つよきす×とらいあんぐるハート3
『キスとハートの協奏曲』









 たまたまの違い









 陸上部でありながら、俺は買い物などもして、レオたちと過ごすことも多い
 そのために、一人の時もあるし、バイトもしているし
 家にも居たく無い。レオのことも大事に思ってる
 親父と会うなんて真っ平ごめんだ

「え?」

 今日の夕飯のメニューを考えていたら、そこには小さな笑顔を向けて話している椰子の姿
 あの、普段から冷徹でぎらりとにらみつけて、愛想の欠片すらない椰子が
 その人の前では、小さく微笑みさらには普通に会話している
 俺はその人を知っている
 高町恭也先輩……お互い買い物帰りなのか、買い物袋を持って歩いている
 どこか近寄りがたい雰囲気をかもし出しているが、それでも俺たちと話すとき
 居るときとは全く別の姿だ
 高町先輩のことはそれとなく聞いたことがある
 それに、何処と無くあこがれているという話をレオもしていた
 憧れというよりは、自分とは違う何かを持っているからこその憧れだ

「凄い不思議な光景を見ちまったた気分だ」

 仲良さ気といって良いのかどうか知らないが、二人とも知らぬ仲というわけじゃなく
 話をしていたし、椰子も俺たちと話してるときより更に長く話していた
 高町先輩のことを憎からずは思ってるだろう。ある種尊敬もしてるかもしれない
 レオや俺たちにはありえない所という事か
 って、買い物をしないといけないんだったな。冷蔵庫の中身は無いし



 スーパーに寄って帰ってくるとき、高町先輩は翠屋で働いていた
 そこで働いてるというわけじゃなく、お家のお手伝いというのが名目らしい
 大概の人が知ってることで、高校でも他の学校でも有名なことだ
 『かっこいい店員さんが居る』って事でだけど

「今日はエンカウントの日か?」

 バイトも無いから、このままレオとだべろうと考えていたが
 それ以上に不思議な光景がまたもや見つかった
 難しい顔をしてカウンターでシューをゆっくり食べる椰子と苦笑いの高町先輩
 なんだか、本当に不思議な光景だ
 俺たちの時にはまずしない顔だ……本人も無意識だろうけど
 あ、なのはちゃんも手伝いか
 どこか姉妹のように笑いかけるなのはちゃんに、小さく笑いかける椰子
 明日は雨だな。いや、大雨だ
 まぶたを擦りたいところだけど、今は両手がふさがってるので駄目だ
 いやはや全く、とんでもない所を見てしまった気分だ
 ただ、このことは言わないほうが良いとおもったので、誰にも言わなかった





 翌日、椰子は冷たい視線や口汚く言い切っていた
 レオとはある程度話すのだが、如何せん、それでも冷たい
 昨日の、光景など嘘だって言ってくれたほうがありがたいほどに
 レオもそれは分かっていても出来るだけ丁寧に話している
 なんというか、大変なんだな
 俺は半分寝ながら、二人の会話を聞いていた

「だから」
「お断りします。烏賊島でも言いましたけど、あれは気まぐれですから」

 氷点下という言葉の刃がぐさぐさと通っていく

「第一勝手に決めないで下さい。私は、そこまでの腕前じゃありません」

 そのやり取りは、竜宮の中で冷え冷えとされている

「そこまで言うなら、料理部には悪いけど、断るしか無いわね」
「ええ、エリー」
「気が変わったら言って」
「分かりました」

 お互いに冷たいなぁ。しかも、チームワークというのが無い
 俺たちも、多少はあるんだけどな……俺とレオとカニとシャークとで
 その後も冷たい空気のまま、仕事を続けていた
 俺は半分寝ていたし
 料理はすきでもしたくないとかあるんだろう





 その日はたまたま見つけたので、レオが声をかけていた
 夜中というのもあって、俺もたまたまだった
 皆とゲーセンによったのも久々だ。乙女さんが居ないからな
 このまま夕飯をどこかで〜って時。レオが椰子を見つけたので声をかけた

「椰子、何してるんだ?」
「先輩たちですか。うざいですよ」

 吹雪のような冷たさが周囲を襲う
 恐ろしく冷たい声だ

「先輩方には関係ありませんので、気にしないで下さい」

 クールだなぁ

「第一、先輩は話しかけてきましたけど、迷惑なんでどっか行って下さい」

 かにとフカヒレ抑えるのが大変になってきた
 レオも、ため息ついて、そのままこっちに来るし

「良いってよ」
「そっか」

 誘いには乗らないなぁ。多分、高町先輩なら乗りそうだ
 というか、凄いギャップだな、おい
 こっちは氷点下の視線と声
 あっちは生温い視線と声





 ただ、この時は知らなかった……レオと椰子の関係が進むなどという事が起こるのが
 たきつけた俺が言うのもなんだけど、普通の違う女性とかの方がありえそうだなぁと勝手に予想していたからだ
 姫のことは憧れもあるんだろうけど

「さて、どうなることやら」

 それは、本当に……









 おわり






 あとがき
 あ〜、本格的にやり始めようとしたら、まずこっちからか〜ってな話になって
 その後、他にも色々な話があがったために、とりあえずこちらから完成
 で、次にって話になって、次がどれみたいなことも
 とりあえず、なごみルート2つ……書くことに決定。好きなキャラなんで良いだろう
 そんな安直なところから来ました。感想を読んで決めたことだけど
 一番厳しい点は、どうやって絡めて行くかですなぁとか話してました
 人数増えるし、そのうち那美や美由希ルートなども考えないとって……(無理そう)
 というわけで、これで〜ノシ



今回はスバルとなごみって所かな。
美姫 「目撃したのがスバルで良かったじゃない。他の連中、特にカニとかだったら」
うーん、物凄い事になりそうで、それはそれで面白そうかも。
美姫 「収集がつくかしら」
あははは〜。今回も楽しませてもらいました。
美姫 「次も待ってますね〜」
ではでは。



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