『フェイトにメイド服を着せてみよう(邪笑』




多分、これで最後に出来たらいいなぁって思ってます。
というか、これだけが書きたくて書き始めたものだから(マテ




 恭也の入院もとい管理局での生活が終わりを告げた。膝が完治したのだ。
 本人は動きたくてうずうずしていたが、医者や看護師、フェイトのバインドがきらきらと輝いた事はほぼ毎日
 それでも、恭也が動けると判断した瞬間脱走したのも残り1週間の間は毎日な事であった。
 そのたびに、なのは、はやて、フェイト、ヴォルケンリッターの面々、クロノやアルフたちも巻き込んでいた
 それも懐かしい思い出だろう、恭也は世話になったお礼を言いに回っている。

「ありがとうございました」
「いやいや、君ほど楽しい人も居なかったよ」

 そういって、医者は笑いながら言う。だが、普通それは無いだろうとか思うのだが
 恭也は何も言わず頭だけ下げる

「あまり無理しないようにね。たまにしびれが残ってるだろうし。それで一度は大きくこけてるんだから」

 ちなみに、そのとき運悪く階段を踏み外し、危うく階段から顔面着地という美由希や那美が起こしそうなことをしていた
 恭也はそれを腕と持ち前の反射行動で耐えたのだ。まぁ、そのときの手は痛いようだった
 そして、挨拶を終えて、転送ポートへと足を向ける
 管理局の人からこちらって説明を受けてるので、荷物を肩に担いで持っていく
 その足取りは軽やかで、嬉しそうなのが分かる。辛い入院生活が終わりを告げたのだから、当たり前かもしれないが
 そして、高町恭也は一月ぶりの高町家へと帰るのだった


「ただい……」

 三つ指をついて、メイド服を着て、金髪ツインテールの美女が頭を下げる

「おかえりなさいませ、恭也さま。お食事にしますか? お風呂にしますか?
 それとも……こんなこと言えません」

 フェイトは自分の手の下にある紙片を見て言う。恭也もそれに気づいて、それを見る
 そこには、言われたら確かに困る内容のものが書かれていた。

「とりあえず、家に上がって良いか?」
「恭也さんのお宅ですし」
「というか、何で此処に居るんだ?」
「え? 聞いてないのですか? お医者様から無理する人だし、しばらくは休みもらえてるならみてやってくれって」
「そっちの学校は?」
「大丈夫ですよ」
「とりあえず、無理に動かないから」

 そうは言っても心配するのがフェイトだ
 勿論、なのはの事もあるので、そのためのこと
 フェイトの世界の高町なのはと、この世界の高町恭也は少し似てる気がするのだ
 こう、変なところで無茶をしてしまうところなど。だからこそ、助けようって思う
 今度は何か手伝えるはずだと

「あ、アルフはどうした?」
「私の仕事を少し手伝ってくれてます」
「クロノは?」
「義兄さんなら、多分、どこかで隠れて様子を見ているかと」

 それはそれで怖い

「り、リンディさんやなのはたちは?」
「仕事で大忙しです」

 恭也は荷物を落とした

「家の皆は、なんて?」
「その、桃子さんが『大歓迎よ〜』って嬉しそうに、なのはちゃんも懐いてくれてますし」

 それは、なのは本人から聞いた。フェイトが来たときに遊んでもらったのが良かったらしい
 久遠のことなども知ってるしフェイトからしたら、楽しかったとのこと

「とりあえず、このメモは没収だ」
「あ、それはっ!」

 恭也がメモを取り上げて、中を読む。フェイトは赤面
 こめかみを押さえて、目を擦る恭也

『萌え百選より抜粋』

 丁寧に書かれてる内容に、恭也は目を疑ってるようだ
 そして、フェイトの高さまでしゃがみこむと

「フェイト、とりあえず、こういうのはお勧めしない。君は君で魅力ある女性だと思ってる。
 まぁ、その見た目というのも分からないでも無いが、それでも、普通で良いんだ」
「でも、恭也さんの周囲は綺麗な人が多いし、同年の方だって……私一月頑張りましたけど」
「いやだが」
「大丈夫です。家から直接此処に繋いでもらいましたから」
「そんなことしたの誰だよ……」

 恭也、落ち着いた返答に、フェイトは

「その、義母さんが、『フェイトの大切な人のためだものね』って嬉しそうに」

 恭也の頭の中では、かあさんと同類がぁぁなどと考えている
 まぁ、似ているという点では似ている。真面目な息子と娘を弄ぶ点においてはもっともだ
 似ているという意味では、もう一人世界的歌手とも似ているのだが、この時はまだ思い浮かばなかった
 ただ、後ほどやってくるだろう。夫と共に、それこそわくわく嬉しそうに

「とりあえず、来るなら普通の服で良いから」
「でも、メイド服好きだって聞いて」
「違うからな」

 恭也、渾身の一言のつもりだが、必死に否定する恭也が本当はメイド服が、などと考えてしまう

「恭也、帰ってきた……んだって?」

 恭也とフェイトは向かい合って話してる。フェイトは三つ指突いた体勢から座った体勢に変えたとはいえ
 恭也と向かい合い、恭也もフェイトと同じ目の高さで顔も近い。

「ごめん、お邪魔だったかな?」

 後ろから見たら、キスしてるように見えるのだ
 肩に手を置いてる恭也がフェイトに優しくしてるかのように

「ち、違う!」

 瞬時に理解した恭也は後ろを向いて言う
 だが、そこには……高町家と月村忍、神咲那美、ノエル、久遠など仲の良い人たちが勢ぞろい
 フィリスも居てるところを考えると、驚かそうと思っていたのだ
 桃子も片手に翠屋の箱を持って、うっとりと見ている……その心の中ではすでにウェディングケーキ製作くらいだ

「あ、フェイトお姉ちゃん、お兄ちゃん、お帰り〜」

 なのはがやっと人を避けて入ってくる。フェイトと恭也を見て

「フェイトお姉ちゃん、お兄ちゃんのメイドさんになるの?」

 フェイトは凍りつき、恭也も固まる。
 だが、すぐにフェイトは顔を赤くして

「ち、違うの。恭也さんに仕えるのは嬉しい気がしないでもないけど、やっぱり恭也さんの隣に立ってる人が良い」
「お兄ちゃんのお嫁さん?」
「ぅぅっ」

 なのはの純粋な言葉にフェイトは見えてる肌という肌が赤くなっている
 桃子の頭はただいま薔薇色中により、何とかフェイトをはぐはぐすることはなかった
 ただ、この日の高町家は賑やかであった




 翌日、フェイトは高町恭也の部屋に入り込み、隣で眠るのだった
 健やかな安らぎを得て眠る表情は少女のようで
 恭也は仕方ない子だという風に優しくフェイトの金髪を撫でる。朝の静かな一時
 その後二人がどうなったか……
 それは数年後の世界で





 あとがき
 という感じで終わります
 後はご想像にお任せします。このままくっつけるもありだし、他のもありだと思います
 でも、それはそれ、これはこれで、読者様の考えによってエンディングもまちまちの方が楽しいかと思いました
 クロノは影に隠れて恭也が変なことをしたら飛び込む覚悟です。義妹の為に頑張るクロノは兄の鏡だと思います
 アルフも使い魔としての、使命は果たしてますしね。そのあたりを書かなかった理由は行数稼ぎになるから
 というわけで、これで〜。
 長々とありがとうございました〜。ほなね〜ノシ




 で、纏めたわけですが、纏めたというよりも、修正したってだけですね
 後、これだけだと味気ないというか、かわいそうな気がしないでもないので、ちょっと付け足します
 まぁ、ぶっちゃけ、一話とか書かなかったからなぁ
 真面目一辺倒の話を少しだけ書いてみようと思います
 ちょっと未来のちょっとした小話。管理局に語り継がれる剣士の話って事で










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