とらいあんぐるハート×マリア様がみているSS
設定……
恭也が交通事故に会った時の話の前
ただ、士郎が亡くなり、恭也自身が自分を追い込んでる時の話です
だから……なのは、レン、晶が出ません
名前程度ならフィアッセなどでると思われます
多分恭也10歳頃の話です……
後、小笠原親子とは面識があります
以上!!!(他書くとボロが出るので却下!!!)
『Lost Memories』(その1or前編かな?)
何時ものように車で送り迎えをしてもらっている
最近になって、周りの視線なども何となくで分かってきた
それでも、嫌だなと思うし、周りと違うというのは辛い
でも、私はそれでも小笠原なのだ……なら、前を向いて確りと見据えていけばいい
小さな男の子に一度言われてしまったから……
特別だと思うのは良いけど、誰かが友達にもなってくれる
絶対そういう人が現れるからと……
「はぁ〜、あの子は今ごろお父さんと仲良く旅してるのかしら?」
ふと呟いた言葉……ただ、目の端に何かが入った
男の子?
まさか!!!
「止まって」
「は、はい」
車と止めて、私はすぐに走り出す
そこには……小太刀を抱えたぼろぼろの男の子が居た
「恭也くん」
私はそっと男の子を抱き上げて小太刀を持つ
少し重く、この子が持つにしては無骨で大きなつくりの小太刀
名前はこの子から聞いた……
私の声にピクリとも反応が無いのが怖い
でも、大丈夫、心臓も息もしている……まだ生きてる
ただ、弱ってるのは確かだけど
「この子を連れて帰るわ
急いで」
「はっ」
私は運転手にそう言って恭也くんの頭を膝に乗せて寝かせる
車の中が汚くなるけど、そのあたりは仕方ない
掃除の方に謝るしかないだろう
それを言えば制服も汚れてしまったことになるが……
それを言ってしまえば、何もいえなくなってしまう
「大丈夫……大丈夫」
最近になって出来た妹にも見せたことが無いだろう焦りの顔
というよりも、この子だけは別格なのだ
男の人としても見ているが、この子だけは……私の先生みたいな子だから
私より先にそのことに気づき、私の事を少しだけ変えてくれた子
でも、子というよりは人……だから、男の人
唯一、心を許してるであろう両親とお爺様以外の人である
「お嬢様、つきました」
「ええ、分かってるわ」
屋敷が見えてきて、そのまま中に車を通すとメイドたちが出迎えてくれた
私は男の子を抱えてるのを見て、驚いた表情をしている
「すぐに着替えます……それと、この男の子も着替えさせますので衣類を
それから、湯と柔らかな食べ物……他に必要そうなものがあればお願い」
「はい」
「分かりました」
メイド2人が走っていく
1人は美姫……ちょっと凶暴だけど、危ない事やダメなことをしなければ
危険でも凶暴でもない、普通のメイドさん
そして、もう1人はシオン……海外の人かと言えば、海外経験豊富だけど
やっぱり日本人で海外の人の名前でもいけるようにというご両親の配慮らしい
「車の中の掃除もお願いします……」
私は恭也くんを抱き上げて、そのまま自分の部屋へと戻る
私自身は着替えると……すぐに恭也くんの服をぬがせる
そこからは傷が見えた……刀傷の跡
これがこの子が毎回頑張ってきた成果
積み上げてきたもの……他人からつけられた傷というよりも、鍛錬でつけたものが多い
そう聞いてる……冷静に考えたら脱がせただけじゃダメだ
急いで着替えたけど、此方の着替えが届いてない
「お嬢様、お待たせしました」
「ええ、待ってたわ……救急箱まで、ありがとう」
「いえ、お手伝いします」
「お願い」
私はシオンと美姫の手から借りて、新しい傷を消毒薬で拭いて行く
全く傷の行ってない部分もあるのだが、そこはそれである……
そして、傷薬を塗って、服を着せる
といっても、大きな服しかなかったらしく、それを着せる
私のお下がりで悪いのだが……ズボンはすそ上げ最中らしく、少し待ってて欲しいとのこと
「これで、大丈夫よね」
「ええ……だと思います」
「すみません、これ」
ズボンをうけとり、さっとはかせる
すると、恭也くんがうめく
「うっ、うっ」
「恭也くん?」
大丈夫かと声をかけようとしたら彼の目がぱっちりと開いた
そして、私を見る……
「祥子お姉ちゃん」
「ええ……お久しぶり」
「うん……でも、何で僕が此処に?」
「道の端で倒れてるのを見て、此処に運んだの」
「家に帰らないと……」
「お家? どこ?」
「えっと……あれ? 家……家……」
恭也くんの焦ってる顔
初めて見たけど、本当に焦ってるのが分かると
すっと抱き寄せる
「落ち着いて……大丈夫
お父様とお爺様に聞いてみるから」
「う、うん……でも、家……」
「大丈夫……しばらくは此処に居て良いから」
「うん」
私は小さく笑顔でそういってシオンと美姫に目を配る
理解してるのだろう、すぐにうなずいて出て行く
お爺様たちには彼女たちの口から通るだろう
すぐに見つかると思うが……もしも、厄介なことになってたら
それこそ問題だろう……
「じゃあ、恭也くん、体がかなり汚れてるからお風呂に入りましょう」
「……分かりました」
この子は礼儀正しい子だ……
そして、私は彼をちゃんとお風呂場まで連れて行く
恭也くんが入ってる間に、私は消毒薬と傷薬、それからバスタオルと下着を準備する
小さなものが中々無いのだが、メイドたちが準備してくれてるのは少しありがたかった
「祥子、恭也くんが着てるって本当?」
「ええ」
「でも、大丈夫なの?」
「1人になることも必要かなと思いまして」
「そうね」
お母様が声をかけてくれた……ちょっと一安心みたいな感じだ
私はお母様と話を区切ると恭也くんの様子が気になりお風呂場へと行く
中から泣き声が聞こえて、私は中に入った
「恭也くん、どうしたの?」
「分からないんです……お母さんの顔が……家の内装が」
「恭也くん」
「名前はわかるのに、苗字が思い浮かばないんです」
激白と言って良いだろう……恭也くんは暴れ回るわけでもなく
ただ、言葉を発しては涙をぽろぽろとこぼしている
その様はこの子の背中にどれだけのものが背負わされていたのだろうと思えるほどで
あの時、私を守ってくれた背中は今も健在で
責任を持って、確りと守ってくれる……小さくとも精一杯に頑張り
今も頑張ってきたものが、崩れたと言っても良いだろう
それは……忘れたこと
分からないと言った事……守るべき何かを忘れた男の子
その焦りが分からない……でも、彼の中では忘れてはいけない事だったのだろう
急激な運動による極度の疲労
家に来ている専門医に見てもらったら、そう答えた
それは……当たってると思う
私は濡れるのも構わず、恭也くんを抱きしめる
「焦らないで……思い出せなくとも、今から思い出すかもしれない
思い出せなくても、今から覚えていけばいいの
だから、大丈夫、大丈夫だから」
私は必死に彼を抱き、そして、彼の涙を体で受け止めていた
どこまで悲しく、辛い涙を……
服が濡れてることなど気にすることなく、ただ濡れていった
恭也くんはしばらくすると、疲れていたのか、寝息を立てて寝ていた
私に全てを預けるように……このあたりは可愛いと思う
「頭を打った形跡は無いってお医者様は言っていたのだから、
精神的なものなのでしょうね」
呟いて、私はすぐに恭也くんを拭いて服を着せ、私も体を拭いてベットに寝かせる
私のベットで悪いけど、使い心地は悪くないはずだ
私としては大切なベットである……
「どれだけ辛いことがあったのかしら」
私はそう呟くしかなく、メイドたちが来るまで宿題を終わらせた
ノックが聞こえて、それぞれが入ってきた
お父様とお母様である
「確かに恭也くんだね」
「ええ、そうなのよ……でも、困ったわね」
「全く、士郎の奴め……」
「お父様、お母様、どうかなさったのですか?」
「実は不破という家事態がなくなっててね……
それが1、2年前なんだけど、恭也くんの家というのが分からないんだ
しかも、恭也というのは分かるのだけど、それだけだとさっぱりでな」
「そうなのですか」
お父様とお母様はお互いうなずいてしばらくは此処に泊めるといってきた
私はうなずくことにして、しばらくの間なら問題無いだろうといった
「しかし、これはこれで可愛いな」
「この子、うちの子にできないかしら?」
「ん〜、難しくはないのだけど、士郎と連絡を取ろうにも士郎が今なにしてるかさっぱりだ
一応、一つ知ってる所に連絡は入れたんだけどね」
そういって、お父様とお母様は出て行った
色々な知り合いが居て、恭也くんは大丈夫だと思う
知り合いが多いのは私も同じだが、どうしても違う部分が目立つ
私を小笠原の娘としか見てない者がほとんどなのだから
「恭也くんがしばらく家に居るのは賛成だけど……昼間とか如何しようかしら?」
「それなんだよね……メイドたちに任せるのもいいのだけど
恭也くんはどちらかというと、手伝ってしまう性質だったしなぁ」
「お父様、リリアンに連れて行くというのは如何でしょうか?」
「いいのかい? 大変だと思うけど」
「恭也くん自身のしたいがままでもいいのですけど」
「ま、一応のめぼしとしては、リリアンに連れて行くのが妥当かもしれないね」
「はい……」
「これで、しばらく護衛が要らないだろうし」
「そうですね……って、この子にさせるつもりですか?」
「冗談だよ……流石に俺が困る
学園側には連絡しておいて、計算などのドリルは此方で準備しよう」
「分かりました」
お父様の頭の回転には参ってしまう
私では追いつけないものを持っていると思ってしまう
恭也くん曰く「努力したら身に付くと思うよ」だそうだが……
頑張れば身に付くというものでもないと思ったりする
そこにはそれなりの修羅場なり経験なりが混じってるのだから
「ま、こういうのは家族ぐるみで仲が良かったからね
士郎には世話になったし、もしかしたら、久々に呼べる口実になるかもしれないからね」
とりあえずの話を終えると、恭也くんが目を覚ました
「……おじさん、それに、おばさん」
「うっ、やはりおじさんなのかな?」
「いえ、融さんでもいいんですけど」
「私もおばさん?」
「清子さんの方が?」
「うふっ、ありがとう」
お母様に撫でられる恭也くんはこそばゆそうだ
ちょっと子供っぽさがあるけど、それでも礼儀正しいのは変わらないし
確りとしてる部分は持ち合わせてると言っても過言では無い
「祥子お姉ちゃん……どうかしたの?」
「ううん、何でも無いわ……恭也くん、ご飯食べましょう」
私はそう言ってテーブルのあるリビングまで連れて行く
お父様とお母様はどういうか何となく分かってるけど、それでも気にしない
後ろからは本当の息子にしたいというような言葉がもれてたが
私は反対だ……恭也くんの事情もあるのだから
恭也くんは反対するだろう思う
夕飯を開始して、恭也くんが気づいたようだ
「あの、僕、一緒に食べてていいの?」
「いいよ」
「いいですよ」
「いいのよ」
お父様、お母様、私と一緒になって応える
恭也くんはお客様扱いという事になっている
メイドたちも粗相がないほうがいいという事なのだ
たま〜にミスするのがシオンだったりするのだけど……
よく美姫に折檻されてるわ……軽いものばかりに見受けられるけど
「恭也くん、とりあえず、君の家なのだけど、調べたけど
まだ結果が出てこないんだ……で、出てくるまでの間はしばらく
祥子と一緒に居て欲しいんだ」
「祥子お姉ちゃんと? 学校は?」
「その辺はちゃんと言ってあるから、一緒に行ってくれて良いよ」
「分かりました……あの、じゃあ、僕、小太刀持ってませんでした?」
「これだね」
お父様は小太刀を取り出す
それは、恭也くんが持っていた小太刀
そして、黒塗りの刃は鞘に収められていた……
私が見たときは剥き出しだったのに……多分、片付けの容量でだろうと思うけど
「ありがとうございます」
「二つ一組の小太刀だからね……はい、気をつけてね」
「はいです……あと、その、飛針と鋼糸は?」
「ああ、そのあたりは士郎と同じものでもいいんだね」
「はい」
「じゃあ、今度上げるから」
「お父様!!」
「祥子……この子はそうやって毎日を積み重ねてるんだ
今はそれを手伝うのも必要だと思う」
「分かりました」
「で、恭也くん」
恭也くんはきょとんとした感じでお父様を見ている
お父様は恭也くんの頭を撫でると
「しばらくは鍛錬禁止だからね……士郎ならこういうと思う
このバカ息子、もっと自分の体を気遣いやがれってね」
「……分かりました」
お父様は凄いと思う
実直でまじめな恭也くんを確りと手の平の上に居させるのだから
「祥子、恭也くんの事は任せるから
連絡はすでにしてあるから」
「はい」
「それと、恭也くん、これを」
お父様は恭也くんに携帯を持たせる
「これは?」
「携帯電話……祥子との連絡用にね……
何かあれば、僕やお父さんとつながるようにはなってるから」
「分かりました」
「じゃあ、これで話は終わり……ご飯の続きにしようじゃないか」
そして、恭也くんは家の一員のようになって暮らしはじめる
まだまだ、色々な発達途上の恭也くんに何が起きたのか私は知らなかった
あれほどまでに辛い、厳しい過去があるなどということは……
つづくかもしれないし、続かないかもしれない
あとがき
ふぅ〜
ゆうひ「うちは?」
つかれた〜(遠い目
スラりん「おれっちは?」
腕が痛いし……ぷは〜
ゆうひ「で、何かいう事は?」
メイドタイプの服がシオンしかなくってね
スラりん「何で、美姫さんは出てるんだ?」
いや、たまには出番あるほうがいいかなぁって
ゆうひ「で、うちとスラりんの出番は?」
ごめんなさい……考えてたらスラりんってファンタジーでしか出番ないし
スラりん「ま、見た目黒豹だもんな」
で、ゆうひはとらハに居るから……
ゆうひ「しくしくしく」
スラりん「なんと言うか泣きたくなるな」
ま、許してくれ……自分が言うのもなんだけど、頑張った結果なんだ
ゆうひ「で、これ続いたら、どうなるの?」
次回は恭也がリリアンに行くだけどね〜、書くの面倒かなぁって
スラりん「確かに面倒そうだな」
うん、面倒なんだよ……
ゆうひ「うちらの出番ないしね」
えっと、ちょっと……
スラりん「やっぱり、お仕置きは必要だよな」
ゆうひ「み〜ちゃんを勝手に出演させたこととか」
さ、さてと、そろそろ帰るわ……また(手を上げて帰ろうとするが)
スラりん「まてや、こら!」(爪が遊び人の背中に食い込む)
ぎゃ〜〜〜〜〜〜!!!! 痛い痛い!! 爪が入ってる、肉に肉に〜〜〜〜
ゆうひ「バイバイ、遊び人」
って、ゆうひ、その目は怖いって……鬼の血、エルクゥの血が〜〜〜!!
(残虐シーンによりカット)
スラりん「いい汗かいた〜」
ゆうひ「本当だね……じゃあ、また〜」
(そこには肉片と化した遊び人が居ったそうな)
み、美姫がメイド?
ああ、あいつの事だから、ご主人様を顎で使ってそうだよ〜。
ああ、どうか何事もなく自分の役割を全うしてくれる事を…。
遊び人さん、面白い作品をありがとう!
では、また次回で!