Kanon×リリカルなのはA's







設定……小さな男の子が出てきます
黒髪で目がくりくりした可愛い男の子です、5歳ですから幼稚園児です
ただ、その男の子は……まぁ、良いや、中を見てからで








シグナムの拾ってきた人(sideフェイト)








「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」

 お風呂場からとても大きな悲鳴が聞こえてきた
 その事に驚いたのは、私とアルフ、クロノとエイミィだ
 此処で生活するようになって慌しく生活してるけど、こんな悲鳴聞いたの始めて聞いた気がする

「どうしたの!?」
「どうしたんだ!?」

 お風呂へと突入する私たち……そこでは、目を回してる祐一さん
 で、体を抱きしめてるリンディさん

「えっと」

 祐一さんは腰にタオルを巻いた状態で目をまわして倒れてて
 リンディさんは体を抱いた状態でシャワーの音だけが響く
 クロノはアルフから蹴り飛ばされたおかげで見る事なかった

「祐一さん、どうしたの?」
「リンディさんもどうしたんだい?」

 お互いに聞いてみるが、祐一さんは答えが返ってこない
 リンディさんが困った声で返してきた

「祐一くんが間違って入ってきちゃって……慌てて、悲鳴あげるつもりもなかったのだけど
 その後祐一くんが、その……悲鳴で気絶しちゃって」

 声の大きさにより気絶したって事なのだろうけど
 ……ゆ、祐一さん、見たんだね
 でも、祐一さんの体綺麗……それに意外と引き締まってるし
 って、私ってば何を考えてるのだろう

「……フェイト、目が怪しい人になってるよ」
「はっ!」

 アルフに言われるまで、気づかなかったけど手がタオルに伸びかけていた
 ふぅ……リンディさんはバスタオルを巻いて上がって着替えているけど
 祐一さんはそのままだ

「意外と男の人なんだよね」
「え?」
「ほら、此処も引き締まってるし、筋肉無いように見えて、しなやかさがあるというのかしら」
「あの、リンディさん、それよりも前に祐一起こさないと」
「待って、先に着替えさせて」

 着替えを終えて、祐一さんを起こした
 クロノの方は……アルフが蹴り飛ばしたおかげで気絶してた
 気づいたが丁度祐一さんを廊下に出したときだけど

「……あぅっ」

 祐一さんが目を覚まして、私、リンディさん、アルフを見る
 リンディさんを見たとき、顔を赤くした……むぅ

「祐一さん!」
「あ、わ、す、すみませんでした……入ってないと思って
 俺もちょっと疲れていたので」

 引越しの片付けで疲れてたのは分かるけど、それでも……

「堂々と入ってきたから驚いたわ」
「すみません。以前まで一人暮らしみたいなものでしたし、フェイトが居ないときにお風呂使ってたので」
「それでなのね……まぁ、今度からはお風呂使用中の看板でも作って使うようにしましょ」
「そうですね……すみません、俺、ちょっと外に出てきます」

 祐一さんはそういって出て行った
 だけど、私は少し心配になった……何故か分からないけど

「あの、祐一さん、どうして?」
「頭を冷やしたいからだよ……悪いけど、少しだけ夜風当たってきます」
「ええ、分かったわ」

 リンディさんも了承して、祐一さんは着替えて出て行った
 だけど、私もリンディさんもアルフもこの時正常な判断をなくしていたに等しい
 祐一さんも魔力を持っていることに、そして、狙われているという事に




 祐一さんは真夜中になっても、朝になっても帰ってこなかった
 私とリンディさんは、あの時何故何も考えずに外へといくことをOKしたのか
 それを考えてショックを受けた……しかも、魔力反応の消失
 それを意味することは、死んでるのか? それとも……違う世界へと飛ばされたか?
 心配しすぎで、アリサさんやすずかさん、なのはも声を掛けられても気づかないとかの迷惑をかけていた

「大丈夫だよ、きっと」
「そう思いたいけど……でも」

 私にとっては、アルフに続いてと考えると怖いものがある
 ヴォルケンリッターの将に聞いてみたいところだけど応えてくれるとは思えないし
 何より、それならば、私たちに何か一言あっても良いはずだ
 再度戦う事があって、戦う
 シグナムとの戦いは集中してないとすぐに負けそうになるし
 相手の手の内を読みあい、戦うが相手の方が戦術も経験も上を行く
 私が弱いのだろうけど……悔しい
 それに傷を治してくれる祐一さんが居ない




 私の魔力を抜かれ、リンディさんは優しくしてくれて
 お母さんってあんな感じなのかなって……私の母さんは、今も寝てるけど
 私は、次こそは負けられないんじゃないかって……祐一さんのことはひとまず置いておこう
 この事件が終われば、見つけ出すつもりだ

「祐一さんの作ってくれたシチューが食べたい……」

 リンディさんが何か食べたいものがって言われたときに不意に出た言葉がそれで
 私は口を押さえていた……その後すぐに

「何でも良いです」

 と、応えたけど、リンディさんは私を抱きしめていた

「祐一くんの事、大事にしてたのね」
「はい」
「家族だって……ごめんなさいね、仕事仕事ばかりで
 一応調べてるけど、全然結果が出てないわ
 後で、一杯料理作ってもらいましょうね」
「ごめんなさい」
「良いの……それにしても祐一くんには後で覚悟してもらわないとね」

 何故か私はぶるりと体が震えた……

「でもね、調べていて分かったことがあるからよく聞いてね……祐一くんのご両親は祐一くんを捨てたわ」
「え?」
「家族の縁を切ったと取っても良いわ……手続きはしておいたけど、一応成人間近だし、本人の意思一つで
 変えられるようにしておくわ……でも、一時的には私の息子になってもらうわ」
「何で、それを私に?」
「本人が居ないから……でもね、祐一くんは一人なのよ
 フェイトも今は頑張って耐えて……クロノも皆も頑張ってるから」
「はい」

 何もいえなかった
 祐一さんが一人ぼっちになってしまった
 それは私のせいじゃないかって……

「祐一くんは今居るところを選んだのよ
 だって、私は言ったもの……別に私のところに来なくても良いって」
「そうだったんだ」
「でもね、祐一くんは言い切ったのよ……『フェイトが泣くだろうし、頼まれるから良いです』って
 事実のようで驚いたわ……祐一くんにとってフェイトは大切なんだって」
「そんなそぶり見せなかったのに」
「見せる人じゃないでしょ?」

 そういえば、そうだった
 人が抱きしめて泣いても優しく撫でてくれるくらい
 他には無い……寂しさもあるけれど

「大丈夫。帰ってくるわ。まぁ、お仕置きは多々準備してあるから」

 そういって、リンディさん、ううん、リンディ母さんは楽しそうに行ってしまった
 おかゆを持ってきてくれたけど……なんでか怖いなって……





 12月24日……シグナムたちの主が分かった
 そして、夜中結界をはって私たちは戦う……でも、二人の仮面の男に邪魔されて吹き飛ばされる
 更には、シグナムたちまで蒐集されてしまい消える
 そこに現れたのは男の子とはやて

「なにっ?」
「お姉ちゃんたちになにしたの?」

 男の子は魔方陣の上に立ち、手を魔道書にかざす

「お姉ちゃんたちを苛めた」

 男の子の声にあるのは、怒り

「夜天の魔道書、応えて!!」

 男たちは声に驚き、そのまま魔法を喰らった……いきなり現れた相手が魔道書を使ったのだから
 私もなのはも驚きで固まる

「リンカーコア送還! 守護騎士システム起動!!
 はやてお姉ちゃんを苛めた分、きっちりお返しするんだから!!!」

 暴走するって聞いてたけど、その様子は見受けられない
 男たちが吹っ飛ぶ先に、その男の子は集中してる

「いくよ」

 桃色の魔力の光……それが一箇所に集まっている
 なのはと私は瞬時に悟る……それが何であるかも
 スターライトブレイカー
 なのはの最大威力の魔法

「スターライトブレイカー!!」

 早いっ!! なのはの溜め時間を更に短縮した感じだ
 いや、間違いなく短縮してる……だけど、それ以降男たちへと走りこんでいたのは
 ヴィータとシグナムの二人

「先ほどの痛手分、今此処で」

 その攻撃は鮮やかだった

「猫耳と尻尾のお姉さんが二人」
「なんで?」
「可笑しすぎる?」

 確かに可笑しいけど、その二人をバインドで捕らえる
 それがもっともだろうから……全員とは行かないがバインドで捕らえて飛んでる男の子を見る
 シグナムたちも不思議そうに見ているのだから、何がどうなってるのか分からない
 私たちにももっと分からないし、なのはも混乱している

「シグナムお姉ちゃん、シャマルお姉ちゃん、ヴィータちゃん、ザフィーラ、帰ろう」

 そういって、はやての方向に飛んでいく
 何がどうなっているのか? はやてにも分かってないみたい
 何より、夜天の魔道書は多人数のマスターを持つとは思えない
 特性ではマスターは一人で暴走していくはずなのである

「はやてお姉ちゃん、ごめんね」
「え、うち?」
「もう、大丈夫だから……」

 そういって男の子は書をはやてに渡す……回りもそれを見守るしかない
 もしも暴走が起きるなら……

「でも」
「これで大丈夫なはずだから」

 と、不意に男の子の体が成長してってる
 どういうこと!? でも、あれは……祐一さん

「…………逃走!」

 とっさに屋上の扉まで走る祐一さん

「バインド!」

 魔法を唱えて、祐一さんを捕まえて、私はそのまま祐一さんへと抱きついた

「祐一」
「ぐほぁ」

 もろに背中が地面に衝突したのが影響したのか、痛そうな声が漏れたけど
 そんなの私の心の痛みに比べたら……

「えっと、どういうこと?」
「……説明を要求するテスタロッサ」

 それは私が聞きたいのですけど

「私だって詳しく知らないんです」

 祐一さんをにらみつけるように見る

「わたしもしっかりと聞きたいね〜
 あんな可愛い姿して、何を思っていたのやら」

 アルフの援護の声に祐一さんは少しだけ周囲を見た
 でも、すぐに私たちを視界へと入れる

「説明するけど、信じられないと思うんだけど」
「なんだ?」
「闇の書の元が夜天の魔道書っていうのは、まぁ、ユーノが喋ってただろ?」
「うん」
「んで、まぁ、リーゼ姉妹と提督が怪しいと思ったのも、考えて、あの人たちなら出来るって思った
 それから、これが俺の力なんだけど、俺、人を見るとある程度の相手の過去が分かる
 といっても、抑えたり出来る能力の一つ」
「ほぅ……じゃあ、どうして私の蒐集されたとき子供になったんだ?」

 魔力を蒐集されたんだ……でも、子供に
 確かにあれは子供だった

「それは、自分の人格を書の中に打ち込んで、書を改変部分を直し勝手に付け足したからだ」
「付け足した?」
「元が無いなら作れば良い……」
「じゃあ、完成したからこそ、最後の一手を?」
「うん、それとお仕置き……くだらないこと考えやがって」

 お仕置き? そういえば、母さん、どんなお仕置きするのだろう?

「あの、子供の頃の記憶ってあるんですか?」
「いや、あれは純粋に子供の頃だから、多重した生活にはなるものの無いよ」
「そうですか……ほっ」

 なんでシャマルは、ほっとしてるのだろう? 何かしらあったんだろうけど
 子供の頃の記憶の重複……私と似たようなことなんだろうな

「で、テスタロッサと祐一との関係は?」
「私が拾ったんです……その、以前の事件で
 で、利用価値がありそうって思ってたら、あっという間に解決しちゃって
 その後、しばらくは一緒に居たのですけど……」

 少し考える……これは自分たちの失態だ

「消えちゃったんです」
「消えた?」
「はい……引っ越してしばらくは一緒に過ごしてたんですけど
 リンディさんのお風呂に入ってるときに入っちゃいまして、そのまま……」

 祐一さんは上を向いてる
 何かあるのかもしれないけど、考え事だ

「見てしまったし、女性が多いからやっぱり俺どこかで一人暮らしの方が良いかなぁって
 で、見つけてしまったわけだ……それを、んで、見つかったと」
「ああ」

 って、そんなこと考えてたんだ

「じゃあ、もう一つ聞こう……何故、私たちを教えなかった?」
「あのさ、五歳の頃のことだぞ、分からないって」
「そういうことですか……一種、成長などの力なども全て書に預け直していった
 だけど問題は体を残しておかないと、バイパスが切れては問題
 だから、小さな体ながらも一番有効だろう子供にしたんですね」
「そうなるかなぁ……深い考えがあったわけじゃないし
 蒐集されてる間に自分も取り込まれるようにするんだし危険はあったからなぁ」
「普通ならリンカーコアの魔力だけを喰うんだから、そりゃそうだろ」

 祐一さんは本当はみんなを心配してたんだ……だから、外に出たのは偶然で
 シグナムに捕まったのも偶然だけど
 それでも見て分かったんだ……何とかしたいって

「作り変えたと言っても差し支えないかもしれないけど、頑張った」

 祐一さんは笑顔で……どこか誇らしげだった





 祐一さんと私はプールに行ったり、ショッピング行ったり、それ相応にご機嫌取りをしてもらった
 まぁ、でも、一番の問題は土曜にちょっと遠出して帰ろうと思ったら、バスを一時間間違えた事
 祐一さんが電話して、明日の朝向かえに来てもらうことで何とかなったけど
 その時も私が入ってるシャワーに祐一さんが入ってきて、悲鳴を上げて
 祐一さんは謝るだけですぐさまドアを閉めた……そりゃあ、母さんの方が綺麗だし、大人だけど
 もうちょっと対応があると思う

「どうせ、私はぺったんこですよ……母さんの時は赤面したくせに」
「いや、フェイトでそうなったら俺ロリコンってレッテルが」
「ぶ〜〜〜〜」

 で、私はすねていた……少しは女性扱いしてほしいということで了承を得たけど




 ただ、この後母さんはとてつもない暴挙に出た
 祐一さんに執務官資格を取らせ、自分の秘書官にさせると、すぐさま色々な職場を教え
 祐一さんは引っ張りだこになった……メモリーの能力を使えば、数々のロストロギアを紐解ける
 ある種の才能だけど
 更に、自分の息子にしたことに祐一さんは何も言わなかった

「これからは妹と兄だな」

 って……どこか意味深な発言してた

「母さんの補佐官って大変?」
「というよりも、俺がどうして補佐官なんてしなくちゃいけないのか謎だぞ」
「でも、どうして私の部屋?」
「……勉強が嫌いだから」

 しっかりといわれて、祐一さんの目の前にあるのは魔法の色々だ
 それについて祐一さんは何も言わない

「面倒〜」
「でも、実技免除、他にも色々免除項目があるんでしょ?」
「ああ……まぁね」
「それって凄いことだと思うけど」
「推薦者がな、クロノも入ってるけど、色々会った人たちも幾人かはOKくれてるから」
「ちょっと羨ましいよ」
「まぁ、俺が先に執務官とったら、フェイトを推薦してやるから」
「うん……悔しいって言ったら可笑しいけど、私の方が最初は魔法とかしっかりしてたのに」
「何を言うかと思えば……長年生きてる俺の方が何かと受け入れやすさもあるし
 戦略なんかもとっぴさを除けば、フェイトにかつ方法だってあるさ」
「むぅ……今度、戦ってもらうから」
「いや、フェイト傷つけたくないのだけど」
「い・い・か・ら」

 むぅ〜、祐一はこういうときだけは甘い
 私がぎったんぎったんにして、膝枕できたら良いな……以前から私ばかりがされてるし
 寝顔を覗き込むのは悪趣味だよ、うん









 おわり








 あとがき
 いや、まぁね、書いてみたけど、フェイトsideは短い
 シオン「どうでも良いけど、最後の方は仲のいい兄妹ね……クロノは?」
 居ない男云々だけど、クロノも兄だと思ってるよ
 ゆうひ「祐一sideでは語られない、ハラオウン邸での出来事みたいだね」
 まぁね
 シオン「でも、祐一が消えて荒れる二人みたいな」
 ま、最初、リンディさんの視点でも良いかなって……ちなみに、最初祐一を凝視してから悲鳴だから
 ゆうひ「なんで?」
 人は状況判断するのに一時的に固まるっていうのがあるからね
 シオン「それを考えたらって事ね」
 そういうこと
 ゆうひ「でわ、また〜」
 ほなね〜(^^)ノシ



今度はフェイト側。
美姫 「祐一が外に出ていた理由って所ね」
最後は確かに兄妹みたいな感じかな。
美姫 「確かにね」
連続投稿お疲れ様でした。
美姫 「おつかれさま〜」
ではでは。



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