『朧月の眠り』





 事に置いて、私は留学生として大学に潜入ということになった
 士郎くんは……桃子さんに良いように扱われてる
 お金はいくらか入れる事が出来るけど、やっぱりそれだけだと凄く悪いという本能があるのだ
 動いてないと落ち着かないし……って、事で、高町家に来てはや1週間
 何故かティオレさんが帰ってないけど

「で、お前のその服は何だ?」
「ゴシックロリータファッション……かな?」

 白のひらひらと黒のロングスカート……うん、あってるな

「で、何でそんな姿で大学構内へと入ろうとしている?」
「だって、恭也が案内係でしょ……ティオレさんが恭也に着いていけば良いからって言ってたし」
「ああ、俺も案内しろとは頼まれたが、何故、そんな恰好かの答えになってないぞ」
「そりゃあ……恭也をからかうために決ってるじゃない」
「……どうして、そう無駄な所に力を加えるんだ?」

 どうしてって……そんな言えないわ……
 頬を少し赤くして、薄く瞼を閉じる……ふるふると震えるのがポイントだ

「演技はよせ」
「周りはどう見えるかしら?」

 恭也ははっとして周りを見る

「あれ、高町くんじゃない?」
「うそ〜、高町くんって幼女趣味だったの」

 ああ、言葉の刃が私にまで刺さってる〜〜〜〜〜

「でも、あれ、泣いてるんじゃないの?」
「高町くんって平気で女性泣かす人だっけ?」
「そうは見えないけど、でも、高町くんの彼女かなぁ」
「いや〜〜〜〜、そんな高町くんに彼女なんて」
「そ、そうよね……あんな小さな子だと、高町くんにはロリコンのレッテルが」
「でも、この前、小学生くらいの子と歩いてたわよ、仲良さそうに」
「じゃあ、今回もその系列で?」
「かも」

 小学生……そうよね、どうせ小学生だよね
 背の高さも足りないし……良いよ良いよ……どうせちっさな私にはそれがお似合いなんだから
 恭也の手をとって、軽く引く

「なんだ? 極悪女」
「連れて行きなさい……私はこの場所はある程度は把握してても、出来ないんだから、ロリコン男」

 お互い目では、怒りを溜めていた
 流石に、これ以上此処に居てはお互いの心へのダメージが大きい

「うわ〜、なんか、女の子の方が寂しそうよ」
「多分、どっかホテルからの帰りとか?」

 どんな想像力をしているか解剖してみたいものだ
 いやいや、解剖しても、それはそれで出ない気がするけど……なんで、そこでホテルの帰りって

「此処で、『パパ〜、寂しいよ〜』とか言うとどうなるのかしら?」
「お前は、俺を傷付けて楽しいのか?」
「凄く」

 キッパリ答えると、恭也は少しだけ落ち込んでいた
 まったく、そんな表情しないの

「冗談よ、そこまで落ち込まないの」

 背伸びをして、恭也の頭に手を乗せて撫でる
 あまりしたくは無いけど、腕がぴんっと伸びきっている

「何をする!?」
「だって、落ち込んでるから、頭撫でたら少しはマシになるかなぁって」

 髪の毛は相変わらず下ろしてるので、そのまま軽く後ろに飛ぶ
 ふわりと舞い上がる髪の毛に風が当たる

「全く……とりあえず事務に用事があるなら、こっちだ」
「ありがと」

 笑顔で答えて、私は恭也に引っ張られるように歩く
 恭也から手を取ってきたのだ……普段ならしない事だろうに、こうやって優しいから
 虜にしていく女性が増えるんだよ……鈍感
 ま、人の事言えないのも事実だけど
 私も確りと考えないといけないな……色々と

「此処だ……待っててやろうか」
「ううん、講義あるなら、出ないと駄目だよ
 寝てるだけだろうけど」
「一言余計だ……大まかには事実だが」

 ノックをして、中に入る

「失礼します……今日から通うことになっている、滝川蛍ですけど」
「貴女が蛍さんね」

 そう言ってこちらに向いてきたのは一人の女性
 助手さんとか言われる人だな……大学の学科1クラスにつき1人ついてるような所だろう
 恭也は歩いて行ったのが気配でわかる

「それで、大学の要項など他にも書類を取りに来たのですけど」
「そうね……これが、要項
 こっちが仮学生証、本来ならこういうカードなんだけどね」

 そう言って、見せられるカード

「図書館の利用が出来ないけど、いいかしら?」
「はい、その辺は気になさらなくても……確りと出来るまで何ヶ月かかかりますか?」
「いいえ、これに名前と学生番号を書いてもらって、住所なども書いてもらえれば」
「講義聴きながらでも出来そうですね」
「ええ、でも、あなたは一応ほとんど日本の大学の講義を聴くって名目で着てるのよね」
「はい、ちょっと興味があって、教授にお願いしたら、海鳴だとお前にも良いだろうと言われました」
「そう」

 資料や記入するための紙を貰い、そのまま、バックに詰め込む
 100円均一の結構なんでも入りそうなバック
 いやはや、100円商品も捨てがたいね……侮れないというか、何と言うか

「では、講義に行って来ますね」
「教授にも言わないといけないから、私も行くわ」
「いいのですか? お仕事中では」
「あなたを連れて行くのも、仕事よ」

 そう言って、鍵を閉めて、出る……ま、盗まれたら困るデータなどもあるからだろう
 私だと、数秒とかからず開けられるけど、今はしないで置こう

「忘れてたは、私は柊真琴……既婚者で夫は此処の教授してるわ」
「あ、えっと、柊真琴さんですね……分かりました」
「うん、宜しくね……」
「はい、此方こそご迷惑をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いします」
「本当に日本語上手なのね」
「教授が、主要八ヶ国語くらい話せない奴は、駄目だとか言ってたので」
「それで覚えたの?」
「まぁ、そうなりますね」
「凄いわね」
「それに、私、各地の昔の話とかも好きで、どうしても他国の言葉を話せないと大変なんです」
「なるほどね〜、英語圏ならではのお話とかもあるものね」
「はい」

 歩きながら話、ある建物の中に入る

「学部別で大体分かれてて、掲示板はさっき私が居た所
 試験なんかも、そこで見て確認ね……私には質問あるときとかで
 私は助手もしてるし、もしかしたら、お手伝い頼むかもしれないわ」
「当てになるかどうか分かりませんが、微力で良ければ」
「ありがと」
「さ、此処よ……そちらに地図があるから
 その容姿だと誰でも連れて行ってくれそうだけどね」
「そんな事無いですよ……周りからは可愛いって言われて玩具同然でしょうし」
「うふふ」

 笑って誤魔化したな……ま、間違いじゃないって所か

「失礼します」
「失礼します」

 ドアをノックして二人で入る……一応お辞儀とか忘れない
 やはり、此処は他国だし、侵入してるみたいか感覚が抜けない
 恭也発見……爆睡……良いのか、それで
 とりあえず、ちょびっと殺気を送る
 ぴくっと反応して、起きる……

「た、高町が起きた!!」
「しかも、相手を見てる」
「うそ〜〜〜〜、高町くんって、ああいうのが趣味なの〜〜〜〜!!」

 などと勝手な話が飛んでる
 くすくす……

「はいはい、静に……あなたごめんなさいね」
「いや、良いよ……そこの子が新しい子かな?」
「初めまして、柊教授で良いですか?」
「ああ、初めまして」
「滝川蛍と言います……留学生として、大学の講義に興味があって来ました
 教授のおかげとも言いますけど……これから色々と迷惑をかけるかもしれませんが
 よろしくお願いします……
 それと、先ほどから、噂などになってると思いますが
 高町恭也とは、知り合いです……親友ですね……
 教授の伝手で知り合いました……それで、付き合ってるわけじゃないのでご安心を」
「ほっ」

 幾人かが胸に手を置いて、胸を撫で下ろしてる
 は〜、凄い人気で……

「質問良いかな?」
「何ですか?」
「誰か付き合ってる人が居るの?」
「居ませんけど」
「じゃあ、誰か好きな人は?」
「募集中です」
「俺は?」
「私は?」

 今、女性の声が聞えた気がする……ごめん、流石に『お姉さま』とか言う趣味は
 まぁ、俗世を知れば、いろいろと分かることも多々あるわけで
 昔のお話でもどぎついの多々あるわけだし……

「えっと、よろしくお願いします……」
「年齢はいくつか聞いても良いかな? どう見ても18歳には見えないし」

 ……言わないといけないの?
 柊教授はニコニコと笑ってる
 助手の柊さんも同じ……

「年齢は16歳で、大学は飛び級で卒業してます……けど、まだまだ学ぶべきこともあると思い
 教育学や過去のお話などが好きです……」
「へ〜」
「すご〜い」
「頭いい子なんだ〜」

 子……子ですか……いや、そりゃあね、小さいよ
 ヒールを履いて頑張っても150に届くか届かないか
 しかも、足も小さいし……

「えっと簡単にですけど、主要八ヶ国語はマスターしてますし
 普通に日本語対応で大丈夫です……苗字と名前で分かるとおり、両親は日本人なのであしからず」

 名付け親日本人だし……遺伝子も一応日本人だ
 何故か、海外の人っぽく観られるけど

「綺麗な髪の毛してるんだね」
「ありがとうございます……教授、奥様が怒りますよ」
「おっと……そうだね……じゃあ、講義を再開するよ
 滝川さんは何処か空いてる席にでも座ってくれ」
「恭也の隣が空いてるので借ります」
「そうだね……教科書もついでに見せてもらうといい
 何時も寝てるし、使ってないだろうけど」
「そうなんですか……恭也には、言って置きますね」
「助かるよ」

 教授と話して、軽くお辞儀をして、そのまま恭也の所まで歩いていく
 此方を睨み続ける人たち……まぁ、恭也も見られてるし
 私は隣に座らせてもらう
 窓側のお日様が当たる、いい場所で寝るたぁ、本当恭也って勉強苦手なんだね

「恭也、これから宜しくね」
「ああ、宜しくな」

 隣に座らせてもらい、教科書を見せてもらいながら、見ていく
 なるほど……これは、教育学か……
 習ったことあることと習ってないことがあるのが半々って所だな

「さて……」

 教授が何か話しながら、板書していく
 私たちもそれを取るのだけど、私もそれを少しずつメモ取りながら書いていく
 教授が話してる内容こそが最も重要な所だから
 でも、書いてるのは英語でだけど……
 だって、日本語面倒だし……書きにくい

「えっと、見せてもらっていい?」
「あの、読めないかもしれないですけど、良ければ」
「……ごめんなさい、読めません」
「ですよね」

 英語で書かれてるのを読むとなると、それ相応のものが必要になる
 基本的に英語で書くほうが早い私には、こちらの方がノートを取り易い
 ってわけで、こうなっちゃうわけだ

「えっと、こういう字です」
「ありがとう……ちょっと、めがね忘れてね」
「いえ、そう言うときもありますよ」

 まぁ、海外の大学だと、赤ん坊抱いてくる人も居るくらいだし
 託児所なんてのもあるくらいだからね……
 生まれたものは生まれた者として祝福すべきだって考えが強いからね
 幾度かノートのやり取りしてると、そのまま講義が終った

「分かるのか?」
「寝てる人が言うと、悪いわよね」

 恭也の言葉にとりあえず返す

「えっと、ありがとうね……今度は前に座れるように頑張るわ」
「頑張ってね……えっと」
「景よ……」
「景さん」
「うん、宜しくね」
「はい」

 お互い手を合わせる……握手
 この人は……いい人なんだろうな
 普段ならめがねをかけてるだろうし

「高町くんのこと、恭也って呼び捨てなのね」
「以前からそうなんですよ……親友だからというのもありますけどね」
「頼ってるの?」
「恭也にですか?」

 女性二人で、恭也を後ろに引っ付かせて歩く

「ええ」

 この状態だと、女性意外声をかけてこないから
 でも、素直にそう言われても悩む
 頼ってるか……

「頼ってはいるけど、それでも、お互いギブアンドテイクですよ
 それに、日本に来て、まだ日が浅くて、何も知らない同然なんです」
「それじゃあ、高町くんを頼ってきたって訳じゃないんだ」
「ええ、たまたま恭也が知り合いで近くに居たというだけです
 まさか、恭也と会えるとか考えてませんでしたし」
「そうなんだ……高町くん、もてるのに気づかないから」
「前から天然でしたよ……事女性に関しては特に」
「そうなんだ」
「私の先輩というか、同輩というか、後輩というか、全員年上で知ってる人たちも
 恭也の事好きみたいなこと言いながらも、全く相手にされないというか
 その女性として見られてないとかでショック受けてましたし」
「そうなんだ」

 二人して歩きながら、移動移動
 次は休みなんだそうだけど……私は恭也についていくだけだし

「そろそろ時間だが大丈夫なのか?」
「恭也、それは大丈夫なんじゃないかな……案内してたとか言えば通じるよ
 遅刻は遅刻だけど」
「だが」
「それに、恭也は寝てるんだから、問題ないでしょ」
「うふふ、言われてるわね」
「はぁ〜」
「そう言われたくなかったら、ちゃんと講義中くらい起きてたら良いのに
 あんなの、普通に教科書覚えてたら8割はどうにかなるわよ」
「えっと、全部覚えたの?」
「元々読書が趣味で覚えてましたから」
「……そ、そう」

 ま、あんなの授業の合間に聞きながら教科書全部読んだら理解できる
 それこそ、私だってある程度の自覚はあるのだ
 それに、好きだからこそ覚えきれる

「さ、次の講義は休みなんでしょう……だったら、案内お願いね」
「私も付いて行っていい?」
「私も〜」

 って、何で私を抱きしめるのよ

「きゃ〜、可愛い〜」
「お人形さんみたい〜」

 えっと……これって

「ちっちゃ〜い」
「ちょ、これお持ち帰りしたいわ」

 いや、私は一応でも人なんだけど

「あ〜、私も〜」
「きゃ〜、ふにふにだわ〜」
「穢れを知らない子みたい〜」
「16歳という若さね〜」

 年齢の差はそこまでないかと……というか、私がピンチ?
 恭也と景さんは離れた場所で、のんびりしてるし
 会話は無さそうだけど、すでに30人くらいに囲まれてる
 っていうか、全員の身長が高いおかげで、私は埋もれてるとも言える

「荷物持ってて正解だったな」
「何気に、そういうことするから、他の女性にも声をかけられるのよ、恭也は」
「忍か……何か用事か?」
「小さな女の子が大学に来てるって言うから来たのよ……蛍さんの事だとはね
 まぁ理解の範疇内か……助けなくていいの? 今、工学部の面々も加わったわ」
「みたいだな……理工学部と教育学部も加わってるな」
「総勢50名超えたわね」
「切れるかな」
「切れないわよ……多分ね」

 声は聞こえど、姿は見えぬ……ううっ、もみくちゃ

「はぁ〜仕方ない奴だ……助けてやるか」

 ため息しながら言うか?
 大体、助けろっつうの
 ふわりと持ち上がる

「ふえっ?」

 変な声が出てしまった
 と、どうなってるか……脇を両手でもたれて、持ち上げられた
 誰かと思ったら、赤い髪の毛の人……誰だったっけ
 そうそう、確か、恭也の親友の赤星勇吾って人

「初めまして」
「初めまして、助けていただいてありがとうございます」
「うん、まぁ、あの状態だと呼吸苦しそうだったしね」
「どうもです」

 周りから黄色い声と低い声が響いてる
 今講義中だし、もう少し静にしようよ

「滝川蛍です」
「赤星勇吾だ……宜しくね
 高町の親友だから」
「こちらこそ宜しくです」

 抱き上げられたまま、下ろされる
 ふわりと下ろされると思ったら、そのままお姫様抱っこされてしまった
 腕の力見ても強いと分かるけど……剣術か、剣道かしてるな

「高町、助けてやれよ」
「いや、俺はあまり係わり合いになりたくないというか」
「かわいそうだろうが……友達なんだろう」
「お前、知ってたなら」

 ま、此処は演技で乗せてみよう

「恭也に捨てられた……ひっく」

 両手で顔を抑える
 周りに雄叫びが上がる……ノリのいい学園だなぁ

「蛍、何を嘘ついてやがる!! いい加減騙されるな皆も!!
 こいつは凄く悪女なんだぞ!!」
「恭也、酷いよ……」

 そのまま私は、両手で顔を覆い、うつむく
 そのままゆっくりと下ろされたけど、そのまま両膝をペタンと地面につけて泣く
 いや、本気で泣いてるわけじゃないので、嘘泣きだけど

「うわっ、恭也、極悪ね」
「高町、お前」
「いや、だがな」
「高町くん、泣かしてる」
「16歳の乙女を」
「ゆ、許せん!」
「そうだな……我らがアイドルを」

 いや、勝手にアイドルは勘弁してください
 しかも、何時の間にアイドルになったのですか?

「ひっく……恭也のロリ」
「いや、言う事が違うだろう」
「恭也の変態」
「……」
「恭也の鈍感、朴念仁、女心を無下に扱う極悪人」
「ふっ、お前だって、男心を弄ぶ極悪人じゃないか!!
 第一だ、俺の何処が朴念仁で、鈍感だ!! お前の方が鈍感だ!!」
「ひっく、ひどいよ……私はまだまだ経験ないから分からないだけなのに
 私より何年も先に生まれて経験してるはずなのに、分からない恭也の方が問題だよ」
「ま、それには頷くな」
「私も〜」
「遠くから見てると尚更ですね」
「そうね」

 あれは、藤代さんだっけ……

「あ、早苗」
「高町くんが女性泣かせたって聞いてね」

 噂って流れるの光速ね
 風速だと思ってたわ……

「お前らな〜、蛍もいい加減にしろ!! お前のせいで俺がどれだけ被害被ると思ってるんだ」
「恭也の方が他の女性に対しての被害考えてないよ〜」

 お、不意に声が聞こえた

「あんな子なら、護ってあげたいな」
「ああ」
「芯も通ってるし、可愛いし、綺麗だし」
「うむ、あんな子と付き合えるなら、本望だな」
「死ぬのか?」
「まさか」

 と、聞えた……えっと

「あれはあれで、お姫様扱いしたい」
「こう、我らは、貴女の下僕ですみたいな」
「……あ、それ良いな」
「部屋に居てくれるだけで、癒されそうだしな」
「まぁな〜」

 天使の羽持ちなので、遠慮します
 って、違うか……

「ほら、お前の方が純情を踏みにじってるじゃないか」
「幻聴よ」
「ふっ、そんなこと誰が信じるか」
「ふぇ〜〜〜ん、恭也が苛める〜〜〜〜、昔は優しくて
 泣いてたら慰めてくれたのに……」
「勝手に捏造するな!!」
「でも、泣かせたよな」
「赤星もどっちの味方なんだ!?」
「俺は、どっち付かずで」

 その考え良いですね、勇吾さん

「私も〜」
「私もね」
「私もだね」

 恭也は少し凹みながらも、立ち直る

「いいから、立ち上がれ……全く、綺麗な服が汚れるだろうが」

 片手を引っ張られて、立ち上がる
 スカートについたほこりなどを払う……涙の跡を指先で拭ってハンカチを取り出して拭く
 あまり付いてるのは困るし









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