とらいあんぐるハート×リリカルなのは
設定だろうけど、恭也は18歳、とらハ3始った当初くらいでお願いします
これ、凄い続きそうだと思った自分は駄目駄目です
『騎士たち』
その夜は寝苦しい夜でした。勿論、私たちは騎士としての誇りなども持ち合わせており
若輩ながら、一応の騎士としての強みも持ってるつもりです
腹黒いなど色々言われてますが……
「シャッハ、どうでした? 原因分かりました?」
「それが、全然。被害は大したこと無いのですけど、こうも頻繁に起こるというのは」
それは、此処で怒っている不思議な事件だった。魔法に引っかからない生物とまでされて
いまや都市伝説などと言われてます……
ことの発端は一月ほど前から始りました
『野生の鳥や動物が食べられてる……別に保護区に居るものじゃないからいいが
それでも、一つの土地で起こってる事態である』
それにより、皆で捜索、及びそれをした犯人を捜さなくてはいけない
というわけで、捜索に当たってるのですが、これまた人っ子一人見当たらない
それこそ、幽霊じゃないかとか、非科学的、非魔法的なことまで出始める始末
毎日、毎日被害に逢い続ける動物たちである
動物保護の者たちからの苦情もあり、こちらも先手を思ってるのだが、これまた相手もすばしっこいのか見つからない
機動六課に頼もうかしら? 前の借りとか言ったら、ちょっとは手伝ってくれるかもしれないし
「頻繁というより、毎日ですから」
「クロノ提督や査察官の皆さん、首をかしげてますからね」
「相手がどういう相手であれ、私たちは捜さなくてはならないです
町の平和は脅かされてませんが、あそこは本来無人島のはず
なのに、火をおこした後まで発見してるのですから」
「はい」
不思議なことにその人物は一定のところで寝起きしてるわけじゃなく、定位置にも居ないみたいだ
こちらの動きもある程度予想しているかのように動いてるところがある
何より問題は、その人物がこちらの話を聞いてくれるかどうかも不明な事とか
知能を持ってるのだから、何とかって手が無いのだ
手紙を置いておいたが、燃えカスから出てきたり……無理です
「シャッハでも分からない相手なのよね」
「はい」
予言に出てこなかったことだし、何でそこに誰か居た形跡があり、動物が殺されてるのか
そこいらが問題の種なのだが、多分食べたとみて間違いないだろう
じゃあ、相手は何処に居るのか?
島ひとつを破壊するという方法もありかもしれないと視野に入れておく
「でも、そんな相手が早々いるのかしら? 魔法すらも見切るような?」
「それが、一つだけ興味深いというか、その、魔法で探査を行っていた者の言葉なんですけど
そのサーチャーを斬ったらしいんです」
「斬った?」
「はい。鋭利な刃物のようなもので、いっきに」
「いくつも?」
「はい」
私にはそんなことを普通の人に可能なんでしょうか?
「で、そこにすぐさま飛んで行ったが誰も居なかったようなんです。すぐに周囲の魔力反応も調べたようですけど」
「出てないって事ね……機動六課に頼みましょう。何かきな臭いものを感じます」
「分かりました」
シャッハはそういって、しばらくしてはやてさんに繋がる
「どないかしたん?」
不思議そうに聞いてくるはやてに、苦笑いを浮かべる
「実はね、近くの島の○○の所の話は届いてる?」
「ああ。うちらも耳に良くする話やね。幽霊とかそういうのって聞いてるけど」
「実際は違うと思うのだけど、姿が捉えきれないのだと思うの」
「それで、うちらに頼みたいって事やね?」
「ええ、お願いできないかしら? 動植物も生きてるものだけど、その島の動物たちの生態系は
崩れたら問題らしいから」
「じゃあ、殺さず生かして捕らえてって事か……なのはちゃんたちも丁度上がるし聞いてみるわ」
「お願いね」
本来なら頼むのは引けるのだけど、レリック事件の後だし……あちらのほうが何とかなってよかったわ
でも、魔法を刃物で切る?
「シャッハ、そんなこと可能なのかしら?」
「分かりません。私も詳しくは」
首を捻って考える。もしもそんなことが可能なら、相手は強いとなる
下手すれば、機動六課といえど危ない橋になるだろう
それほどの相手となる。普通なら何かしらの画像も残るのだが、それが無いのは怖い
「お待たせや」
「はやかったわね」
「あんな、カリムのいう事分かるし、行ってみるわ。うちらも誰かさんが怖がってなぁ」
「こ、怖がってないよ。ただね、ほら、動物たちがかわいそうだって」
近くでフェイトさんの声が聞こえる。まぁ、それでも、分かるわ。
怖かったのね。そのお話は
「というわけで、皆OKやし昼から行ってみるわ。もしかしたら、火とか使った跡があるかもしれんし」
「そうだね」
「うちは出れへんけど頼める? 皆出動やけどね。たまには動かんとあかんやろし
うちも上空待機って所かな。武装なんかは持って行っていけるけど、あまり大きいのは使ったらあかんで」
通信開きっぱなしで話をしてるはやてはやっぱりどこか妹みたいだ
それでも、可愛い妹みたいなものだし、無理はして欲しくは無い
気をつけてという言葉を送りたいがまだ無理そうだ
しばらくして話し合いも終えて初めて、通信が開きっぱなしという事に気づいて謝るはやて
頑張ってという事を伝えて、後は任せるしかない
その情報はすぐさま来た。機動六課の面々が帰ってきたのではない
一つの通信連絡が放たれたのだ。人間が二人居る。その一言
捕まえようにも素早いし、ウィングロードを逆手に取り、相手へと詰め寄ったりしてくるため
近接の騎士みたいだとも……はやてから連絡は来る
シャッハも行きたそうだけど、仕事を回してしまったためにいけない
魔法使いが普通の剣士に負けてるのである
ある意味見物していると面白いものがある
「騎士みたいですね」
「騎士というよりは、剣士とかでしょうか? それもまた違った感じですが」
二人の人物はそれこそ、魔法を始めて見たのだろうが
全く気にするそぶりなく、相手へと攻撃を当てていく
『話を聞いてください!! 私たちは別に』
そういって話をしようとしてるが、どう見ても攻撃してるように見えたりする
しかも、追ってくる魔力の弾を全てきり飛ばしている
その技量は、ヴォルケンリッターを超える……シグナムやシャッハは喜んでるでしょうね
本物の騎士、剣士の登場だ
『攻撃しかけてきて、話を聞いては無いと思うな』
苦笑いで言う女性の声
しかし動きは止まらない
「はやて、皆無事なの?」
「キャロとヴィータの二人がダウンや」
すでに魔導師二人をダウンに追い込んだのか?
一人が?
いや、二人と報告されてる
「もう一人は?」
「追いきれてへん」
……追いきれない?
「大まかな位置は分かるんやけど、高速戦闘区域により
皆、手伝えへん……なのはちゃんですら手が出せへん
こっちも近接で頑張ってて、ヴィータの敵って事で、シグナム頑張ってるけど」
フォローから何から大変なようだ
混戦? しかも、たった二人に?
『動きを止めてもらおうか?』
その声は唐突に聞こえた。下からみたいだ……そこには一人の美男がフェイトさんの首の横に剣を置いていた
更には武器であるバルディッシュにバリアジャケットも解除されてる
ところどころ傷はあるけど、薄い
「ご、めん……」
謝る声が小さく聞こえる
ロングコートに黒い髪の毛、ところどころフェイトさんで隠れてるけど
武器は謎だ
「すごいですね。フェイトさんだって執務官としては相当な強さなのに」
『フラッシュムーブ』
槍で一直線の移動。それで助けようという事だ
だが、槍はそらされ、更に、追撃された。今のは、見えた
シャッハも見えたようだ
「凄いっ! 今の見た感じ一撃ですけど、実際は四度は攻撃を当ててます
それに、ダメージが後々残らない配慮もされてます」
「シャッハ、興奮しすぎ」
「あ、ごめんなさい」
なんだか、シャッハの方が失礼に当たりそうだ
『さて、そこの高みの見物を決め込んでる女性に聞きたい。いきなり攻撃をしてくれたのはなんでだ?』
『そこは一応動物保護区なんや。だから、生態系が狂うほどのことが起きたら、やっぱり駄目やろ』
はやてさん、慣れてきたわね
『だが、すぐさま攻撃というのは納得できないな。まず一つに事情を説明すべきだっただろう
更に言うなら、俺たちも此処がどこかは知りたいのだが』
『師範代、さすがにそれで聞くのは人としてどうかと?』
『だまれ馬鹿弟子! お前のせいで見つかったんだぞ』
『ごめんなさい』
いや、普通より遅いから……しかも、見つかったこと叱られるってどうなんだろう?
『えと、攻撃したのは悪かったと思います。此処はミッドチルド。次元世界の一つです』
『美由希、さっきの言葉を聞く限りだ……此処は違う世界らしいぞ』
『みたいだね……ど、どうしよう!!? 学校とか!?』
『すでに遅い……美由希、たまに思ったが、お前本当に馬鹿だったんだな』
『し、失礼だよ!!』
『まぁ、良い……お前はそこらの誰でも良いから盾にでもしてろ
多少の魔力弾くらいなら大丈夫みたいだ』
『師範代鬼だよ』
『いう事を聞いておけ』
『はい』
なんていうか、あっちの男の人の方を説得しないといけないけど、言われた女性は
キャロさんを拾って盾みたいにしている。片手で軽々と
人ってそんな簡単に持ち上げられるものだったかしら?
『人質っていうのは卑怯ちゃうかなぁ?』
『先制攻撃とか言って、思いっきり攻撃しかけられたんだ。これくらいは当たり前だ』
『あはは、ごめんなぁ。先走ったみたいで』
『で、俺たちは元の世界に戻りたいんだが』
『とりあえず、手配はするし、こちらで貴方たち二人を保護という形にするから
二人を放してくれる気は無いかな?』
『まだだ……俺たちの安全の確保と言ったが、まだ安心したわけじゃない』
『くぅっ!』
あの片腕にどれだけの握力が加わってるのだろうか?
エリオくんの方は、シグナムさんが助けたみたいだけど
ティアさんとスバルさんは手が無いかどうか聞いている
念話で話してるようだけど、どうなるか
と、不意に二人の足元のウィングロードが消えた
スバルさんが解除したのね
だけど、魔力弾は生成できてないのに?
下から!! ティアさんとスバルさんが狙ってるのね……でも、それは!!
『あかん!! ティア、スバル!!』
『えっ!』
『仲間もろとも吹き飛ばすつもりか!!』
そういうことね。だって、二人とも落下中なのに冷静にキャロさんとフェイトさんを下にしてるもの
フェイトさんは飛ぼうとしてるけど、落下の男性を支えるまでに至らないのね
普通抱きついてだから無いことだろうけど
『よいしょっと』
女性の方は声付きだけど、男性の方は木々の弾力を使い、平然と着地
人間業? しかも、魔法を使った形跡は無い
凄い。それに、なんていって良いのか分からないけど、かっこいい
『二人とも急ぎすぎや!! 今は魔法も何もなしや。分かってるな』
『すみません』
『はい』
焦る気持ちも分かるけどね。味方がとらわれてるのだから
でも、それでは相手が更に不振に思う……だからこそはやてさんも冷静だったのだけど
六課の面々がこれほど苦労する相手なんて早々居ないと思ってたけど
『すみません、部下が失礼しました……うちは八神はやてと言います
今此処に居てる皆の部隊長をしてます。あなた方の話を聞きます。二人は大切な隊員なんで返してもらえませんか?』
『素直にそういわれて返せるか。第一、まだ攻撃しそうだしな』
『ううっ』『ごめんなさい』
スバルさんとティアさんを軽く見て言う。しかし、この人不思議だな
周囲に気を配って入るけど、その周囲への気の張り方が尋常じゃない
どんな風に育てば、周囲の感知能力が凄いのだろうか?
『なのはちゃんも抑えて、な』
はやてさんはなのはさんも抑える
フェイトさんの親友だからこそだな……しかし、全員の武装を解除し、飛んでるだけとなる
はやてさんは地上に降りて、話をする
『なるほどな』
全ての説明は1時間を要した
『だからといって、俺たちが悪いわけじゃないだろうに、あれだけかぎまわって全く気づかない奴らが悪い』
『思いっきり気配を消してたけどね』
『美由希、お前はそうとう折檻されたいらしいな』
『鬼だよ』
半泣きの状態に突入したミユキさんとやら
『名前を伺っても良いですか? 過去、似てる人が居たので』
『なのは、それって』
フェイトさんたち、皆も人質にはなってるものの、声は出しても良いらしい
妥協点というか、何と言うか。犯罪者をやり込めるって大変ね
『不破恭也だ』
『御神美由希だよ』
なのはさんは少し考えてるけど頭を振る。何か合点がいかないのだろうが
とりあえずは抑えたって所だろう
『とりあえず、うちらで保護下に置くっていうのはあかんやろか?』
『出された食事に毒見役とか居るならかな』
『部屋とかもちゃんとチェックさせてもらうけどね』
『そうだな』
アナクロなものなのにも関わらず、高い位置に居るこの二人
シャッハはじーっと男性の方を見ている
『分かりました。毒見役は誰かすることでええやろ? なんやったら材料渡すし作ったら良い』
『なるほど。それならそれで良いぞ』
『うん』
凄くねじくれてはいるけど、当たり前の要求だ
『だが、美由希は作るなよ。お前のは殺人料理だからな。周囲の動植物が枯れたり死んだりするからな』
『酷いよ』
だけど、否定はしないのね
『連行って形はあかんで……スバルたちも余計な事したらあかんで〜』
はやてさんの手がぎゅっと握られてる。間違いなく相手の方が上だったって事ね
移動の為にヘリが下りてきて、全員が乗る。と、不意に恭也さんの肩に一匹の小動物が乗る
『帰りなさい』『きゅ?』
『……まぁ、良いだろう。美由希の料理だけは食べるなよ』『きゅ』
小さくなく動物に優しく言う。近くで落ち込んでる弟子には無表情だし蹴るし
『早く行け』
『酷いよ』
そんな様子は本当に弟子と師範だ
『ごめんなぁ。カリム、失敗した』
『いえ、相手のほうが上手だったのよ……でも、近接戦闘得意の人が早々とやられたら仕方ないわ』
『フェイトちゃん、キャロが倒された瞬間、魔力のリミッター振り切ったのになぁ』
『……男性の方は直接会ったほうが良いかもしれないわね』
私自身が会う事はあまり宜しくは無いのだけど
でも、仕方ないともいえるわよね……私が頼んだことだし
私から出向くしかないか
そして、機動六課の失敗話が伝わる。こういうのは早いのよね
まだ若いのだからって理由でお咎めなしになりそうだけど
その前に、もっと大きくなったのが、あのS+ランクをぶちのめし戦闘不能状態に陥らせ
更に、盾にも使った非情かつ強い男性か
「失礼しますね」
「失礼するなら帰って欲しいがな」
フェイトさんたちの食事などは渡されてるけど、キャロさんと不自由ない生活は送れてるみたいね
「今回のことを許して欲しいと頭を下げに着ただけです。これは二人にと」
「そうですか。ご苦労さまです……」
受け取り二人に渡す。二人とも沈痛の面持ちだ
確かにやったことがやったことだし、切れて暴走に近いからなぁ
多分、両親や兄弟に怒られたことだろう
「えと、不破恭也さんで宜しいですか? 私はカリムと申します」
「シャッハです」
「はぁ? それで何か用事でも?」
「このたび私が依頼したことなので、私を盾に取ったほうが良いかと思っただけですけど」
「……それは魅力的かもしれないな……直属じゃなくとも親しい間柄だろうしな」
「師範代」
「キャロさんの方と変わっていただこうか?」
さすが、フェイトさんは駄目ですか?
「変な命令をするとかもないし、自由にしてて結構ですよ。それに私たちも無理に何かってわけじゃなく
その毒見役が居ないと、訓練の意味合いもありますけど」
美由希さんの方は優しすぎるって点かしら?
シャッハに目配せして逃げれるかどうか考える。ここまでしてお咎めが無いのは、六課内部だからだ
「キャロさん」
「はい」
「エリオくんをつれて来い。その間はシャッハさんとカリムさんが人質だ
ああ、別になのはさんでも構わないが、その場合武装などは全て解いてもらうぞ」
何気に鬼ですね。勝てる相手を見抜いてますか?
それに、私が弱点だということも……ふふっ、私は確かに騎士としては弱いですが
彼からの要求はたった一つ。全力で帰る手段を探すこと。無かったらはっきりという事でした
ある意味、えらい要求ですが
「フェイトさんもごめんね。こんな鬼畜な兄で」
「いえ……私たちにも非礼があったのは確かです。この程度で済むのはまだマシだと思います
そ、その、色々教えてもらったりもしてもらったわけですし」
「美由希、お前はシャッハさんと運動してこい」
「はぁい」
まぁ、後は鍛錬をさせてくれって事を言われて、楽しそうに市街地で遊んでます
シャッハも戦う事は少ないし、今回の同行にこれが含まれている
「まだまだ未熟だが相手にはなると思うので」
「ありがとうございます。こちらの意図を汲んでいただいて」
「いや、暇だからな。娯楽とか出来るものでもないからな……フェイトさんは後ほどシャマルさんが来たときに
ちゃんと治療するようにな……まさか頭突きをしようとするとは思わなかったな
普通なら首をはねてるぞ」
「だからって、思いっきり叩かなくても
それに、地上戦のみだなんて、酷いです」
「ふっ、それだけ弱いということだ」
楽しげに一言。まぁ、不自由はしてないみたいですね
「エリオ来ま〜〜〜」(どてっ)
……こけましたね
「あ、エリオ、そこに糸あるから気をつけてね。引っかかると痛いよ」
フェイトさん、遅すぎます
「フェイトさん、遅いです」
「まぁ、言うなという事を伝えてあるからな。こけた後なら良しだ」
「……どうして僕を呼んだのですか?」
「何となくかな? で、実際俺たちは帰れそうなのか?」
「……」
沈痛な面持ち。ということは
「帰れないか?」
「はい、すみません」
「謝らなくても良いぞ。よし、フェイトさん」
「えと、なんでしょうか?」
「憂さ晴らしに付き合ってもらおう」
「お願いします。勘弁してください」
うわぁ、フェイトさんが土下座
しかも、エリオくんも苦笑いというか、固まってるし
母親と慕ってる人がいきなり土下座だものね
そりゃあ、固まるわ
「じゃあ、エリオくんかもう一度キャロさんを呼んで」
「私がします」
あ、起き上がった
「もう、私だって手加減しません。ええ、それはもう本気で」
「負けたんだよな?」
……あ、ものすごい勢いで落ち込んだ
最初に出会ったとき、フェイトさんは全力全壊で負けた
「こ、今度はウィングロードありませんから」
「リインフォースさんがデバイスをくれた」
「え? どうして?」
「迷惑かけた御礼だとかでな。まぁ、大した能力があるわけじゃない」
「そうなの?」
「ああ。それに、俺自身にそんなに魔力は無い。まぁ、その代わり、加減が出来んかもしれないからな」
大変そうね
「それでは、ちょっと失礼します。今朝はフェイトさんが寝坊して動いてないので
お話は後ほどで良いですか?」
「シャッハも待ってますから」
「エリオは見ておけ。これが本当の近接だというのを見せてやろう。見切れたらだけどな
美由希たちのを見てても良いが、あいつら派手だなぁ」
どんぱちみたいですね……というか、本気だして攻撃してるシャッハを紙一重に近い形で避けますか?
この人たち本当に人でしょうか?
フェイトさんは悲しげに歩いていきました……扱いは良い鍛錬相手って所でしょうか?
でも、怪我とか大丈夫なのでしょうか?
エリオくんはわくわくしながら見てますが
「わっ」
一撃必殺という言葉がありますが、無駄の無い攻撃というのは初めてかもしれません
フェイトさんが上空に避けるのを考えて、すぐさま上にフローターフィールドが現れ頭を打っていた
そこに立ち尽くす恭也さんは笑ってますね
『足場は悪くないな』
こけにされたと思ったのか、そのまま下から雷が襲うのですが
恭也さん、斬ってますね……それに、ほとんど形状変化が無いのを考えるとストレージデバイスですか?
「凄いっ、フェイトさんがこんなに追い詰められる相手なんて早々居ないはずなのに」
「シャッハもですね」
「僕を軽く凌いだのも分かります……まだまだですね」
私たちが話してる間も容赦が無い。二人とも似た動きですけど
恭也さんの方が洗練されている。更に言うなら、ライオットモードに変わったフェイトさんは攻撃を当てようと
繰り出しますけど、余裕を持ってかわしてますね
「あんな早いのよく見切れますね……凄い」
「でも、あの方には止まって見えるのでしょうね」
「え?」
「……これは独り言なので聞き逃してくれて構いません。私たちの書の中に武器は腕の延長上
だから、相手の一撃が腕の延長ならば見切るには肩を見て動いてるときがあると」
楽しそうに見てた顔に驚きが走る
「そんなこと可能なのでしょうか?」
「分かりません。ですが、見切りとは、相手の動きをどれだけ把握してるかです」
「ですね」
肩で呼吸を乱すフェイトさん
大変そうですね
でも、恭也さんでしたか……かっこいいですね、こうやって見ると、セクシーとか騎士とか分かります
フェイトさんも好きでしょうね。こういう相手は
『ふむ、まだまだだな』
『恭也さんみたいな人外に言われたくありません』
『ほぅ、まだ痛めたり無いか?』
『もう許してください』
『まぁ、許してやろう。俺も女性をいたぶって遊ぶ趣味は無いからな』
フェイトさんはふらふらで、デバイスを元に戻し、変身も解けてる
急激な動きばかりでついていけないのだろう
『基礎体力が無いとかじゃないだろうが……魔力と人の差だな』
『ううっ……』
『仕方ない奴だな……ほら』
恭也さんは軽々とフェイトさんを抱っこすると、そのまま運びます
簡単に言うと、膝下と背中に腕を回してあげた
フェイトさんの顔が真っ赤になった
エリオくんの方は、固まりましたね
「真っ赤ですわね」
ちょっといらってきてしまって声を出してしまいましたけど
恭也さんとフェイトさんが戻ってきました
フェイトさんはお布団の上に置かれました
髪の毛を軽く手で払いのける
「良い汗かいた」
「私は嫌な汗ばかりですよ」
寝ながら言っても無理がありますね
エリオくんはいまだに固まってますね
「フェイトさん、毎回あんなふうに?」
「毎日じゃないんだけどね……もう動けないほどに動かされるし」
……大変というよりも、なんか凄いですね
執務官と言えば、それだけでかなりの体力も力も持ってるのに
「ただいま〜、あ、やっぱりフェイトちゃん倒れたんだ
恭ちゃん、どうだった? デバイス」
「空を駆け上がれるのは楽しいかもしれん。階段だと思えば良い」
「なるほどね。私は驚いたけど使えたよ」
「そうか」
適正検査なしでしょっぱなから使って、平然としてますか?
「シャッハさんは?」
「シャッハさんなら、もうすぐしたら」
凹みながら来ましたね……
「負けちゃいました」
「仕方ないわ。でも、相手が強すぎたとか?」
「攻撃がすり抜けてきたり、こちらの防御を浸透させる一撃があったりとかですね」
「……お疲れ様」
「二人ともシャワーを浴びてきたら良い。フェイトは寝てるみたいだし放置で構わないぞ」
というより、動けないほど動かしたらしい本人は楽しそうですね
「すみません」
「い、いえ……それで、どうされますか?」
「この世界で生きていくしかないなら、生きていくしかないでしょうけど、どうやってですかね?」
「……即戦力間違いなしですよ。うちに来ますか?」
「あら、それなら、うちでも良いんじゃないかしら?」
「ある程度働けたら良いのですけど。美由希はあれで、読書好きだし、こちらの文字を覚えてもらわないと
俺は読めないからわかりません」
そういえば、本人は読めないとかは聞いてませんね
初等教育のとか持ち込んだほうが良いのかしら?
「カリムさんたちの要項をお願いします。フェイトもな」
「あ、じゃあ、私自由に?」
「むっ、だがそうするといきなり攻撃とかありえるか。やっぱり残れ」
「あの、僕では駄目なのですか?」
「エリオ」
「……駄目だ」
「どうしてですか?」
「あんな素早く動く奴を捕まえるのが苦労するからだ」
……苦労する程度ですか? それだけなのですか?
なんか、規格外な人だ
「美由希がどっちに入るかだな。俺はそっちと逆に入りたい」
「どうしてですか?」
「あれも俺と同じ考えだとか思われたくないだろうからな」
「分かりました。こちらの要項はこれになります。前から目をつけていたのですよ
それと、もしも貴方が来られるなら、騎士の称号は無理でも、ソードダンサーの名を」
「それこそ良いのか?」
「階級はありませんが、どうでしょう?」
「うちなら階級ありますよ。恭也さんたちが選んでくれたら、まぁ、補佐とかは無理でも
すぐに陸佐くらいまでいけるでしょう」
「昇進試験があるなら、面倒そうだな」
「……ありますね、確か」
恭也さんは苦笑いだ。フェイトさんもどこか困った顔だ
と、ドアが開いてはやてさんも入ってきた。美由希さんたちも出てきましたね
どこかシャッハと気があったのでしょう。楽しそうです
「ごめんなぁ。やっぱり無いって。多分ロストロギアでもないと無理やわ
後は、無限書庫から出てくるのを待つのみや」
「そうか。美由希」
「なに?」
「俺たちは此処にとどまるしかないらしい。今こそ選ぶときだ。お前は学校行って選べ
俺は仕事をするから」
「えっと、どっちに入るの?」
「すでに俺と美由希は、仕事=聖王か管理局しかないのか?」
「で、一応カリムの口利きとうちらの口利きがあるから、それなりに不自由はせんで」
「はやて!」
「今回の事件の原因はさっぱりつかめてない。次元断層により放り込まれた
前の事件の余波、色々あるけど、さっぱりつかめてない。正直に言えば、うちらの誰もが
あなた方を帰す手段を持ってません。だから、うちらが口利きします」
「そうか。なら、美由希、お前は聖王の方に行って文字とか教えてもらって来い
子供たちとたくさん一緒らしいぞ」
「恭ちゃんは?」
「俺は、仕事して、帰ってくる。最低ランクの陸士なら、多分報告書とか書かなくていいだろうからな」
馬鹿正直に今言いましたよね? 文字かけませんって
「あ、それなら、うちらからこれあげる」
「なんだ? 俺は機械は苦手なんだ」
「……違いますよ〜。そのこれは、デバイスと文字とかを勝手に書いてくれる能力を付け足したんです」
「もらいます」
「恭ちゃん、もっとさ、なんか無いの!?」
「無い」
凄いわね。でも、恭也さんこっちには来ないのね
「まぁ、管理局のことはちょこちょこ調べてたからな……まぁ、変な部屋にも入ってしまったが」
「……変な部屋?」
「はやて、寝るなら、ちゃんと自分の部屋で寝無いと皆心配するぞ」
「あ、ああああああああ、あれ、うちに毛布かけたん、恭也さんやったんか!!」
「そうだが」
不思議そうに見てますね。なんか楽しそうです
ま、こちらも一応、何かしら手柄を上げたときには何かあげますか
「ううっ、寝顔見られた」
「安心しろ。見たのは資料だけだ」
「資料?」
「ああ。六課全体と関わってる人とかな」
「恭ちゃん、悪魔だよ」
「あほぅ。寝ないで調べたと言え」
というか、誰にも引っかからず、そのまま入っていったんですね
フェイトさんも驚いてるようですし
なんていうか、隠密行動も長けてるようですね
凄いですね
「ううっ、あ、そういえば、なのはちゃん7時になるって」
「まぁ、それくらいは構わんがな」
「……恭也さん、あんまフェイトちゃん苛めたらあかんで」
「何を言う。俺は苛めてなど居ない。鍛錬相手になってもらってるだけだ」
「あれはいじめです。はやて、変わって〜」
「あかんで。第一フェイトちゃんが、賭けしたんやろ?」
「だって、冷静になったら勝てると思ったんだもん。しかも、ウィングロードだけ足してあげようって」
「ま、負けた本人なんやしどうしようもないって」
何かあったのね。いろいろと
ゆっくり私は恭也さんへと詰め寄る
「どうかしたか?」
「いえいえ。本当に男性みたいな方と言えば可笑しいかもしれませんが
恭也さんにとっては私は小娘みたいに弱いものですから」
「うわっ、言い切ったで。騎士が」
「あはは」
シャッハ、後でちゃんと聞きますからね
「お忙しいって事でしょう。ま、俺もこれからは仕事しないとな」
そんな言葉がゆるりと聞こえました
この後数年後、恭也さんは聖王教会の教会騎士団に入団することになりました
私と同じく騎士の位を余裕でゲットしてました。報告書? そんなの部下に作らせたら良いじゃないですか?
そんなことをのたまう私に、ナイス判断と仰って、頭撫でられてしまいました
これからが勝負です。あの方は超が付くほど鈍感で、更に、人をひきつける魅力がありますから
教会内部でも危ない危ない。まぁ、ヴィヴィオさんが恭也さんに懐いていて
しょっちゅう着てますけどね。なのはさんが嘆いてましたけどね
さ、今日も恭也さんとお茶しにいきましょ。明日はお仕事でしょうし、お疲れ様くらいは私が、ね
あとがき
いや、マジ長いから!!というか、長すぎ
カリムの人柄とかかかれてないし、経験のみで書いた作品だから、ほぼオリジナル?
そんな感じだからこそ、お堅い感じはあるけど、一度なったら一直線的なものを
シャッハより技術で言えば御神は上だと思ったんで、してみました
ちなみに、フェイトと恭也の戦いは恭也の作戦勝ちです。森などを傷つければ駄目なので
森の中の戦闘で、恭也はフェイトを一気に追い詰めたので、勝てたんです
市街地の戦いは、まぁ、恭也の体力にフェイトが付いていけるわけが無いって結論からです
引っ掻き回されて、素早さと鋭さのライオットで攻撃しようにも、そこはやはりフェイトとより恭也の経験
その差は大きいって事です。ちなみに恭也の聖王での騎士名は『守護騎士』と『双剣騎士』です
一応時空管理局では『二位陸尉』です。でわ、これで……ほんと、ながっorz