恋姫†無双戯曲 −導きの刀と漆黒の弓−
第十四話 −一騎当千対二騎当千−
「はぁっ!!!」
公孫軍と皇甫軍。
両軍対峙するその中心点で、三つの人影がぶつかり合う。
「くぁっ!」
一つは鮮やかな朱色の鎧を身に纏い、身の丈ほどの大剣を振り回す白蓮こと公孫賛伯珪。
防御など二の次三の次とも言わんばかりの剛剣で、細長い槍を操る相手に斬りかかる。
そしてその槍の使い手が二人目、皇甫嵩義真。
女性用だといわんばかりの細さとは思えないほどの強度を誇るその槍は、しなる様に弧を描いて最短距離で突っ込む白蓮に襲い掛かる。が、
「ふっ!」
そこに白蓮よりも早く特攻をかけるのは最後の一人、嶋都一弦。
連合軍に参加する際に誂えた塗装も装飾もされていない鋼の鎧は、柔軟な動きが要の一弦用だけあって、前回の黒い鎧のときとは比べ物にならない程動きがいい。
弓の前面に取り付けられた刃を縦に構えて槍の一撃を受け、白蓮を護ると同時に彼女が攻撃する隙も作り出す。
「やりますねっ!」
しかし相手は一騎当千と呼ばれる女性。
一弦の弓に受け止められた槍のしなりの反動を利用して、白蓮の一撃を後ろに跳んでやり過ごす。
しかし……
「……そこっ!」
「ふゃあっ!?」
そんな皇甫嵩に、それを読んでいたかのような一弦の矢の三連撃。
大慌てでよたよたと慌ててそれを避けた先には、回りこんでいた白蓮。
「っりゃあっ!!!!」
「わわわわわわっ!!!?」
しかしその一撃も、とっさに槍を引き寄せて弾かれてしまう。
「くそっ!」
「……さすがに、強い……ですね」
いったん間を空け、並び立った白蓮と一弦。
よく見ると二人共鎧には無数の傷があり、一弦にいたっては軽くではあるが腕を斬られていた。
そう。二人共自分達が攻撃する際に皇甫嵩に反撃を受けていたのだ。
個々の実力では及ばない以上、一対一になった時に致命傷になりそうな攻撃以外は鎧で受けきってでも相手に一撃を入れようとした二人の行動は、結局無駄に終る。
「け、結構なお手前ですね、お二人共。さすが二騎当千と言われるだけの事はあります」
逆に、冷や汗を流しながらも無傷なのは皇甫嵩。
相手の攻撃全てをそのしなる槍でやり過ごした彼女は逆に、少々無理のありそうな動きで体力そのものは削られていたが傷は受けていなかった。
「一弦、出血は?」
「問題、ありません」
「……長期戦はこっちが不利だ」
「でも……決め手も、ないです」
「だからって退くわけにゃいかないね」
苦笑いの表情でそう言って剣を構えた白蓮。彼女の剛剣が皇甫嵩の撓る槍の前ではあしらわれてしまう事はもう既に確認済みだが、彼女の瞳にはまだ力強い輝きがあった。
それを見た一弦は一言。
「……やってみます」
「……は?」
「体力を削るくらいなら……なんとか」
一弦は担いでいた矢筒の中の矢をすべて地面に等間隔でつき立てた。
そして左目だけを覗かせるように髪を後ろで纏め上げ、手首のヘアゴムで固定する。
「? 何をするおつもりでしょうか?」
律儀にも黙ってそれを見ていた皇甫嵩が首を傾げる。
そんな彼女に一弦はすっと視線を合わせ……
「……いきます」
「へっ? な、何を……ってええっ!? ちょ、ちょっとっ!?」
首を傾げたままの皇甫嵩に矢を連射し始めた。
「おおっ!?」
隣の白蓮も目を見張る中、一弦は休む事無く次々と地面に突き立てた矢を打ち出していく。
「そっ! そんなっ!? は、速過ぎですよっ!!?」
最初のうちは槍で叩き落としていた皇甫嵩だが、次第に槍のしなりが邪魔をし始める。
腕の振りは間違いなく追いついているのに、前の一撃を叩き落とした後の行動なだけに槍先がそれについてきていないのだ。
次第にそのズレは大きくなり始め、皇甫嵩はすべて叩き落すのを諦めて避け始める。
すると……
「ええっ!? ちょっ!? まっ!!? うぇっ!?」
全てを避けているはずの皇甫嵩が次第に慌て始めた。
避け方にも段々と余裕がなくなり始め、槍を振ろうにも振れない状況に追い込まれ始める。
それを見ていた白蓮は、次第に一弦が何をしているのかを理解し始めたのだろう。
「矢をもてっ!」
自陣の人間に矢筒をもってこさせると、一弦が打ち出していった矢の刺さっていた場所に受け取った矢を次々と刺していく。
集中している一弦はそんな白蓮に何も言いはしなかったが、白蓮はそんな事など気にもしていない。むしろ心なしか楽しそうに作業を続けていく。
「……よし」
やがてすべての矢を備え付けた白蓮は、小さくそう呟いて自分の剣を構えなおした。
身を低くして自分の出番を待つ。
「やっ!? んんっ!? やんっ!? ああっ!?」
そんな白蓮の目の前では、どんどん余裕がなくなっていく皇甫嵩。
焦る声が段々と喘ぎ声に変わっていく。
「やんっ!? ちょ! そこっ!? だめぇっ!!?」
一弦は真剣に攻撃しているだけだし、皇甫嵩も真面目に避けているだけなのだが、その皇甫嵩の声がなんとも艶っぽい。
加えて疲れと焦りによって朱に染まった頬。
段々と避けきれなくなった矢によって裂け、あらわになり始めた白い肌。
そして極めつけに、回避行動を取る度に大きく弾むように揺れる胸元の大きな双丘。
「……なんか……ちょっとムカついてきた」
自分の胸元と皇甫嵩の胸元で踊るそれを見比べて、なにやら形容しがたい苛立ちを覚え始めた白蓮。
白蓮の胸元のそれは、どちらかといえば控えめ気味。ふくよかさはあるし形もいいが、皇甫嵩のそれと比べてしまうと少々心もとないと言わざるを得ない。
一弦が相手を追い込んでいるのはいいのだが、あの色気を引き出しているのもまた一弦だと思うと、彼自身には一切の非はないのにどうにも面白くない。
「さっさと決めちまえよぉ、一弦ぉ」
面白くないが攻める相手もいない中、白蓮は不貞腐れるように唇を尖らせて剣を構え続けていた。
そして……
「うそっ!? ……はぁんっ!……あんっ! …やっ!…そんなっ!?」
皇甫嵩のほうはほうギリギリまで追い詰められていた。
足元はおぼつかなくなり始め、息も上がり始めていた。
しかしよく見ると、一弦の前に突き立てられていた矢も、もう残り少ない。
一本、また一本と矢が減っていく中、皇甫嵩のほうもまたそれに気がつく。
(あとあれだけ……あれだけ凌ぎ切れば……!)
矢が尽きてしまいさえすれば、一弦の近接戦闘の実力は白蓮に遠く及ばない。
意表をついたような逆鎌の攻撃や防御に、主である矢での牽制があってこその白蓮との連携も、その要である矢がなければ先ほどまでのやりにくさはなくなるだろう。
二人の実力はもうある程度見極められた。
後は公孫賛伯珪という人物を見極め、当初の目的どおり信用に足る人物かを判断しなければならない。
それにはまず、一弦を凌ぎきること。
それが出来れば多少話もしやすくなるだろう。
そう思いながら皇甫嵩はひたすら矢を避ける。
(あと十…………五、四三二、一っ! やった!)
一弦の前には、もう矢はない。
皇甫嵩は凌ぎきった。そう思った瞬間……
「オレを忘れてもらっちゃ困るなっ!」
「……え?」
気を抜いてしまった彼女の眼前に鮮やかな朱髪と同色の鎧を身に纏った少女が躍り出た。
「アンタが言ったんだぜ!? オレと一弦は……二騎当千だってなっ!!!!」
そして慌てて引き寄せた槍の上から剣を、渾身の力で降りぬく。
「きゃぁぁぁああああああああっ!?」
予想外の事に反応が遅れた上に力も弛緩してしまっていた皇甫嵩は、当然のことながらその一撃に耐え切れない。
槍の上からとはいえ白蓮の全力及び全体重を乗せた一撃の直撃を受けてしまったその身体は、弾かれたように土煙を上げて公孫賛の真後ろ、つまり一弦のほうへと吹き飛んだ。
そして……
「……終わり、です」
仰向けに倒れながらもまだ意識のある皇甫嵩に、一弦の弓に装着された刃が向けられる。
「ふぅ……アンタ……私達を甘く見すぎだよ」
追いついてきた白蓮がそう言ってすぐ横に落ちていた皇甫嵩の槍を蹴り飛ばし、倒れたままの皇甫嵩に苦笑する。
「どういうつもりか知らないけどさ、アンタは私達を殺す気なんか初めからなかっただろ? いくらなんでもそこまで手加減されちゃあ私達だって勝てるさ……な、一弦」
白蓮の言葉に合わせるように、刃を退ける一弦。
その場にただ寝そべっていた皇甫嵩はそれを見てゆっくりと目を閉じ……
「……参りました。力と人柄を見せていただくつもりだったのですが……確かに少々慢心していたようですね」
そう言って大きく息を吐いた。
まるでもうすべて終ったといわんばかりに。
「……で? どうすんだ、アンタ。この状態で今から本気出して私達と戦うのか?」
「……それはもう無意味というものでしょう。私も……まだまだ精進が足りませんね」
白蓮の問いかけに皇甫嵩はそう答えると、ゆっくりと目を開いて体を起こそうとする。
しかし彼女は経った今白蓮の攻撃をその二本の腕で受け止めたばかり。
吹き飛ばされるほどの衝撃を受けたともなれば当然、その両腕には多少なりともその影響が残る。
そんな、上手く腕を動かせないでいる皇甫嵩に、
「……あ、あの」
「あっ!? かっかい…!」
とスッと手を差し伸べる一弦。
呼び止めようとして慌てて口を噤んだ白蓮を訝しげに見ると、状況がイマイチ飲み込めていない皇甫嵩にもう一度、
「どうぞ、?まって下さい」
と手を伸ばした。
「……感謝します」
少し、その手を唯眺めていた皇甫嵩は、やがて短くそう言って素直にその手に?まった。
ゆっくりと引き上げられて立ち上がるかと思いきや、皇甫嵩はそうはしなかった。
「……?」
「……おい……何やってんだ、お前?」
彼女は一弦を見つめたまま、動こうとしていなかったのだ。
ただ黙って見上げてくる皇甫嵩に段々妙な居心地の悪さを感じ始める一弦と、そんな二人の様子がまるで見詰め合っているようで面白くない白蓮。
そんな中、皇甫嵩がようやく口を開く。
「この方……男性、ですよね?」
「「…………………………はぁ?」」
「あ、その……遠目からだと、その……分かりませんでしたので」
「……今は、目の前です……よ?」
「い、一応確認を……」
「近くで見てもはっきりとは分からないって言ってるようなもんだぞ? それ。いいからさっさと立て。そんで一弦の手を離せ」
白蓮の言葉でようやく気がついたように慌てて立ち上がった皇甫嵩。と同時に繋がれている手を飛びのくようにして離し、
「お、お手数をお掛けしました」
平静を装う。あくまでも、装う。
そして……
「私、皇甫嵩義真は……公孫賛将軍。貴女の軍門に降ろうと思っております」
「「…………………………は?」」
「真名は蘭華と申します。よろしくお願い致しますわ」
皇甫嵩が公孫軍に降った丁度その頃、水関の門前でも戦況が大きく動いていた。
背後から奇襲をかけた華雄将軍は北郷軍と衝突。愛紗と鈴々の活躍によって退けられるも、全く連携がとれていなくまたとる気もない連合軍、特に総大将である袁紹の身勝手により他軍に情報を回さなかったところは大きく、対処できずにまんまと水関内まで逃げ切る。
その後も袁紹は自分達の軍を動かす気配はまるで見せなかったが、華雄が水関まで逃げ切ったのが原因で陥った膠着状態にその一番の原因である袁紹自身が堪えられなくなった。
そして下した決断が、一刀達北郷軍を最前線へと送り込むというまさに愚作。
何の為の同盟かを全く理解していない袁紹と、そもそも徹頭徹尾勝手にやってしまっている曹操、孫権両軍によって北郷軍は最前線で孤立してしまうという危険な状況に追い込まれた。
「くそっ! なんてことしやがるんだあのア本初っ!」
最右翼からその様子を確認した白蓮が人目も憚らずに怒鳴り散らす。
「何の為の同盟だよっ!? テメェが良けりゃそれでいいってのかっ!?」
「ホントっスよっ! あたいは偉い人達とか全然わかんないっスけど、仲間って言って集まった人達裏切るなんて黄巾党より酷いっスよっ!」
瑠那も相当憤慨しているらしく、両腕をばたばたさせて怒っていた。
「烏合の衆とは確かに聞いておりましたが、これはそれ以下ですね。頭が手足を蔑ろにしては何事も上手く運ぶはずがありません」
降ったばかりの皇甫嵩は、自分の部下達に降るか退くかの選択肢を与えた。結局皇甫嵩に付いていた部下達の殆どはそのまま公孫軍に降り、今は泉達医療班の警護に当たっている。
現在皇甫嵩が一人、白蓮達と共に前線に残ったのだが、実際はその皇甫嵩の存在によって降ったり退いたりする為右翼は比較的平和的に解決していた。
そんな中……
「……許さない」
一弦はこれまで誰も見たことがない程に暗い表情で怨嗟の呟きを洩らしていた。
「か、一弦さん……」
「お、おい……大丈夫か? 一弦」
今までになかった暗い表情に、白蓮と瑠那も心配そうに顔を覗きこむ。
「一弦様? ご気分が優れないようですが……」
皇甫嵩も、戦闘中ですら崩れなかった一弦の雰囲気が乱れてしまっている事に気がついたらしい。らしいのだが……
「……おい、蘭華……一弦様ってのはなんだ?」
白蓮の前で一弦を意識するような言動は話をややこしくするだけだった。
「何と申されましても。一弦様は公孫軍では白蓮様の右腕なのですから、末席に加えていただいた私としましては、真名こそお許しいただきましたがそうお呼びするべきだと判断しました」
「そんな判断はいらんっ! さっきまでと一緒でいいからっ! ……それより一弦……!?」
「一刀を……助けないと!」
白蓮が蘭華の事を早々に切り上げて一弦に再び視線を向けると、彼はかつてない程感情的になっていた。
いつの間にか十字架型のケースを背負って臨戦態勢になっている。
「ちょっ!? ちょっとまて一弦っ! 気持ちは分からんでもないけどそりゃダメだろっ!?」
今にも駆け出しそうな一弦の腕を白蓮がとっさに掴む。
「離して下さい」
有無をも言わさないような強い口調だったが、それでも白蓮は離さない。
「お前、北郷の事を関羽達に任せたんだろ!? そのお前が舌の根も乾かないうちに助けになんていってみろっ! そんなのお前があいつ等の事何にも信用してないって事にしかならないだろっ!?」
「でもっ!」
「あそこには関羽と張飛がいるっ! 諸葛亮だって頭は恐ろしいほどまわるっ! それになによりっ! オレは北郷がこんなトコでやられるなんて微塵も思ってないっ!!!!」
「っ!?」
そして白蓮は一つ息をつき、露になった一弦の左目を真っ直ぐに覗き込む。
「なぁ一弦、お願いだ。お前はいつも冷静で、ちょっと臆病なくらいで、私の隣にいてもらわないと困るんだ。気持ちは分かるけどここは……私の傍にいてくれ…………頼む」
一弦に向けられる懇願するような視線。
一弦はそれを見せられて、冷や水をかけられたように急激に熱が冷めていくのを感じた。
そして痛感する。
白蓮のほうがよっぽど、北郷一刀という人物を信用し、信頼している事に。
自分は一刀が危ないと聞いただけで取り乱し、自分が護ると誓った白蓮の傍を離れ、仲間達をないがしろにして駆けつけようとしていた。最後に一刀と別れる時に愛紗、鈴々、朱里の三人が一刀を護ると言ってくれたその誓いを踏みにじる事になりかねなかったのだ。
そして何より白蓮は、そんな一弦自身を必要としている。
護ると誓ったその彼女がこんなにも自分を必要としているのに、取り乱してその信頼を裏切りかけた事を悔いる一弦。
「ご……ごめんなさい、白蓮さん」
だから一弦は素直に頭を下げる。
自分を必要とし、止めてくれた、自分が護ると誓った白蓮に。
「謝って欲しいわけじゃないさ」
「……ありがとう」
「……応っ」
照れくさそうにそう言って笑う白蓮と、束ねた髪を解いていつもどおりに戻る一弦。
お互いの口元の小さな笑みが、二人がいつもどおりだという事を感じさせる。
「さて、一弦も冷静になった所で……北郷を助けるか」
「「「……はい?」」」
そして何でもない事のようにそう切り出した白蓮。
当然の事ながら一弦はもちろん、瑠那と蘭華も何を言っているのか分からないと首を傾げる。
そんな三人の様子を見て白蓮は、
「ばぁか。私がダチ見捨てるわけないだろ? あのまま一弦に行かせちゃマズいと思っただけで、助けないとは一言も言ってないだろ?」
と悪戯な笑みを見せた。
「……あ」
「た、確かに言ってないっス」
「ふふっ。やはり白蓮さん、貴女に降ったのは正解だったようです」
一弦と瑠那は唖然と、蘭華は嬉しそうにそんな白蓮を見つめる中、
「よしっ! こうしよう」
白蓮は何かを思いついたようにそう言って口元から笑みを消した。
そして……
「瑠那」
「は、はいっス!?」
緊張気味に背筋を伸ばして返事を返した瑠那に白蓮は、
「この中で一番速く動けるのはお前とお前の仲間達だ。だから…………頼む」
そう言ってスッと頭を下げた。
「一弦を行かせないのはさっきの事情もあるが、それ以上にウチの軍と……私自身の我侭だ。もう私の片腕として認識されている一弦が私の隣にいないのは皆に動揺を生みかねないし、何が起こるかわからない戦場でその……一弦が傍にいないのは……こ、困る。だからここは、晋陽の県令としての瑠那…張燕に、頼みたい」
「……僕からも、お願い。瑠那ちゃん、一刀達に手を……貸してあげて」
白蓮の気持ちを汲み、同じように頭を下げる一弦。
信用され、必要とされて動けない自分のかわりに、と。
そして、そんな二人が大好きな瑠那の返事は、最早聞くまでもなかった。
「お二人ともっ! 頭を上げてくださいっス!」
元気よくそう言って八重歯を覗かせて笑う瑠那は、二人が頭を上げるのと同時に自分が頭を下げ、右掌に左拳を、乾いた音が響き渡るほど力強く叩きつけて傅いた。
「あたいは役に立ちたくて付いてきたんス。晋陽の事は感謝してもし足りないくらいなんスから、ここは少しでも恩返しさせていただくっス!」
「白蓮さん、一弦さん……水関攻略後、お話があります。瑠那さんもご一緒に聞いていただけますか?」
「話? 何についてだ?」
「……今回の戦いの、真実についてです」
あとがき
皇甫嵩VS公孫賛・一弦は白蓮達の連携の勝利。
まぁ皇甫嵩自身は初めから殺す気もなければ勝つ気すらなかったわけですから、まぁ二人のコンビネーションを甘く見ていたところで勝てるわけがなかったという事で。
皇甫嵩こと蘭華の本気は、今後公孫軍でのお披露目を待つという形でよしなにお願いします。
そして袁紹の馬鹿の所為でピンチに陥った一刀達の情報で取り乱す一弦。
必死に止める白蓮には、上官として、仲間として止めるほかに、チラッと女としての顔も覗かせていただきましたが……どうでしょう?w
大将としてはちょっと依存しすぎな気もしますが、公孫賛は将としての顔を剥してしまえば極普通の女の子なんだなぁとか思っていただければ嬉しいです。
そして、ようやくやって参りました!?
公孫軍一の元気印娘、瑠那ちゃんの見せ場! ……たぶんw
彼女の武器に関しては次回という事ですが、元盗賊らしく速さを活かした戦い方で戦場を飛びまわる予定です。
それでは、次回また〜♪
うーん、一刀の事となると一弦も取り乱すんだな。
美姫 「それだけ大事な友達なのね」
そして、やはりというか何と言うか。
袁紹がとっても素晴らしいみたいだな。
美姫 「これまた大変な事になりそうね」
新たに加わった皇甫嵩の力も気になるし、次回以降もまた楽しみです。
美姫 「次回も待ってますね〜」
ではでは。