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卒業式が終わり、春休み中の祐一と舞と佐祐理さんのお話です
誰もが書いてそうだなぁ(トオイメ









『あなたとの生活』









 舞と佐祐理さんが卒業して、その日は舞も佐祐理さんも袴ということもあり
 そのままお家へと帰った……ただ、舞の袴は佐祐理さんのお古ということらしいので
 倉田家へと向かったのだ
 そして、その先で思わぬことを口に出されて、俺は慌ててしまった
 その言葉は……

「舞と祐一さんとで新生活を迎えたいんです……お父様、親不孝な佐祐理ですが
 一緒に生活するのを許してください」

 という、佐祐理さんの言葉
 それは、俺と舞の胸の中にもあった言葉
 佐祐理さんと舞が大学に受かったとき、2人が卒業する時に俺は1つ持ちかけたのだ
 一緒に暮らさないか……と
 舞と佐祐理さんは一緒に暮らすことを決めていたそうで
 冬休みの時からすでに言ってあったそうなのだ
 そこに俺が加わるというのだから、俺は怒られるというか、凄く言われると思っていた
 ただ……それは俺の思ったとおりにはならなかった

「ああ、いいだろう……その男は大丈夫なのだな」
「舞の彼氏ですから」
「その代わり、佐祐理は週に1度は帰ってくること
 これは、変えないからな」
「はい」

 そんな簡単に良いのだろうか……そんな風に思っていたら
 佐祐理さんのお父さんが此方を見ている

「あ、えと」
「佐祐理の親友だろう……君はもっと反対されると思ってたのかな?」
「はい」
「そんな事しないよ……舞くんのことも聞いてるし
 佐祐理の友達、交友関係は悪いけど、調べさせてもらう事にしてるんだ
 で、君の人となりを見て、判断をした
 舞くんも根っからの悪人ではないし、佐祐理だってそれを見越して付き合いを深めたのだろう」
「お父様」
「君の事は信頼してる……人としても、男としても
 確かに、普通の男親なら、反対するのだろうがね……」

 何故か、少し遠い目で此方を見ている
 どうかしたのだろうか?

「あの?」
「いや、すまない……では、娘をよろしく頼むよ
 一緒に暮らすとなると、男手はあった方がいいときもあるから」
「ありがとうございます」

 その後、舞の家、俺の居候先へと寄った
 そっちの方がはるかに問題になった
 まず、名雪の反対……そして、意外なことに秋子さんも反対したのだ
 いや、そっちの方が普通か……何でも了承してそうだったんだけど
 で、秋子さんの反対の意見を賛成にしてくれたのは、家の両親だった
 父さんと母さんが秋子さんに言ったのだ
 『二人暮しで、尚且つ祐一の世話まで頼んでいた自分達にも非がある
  でも、祐一が望んだ事をさせてやってくれないか?』と……父さんたちがそんな風に言うのは初めてだ
 多分此処での事を聞いたのだろう
 昔の記憶のことも、全て知ったうえで、そう言ったのだ
 そして、晴れて3人での生活が開始したのだ






 今日は平日……で、朝の7時半
 水瀬家から少し近くなった部屋
 2LDKの大部屋だ……倉田さんが、此処にしておいてくれって渡された部屋
 部屋代は要らないらしい
 無茶苦茶高そうだ
 二つの部屋のうち、一つは舞と佐祐理さんの部屋
 で、もう1つは物置みたいなもので、リビングで俺が寝ている
 たまに、舞と佐祐理さんも加わって寝る予定らしい

「おはようございます」
「おはよう」

 近くで足音がしたら起きる
 そんな習性がついたのかもしれない……真琴の影響とか
 その、舞との特訓のおかげというか、なんと言うか

「祐一さん、早起きですね」

 佐祐理さんがパジャマ+エプロンでそういう
 顔は洗い、髪の毛などのセットもし終えていた
 なんというか、こういう所で、佐祐理さんがいいところのお嬢様だったと理解する

「いや……何時もこれくらいに目が覚めないと駄目だし」
「あはは〜、生活の一貫ですか」
「まぁ、そんな所」

 そう言って、起き上がってお布団を端に片付ける
 これが、俺の朝の仕事……邪魔になるし

「踏むくらいの勢いで起こしたらいいのに」
「あはは〜、そんな事しませんよ〜」

 笑顔でそう言い切る

「おはよ」

 舞が俺と佐祐理さんに声をかける

「おはよう、舞」
「祐一、朝から賑やか」
「そうか?」
「はちみつくまさん」

 はいって事なのだろうが、そろそろ直したほうが良いのだろうか?
 俺が教えた分、何かと不便な気がしてきた
 というか、これ大学生が言ってたらやばくないか?

「祐一さん、どうかしたのですか?」
「いや……と、学校行く準備しないと」

 着替えようと思って、はっと気づく
 此処で着替えたら、佐祐理さんと舞が気にするだろう
 急いで、隣の部屋へと入る
 物置というか、まぁ、私物置き場……舞のものやら、佐祐理さんのもの
 俺のものが区分けしておいてあるのだ
 服などが主なものだけど、他にも靴なども置かれてる
 2人の想い出の品などは2人の部屋にあるらしい

「あぶないあぶない」
「あはは〜、いけない気分になるところでした〜」

 舞は頷いて応える
 いけないって何が?

「それよりも、祐一さん」
「ん?」
「朝食です」
「ありがとう……舞もさんきゅ」
「もぐもぐ」

 すでに食べてるし……まぁ、舞だしな

「頂きます」

 コーヒーとトーストとハムエッグ
 それに、サラダという典型的なブレックファストだ
 英語で言ったがさまにならないな

「祐一、プチトマト頂戴」
「ほい」

 舞がこういうのは珍しいことじゃなくなった
 昼を一緒に取るようになって、佐祐理さんが言ったのだ
 言ってから貰ったら、もっと嬉しくないかと……
 俺もそれに頷いたら、2人が言うならという事だ

「あはは〜、舞と祐一さんは本当に仲が良いですね〜
 佐祐理がおいてけぼりです〜」
「そんなことない……佐祐理は大切な友達だし、親友
 祐一は……まぁ、こんなの」
「こんなのって……恥かしいからって、はぶくなよ」

 顔を真っ赤にして言う舞
 そう言う俺も、いきなりな台詞に真っ赤なんだろうが
 佐祐理さんは少しだけ嬉しそうだ

「祐一さん、今日は舞と2人で食器とか選んでおきますね
 後、お金の心配なんですけど、大丈夫ですから」
「え?」
「そのお父様が、最初の方はバイトも決ってないだろうから
 少しだけって手助けしてくれて……」
「そっか……昼休み待ってたほうがいい?」
「迎えに行きますよ〜」
「はちみつくまさん」

 そう言ってくれる二人
 本当に迎えに来るだろう……毎度のことだしなれたけど、恥かしい

「じゃあ、行って来ます」
「いってらっしゃい」
「いってらっしゃい」

 2人に送られてかばんを持ち、歩いていく
 名雪が居たら、走ってるだろうが、こうやっていけるのはちょっと嬉しい
 隣が少し寂しいけど……

「祐一、送る」
「って、何処までだよ?」
「そこのコンビニ……ゴミ袋が無かった」
「……舞、財布は?」
「あ!」

 忘れたようだ……俺は苦笑い

「祐一」
「ん、とりあえずコンビニまで行こう……買ってやるから」
「お願い」

 そう言って、二人してのんびりと歩く

「舞とこうやって2人きりは久々だな」
「佐祐理が居てくれて助かることもあるから」
「ま、それはいえてる」

 2人だけだと、照れが先に来て、こう言葉に詰るのだ
 舞は元から静かな方だから、拍車がかかり、真っ赤なままになるのだ
 お互い照れやと言えば照れやなのだろう

「祐一」
「ん」
「その、ごめん……あまり話題なくて」

 舞なりにというか、舞自身も気にしていたのか

「なぁ、舞」
「なに?」
「こうやって2人だけで歩くの嫌か?」

 ぶんぶんと首を横に振る

「だったら、つまらないこと聞くなよ」
「え?」
「俺は、舞と2人で歩ける事喜んでるんだぞ」
「あっ」
「佐祐理さんも気にして二人にしてくれてるんだよ、多分」
「そっか……」
「だから、俺も2人が一緒の時、声かけないときがあるかもしれないけど、許してくれな」
「それは良い」

 お互いの暗黙の了承
 2人が2人で不可侵……そんな感じだ

「舞、コンビニ」
「あ、うん」
「お腹すいてるなら何か要るか?」
「ううん、ゴミ袋だけだから」
「そっか」

 舞は元から色々と見て無かっただけで、現実的だ
 しかも、金銭面は佐祐理さんを抑えていたと言っても良い
 なんせ、お嬢様だから……牛丼奢りますって時に、いきなり携帯取り出して電話だもんなぁ
 舞がおののいたってのも分からないでも無い
 それでも、変わらないのは舞の人となりだが
 ま、その純朴で鈍感で、でも鋭いところがあるのが良いのだけど

「これ」
「ん」

 俺はついでに、小さな駄菓子を買う
 ま、これは舞にだけど

「ほれ」
「え? でも、これは」
「単なる駄菓子だし、10円くらいなものだから気にするな
 佐祐理さんにも渡しておいてくれ」
「分かった」
「じゃあ、学校でな」
「うん」

 時計を見ると、まだ時間は大丈夫そうだ
 舞は小走りというか、ダッシュで向かう
 なんて言うか、朝からダッシュ……名雪と俺の朝を見ているようだな

「卒業迎えた先輩と何してるの? 祐一」
「な、名雪!!?」
「何って、買い物だが」
「別にいいけど」
「でも、何で、此処に?」
「目覚ましの電池が切れたから」
「そ、そっか」
「忘れないうちに買っておこうって
 それに、春の大会も確りと出たいから」
「そっか」

 舞とのやり取りを見られたようだ
 全く……反対も名雪と秋子さんの2人だったし

「まだ怒ってるのかよ」
「別に……」

 膨れながら言う

「先に行くな……あまり話してて遅刻したら駄目だし」
「そうだね」

 そして、2人して歩く

「名雪と歩いて登校なんて、珍しく思えてくる」
「そうだね……でも、私も負けてられないから」
「ん?」
「横恋慕って悪いことじゃないから」

 意味が分からん

「何でも無いよ」

 名雪は笑顔でそう言って歩いていく
 なんなんだか……俺は立ち止まった足を再度動かし歩いていく
 時計持たないといけないな
 それに、自分のバイトも見つけないと……この時期だとやばいだろうけど
 舞と佐祐理さんには悪いけど、家庭教師頼もう
 2人と同じ大学へと進みたいから





 舞と佐祐理さんが昼休みに迎えに着た
 文字通りに教室まで……で、屋上の手前のところ

「あはは〜、目立ちましたね〜」
「ええ、久瀬の奴が来たくらいに」
「そうですね〜」
「一生懸命お願いしたら、いいって言ってくれた」
「あれは、お願いか?」
「あはは〜、男を泣かせる女性のコツですよ〜」

 そりゃあ、泣きたくもなるだろう
 純粋培養のお嬢様みたいな舞が、こう下から覗きこむ形で
 潤んだ瞳で聞いたのだ
 『駄目なの?』と……そのとき、周りは悶えた
 俺は慣れていたので気にしなかった

「教えたの佐祐理さんですか」
「はい」
「はちみつくまさん」
「あまりしない方が良いかも」
「何でですか?」
「ほら、舞の人気がうなぎのぼり……俺の人気が右肩さがり」
「あはは〜、大丈夫ですよ〜、きっと」
「そう」

 そう言って二人でお弁当を食べ始める
 俺もお箸をつけていく
 パンは買ってきた……もしも作る暇が無いとかもありえるから

「まぁまぁ」
「祐一、そういえば、名雪に言われた」
「なんて? 聞いていいのならだけど」
「名雪が『祐一は諦めないから』って」
「……」
「あはは〜」
「どう言う事?」

 いや、どう言う事って

「舞、それは女性として宣戦布告を受けたんですよ〜
 祐一さんが舞の彼氏だとしても、奪うって事ですよ〜」
「祐一が名雪の彼氏になるって事?」
「はい、未だですけど」
「……祐一、名雪のところに行くの?」
「行かないように頑張るさ」
「私も頑張る……祐一が居なくなったら、佐祐理と私だけで寂しいから」

 そうかもしれない
 秋子さんも、名雪も……ああやって俺を止めたのはそのためだろう

「さてと、そろそろ御昼終わりだな」
「あはは〜、放課後迎えに来ますね……ちょっと選んで欲しいのもあるので」
「ん、俺で役立つなら」
「はい、頼みたいことですし」
「祐一、頼む」
「おう」
「後、これゴミ袋と駄菓子の」
「気にしないでくれ……それに、俺と舞と佐祐理さんと一緒に暮らしてるんだから」
「あ、はい」
「舞もな」
「うん」

 俺は軽く頷いて下に降りていく

「じゃ、後で」
「はい」
「後で」

 そう言って別れ、教室に戻る
 教室で灰色になっていた久瀬は押したら倒れた
 舞のが直撃だもんな……ま、頑張れ久瀬






 その日の放課後、選びに連れて行かれたのは、カップだった
 3人ともばらばらだけど、お互いに好きなカップで飲もうって事なのだ
 その代わり、他人のを使わないって事で、2つずつ買うそうで
 俺のも俺で好きなものをって事らしい
 大きめの物を二つにした……舞は動物
 佐祐理さんは植物がプリントされてるのを買っていた
 まだまだ生活が始ったばかりだけど、徐々に増えていく
 物も思い出も……














 おわり












 あとがき
 というわけで、これが舞の
 シオン「ミスっただけあるね」
 ほっとけ
 ゆうひ「寝ぼけ眼で書くからでしょ」
 それは、仕方ないの……だって、寝たり無いんだもん
 シオン「もんってあ〜た」
 元々睡眠不足な所に、書き出したのが11時とかだぞ
 ゆうひ「そうね、一つ目が夜中、もう1つは昼間だけどね」
 2日で書くから、かなり疲れた
 シオン「ばかね〜」
 ほっとけ!! 俺だって眠りが無いままだと危険だと認知はしてるんだぞ、でも、寝れないんだって
 ゆうひ「前、安定剤欲しいって言ってなかった?」
 あれだと、眠りすぎて危険だ……前飲んだときは復活できなかったし
 シオン「そうね〜、小太刀でざっくり刺したら起きたけど」
 起きた瞬間、刺されるって痛いぞ
 ゆうひ「で、書けたのね」
 これで完成だ
 シオン「渡しておくわ……ゆっくり眠りなさい」
 なぁ、その眠りなさいって割りに、その鈍器はどうかと思う
 ゆうひ「大丈夫、ちょ〜と長い間眠るだけだから……多分」
 多分なのか?
 シオン「多分よ」
 ゆうひ「では、おやすみ」
 (人から出る音とは思えないほどの音が遊び人から聞える)
 シオン「では、皆様また〜」
 ゆうひ「遊び人が寝てしまったので……永眠とも言うかもしれませんけど、おきますので」
 シオン「そうね、これは起きるわ……今では死体にしか見えないのに不思議だわ」
 ゆうひ「全くね……ほなね〜」(^^)ノシ



……えっと、ご苦労様です。
美姫 「シオンもゆうひもご苦労様〜」
ちゃんと起きるのかな?
美姫 「起きなかったら、浩の責任よね」
な、なんで!?
美姫 「だって、アンタのリクエストの所為でしょう。寝てないのって」
ぬぐぐ。
美姫 「ってことで、アンタも少しは痛みを味わいなさい!」
ぐげっぇぇぇっ! ……ガクリ
美姫 「って、誰が寝るところまで真似しろって言ったのよ!
     さっさと起きろ〜〜!!」
ガンガンガン!!
ぐげっ、うがぁ、がっ!
……こ、殺す気か!
美姫 「あ、起きた、起きた」
起きたじゃねえ! 今、一瞬だけれど違う眠りにつきそうだったわ!
美姫 「起きたんだから問題なし」
おもいっきり、あるわい!
美姫 「それじゃあ、まったね〜」
って、無視かよ!?



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