『フェイトにメイド服を着せてみよう(邪笑』








「フェイト、どうしたの?」
「だって、恭也さんにとっては大切なことだし」
「そうよね。でも、先に説明しないといけないこともあるでしょ。ちょっと混乱してるようだし」

 混乱というよりも、何故か似通った人が居るという事なのだが

「恭也さん、その、此処は恭也さんの世界と似通った部分を持つ世界なんです」
「ということは、そこに居るのが、高町なのはであったりするわけだ」
「はい」

 異世界の住人、この場合、俺が異世界の住人にあたるのだが、そちらに居るのもやはり高町なのはなのだ

「説明はしずらいよなぁ。確かに」
「その、恭也さんの妹のなのはさんは、なのはより、そのしっかりしてますし」
「あれは、晶やレンが居るからですよ」
「フェイトちゃん、私、そんなにしっかりしてないの?」

 なにやら、またフェイトは引きずっていかれたようだ
 しかし、どうしたらいいのだろうか?
 ということは、知ってる顔も知らない人に当たるのだろう。
 それに、先ほどから剣士だろう人からじっと見られてるし……力量を測ってるのだ

「リンディ提督」
「はい? なんですか?」
「こちらの恭也は、多分、我らのランクでAAAランクなみの力を持っているぞ……いや、陸戦で言えば
 S、私たち以上の力を持っている」
「本当ですか!?」
「むご〜〜〜!!」

 なにやら驚いてるのかわめいてるのか分からないが、その人が何かいって驚いてるのは確かだな

「えっと、シグナムさん、買いかぶりすぎです」
「ザフィーラ……お前はどう思う?」
「力量が不明すぎる点が恐ろしいが、確かに
 陸戦限定で言えば、我らを凌駕するだろう」

 魔法使いじゃないのに、その言われようはちょっと

「買いかぶりすぎじゃあないですか?」
「いや。これでも私は剣士だ。だから、分かる。未知数な力を」
「そうですか」

 どう言った所で変わらないことになりそうだ
 リンディさんは笑顔を浮かべてるので、気をつけておこう。本当に
 フェイトさんが戻ってきた。なのはに引っ張られていったけど戻ってきたようだ

「それで、フェイトさん、先に説明お願いします」
「あら? 私じゃないのね」
「本来なら、リンディさんに頼むところなんですが話が脱線しそうなので」
「そうですね。義母さんは、ちょっと」

 そういって、フェイトさんから再度説明を受けた。
 まぁ、今回は魔法のことも入れての説明だ
 簡単に説明するなら、魔法の力で俺の膝の壊れた部分を治せるという話だ

「なるほど。それで、一月ほどはかかるという事だな?」
「はい……その、医療の方もけが人とか多数居ますし、その中の一人という計算になります。
 民間なので、その優先的にはしていくのですけど」
「ああ。その先は良い。人手不足だって事だな」
「はい」

 というわけで、一月ほど、入院ってことだ。
 ただ、そのおかげで膝が治るなら、いいことかもしれない
 リンディさんたちはなにやら色々喋ってるようだけど

「それで、恭也さん、良かったですか? 多分、もう少し頑張れば早く出来るようになると思います」
「まぁ、別に構わないさ。治らないと言われていたし」

 自分の力を誇示したいわけじゃない。ただ守るために振るいたいから
 膝が治るなら、また色々変わってくるだろうという思いがあるから

「そ・れ・で〜、フェイトと恭也くんはどうなの?」
「何がですか?」
「……フェイト、どうしてしっかり捕まえておかないの?」
「義母さん!!」
「むごご〜〜〜!!」

 猿轡されてても、また暴れる
 というか、俺は捕まるのか?

「フェイトが毎回楽しそうにいくから、てっきり思ってたのに」
「私も〜」
「エイミィさんまで……」
「あ、私も知りたいわ」
「アリサ、お願いだから聞かないで」
「でも、気になるよね〜」
「うん」

 何故か全員そのあたりは気になるようだ
 この世界のなのはも同じ事を思ってるようだし。確かフェイトさんのことを親友と言っていたからだな

「そ、その、確かに私は意識はしてるよ。でも、恭也さんの怪我、私の責任も大きいし」
「でも、あれって、暴走が異世界まで浸透した結果やし、しゃ〜ないんちゃうの?」
「むごむご」(うなずいてる)
「まぁ、実際はちょっと違うのよ。異世界に浸透したってのは確かなのだけど
 一つの世界に浸透してしまった。それだからフェイトも気にしてるのよ」

 執務官というのも大変なのだろう。今は休みを貰って行動してるらしいし

「でも、フェイトちゃん。本当にメイド服似合うね」
「すずか、そういえば何で嘘教えるの?」
「フェイトちゃんのあの顔見たら、やっぱり可愛い格好が良いのかなって、アリサちゃんも思うよね?」
「そうね。私もそう思うわ……ね、なのは?」
「うん。今は凄い複雑だけど」

 だまされやすいのかもしれないな……フェイトさん自身、純粋だし
 かあさんがたまに『私は汚れてるのよ』なんて言ってたしな
 なのはより純粋だと思えば、まぁ、毒されやすいとも

「とりあえず、今日は皆とであった記念だし、パーティよ。色々作ってもあるし」
「そうそう。私も頑張ったんだから」

 そして、パーティというか親睦会が始った
 最初から考えていたんだろうが、説明終わって帰らせてくれるわけじゃないのだな

「恭也さん、これ。その、あまり美味しくないかもしれませんけど」
「ああ。ありがとう」

 差し出されるのは、クッキー
 一口入れると、美味しいと思えた。それに甘さ控えめだ

「その、恭也さんの為に作ったんです」

 フェイトは顔を真っ赤にしながら、こちらにお皿を差し出してる
 俺はもう一枚取ろうとした手が止まってしまっていた

「その、此処に置いておきますね」

 そのまま、たたたという感じで歩いていってしまった
 周囲からにやにやと笑いながら見られてる
 さ、さざなみ女子寮と、似てる!!




 つづきます








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