どうしたんですか、一体……江利子さんが来るのは知っていましたが」

いまだに驚いた表情の恭也が尋ねる。

「あれ、もしかして恭也くんは江利子と二人っきりの方が良かった?」

何気ない聖の一言に、蓉子は苦笑する。

「聖、それは愚問と言うものじゃないかしら」

「なるほど」

そして、聖も笑い出す。

「えっとね恭也さん、私一人で行くなんていったら兄貴達がまたうるさいのよ、だから蓉子達と一緒に来たって訳」

「お兄さんすごかったよねー、駅まで見送りに着てね」

思い出して、聖がカラカラと笑う。

「そういうことでしたか」

理由を聞いて、恭也は理解する。

「ねぇ、恭也……話もあるだろうし言ってきたら?」

少し静かな声で、忍は恭也に言う。

「しかし、授業が」

「大丈夫だよ、今日から私達自主登校だし」

忍に言われ、恭也は予定を思い出す。

そういえば、予定表にはそんな事が書かれていたような……

「そうね、だったらこの前の約束を果たしてもらおうかしらね」

それを聞いていた江利子が恭也に提案する。

「ああ、そういえばそうでしたね」

江利子の言葉に頷き、恭也は苦笑する。

「美由希、カバンを頼んだ」

恭也は美由希にそう言って江利子達と学校を出て行った。

「良いんですか、忍さん?」

それを見送る忍に、美由希は尋ねる。

FCの少女達は、いつの間にかレンや晶達が教室へともどるように行っていた。

「かなわないなぁって思ってね……恭也、あの人と話してるとずっごく嬉しそうなんだもの」

空を見上げて、忍は苦笑する。

「残念会します?」

少し笑って、美由希は言う。

「うん、那美とかも誘って、うちでやろっか」

少しの涙を浮かべて、忍は言った。

 

 

 

「じゃあ私と聖でその辺を見て回るわね」

「そういうこと。 邪魔なんて野暮なマネはしないからね」

そう言って二人は雑踏の中へと消えていった。

「……行きますか?」

江利子に手を差し出し、恭也は言う。

「そうね」

少し嬉しそうに、江利子は恭也の手をとって答えた。

それから恭也と江利子はいろいろな所を回った。

意図的に翠屋だけは避けていたが……

そして、臨海公園についた。

「その選択は私もどうかと思うけど……」

恭也の持っているタイヤキ……カレーとチーズを見て、江利子が言う。

「そうですか? 自分は美味いと思うんですが……」

誰にもほとんどわかってもらえない恭也の味覚であった。

「そういえば江利子さん」

「?」

公園のベンチに座ってタイヤキを食べている江利子に、恭也は話しかける。

「以前別れる時に言いましたよね、自分が祥子をたとえ護衛だからと言ってずっと見ているときモヤモヤとしたようなものを感じたと」

「ええ、言ったわね」

「俺はあれから考えたんです……もし、自分がその立場だったら、と」

別れてから、恭也はたびたびそんな事を考えていた。

そして、つい最近やっと答えが出たのだ。

「自分も、たぶん江利子さんと同じ気持ちになったと思います」

その言葉を聞いて、江利子は驚いたように恭也を見る。

「そのことに気づいたら、江利子さんの事が頭から離れませんでした。 そして、昨日電話で来るって言われたとき、かなり嬉しかったんですよ」

少し苦笑して、恭也は言い続ける。

「俺は、江利子さんの事が好きです」

立ち上がって、江利子の正面に立って、恭也は告白した。

「ふふふふ、私もやっとこのモヤモヤから開放されるって訳ね」

嬉しそうに立ち上がって、江利子はいう。

「私はあのときからずっと恭也さんの事好きだったわ」

「随分と、待たせてしまったようで」

お互い、笑いあう。

「本当ね」

言って、江利子は目を瞑る。

「江利子さん……」

「江利子、でいいわ」

間髪いれず、江利子が言い返す。

「江利子……」

言って、恭也は江利子に口づけした。

あの時、別れ際にしたように……今度は、お互いの唇を触れ合わせて……

一秒が、何時間にも思える……そんな中で。

「行きましょう……母さんに、紹介します」

「令が言ってた翠屋って言う喫茶店よね? 結構楽しみにしてたのよ、いつ連れて行ってくれるのかなって」

悪戯っ子のように、江利子は笑う。

「離さないでね、恭也」

「もちろんです」

二人は手をつないで、翠屋へと歩いていった。

明日は、きっと輝かしいものだろうと信じて……

 

 

 

おまけ

「お〜お〜、結構いい雰囲気だねぇ……」

臨海公園の恭也たちが座っているベンチから少し離れたと事で、聖が双眼鏡を持って呟く。

「覗き見なんてあんまり感心しないんだけどねぇ」

いいつつも、自分も双眼鏡片手に蓉子が言う。

「おっ、そのままキスかな?」

今、江利子と恭也が立ち上がって向かい合っている。

聖はとても面白そうに見ている。

「心配して損した気分よね」

蓉子が呟いたのと同時に恭也と江利子はキスをする。

「蓉子ー、私達もする?」

唐突に聖が呟く。

「聖の事は嫌いじゃないけど、初めてはせめて好きな男性がいいわね、私は」

「違いない」

そして、二人して笑った。

「さぁてと、偶然を装って私達も翠屋に行きますか」

翠屋と言う単語は聞き取れたようで、聖は笑いながら歩き出す。

「こんな姿、江利子のご家族の方が見たらなんていうかしらね」

「蓉子、それは多分笑えない状況だと思うよ」

そんな会話をしながら、二人は翠屋へと向かった。

 

 

 

 

 


あとがき

 

 

浩さんのリクエスト返しのAn unexpected excuse〜江利子編〜いかがだったでしょうか?

フィーア「蓉子さまと聖さまは書いたから、江利子様をっていわれたのよね」

まぁ、こっちが最初にリクエストを出したわけだからね。

フィーア「で、この後誰かかくわけ?」

う〜ん、取りあえず構想では志摩子編は考えてる。

フィーア「その前にやらなきゃいけないこといっぱいあるのにねぇ」

とにかく、浩さんのリクエストでAn unexpected excuse〜江利子編〜をお送りしました。

フィーア「お姉さま、アハトには書かせませたので、浩さんの方をよろしくお願いしますね」

あ〜、浩さん、ボクは今燃え尽きてますよ……

フィーア「でも、まだリクエストしても良いそうですよー」

そんなご無体な!!

フィーア「じゃあ、私が浩さんにリクエストしますので、お姉さまがアハトにリクエストしてくださいね」

なんか間違ってるような……

フィーア「ではでは〜〜〜」

お〜い、間違ってないか?




それは間違ってるぞ、フィーア!
美姫 「いいえ、正しいわよ」
間違ってる! アハトさんも間違っていると言っているぞ。
つまり、間違っているに二票だ。
美姫 「でも、正しいは私とフィーアの意見よ。ほら、こっちは四票」
ぐぬぬぬ。ま、負けた……。
って、何で四票なんだよ!
美姫 「それは、私とフィーアは、一人二票持っているからに決まってるじゃない。2X2は?」
あ、4だ。何だ、あってるじゃないか。
…………あれ?
美姫 「で、2と4では、どっちの方が大きいかしら」
それは、4に決まってるだろう。
美姫 「でしょう。って事は、正しいが四票。間違っているが二票。多数決で決めると?」
正しいだな。
美姫 「ほら、見なさい」
いや、ちょっと待てよ。何か、おかしくないか?
美姫 「どこがよ。それとも、浩。アンタ、馬鹿だ、馬鹿だと思っていたけど、2と4の比較も出来ないの?」
んな訳あるか。
美姫 「じゃあ、問題ないでしょう。それよりも、さっさと書き始めなさいよ」
あ、ああ。
…………あれ? あれ?
美姫 「それじゃあ、まったね〜」
あ、ああ、ではでは。
あれ? あれ?



美姫 「ふぅ〜、疲れたわ。私はちょっと、お風呂に入ってくるから、その間もサボらないで、ちゃんと書いてなさいよ」
あ、ああ。
…………カリカリ。……カタカタ。
……おっと、訂正、訂正。
……………………って、何で、美姫とフィーアが二票なんだよ!
その時点でおかしいじゃないか! 騙された!
こおい、美姫! お前、さっきのあれはおかしいだろう。
ガチャ!
………………。
美姫 「…………」
…………。
美姫 「…………」
……え〜っと、失礼しました〜。
カチャ。
美姫 「(ワナワナ)浩ーーーーーーーー!! 乙女が入浴中に、何で入ってきてるのよ!」
ご、ごめんなさいーー! で、出て行くつもりが、間違って中に入っただけです。
美姫 「だけで、済む問題じゃないでしょう! というか、さっさと出て行けー!」
ご、ごめんなさい!
美姫 「許す訳ないでしょうがー! って、その前に、逃がすか!」
お、お前が出て行けって行ったんじゃないか。
美姫 「問答無用よ! くっ、愛刀がないのは痛いけど、隠し武器の幻燐で我慢するわ」
って、そんなもん、風呂に持って入るなー!
美姫 「覚悟ー!」
い、嫌じゃー! も、元はといえば、お前が俺を騙すから……。
美姫 「それこそ、問答無用よ! 死になさい!」
うぎゃぅ! や、やめ…ゴボゴボ。
ぷはぁっ、い、息が……、く、空気……ガバッ! ゴボゴボ。
…………(凄惨なシーンの為、削除)
美姫 「全く、この馬鹿」
……既に、存在すらないようだ。



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