マリア様がみてるSS






設定
ギャグです……というか、コメディです
こんな事があったら、お笑いになっただろうなぁって事です
願望というか、こういうネタありそうだけど……





『黄薔薇のつぼみ、まっしぐら』









 さて、黄薔薇革命が起こっていて、祐巳に詰め寄る令
 その姿は誰にも見られることなくすんでいた

「本当!! 祐巳ちゃん」
「はい」
「どこ、何処なの!?」

 令は焦りに焦っていた
 さて、木に貼り付け状態にされる祐巳
 ただ、この時……制服の耐久は著しく落ちていた
 言うなれば……令さまの力が祐巳の体を支えながらも、木に当ててるのだ

ビリッ

「あっ」

 鎮火の一途を辿る、精神の高ぶり
 というか……

「えっと」

 制服の祐巳からしたら右の袖が破けていた
 ぐっと握っていたために糸が持たなかったのだろう
 そして、再度同じ事を繰り返す

「祐巳ちゃん!! 教え……(ビリっ)……ごめん」

 由乃の場所を知ろうとして祐巳の制服の両袖がちょっと糸が切れてしまったようで
 布が外れてる……意外と脆い制服のつくりだったようだ
 とまぁ、そんなこんなの状態に陥り、祐巳は段々と涙目になってくる

「あ〜〜〜〜〜!! ゆ、祐巳ちゃん、お、おおおちついて」

 いや、先に落ち着くは令様だろう
 ただ、この現場はどう見ても……祐巳を手篭めにしようとして、制服を破いてしまった人の図
 悪戯しようとして、そのままなし崩し的に破いてしまった図かもしれない

「れ、令様の意地悪〜〜〜〜〜〜〜」

 祐巳、泣きじゃくりながら、走る
 制服が破けてるのなんて気にしない
 その走りっぷりは……激しく早い
 というか、普段の運動神経のなさは何処へって感じだ

「あ〜〜〜、祐巳ちゃ〜〜〜〜〜ん」

 令様も追いかける……そのスピードは運動部の陸上を越えるレベルへと達してる

「凄いね〜」
「自信なくしそう」

 そんな会話がところどころで聞かれる中、薔薇の館に走り込む祐巳
 そして、祐巳の姿はボロボロと言っても過言では無い
 走ったのと、破れてるのが目立ちまくりなのだ
 遠くから見てる分には気づかれないが、近くで見たらよく分かる
 そんな感じだ……

「ゆ、祐巳!!!!」

 真っ先に驚いたのは祥子様
 で、続いて驚いたのは紅薔薇さまこと、水野蓉子様だ

「ど、どうしたの!!!?」
「暴漢なの!?」
「ひっく」

 泣き崩れる祐巳
 祥子に抱きついてる様は、美しい姉妹愛である
 蓉子様も抱きしめてあげる
 2人に抱きとめられる祐巳
 そして、ドアがバターンと開く
 そこには息を切らせた令様
 びくっと動く祐巳……

「祐巳ちゃん……」

 呼吸を整えながら、令は話し掛けるが、祐巳はすでにぶるぶると震えている

「令、ごめんだけど、祐巳が暴漢に襲われたみたいで
 ボロボロなのよ」
「ぼ、暴漢!?」

 驚いて聞き返す
 しかし、それが悲劇を巻き起こす

「令様が、私に尋問で服が……」
「……」

 場が一気に静まり返る
 祥子は笑顔だった
 蓉子も笑顔だった
 聖は楽しそうに微笑みを浮かべ
 志摩子は淡々と紅茶の準備をして、ソーイングセットを取り出している

「令、どういう事か説明しなさい」
「えっと、そ、それは……由乃の事を聞きたくて、かっとなって」
「ふぅん、それで祐巳ちゃんの体に聞こうとして襲い掛かったって事?」
「祐巳ちゃん、かわいそうに……」
「ひっく」
「だ、だから……違いますって」
「どこが違うのよ……祐巳は泣いてるし、しかも……制服までこんなにして
 走ってきたのよ……
 祐巳、大丈夫?」

 祐巳が大変な状態になったのは、基本的に令さまの責任ではあるが……
 まぁ、見た感じ……祐巳に関係を迫って失敗したという感じだから
 犯人がすぐに見つかったのは良いって所だろう

「さて、令……」
「えっと、紅薔薇さま?」
「とりあえず、襲ったのが貴女だって事だから……」
「そ、そんな、私はただ……」
「ただ、由乃ちゃんの事を聞きたかったって事は分かってるわ
 でもね、やっぱり可愛い孫をこんなにして許せると思う?」
「うっ」

 鬼が居た……いや、たった今悪鬼に変わったって所だろう
 普段から容赦のない人だが、それに拍車がかかったって所だ

「祥子、大丈夫よ……ね」
「は、はい」
「祐巳ちゃんも安心して……私が護ってあげるから」
「はい」

 涙が出たままなのは変わらない
 しかし、紅薔薇のつぼみの妹になって一週間ほどでまさか、こんな事態にとは
 全く考えてなかった上に、幸せからの急転直下

「祐巳、これで拭いておきなさい」
「ありがとうございます」

 ハンカチを受け取って涙を拭く祐巳

「それで、何を聞きたかったのかしら?」
「そ、その由乃の居場所を……」
「あら、聞いたら良いじゃない
 お隣なんでしょう?」
「そ、その、よそよそしくて」
「何を言うのだが……とりあえず、1つだけいっておくわ」
「何ですか?」
「祐巳ちゃんが折角、伝言を伝えてくれてるのに、これはないんじゃないかしら?」
「はい」

 反省してますという風に頭を下げる令

「ごめんね、祐巳ちゃん」
「それとね……祐巳ちゃんにはちゃんとお礼を言わないとダメよ
 令と由乃のために一生懸命してくれてるのにね」
「……はい」
「江利子が居ないから大変とはいえ、これはダメよね」
「はい」
「さてと、令」
「何ですか?」
「祐巳ちゃんにあたったらダメよ」
「分かりました」
「それと、由乃ちゃんの事は自分達で何とかするのが筋
 祐巳ちゃんは助けてくれてるだけ……どちらも同じくらい好きだからこそなのよ」
「はい」
「それで聞きたいからって力任せはいけないわ」
「……はい」

 そういって制服を見る蓉子様
 志摩子が祐巳に脱いでって言っている
 裁縫が出来るのだろうか?

「祐巳ちゃん、私が直す」
「え?」
「直さないといけないし」
「で、でも……」
「祐巳、令にも謝る機会が欲しいのだと思うわ
 体操服でも着て、今は令に渡しなさい」
「はい」

 祥子様が声をかける

「それで、お姉様、流石にこれでは祐巳だけが傷ついて終わりになってしまいます」
「そうね……」
「え?」

 令が何故にって声を出す
 しかし、それを無視して、聖様を見る蓉子様

「ん〜、じゃあ、しばらくだけど、祐巳ちゃんの代わりに令にお茶を入れてもらうってのは?」
「あら、それいいわね……懐かしいし」
「でしょ……これで、クッキーとか御菓子がついたらもってこいよね」
「そうね」

 言うなれば、御菓子などを自ら作ってきて、祐巳に食べさせろって事だ
 しかも、紅茶、コーヒー、お茶というものをつけて……
 結構な疲れる事であるが、先ほどのことを考えると……

「祐巳ちゃん、それで許して上げて……」
「そ、そんなに怒ってませんし、そんな悪いですよ」
「ううん、祐巳ちゃんを傷つけるのはダメよ……それに、私が(むぐっ)」

 聖様が何か言おうとする前に志摩子が口を抑える
 そして、蓉子様はふと思い立ったように言う

「祥子」
「はい?」
「今日は祐巳ちゃんを送ってあげて欲しいの」
「そのつもりです」
「そう、良かったわ」
「お姉様ありがとうございます」
「いいのよ……それに、令が襲い掛かるなんて」
「おそってないってば」

 そう良いながら笑顔になるが、さっくりと指に針を刺してるあたり
 かなりの動揺を見せてるのは確かなようだ……

「痛くないですか?」
「凄く痛いよ」

 目が泣いてる令さまなのであった









 1週間後、リリアン瓦版では、令と祐巳のことが書かれていた
 しかも、その内容は……かなり危険路線で、2人が生徒指導室へと呼び出される結果となった

「別にそんな関係じゃありません」
「そ、そうです」

 という2人の声が響くのだった
 ただ、由乃の怒りのゲージが溜まり、確実に
 令だけが、絞られるのだった

「うっ、私のせい? 私のせいなの……」

 夜に一生懸命にクッキーを作ってる令がしばらく両親に目撃されるのだった

「令ちゃん!! 祐巳さんを襲ったなんて……私にはしてくれないのに!!」

 などというちょっと危険会話があったことなどは、支倉家の秘密となるのだった










 おわり











 あとがき
 あ〜、なんか自分が遠い世界の住人になった気分
 シオン「んな気分味会わなくてもいいのにね」
 全くだ
 ゆうひ「それで、どうして書いてるの?」
 さぁ
 シオン「さぁって」
 だってな……単なる気まぐれだぞ、これ
 ゆうひ「しかも、指鳴らし風味?」
 ん〜、まぁそんな感じ
 シオン「未だに、キーボードに慣れてないって所」
 そうとも言う
 ゆうひ「そうとしか言わないと思うけど」
 そうか? まぁ、そうだけどさ……慣れないべさ
 シオン「どこの方言よ!?」
 知らな〜い……というか、困ってる事が多いから、頭痛い
 ゆうひ「でわ、またです〜」
 ほなね〜(^^)ノシ



遊び人さん、ありがと〜。
美姫 「令さまの受難の日々…」
ああ、ちょっとした出来事が、ここまで大きく広がるなんて。
美姫 「恐るべしは、リリアンかわら版ね」
うんうん。
美姫 「それでは、今回はこの辺で」
ではでは。



頂きものの部屋へ戻る

SSのトップへ