とらいあんぐるハート×マリア様がみているSS









設定……
恭也が交通事故に会った時の話の前
ただ、士郎が亡くなり、恭也自身が自分を追い込んでる時の話です
だから……なのは、レン、晶が出ません
名前程度ならフィアッセなどでると思われます
多分恭也10歳頃の話です……
後、小笠原親子とは面識があります
以上!!!(他書くとボロが出るので却下!!!)








『Lost Memories』(その3or後編かな?)










 昼ご飯も食べ終えて、それぞれがちょっとしたティータイムを楽しむ
 恭也くんは白薔薇さまや黄薔薇さまのおもちゃになっているようだ

「うわ〜ぷにぷに〜」
「ほら、クッキーだよ」

 口に放り込まれるものをほおばりながら、恭也くんは始終私を見ている
 多分、助けてという事なのだろうが、私も助けて欲しいところである

「じゃあ、今朝から噂になっている、小笠原祥子子供生んだってのがあったけど」
「それはありえません!! 相手が居ないのにどうするんですか?」
「いや、柏木さんとか……?」
「おぞましいことを言わないで下さい」
「そうね」

 真剣な表情してお姉さまはそういう
 隣に居る、祐巳は恭也くんをじ〜と見ている
 自分も混ざりたいが、薔薇様各位に弄ばれてるのでやめてるのだろう
 はっきりといえば良いものを……

「蓉子お姉さま、1ついいですか?」
「何?」
「ロサって何ですか? 祥子お姉ちゃんにも聞いてみたかったのだけど」

 私達にとっては日常的に使われているもの
 でも、恭也くんにとっては初めてなことで新鮮なのかもしれない
 そっか……

「ろさ・ふぇていだ様とかって何かなぁって」
「ロサっていうのは薔薇のことなの……後ろについてる、キネンシス、フェテイダ、ギガンティアで
 その薔薇の色を表すの……ロサ・キネンシスで紅薔薇
 ロサ・フェテイダで黄薔薇、ロサ・ギガンティアで白薔薇を意味するのよ」
「そうなんですか……何かの呼称ですか?」

 少し考えてしまう……流石に最初からの説明が必要だという事だろう

「私達が薔薇の名前で呼ばれるのは生徒会のようなものを運営してるからよ
 学園祭や運動会の運営や他の部活との兼ね合い、そのほかもろもろを此処で先生たちと会話したりするため
 その活動をしているの……といっても、私達が出来る範囲でね」
「う〜ん」

 恭也くんは混乱中……ちょっと可愛いわ
 というより、志摩子、そのしまりの無い顔ははじめて見るわ
 白薔薇さまが嬉しそうな笑顔を向けて、志摩子に話し掛けてるし
 令や由乃も江利子のおもちゃと化してる……可愛そうに

「祐巳、何しようとしてるのかしら?」
「い、いえ……私、お茶でも入れてきます」

 祐巳も焦ってるのね……みんなの紅茶、まだ残ってるのに

「じゃあ、その生徒会の役員が全員、その薔薇の呼称を受けるのですか?」
「ええ……といっても、生徒会長みたいな役職のものだけね」
「じゃあ、佐藤さんと鳥居さんと水野さんが生徒会長?」
「そうね……そうなるわ……」

 恭也くんは何かと理解していく……名前の方も色々だ
 少し幼く感じていたのも大分取れて生きている
 大人の周りで生きれば、周りが子供っぽく扱おうとしても、大人への成長を早める
 私もそういう部分があったとは思う……

「そういえば、恭也さんはこれからどうするのですか?」
「……祥子お姉ちゃんとしばらく一緒に居るけど、何で?」
「えっと、クラスに来ませんか?」

 恭也くんは私をじっと見る
 私の判断に任せるという事だろう……ただ、今は私から引き離すのは危険なような気がする
 そんなことを微塵も思わないのだろうが……
 それが恭也くんの危うさなのかもしれない
 志摩子や祐巳を信じてないわけじゃない
 それでも、今日くらいはやめて置こう
 他のクラスに知り合いが居る程度では辛いものになるだろうから

「今回はやめておいたらどうかしら? 恭也くんは今日着たばかりなのよ
 だから、違うクラスに行っても辛いと思うわ」
「そうですね……まだ慣れてないでしょうし、すみません
 恭也くんもごめんね」
「ううん、まだ慣れてないし、学内の場所とかわからないことだらけだから
 また今度うかがいます」
「はい、そうしてください」

 いい子だと思う……しかし、恭也くんは今不安であるだろう
 いや、それ以上に寂しいのかもしれない
 自分の周りの人を忘れるというのがどういうことか分からない
 それでも、分からないならでわの事もあるだろう……

「そろそろ時間ね……」
「はい」

 そういって何もないのだから集まらなくてもいいのだが集まって昼を食べる
 志摩子も祐巳が着てから此方で食べるようになった
 前は1人で食べていたそうだ……志摩子も祐巳が着て変わったんじゃないかしら
 私も変わったかもしれない……以前より丸くなった気がする

「恭也くん、放課後、此処に来る? 案内するけど」
「祥子お姉ちゃんについてたらいいって言われたので……」
「そう……じゃあ、決まりね
 祥子、来なさいね」
「お姉さま、分かってますよ」

 もう、稽古をしてないので、時間がありあまってる
 といっても、此処で暇を潰したり本を読んだりもしているし、仕事もしている
 何かあったときの先生との橋渡し役が私達の仕事でもある……
 山百合会には生徒全員が所属していることになるが、筆頭は三薔薇さまがたである
 私も最初は戸惑いを覚えたものだ……

「恭也くん、ちょっとごめんね」

 由乃や祐巳が揃って恭也くんの頭を撫でる
 令が私に目配せすると、妹の無礼を謝ってるようだ
 気にしないでという意味合いを込めて視線を送る
 令もそれにほっとしているようだ……令は見た目に反して女の子だから
 良いと思う……

「うちのマスコットにならないかしら」
「お姉さま、それは祐巳さんではないのですか?」
「う〜ん、祐巳ちゃんはふにふにふわふわの人形って感じがするのよね〜」

 と、妹に抱きつく白薔薇さま

「白薔薇さま!!」
「う〜ん、嫁が恐いわ」

 さらにぎゅっと抱きつく
 祐巳も断ればいいのに、何も言わず慌てふためくだけ
 それだと更にいいおもちゃにされるだろう……

「恭也くん、そろそろ行こうか?」
「あ、はい」

 ぽてぽてと付いてくる恭也くんにとっては、歩く速度を考えて移動しないと大変なのだ
 移動教室の授業が無くて助かったが、流石に昼休み時につぼみとあろうものが
 遅れるなんて事はお姉さまに迷惑がかかるだろう……それだけは避けておきたい
 教室に戻ると、クラスの皆さんが待っていた

「恭也くんはどこで食べてたの?」
「祥子お姉ちゃんの一緒に食べてました」

 そういって皆さんが驚いた顔をする
 それは、どういうことか分かってる私には、何も言わない……
 そして午後の授業が始まる
 他の先生方は恭也くんを好意的に受け取る
 可愛いマスコットがクラスに溶け込んでるようだ
 そして、授業も滞りなく終わり、放課後に薔薇さまたちと待ち合わせて
 そのまま、学園内の案内をし始めた……

「此処に特別クラス、こっちには……」

 色々と案内していく中、部活動の中身も拝見する
 こうやって見ると、部活もそこそこの多さを誇っているようだ
 毎回、あのスケジュールのようになっているからと分かる薔薇様方は凄いと思う
 何気にお姉さまが恭也くんの手を引いてるあたり、軽い嫉妬を覚えるが
 祐巳の手を引っ張っているのでお相子という事にしておこう
 令は部活で由乃はそれを見に言ってるし、白薔薇さま、黄薔薇さまは
 楽しげにお姉さまと恭也くんを見ている……
 志摩子は今日は用事があるという事で先に帰っている

「僕、これ、食べる」
「ありがとうございます」

 行く所行くところでお菓子などをもらえる
 というより、職員室の中に入ったときは凄かった
 先生方がほぼ孫にあたる恭也くんを見て、目をきらきら輝かせてるのだ
 孫というよりも曾孫に当たる人も居るだろう……
 こうやって子供が居るのも少しは鬱憤を晴らすのにいいのかもしれない
 しかし、受け取ってる恭也くんのポケットは一杯だ
 私も少し受け取ったりして、バックに放り込んでいく
 恭也くん、人気者ね

「お姉さま、恭也くん大丈夫でしょうか?」
「そうね……心配してても分かる事は分かるわ」
「はい」

 そういって、私は準備をしていく……
お姉さまはそういって恭也くんを見る
 その目には優しさがある……私を見てるような、それで居て友達を見ているような
 そんな優しい目
 軽い嫉妬覚える
 お姉さまのそんな目をさせる恭也くんに
 でも、私もこういう目をしてると思う……心配で、楽しげで、嬉しいような寂しいような目
 それでいて優しい目を

「祥子お姉ちゃん、これを貰ったけど、どうしよう?」

 貰ったのは、合唱部の飲み物だった
 飲んだらといえたらいいのだが、彼女たちは知らないだろうけど
 前のところで貰っているのだ
 これまた困ったものだ

「そうね……持って移動できる?」
「うん」

 コップを持っていっていいか聞いてきたらいいって言うと、恭也くんはこぼさないように歩いていく

「本当に弟みたいね」
「お姉さま……」
「祐巳ちゃん、こっちおいで」
「え、あ、はい」

 祐巳は相変わらず、百面相だ
 なんていうか、こういうのが面白い
 白薔薇さまの気持ちが良く分かる

「何ですか?」
「祥子は私の左、祐巳ちゃんは祥子の左に行って」
「はぁ」

 そういって立って、手をもつと

「ほら、つぼみを挟む、妹と姉……で、前からは恭也くんという弟」

 頭を抑えたくなった
 お姉さまも壊れてる?
 というよりも、お姉さまも可愛いものが十二分に好きなようで

「紅薔薇姉妹と紅薔薇のつぼみの弟って所かしら」
「お姉さま、何でそうなるのかしら?」
「恭也くん、どうだった?」
「持っていっていいって」

 紙コップだったみたいね……あまり持ったこと無いから忘れてたわ
 そういえば、そういうのあるわね……

「こぼさないように気をつけてねって」
「そっか、じゃあ、こぼさないようにね」
「はい」

 お姉さまにそう答えて、ゆっくりと歩き出す

「お姉さま、可愛いですね」
「恭也くんは可愛いというよりは、かっこいいわよ」
「え?」
「そのうち分かるわ……たぶんね」

 この子がどんなことをして生きてきたか、それを示すのはこの子自身だ
 私が言っても理解が出来ないとおもうし、それは恭也くん自身がいう事である
 誰だって自分のことを他人が勝手に話されるを嫌うだろう

「ま、祥子が信頼を置いてる子なら、私達は大歓迎するわ
 特に可愛らしい子だったらね……聖や江利子も楽しそうだし」

 由乃と令は部活だ……といっても、令が部活で
 由乃は令が浮気しないように見に行くという事なのだが……
 相変わらず仲がいい

「恭也くん、どうかしたの?」

 前で立ち止まった恭也くんを見る
 私からは先に道場が見える……
 恭也くんにもそう見えてるかもしれない

「……ううん、なんでもない……ただ、道場があるんだなぁって」
「そうよ……一応、女学園でも剣道とか柔道とかあるから」
「そうなんだ……偏った知識しかなくて」
「そう」

 そういいながら歩くが、恭也くんの目にあった辛いという感情は読んでいた
 多分恭也くん自身、辛いんだ……何がどういう事でも
 剣道を見て思い出したのは、自分が剣の道を歩んでるから

「お姉さま、祐巳、少し離してもらえませんか?」
「ええ、いいわよ」
「はい」

 祐巳には悪いけど、今回は恭也くんの事が気がかりだ
 それに、前を歩いてるので、表情は誰も分からない
 黄薔薇さまと白薔薇さまは私の様子を楽しんでいる
 恭也くんを抱き飽きたのかもしれないが……どうだろうという事だ

「恭也くん」
「あ、祥子お姉ちゃん」
「手、繋ごうか?」
「う、うん」

 恭也くんの手を握ると、多分子供の手を想像したのと違う
 ふにふにと柔らかいとかと全く違う
 使われた硬い皮に覆われてるような手なのだ
 小太刀を振るっている間になったという事だが

「あの、いやじゃないですか?」
「いいの……私は嫌と思わないから」
「じゃあ、良いです」

 恭也くんがにこ〜と笑う
 人から除外されるのを恐がるが、自分から近づいて傷つけるのも恐がる
 以前の恭也くんはそれだった……自分の苗字、不破が回りを傷つけると
 では、今はどうなのだろうか?
 不思議でたまらないことだけど……士郎さん、あなたは一体どこで何をしてるのですか?

「これくらいね」

 色々と歩いて、そして案内も終えると丁度いいところに携帯がなる
 私のだ……
 ポケットから取り出して、通話する

「はい、もしもし」
『祥子、そこに恭也くんは居るかい!?』
「お父様、はい、居ます」

 私の声を聞いて、全員が立ち止まる
 そして、恭也くんは私をじっと見上げる
 掴んでいた手はそのままだ
 私が離さなかった

『辛いことを言うようだから、恭也くんには聞こえないようにしててほしいんだが』
「分かりました、少し待っていてください」

 私は一度恭也くんに向き直る形になる
 手を離し、恭也くんを目の前にして、お姉さまに聞こえるように頼む

「恭也くん、お姉さまのところに行っててくれないかな?
 ちょっと連絡が入ってね」
「う、うん」

 恭也くんは少しどもるが頷く
 そして、とてとてと歩いていく
 私はお姉さまに頼むという風に頭を下げて電話を出る

「で、お父様、どういう事ですか?」

 なるべく小声で聞く
 恭也くんの五感は正直人の域を越えてるかどうか疑わしいところだ
 お姉さまが声をかけてくれているので、消してくれてると助かるのだが

『そのな、凄く言いにくいのだが、士郎は、恭也くんのお父さんはすでに亡くなっているんだ』
「……それで、どうなさるつもりですか?」

 私は極力冷静になろうと唇を噛む
 ただ、携帯を持ってない左手のバックの持つところはゆがんでいる

『恭也くんを探してる人を小笠原の力を使って調べてるが、まだ結果は出ない
 ただ……海外の方で士郎が亡くなったそうだから、そっちの方に聞いてみる
 帰ってきたときには確りと話せると思うが、早めに帰ってきてくれないか?
 一応、車は校門の方に回しておいたから』
「分かりました……恭也くんにこの事は?」
『……僕か、祥子が言うべきだと思う
 ただ、出来るならだが、祥子、お前が言うべきだ』
「そうですね……連れて来たのは私ですから」
『祥子……辛いなら』
「辛いですよ……知り合いが亡くなってるのですから
 お父様のご親友が亡くなってるのですから」
『すまない……僕も今日、連絡を受けて知ったんだ』
「では、後で……」
『頼むよ』

 私はお父様との話を終えると、恭也くんの居るところに向かう
 如何言ったらいいのか、考えてしまう
 いや、でも、私には言いようが無い

「父さんに何かあったんですか?」

 恭也くんは私に確りとはっきりと言ってきた
 目を見て、まっすぐに見つめられる私には逃れる術なく、私はあるがままに話す為
 お姉さまたちには悪いが、かえる事にした
 車は確かに校門のところで待っていた……お父様たちの気配りに平伏する
 でも……車の中で話したほうがよさそうだ
 私と恭也くんはそのまま車に乗り込んだ
 お姉さまたちは私を見送るだけ見送って、戻っていく
 多分かばんを取りにだろう……私と恭也くんはかばんを持ちながら回っていたので
 丁度いいだろうが、志摩子や祐巳、お姉さま方にはご足労ありがとうございますとお礼をしておいた

「恭也くん、よく聞いてね」
「はい」

 車の中で車の駆動音だけが響く
 運転手は話さないだろう……前と後ろとでは仕切りがあるから
 そして、私は言うべきことを言うために……
 意を決して話し始めた










 つづく









 あとがき
 はい、というわけでして、まだ続くみたいです
 シオン「というより、どうなるこの先」
 ま、祥子さんが恭也のこれからについて語るんですね
 ゆうひ「他には?」
 もう一度美姫の出番が出来そうだけど
 シオン「え? 私は?」
 ああ、君もね
 ゆうひ「うちは?」
 君は無理
 スラりん「おれっちは?」
 八雲「自分は?」
 お前ら二匹もゆうひも出せないって
 シオン「あっ」
 ゆうひ&スラりん&八雲「きしゃーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
 がふっ……(生々しい音が響き渡る)
 シオン「肉に刺身包丁が刺さるを考えたら楽かと……でわ、また〜」



遊び人さん、投稿ありがと〜。
美姫 「あまりのもたくさんの投稿故に、一回でアップしきれないこの馬鹿を許してあげてください」
うぅ〜。頑張って、残る20本もアップします。
美姫 「ほら、キリキリと動きなさい」
はいぃぃぃ。こ、今回ばかりは文句が言えないよ〜。
美姫 「ほらほらほら!」
いててて!
何故、馬車馬の如く働くと言うのか不思議に思いつつ、次回を待て!



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