とらいあんぐるハート×魔法少女リリカルなのはA's









魔法少女リリカルなのは〜守りたいものありますか?〜A's

第十一話 夜天の王











 分かたれた防衛プログラム
 その前にベルカ式の魔法の陣が生まれる
 そして、その周囲にヴォルケンリッターの騎士たちが居る
 更に離れたところになのはとフェイトが居た
 急に消えた4人に驚いたが、すぐに反応が分かり追いかけてきたのだ
 ただ、そこに恭也は居ない……そのことに未だ気づかず
 小さな言葉をそれぞれが掛けて、夜天の王、八神はやてが白い光の球から出てきた

「はやてちゃん」

 なのはに微笑みかけるはやて
 その笑顔に、嬉しそうにするなのは
 フェイトも同じくだ

「夜天の光よ我が手に集え」

 はやてが杖を持ち、紡ぐ

「祝福の風リインフォース……set up!」

 光り輝きはやての周囲に白い魔力の光が集まる
 そこで夜天の魔道書と一体となり、魔導師として立つ
 夜天の王、八神はやてとして
 ヴォルケンリッターの騎士たちの謝りにはやては答え、更になのはとフェイトも加わる




 恭也は一度、陸上に戻り魔力を消し結界を張る

「日銀の世界、自らの檻にて棺を開ける
 その名を告げて、我を一つの王を成す
 サンライズセットアップ」

 日天の魔道書の主、恭也
 この場合、きょうだろう……その人物は、海の中へともぐる
 そして、闇部分が覆われている部分へと目指す
 魔法で呼吸できるようにし、走っていく
 水中の中は泳いだほうが速いのだろうが、魔法を使わず歩いていく





「ヴォルケンリッターの騎士たちにも意見を聞きたい」

 クロノはそうもらして、言葉を紡ぐ……アルカンシェルで一気に殲滅させるか
 永久凍結か……だが、そのどれもが駄目だしされている

『残り10分だよ!』

 その言葉にどうするかの考えが無い
 非難するなら非難してと声が出ているが、それ以上に家が壊れるのが困る
 まぁ、本来はもっと酷いのだが
 そこに声がかかる

『アルカンシェル、無効化されるよ』

 小さな子供の声に、周囲が驚くが、声の主が分からない
 だが、その声には聞き覚えがあった

『何でですか? もっとも効果あると思いますが』
『アルカンシェルは一度、当たってるからね……魔道書本来の義務としてだけど
 その魔法の特性を理解し、防ぐ方法を作ってくる
 防衛プログラムはそのためにあるのだから、すでに打ったものには効果が無い』

 割り込んできた相手は空を飛ばず、海の中を歩いてるのだから分からないだろう

『ならどうしろと?』
『方法はあるんだけど……とりあえず、上に上げることは出来るから』

 どこからの声か分からないが、その声には信じさせるだけのものがあった

『過去使った兵器を喰らっても平気な防衛プログラム……闇の魔道書と言わしめた闇は
 強いからね……マイ、ミネア、アクア、ルイ、来てくれ』
『はいはいっと』

 それぞれが登場した場所に皆気づく
 海の底に居るという……魔力反応が出たという事に
 下で構えてることに意味があるのかどうか

『ミネア、アクア、皆に説明……時間が迫っていて、此処でぶっ放すのが嫌なら話だけでもお願いね』

 下から出てくる女性二人。ミネアとアクアだ
 先ほど吸収されたのに元気である……そして、それぞれに話をする

「この闇なんですが、まだ私らのマスターに比べたらマシなんですよ」
「って、そんなのが近年見てないぞ」
「というよりも必至に隠蔽しましたし、何とか私たちでやりましたから」
「そうですね」

 どこか怖い発想であるが、二人は小さくため息をついた

「では、簡単に説明します。下から上に打ち上げてから、下から再度魔法を当てます
 超長距離の魔法を……私たちの奥の手ですけど、間違いなく
 私たちが使える最強の魔法です……効果は後ほど見せる事も可能でしょう」
「じゃあ、今、その本人が居ないのは?」
「出てきた瞬間に相手を上に打ち上げるためですわ……貫通力じゃなく普通の力で持ち上げるようりょうですわ」
「そんなことしたら絡んでくるんじゃあ」
「それは、マイとルイでどうにかなりますから」

 そういわれては下がるしかない
 もしもそれが本当なら、その人に頼りきりになるし、何より掛けだ

「一応アルカンシェルチャージをしておいたら良いですよ
 多分復活するでしょうけど」

 その言葉に、リンディは考える
 相手のやろうとしてることが確かなら間違いじゃない
 まず、一度はアルカンシェルのダメージを受けてるのだし、次は傷を少し負う程度かもしれないことに

「では、私たちも準備がありますから」
「どうして、君らは」

 完成を急がせたじゃないか?

「こうなることが予測できてたからです……マスターも信じてるのです
 皆さんを……時間稼ぎはいりません
 出てきた瞬間に上に打ち上げます
 衛星軌道上、更に上にと……そして、ナインテイルで壊しましょう」
「ナインテイル?」

 九尾の狐……その異名をたどるそれが何か分からないだろう
 恭也は下から上に構える……向ける先は黒い塊




 回復などそれぞれが話してる間に一度距離を置いておいてくれといわれ距離を置く
 黒い闇が開けた瞬間、下からの高い威力の攻撃にバリアごと下から上へと浮き上がり飛ばされる
 超高速に近い形で……それを追いかけるようにして、5人が海から上がる
 空高く飛び

「ナインテイル機動」

 リンクシステム……4つの場に別れ、それぞれが恭也へと手を向ける
 恭也は上空の飛んでいった方へと拳を向ける
 魔力により吹き飛ばされたが、とどまるところにアースラのアルカンシェルが飛ぶ
 すぐさま離れるが、警報が鳴る……恭也が言った通りだったのだ

「ナインテイル……どこかで」
「行くぞ、ナインテイル」

 狐と取れるのか、犬と取れるのか
 だが、九尾あるものが上へと飛び立つ……その姿はどこかりりしく、そして狐だった
 クロノの言葉に答える前にとびだったそれを、クロノは思い出したように見つめた

「10年くらい前の、魔法事件……その時、化け物なみの強さで誰も勝てなかった、狐」

 クロノの言葉に皆、説明をもとめる
 管理局員のS級ですら、大怪我をして帰って来た事件

「日天の魔道書の防衛プログラム」

 その言葉に全員が振り向く……声に聞き覚えがあるからじゃない
 辛そうにも立っている少年が居たからだ
 体を支えられて立っている

「マスター、疲弊してるのです。無理しないでください……翼もしまってください」

 マイの言葉に、恭也は仕方なくしまっていく

「上の心配は要らない……ナインテイルは喰らうんだ
 魔力を……だから、再生しようが関係ない
 再生するならするでそれごと喰らえば良いのだから」

 そのための魔力を全員で分担して出す
 なぜ狐かなのかは恭也の思いだ……犬とかだと可愛すぎるからって事だろう
 狼は居ないし見てないので分からないのだろう

『今、なんか獣大決戦が行われてるのだけど』
「エイミィ、それについてだけど日天の魔道書の主が、大丈夫だって
 魔力を食うらしい……だから、そのまま食われるだろうって」
『うん。なんか食べる事に大きくなってだんだん再生が追いつかなくなってるし』

 それを聞き皆、良かったと思ってるようだ

「まぁ、似たような魔力だしな……それは良いとして皆には謝らないとね
 一応目的みたいなものはあったわけだし、自分なりに考えての行動なんだけど」

 そういって変身が解け始める
 翼をしまう時点でも恭也は覚悟していた
 それぞれの顔が驚愕に染まる
 シグナムとシャマルは二度目なので、平静を保っていられたが
 それでも尚、回りは驚いてる

「悪いな……皆をだます結果になったことに
 本来なら俺一人でも対応が取れたんだが……いかんせん、管理局が最初から動いていたからな」

 その言葉にクロノは冷静な部分が出来てきていた

「どういうことですか!!? ぼくらの情報を聞きつつも、最初から全て知っていたということですか!!?」

 クロノの言葉に恭也は頷く

「全ての事情を知っていたわけじゃないが……知っていた。それに」

 恭也ははやてに手にある魔道書を見る
 その目は心眼のように相手の心まで覗きこめるように

「どういうことだい? 事と次第によっちゃあ私たちは敵だ」

 アルフがそう言うが、それを抑えたのは意外にもベルカの騎士たちだった

「ちょっと待ってもらおう。確かにそれは可笑しいが、恭也の人柄を考えれば違う
 事情があったのだろう。それだけでも聞かねば分からないことだ
 このまま戦うのは、人道に反する」

 シグナムがそういって、皆、一時的に高ぶる精神を押さえ込む
 シグナムとて本来はどうしてだと問い詰めたい気持ちで一杯だが

「何より、我らでは勝てないのだ」
「え?」
「今なら、勝てるという思い込み……だが、恭也は魔法無効化の効果がついて回る
 じゃあ、今攻撃でき、尚且つ戦えるのは私とヴィータ、フェイト・テスタロッサの三名だ
 皆魔法を使うからね……格闘が出来るとかじゃあ生半可だ
 間違いなく倒されるから……それに疲弊してるとは言え、私たちと同じ者が四人だしな」

 シグナムはそういって恭也と日天の魔道書の守護騎士たちを見る

「そんな危険なことはしないつもりなんだがな」
「だが、出来るだろう? まずクロノ・ハラオウンの攻撃なんかも読めてるはずだ
 更に、回りの者たちの攻撃も……そして、我らの攻撃はプログラムだから……」
「お前らはプログラムじゃないさ……何より、夜天の魔道書を完成させた理由は第一に
 闇の書じゃないようにするためだ」

 それに驚いたのははやてたちだ

「一度暴走しても、防衛プログラムは作られる
 ただ、俺は先に凪をその中に潜ませた」
「これに? だが、そんなことは!?」
「シャマルさんが感じた違和感……多分、誰にも喋れないようにしていたがあるはずだ
 小さな違和感だが、俺とあったことと名前が思い出せなかったこと
 皆があってから思い出したこと」
「あ」

 シャマルが小さく頷く
 確かにあったと

「神風のメインプログラムにして、俺のサポートをしてる
 で、そのものが今、直してる……ナインテイルも終わったようだ」

 そして、皆に伝わる……反応が消えたと
 ナインテイルも消えていったと
 ただ、その魔力は恭也へと注がれる

「生き物召還?」
「それに近いな……プログラムというよりも、自由意志がない
 俺が言った敵を喰うものだ」

 なんでも食べるので便利だが、問題は魔力消費
 四人合わせて全員がふらふらになるまでの魔力で後は襲い掛からせて、食べる魔力で保持
 だからこそ、出すときは慎重にならざるえない
 それほどまでの裏技

「ある意味卑怯だ、それ」
「当たり前だ……俺らが使うのはカウンターにして殲滅
 相手がでかいから、バリアが強いからは関係ない。相手に叩き込む
 戦闘ならそんなものだ」

 クロノの言葉にそれだけ漏らし恭也は一息吐く
 喰い終わったナインテイルが消えて、恭也たちに多少の魔力が戻るが

「すみませんが、恭也様を休ませたいので」

 そういって、それぞれが地上へと飛ぶ
 その方が良いだろうと、そのうち転送してもらえると思って
 ただ、その飛んでる間にはやてが倒れ、そして恭也も倒れた
 魔力が切れて、宙に浮くことすらなく落ちそうになるはやてを支え
 恭也は恭也で完全に意識が落ちたのだ……ナインテイルを使うと急激の魔力が抜けるのと入ってくる
 その二つに耐えることをしなければならず、いまだ1・2度しか使ってない恭也には慣れない事であったためだ







 つづく








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