恋姫†無双戯曲 −導きの刀と漆黒の弓−

 

第九話 −使者来たる−

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一弦さぁぁぁぁぁん! どこっスかぁぁぁぁぁぁ!? 一緒に昼飯行きましょ〜っスぅぅぅぅぅ!」

 

晋陽が事実上公孫軍の保護下に入る形になって暫く。

県令のはずの瑠那は、今日も今日とて北平に遊びに来ては遊びまわっている。

 

「はぁ、またか」

 

「……なんかもう、お約束になってきましたね」

 

そんな声を聞き、呆れたような苦笑を零しながらお茶を飲む二人は白蓮と一弦。

もうすっかり慣れてしまっているらしく、近づいてくる足音にもまったく慌てた様子はない。

 

「泉は今日は街に出て往診してるし、昼は合流して飲茶するか?」

 

「楽しそうですね。そうしましょうか」

 

「よっし! それじゃ早速…「みっけたっス!」…もうちょっと静かに入って来いよ、瑠那……っておいっ!?」

 

白蓮の言葉を遮るようにして部屋に飛び込んできた瑠那。

呆れたような声で瑠那を窘めようとした白蓮だったが、その後の瑠那の行動にそんな考えは一気に吹っ飛ぶ。

というのも瑠那は、

 

「三日ぶりの一弦さんっス♪ 寂しかったっスよ〜」

 

などといいつつ座ったままの一弦の膝の上に飛び乗ったのだ。

よいしょ、と座りなおして一弦のお茶請けを勝手に口の中に放り込む瑠那。

 

「瑠那ちゃん。お茶請けは食べていいから、降りて」

 

「そうだ瑠那! さっさと降りろっ!」

 

「はぁ〜いっス。座り心地いいのに……残念っス。今度白蓮ねぇも試してみるっスよ」

 

「は!? え? あ、わ、私がっ!?」

 

「……白蓮さん、真に受けないで」

 

瑠那の無邪気な一言に過剰に反応する白蓮。

一弦は苦笑しながら慌てふためく白蓮をやんわりと宥め、

 

「それよりも準備しましょう。瑠那ちゃん、今日は皆で飲茶だよ」

 

と瑠那を膝から下ろして自分も席を立つ。

 

「飲茶っスか!? 食べたいっス食べたいっス! 早くいきましょーっス!」

 

「そうだな。早く行くか…っておい!? なんかおかしいぞ!?」

 

「……え?」

 

「なんスか?」

 

「一弦! お前なんで瑠那の事瑠那“ちゃん”って呼んでるんだ!?」

 

何故だか瑠那が一弦の膝に乗っていた時よりも必死さが増す白蓮。

 

「……年下だから、ですかね?」

 

「何故疑問系!?」

 

「ちなみにあたいは一弦さんに“さん”は止めて欲しいって頼んだっス!」

 

「頼んだらいいのかっ!?」

 

「じゃあ一弦さんがいつまでもあたいの事瑠那“さん”って呼んでるのってどうっスか!?」

 

「…………駄目だ。瑠那“さん”って似合わねぇ」

 

「随分納得するの早いっスね!?」

 

よほど白蓮の頭の中の一弦が瑠那を“さん”付けで呼ぶのが合っていなかったのだろう。

白蓮は即座に言い分に納得した。

それはそれで何か納得のいかないものがあるのか頬を膨らます瑠那。

そんな瑠那の肩を、慰めているつもりなのかケラケラ笑いながらバシバシ叩く白蓮。

どうにか二人の不毛な論争が終わった事に一弦が安堵のため息を漏らし、

 

「さて、それじゃあ泉さんを迎えにいきましょう」

 

と白蓮と瑠那を促そうとしたその時、

 

「ご主人様! 嶋都様! 袁紹様よりの使者がお見えです。至急お会いしたいと!」

 

飛び込んできたのは侍女の娘だった。

 

「あ、張燕様もいらっしゃったのですか!? と、とにかくお待ちいただいてますので」

 

「わかった。すぐに行くとお伝えしてくれ」

 

すっかり太守の表情に早変わりした白蓮。

きびきびと身支度を整え、

 

「瑠那は街で往診してる泉を呼んできてくれ。一弦は私と一緒だ。後、お前はうちの他の将達に待機を伝えておいてくれ」

 

と瞬時に指示を伝える。

聞くと同時に忍者のように飛び出していった瑠那が塀を飛び越えるのを見送った三人は、

 

「……いこうか」

 

「……いきましょう」

 

「……い、いってきます」

 

何かを諦めたように俯いたまま動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待たせしました。私が公孫賛伯け……って顔良!?」

 

使者と言われて出向いた白蓮が見たのは、お茶を片手に寛いでいるおかっぱ頭の童顔な女の子。彼女こそ袁紹軍の良識、顔良将軍だった。

 

「あ、公孫賛将軍お久しぶりです」

 

白蓮が驚いているのをよそに、顔良はお茶を置いて席を立つとペコリと頭を下げる。

 

「あ、お、おう。久しぶりだな、顔良。お前相手なら堅苦しいのは抜きにしようか。まぁ座ってくれ」

 

「あ、はい。失礼します」

 

進められて席に座りなおした顔良は、そこで白蓮の斜め後ろに控えている一弦に気がついた。

自分に向かって顔良から不思議そうな視線が向けられているのは気付いていたのだが、相手が使者ということもあっていまいち対応に困ってしまう一弦。

それに気がついたのか、顔良が白蓮に「紹介してください」と視線を送る。

 

「あ、ああ、顔良。この男は嶋都一弦。私の、そ、その……」

 

「……えっと……いわゆる特定の男性、というやつですか? それとも……まさかお小姓さん!?」

 

「と、特定のっ!? こっここ小姓だぁ!? ちっ違う! か、一弦はその……わ、私がもっとも信頼する男だっ!」

 

「……おおぉ〜」

 

明らかに動揺していたが、なんとか勢いでそう言い切った白蓮。

そのあまりの潔さに思わず拍手を送ってしまう顔良に、一弦が苦笑しながらペコリと一礼した。

 

「嶋都一弦です、顔良将軍。白蓮…いえ、公孫賛将軍に拾われて、以来お仕えさせていただいています」

 

「あ、ご丁寧にどうも。私は袁紹軍の将軍の顔良です。よろしくお願いします」

 

「ま、まぁ仕えてって言うか、私が一緒にいてもらってるんだけど……と、とりあえず挨拶は終ったな。それじゃ座ろうか。いい加減用件聞かなきゃならないしな」

 

そう言って照れ隠しに一弦の背中をバシッと叩いて一緒に座るように促した白蓮は、自分は顔良の正面に座って話を促した。

顔良は苦笑しながら一つ頷いて、口を開く。

 

「皇帝様が亡くなって、何進大将軍が無理矢理後を継ぐように国を支配したと思ったら、その何進大将軍も殺されてしまいました」

 

「ああ。その後を継いだのは……董卓だったよな?」

 

「はい。宦官達が擁護していた劉協様を無理矢理献帝として即位させ、実質自分が権力を握って朝廷を好き勝手し始めました」

 

「ああ。あんまりいい噂は聞かないな」

 

「ええ。この街でも悪い噂ばかり流れています」

 

比較的街にいる事が他の将軍達よりは多い一弦も、顔良と白蓮に同意する。

その言葉に顔良は一つ、頷いてみせると、話を本題に持っていく。

 

「それで、ですね。その聴こえてくる話があまりに酷いので、ウチの姫、じゃなかった、袁紹様が諸侯に呼びかけて皆で董卓をやっつけちゃおうって事になって…………公孫賛将軍も参加していただけませんか?」

 

「ん? あ、ああ……それはまぁ、このまま放っておくわけにもいかないしいいんだけど……本初が嫌がるだろ? 私みたいな門地の低い家柄の人間」

 

顔良の申し出に、白蓮はそう言って苦笑い。

それもそのはず。袁紹と公孫賛は、完全に正反対なのだ。

公孫賛は、家柄は一応それなりなのだが母親の身分が低かった為に冷遇された人間だ。今の地位には実力と、その人柄が認められて上り詰めた為、公孫賛本人も家柄に惑わされず、その人物の人となり、そして能力を重視するようになる。

対して袁紹は、大陸随一の家柄に生まれ、何不自由なく育って今の地位に自然に、つくべくして着いた。それゆえに将の採用についても家柄最優先。能力など二の次なのだが、門地の高い者という事は金の名声は始めから持ち合わせており、結果大陸随一の兵力と財力を持つ国を維持するに至っている。

 

「たしかにそうなんですけど……でも……実はもう曹操軍と孫権軍が参加を表明しているんです」

 

「曹操が!?……あちゃ〜。そりゃキツいな」

 

「……キツいんですか?」

 

「はぁ……たぶんな」

 

盛大に疲れたようなため息を零して突っ伏す白蓮。

そんな白蓮に代わって顔良が事情を説明する。

 

「曹操将軍は……宦官の家の出なんです。それで今は大陸でも間違いなく五指に入るほどの力を持っていますから、その……ウチの姫、じゃなくて袁紹様とは……」

 

なにやら言い辛そうな顔良。

とはいえ話を濁されてしまっては知識のない一弦には何がなんだかわからない。

 

「ようするに、袁紹ってのは結構鼻持ちならない奴でな。名家意識の塊を惜しげもなく振りまく性質の悪い奴なんだ、これが」

 

白蓮が突っ伏したままで説明を引き継ぐ。

そんな白蓮の言葉に顔良は何を言うでもなく、頷いてみせる。さすがに自分の主人の事をおおっぴらに悪くは言えないのだろう。

 

「悪い奴じゃないんだけどな。まぁそんなわけで、あくまで多分だけど、成り上がりで、しかも袁紹と同等以上の力を持ってる曹操とは絶望的に相性が悪いだろうなって事」

 

「……はぁ。そこは分かりましたけど……なんで白蓮さ…公孫賛将軍を、将である顔良さんが直々に誘いに来たんですか?」

 

「ああ、それは…「それはですねっ!」…どうぞ」

 

頭を掻きながらめんどくさそうにその理由を一弦に説明しようとした白蓮だったが、顔良が割って入ったので説明役を譲った。

顔良はというと、白蓮に促されてこれまでの鬱憤を晴らすかのごとく捲くし立てる。

 

「駄目なんですっ! 私一人じゃもう姫を抑えられないんですよっ! 今でさえ姫はいつも楽しい事優先の脳みそでしかも周りの迷惑なんて全然考えてなくて考えなしに行動してははた迷惑な大惨事巻き起こして責任全部周りに押し付けるんですよっ!? 文ちゃんは文ちゃんで姫以上に何も考えてないし姫を止めてもくれないし、それどころか進んで一緒になって滅茶苦茶やってケラケラ笑って「斗詩ぃ〜、あとよろしく〜」ですよっ?! あ、斗詩って私の真名なんですけどね? 私達が抑えないといけないのに余計引っ掻き回してどーすんのって思いませんっ!? 思いますよねっ!? …………はっ!? わ、私ったら何を……」

 

散々不満を捲くし立ててやっと正気に戻ったらしい。

なにやら引きつった笑みを浮かべている白蓮と、純粋に驚いて口が半開きになっている一弦を見て、

 

「あ゛……え゛……ええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!?」

 

どうやら自分が何を言っていたのか思い出したらしい。

慌てふためいておろおろしている顔良に、白蓮と一弦はそれぞれ一言。

 

「……苦労してんだな、相変わらず」

 

「……大変なんですね、顔良さん」

 

「ううぅ〜……あ、あの、くれぐれも今の事は……」

 

「言わないよ」

 

「言いません」

 

「有難うございます……あぁ、なんて優しいんだろう……私も公孫軍に入れてもらおうかなぁ……」

 

「「あ、あははははは……」」

 

今までの流れから冗談とはとても思えないような台詞を聞き、どう反応していいのか分からずに空笑いする白蓮と一弦。

このままではいつまでたっても顔良の不幸な身の上の話が終らないと悟った白蓮は、とにかく強引に話を進める事にした。

 

「ま、まぁとにかく。袁紹がそういう奴だから、曹操と一悶着おきちまったら顔良じゃ止められないって事」

 

「……たしかに。顔良さんは立場としては袁紹さんの家臣ですからね」

 

「そうなんです。でもこの連合自体は意味のある事ですし、董卓さんが本当に権力をかさに民を苦しめているなら放ってはおけません。だから、公孫賛将軍には是非とも参加していただいて、お二人と同じ立場から上手く話をまとめてほしいんです」

 

「……はぁ……袁紹はともかく、オレ、曹操はどんな奴か知らないぞ? そんなんで大丈夫なのか?」

 

「まぁ……白蓮さんなら大丈夫ですよ…………たぶん」

 

「というか公孫賛将軍以外には頼めませんよ〜。他はおじさん達ばっかりですし、孫権将軍は……私からじゃ頼めませんし……とにかく、お願いしますっ!」

 

一弦は緩やかに微笑んで後押しをし、顔良は必死に拝み倒す。

そうなってくると照れ屋で人の良い白蓮としてはもう選択肢などないに等しく、

 

「わ、わかったよ! 自信はないけど、やってみるっ! それでいいんだろっ!?」

 

顔を真っ赤にして顔を背けながら乱暴にそう言い放った。

 

「あ、ありがとうございます〜公孫賛将軍」

 

喜色満面で涙でも流しそうな勢いで喜ぶ顔良。

良い返事を貰えた顔良は、そのまま一刻も早く準備を整えるといって帰り支度を始める。

決めた以上白蓮も早急にこの事を将達に伝えるなど、やらなければいけない事が増えてしまい、結局一弦一人が顔良を城の外まで見送る事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕としても……確認しておきたい事があります」

 

分かれる間際、ニコニコ顔の顔良に一弦は突然、冷たい声で言い放つ。

 

「たとえば、白蓮さんが仲裁に失敗してしまったら……それで敵が出来てしまったら……引き込んだ貴方はどうしますか?」

 

「……えっと……嶋都さん?」

 

「すいません。 ですが……顔良さんの返答次第では、僕は縛り付けてでも白蓮さんを行かせるわけにはいきません」

 

一弦の雰囲気が、先ほどまでの穏やかなものから剣呑なものへと変化していた。

そんな雰囲気の変化に一弦の本気を悟ったのか、顔良もそれまでにはなかった真剣な表情で答えた。

 

「その場合は……私がなんとしてでも姫、袁紹様を説得して、貴方達と共闘します」

 

「では……その袁紹様が敵に回った場合は?」

 

「っ!?」

 

淡々と言葉を紡ぎだす一弦。

そしてその問いに思わず息を呑んでしまう顔良。

しかしその可能性は十分すぎるほどありうる。

元々公孫賛の生い立ちと経歴を快く思っていない袁紹なら、ちょっとしたきっかけで公孫賛を逆恨み、ないしは目の敵にする可能性は低くないのだ。

先ほどの話から、一弦はその可能性こそを懸念していた。

しかし顔良は息を呑んだまま、黙りこくってしまう。

そしてようやく出した結論は、まさに苦渋の選択だった。

 

「私には……袁紹様を裏切る事はできません。多分、そうなったら私はお二人と戦場でお会いする事になるでしょう。でも……」

 

そして顔良は、その眼に今までにないほどの意思を籠めて一弦を真っ直ぐに見据えた。

 

「もしそちらが勝った場合、私達の処遇は貴方にお任せします。首を取るなり、慰み物にするなりお好きにしてください。 こちらが勝った場合、私が全力で被害を最小に抑えます。出来なければ、私も……死をもって償います」

 

「……忠臣である貴方にはそれが精一杯ですか。……仕方ありません。どちらにしろ、董卓に虐げられている人達は早く助けないといけないでしょうから、こちらも妥協は必要でしょう」

 

「……ごめんなさい。勝手な話で」

 

「……いえ。しかし覚えておいてください。もし貴方達が白蓮さんや、僕の仲間達を手にかけるような事があれば……」

 

一弦の眼が、髪の奥で鋭く光った気がした。

 

「僕は何に変えても貴方と、貴方の大切な人達を…………………………この手で殺します」

 

そうして一弦はもう何も言わずに顔良に背を向ける。

唖然として声も出ない顔良に、

 

「それでは、道中お気をつけて」

 

とだけ告げると、そのまま来た道を戻っていった。

 

「あの人は…………………………本気だ」

 

顔良の背筋に、冷たいものがはしった。

実力差がさほどないのは分かっているのに、それでも消えないその感覚。

顔良にはもう後悔する事も許されない。

後はただ、袁紹がおかしな気を起こさずにいてくれる事を祈る事しか、もう彼女には出来なかった。

 

 

 

 

 

――――そんな祈りが、通じる事などないという事も知らずに――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この手で……殺す、か」

 

顔良と分かれた一弦は、そのままいつもの池の畔に来ていた。

夕日に染まった水が、まるで血溜まりのように映る池。前に一度、白蓮と泉の覚悟を聞いて、自分が再び覚悟を決めた場所。

そこで、一弦はただ自分の両手を見つめていた。

もう、他人の血に濡れたその両手を、一弦はただ見下ろしていた。

 

「そんな事……出来るの?」

 

覚悟は本物のつもりだった。

本当にそうなったら、許せる自信など欠片もない。しかし、

 

「さっき……一緒に笑って話してたあの人を僕は……殺せる?」

 

顔良は、一弦が出会った初めての「敵になりうる顔見知り」なのだ。

そして、これから連合軍に出向く以上、顔良の同僚や、袁紹にも恐らく合う事になるだろう。

知り合いを、殺す。

それは、ここに来て、否応無しに戦いに巻き込まれて人を殺し、そして友人達と呼べる人達を護る為に決意を新たに再びその手を血に染めた一弦が今だ経験していない事。

しかし、やがて一弦はゆっくりと顔を上げた。

風が一弦の長い前髪を靡かせ、その表情が露になる。

それは、意思の固まった人間の強い決意の篭った表情だった。

 

「僕は……一弦とは違うから。多分、許せないだろうな」

 

そして一弦は、ゆっくりと池の畔を離れていった。

 

「なら……そうならないように、僕が戦えばいい。皆は……死なせない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜おまけ〜

 

「ほぉら言ったでしょお? 一弦君、素顔は結構男らしいって♪」

 

「かぁっこいいっス一弦さん! なんか危なっかしいカッコよさ全開っス!」

 

「白蓮ちゃんもあの顔見せられてからもう夢中なのよん♪」

 

「さすが白蓮ねぇ! 眼の付け所が凄いっス! 普通なら男にも女にも見える中途半端な人で終ってるっスよ!」

 

「な、なにげに酷い事言うわねん、瑠那ちゃん。そ、それよりも瑠那ちゃんは『一弦さんはあたいのモンっス! 白蓮ねぇでも渡せないっス!』とかはないのぉ?」

 

「? 何でっス?」

 

「だ、だってぇ〜。一弦君が好きならお嫁さんになりたいでしょお?」

 

「? 別に順番は気にしないっスよ? 第二夫人とかでも、お妾さんでも。あたいは一弦さんと白蓮ねぇと一緒にいられればなんでもいいっス! あ、もちろん泉さんもいたら嬉しいっスよ?」

 

「この娘……からかい難いわん。しかも何でもいいと言いつつ一弦くんと結ばれたいって主張はちゃんとするしぃ」

 

「? 泉さんも一弦さんが好きっスか? なら一緒に妾さんになるっスよ!」

 

「あ、あたしも!? 何言ってるの瑠那ちゃん、っていつの間にかあたしが瑠那ちゃんの調子に巻き込まれてるのんっ!?」

 

「??? 泉さん訳わかんないっス。あ、それじゃあたいは一弦さんと白蓮ねぇんトコいってきまっス!」

 

「あ、侮れないわん。元黄巾党のはっちゃけ娘……って待ってよん! あたしも呼ばれてるんでしょお〜」

 

 

 

 


あとがき

 

やっと魏と呉が出せる〜。あ、ついでにお馬鹿さんズもw

ってなわけで第九話でしたが、連合結成の際に顔良が公孫賛を呼びに来ましたw

アイン設定では、袁紹本人は公孫賛に招集はかける気ありませんでしたって感じです。一方的に敵視してそうなんで。

しかし苦労人顔良ちゃんは、そんな偉い人ばっかりのところで袁紹が何かやらかしたら止める自信がないので『良い人』公孫賛に縋ってきましたって感じです。

案の定話を受けた公孫賛ですが、一弦君は顔良と一悶着。

元仲間などの知人を殺すという、この時代では当たり前になっている感のある出来事にちょっとだけ葛藤してもらいました。結論が出たわけではないので、この問題はまた後々……

ちょっと重くなってますので、そういった雰囲気のお好きな方は最後のオマケは忘れてくださいw

今回殆ど出番のなかった二人、特に泉の救済処置のようなものですのでw

それでは、今回はこの辺で〜♪




いよいよ菫卓を倒すべく連合軍が。
美姫 「戦乱の世が始まるのね」
うーん、一弦がいる公孫賛がどう動くのか。
美姫 「今から楽しみよね」
うんうん。まあ、確実に分かっているのは袁紹はやっぱり策を講じる事は出来そうもなく。
美姫 「顔良は苦労する人だって事ね」
さてさて、どうなるのやら。
美姫 「次回も楽しみにしてます」
待ってます。



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