リリカルなのは×とらハ


設定です
高町なのはの引き取ったヴィヴィオと恭也のお話?
恭也育児記録かなぁ?
恭也29歳ね……とらハ成分少なめです








『育児録』









 士郎や桃子には仕事があり、時間が空いてるという人は平日などには少ない
 ただ、月村恭也はその日、引継ぎなども終えて、のんびりとしていた
 忍とすずかの両名が忙しいのは知っているけどって所だ……そして、一人本を読んでる

「恭也パパ」
「ん、どうした?」

 恭也はヴィヴィオの世話を少ししている。といっても、なのはたちが居る宿舎じゃなく
 此処は月村邸だ

「これ、なんて読むの」
「ああ。これは、しんせきって読むんだ」
「ふぅん」
「日本語うまくなったな」
「恭也パパのおかげ〜」
「そう言ってもらえると助かるな」

 恭也とヴィヴィオはあまり会うことが無いのに凄く仲が良い
 そのことに、忍も一度不振に思い恭也に真偽を確かめたほどだ
 ぶっちゃけた話、なのはを襲ったかどうかって話だが

「そういえば、ママたちがパパのことはおじさんだって言ってたけど」
「まぁ、そうだが……ところで、どうして俺がパパなんだ?」
「パパ居ないから、それでパパらしいって言うので恭也パパ」

 他にもパパ候補は居たのだろう。だが、ヴィヴィオの頭で考えたパパが恭也だったというだけだ
 なのはとフェイトは苦笑いだが、懐いてるのを引き離すのも悪いって事で恭也に任せてる

「それに恭也パパ物知りだから」
「そういってもらえると嬉しいが、全部が全部詳しいわけじゃないんだがな」
「えへへへ〜」

 笑うヴィヴィオに恭也も小さく微笑む。この手の小さな子にはどんな人も笑わせる魔力があるのだろう
 そして、また本を読むヴィヴィオとのんびりしている恭也
 お茶などを出したり、お菓子を出したりしている
 ヴィヴィオは本を読みながら食べることはしない
 しおりを挟み、閉じてから食べるようにしている……ちなみに、恭也がそう躾けた
 本や物を大切に扱うという事を覚えて欲しいって事で教えたのだ

「パパ」
「ん?」
「お菓子もう少し欲しい」
「……あまり食べると夕飯が入らなくなるから駄目だ」
「うう〜」

 下からじっと恭也を見つめる。と、恭也はヴィヴィオを撫でる

「はうっ」

 いきなり撫でられて首から上が揺れてる

「半分だけだぞ」
「ほえ?」
「半分なら俺も食べて大丈夫だろう」

 クッキーを半分に割り、ヴィヴィオに渡す恭也
 恭也の手から口で受け取り食べるヴィヴィオ

「美味しいね」
「そうだな」

 ヴィヴィオはふと気づいたのか、恭也の膝上に乗らせてもらう

「と、急にどうした? 普段なら聞いてくるのに」
「んとね、何となく」
「そうか」

 恭也にすりすりと甘えるヴィヴィオ。その硬くも柔らかく暖かいのがヴィヴィオのお気に入りだ
 ちなみに、それは、ヴィヴィオだけじゃなく、忍や恭也の実子たち、なのはたちも好きなのだが
 最近はヴィヴィオに奪われている……甘え上手って所なのだろう

「そういえば、ノエルお姉さんとファリンお姉さんは?」
「今は確か掃除してたし、その後は買い物じゃないか?」
「行きたかったなぁ」
「まぁ、何時迎えに来るか分からないからな。家に居ないとまずいだろう」
「うん……ふにゅ」

 小さく欠伸をするヴィヴィオ。恭也の膝上で本は出してるものの、船をこいでる
 恭也はそれを見て小さく微笑む。そういえばと思い出すのは、なのはの幼児期
 士郎は大怪我で入院してる間、ほとんどの面倒を恭也が見ていた
 美由希に任せるのは危なっかしかったからだ

「おやすみ」

 恭也の胸を枕にし、体を預けてるヴィヴィオ。恭也は恭也でそれを小さく笑いタオルケットをかける
 優しく抱きしめ、体を横にする
 恭也が思い返すのはなのはと一緒に居た頃のこと
 此処まで大きくなかったが、それでも小さなかったなのははやっぱり懐いていたと捕らえてる
 何より、小さかった頃寂しい思いをさせた自分たちも悪かったのだ




 1時間後、二人して仲良く眠るのをファリンとノエルの二人が見つけた
 ネコたちも恭也たちの周りに集まっている。ドアを開けたら入っていったのだ
 ネコたちも恭也が大好きなので、それこそ好んでそちらへと寄って行く
 恭也は小さく目を開けて確認すると、またまどろみに任せる
 ヴィヴィオも起きる様子は無いからだ



 更に1時間後、小学生の雫たちが帰ってきて、ヴィヴィオと遊び始めた
 恭也は片付けなどを手伝い、一息つく……子供同士仲が良いのは良いことだということで
 恭也はおじいちゃんとなっている

「ほんと、仲良いよね」
「忍、お帰り」
「ただいま」
「すずかもお帰り」
「ただいまです、義兄さん」

 二人に挨拶してると、子供たちはお庭でネコたちと戯れてる
 こてっとこけるヴィヴィオだが、すぐに立ち上がり、また遊びだす
 芝生の上プラス小石とかでも危ないということで、忍親ばかっぷりを発揮
 ノエルも子供の為にと小石などが入り込んだらすぐに退ける。危ないと分かってるからだ

「恭也〜、忍ちゃん、寂しかった〜」
「はいはい、すでにちゃんづけするような年でも無かろうに」
「ぐはっ」

 忍、痛恨のダメージ
 すずかは苦笑いで姉を見ている

「すずかも、こういうお間抜けな人にならないようにな……どこをどう間違ったら
 こんなマッドサイエンティストになるんだか」

 更にダメージを上乗せされ、じゅうたんの上で倒れている
 精神ダメージは肉体ダメージを上回るらしい

「パパ〜」

 ネコを連れてくるヴィヴィオに小さく笑う

「すずかお姉ちゃん、忍おばちゃん、お帰りなさい」
「ただいま、ヴィヴィオちゃん」
「ただいま……ごめんね、私、ちょっと疲れたから寝てくる」

 そういって、忍は自室を目指してとぼとぼと歩いていく

「忍おばちゃん、どうかしたのかな?」

 ヴィヴィオの言葉は時として凶器となって、人の心をずばずば貫く
 忍もまだお姉ちゃんと呼ばれたいお年頃なのだ
 先ほどの一言で止めとなり、忍は階段で一段踏み外しこけていた
 ダメージがまだまだあるようだった

「ま、まぁ、忍のことは気にしなくても大丈夫だ。そのうち復活するだろう」
「あはは、義兄さんったら」

 すずか笑いながらも、姉の苦痛は痛いほどよく分かる
 だが、それはそれとして、置いておくしかないだろう

「パパ〜」

 子供たちも遊び疲れたのか戻ってきた
 小学校の宿題があるのかもしれないのだが

「宿題あるなら早めにしたほうが良いぞ」
「うん、する〜」
「出てたしね」

 姉と弟という感じだが、どちらも似たり寄ったりだ
 そして、もう一人

「ただいま」
「お帰りなさい」
「お帰り」
「うわっ、お母さんやすずか姉さんより遅かった。あ、ヴィヴィオ、いらっしゃい」

 なんだか、にぎやかな子。恭也と忍の最初の子供だ

「おかえり〜」
「うん。と、ごめんね。今日は宿題がたくさん出てて頑張らないと難しいんだよ
 先生の鬼〜〜〜」

 最後の方は小さく漏らしながら歩いていった
 ヴィヴィオは首をかしげて

「宿題? 鬼?」
「宿題っていうのは、学校から出される課題とか提出物のある学習のことだ
 鬼っていうのは、この世界の日本だと日本の角を持つ筋肉隆々で金棒っていうものを持つ暴れる妖怪のことだ」
「あ、桃太郎に出てくる」
「そういうことだ」

 間違いじゃないが、どんな知識だそれ
 更に何時の間に日本語まで教えた恭也って顔をすずかが向ける

「すずか、どうかしたのか?」
「い、いえ……あの、一つ聞いて良いかな? ヴィヴィオちゃん」
「なぁに?」
「義兄さんがパパなのは分かるんだけど、よくこっちに来るけど大丈夫なの?」
「うん。ちゃんと書置きしておいたから」

 ……すずかと恭也の頭に書置きがどんなのか考える

「なんて、書いておいてあるんだ?」
「出かけてきます。探さないで下さいって書いておいておいたよ」

 笑顔。すずかは急ぎ連絡を取るために、携帯を取り出す

「それだと、家出少女みたいだから、今度から違う風に書こうね」
「昔の俺みたいだな……こういう部分は似ないほうがいいのだが」
「パパと似てる?」
「まぁ、似てるが、なのはたちが心配するだろう?」
「でも、なのはママが言ってたけど、パパの方が心配だったって」
「それなら良いか。うちに居る分には大丈夫だろう」
「義兄さんったら……あ、繋がった」

 すずかは苦笑いで対応してる。落ち着いてるとも言える
 ただ、向こうは騒がしいのか、どたんばたんという音が聞こえる

『そっちにヴィヴィオが居るの!!?』
「う、うん。で、なのはちゃん、何してるの?」
『ポート班長を絞めてる』
「だ、駄目だよ。そういう事ばかりしてたら」
『だって、この人がヴィヴィオが行きたいって言われたからって、のんきに〜〜〜〜
 くき〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!』
『ぐぇぇぇ〜〜〜〜〜〜』
「えと、仕事終わったら迎えに着てね〜」

 すずかは無難に答えて携帯を切る

「義兄さん、連絡取っておいたよ」
「ああ。ありがとう」
「パパ、ネコネコ」
「ああ。すずかが大量に拾ってくるから、ネコ屋敷みたくなってるぞ」
「あ、あははは」

 苦笑いのすずか
 ファリンやノエルもそれは知ってるので、小さく笑う
 夕飯の準備もしないといけないので、しているがちょくちょく聞こえる言葉に微笑んでしまう
 ああやってヴィヴィオを挟むと、不思議とすずかと恭也が両親、子供がヴィヴィオに見えるから不思議だ
 まぁ、そういうものなのだろう……仲の良い男女と子供なのだから

「恭也さんはのんびりしてて良いの?」
「ん? 此処でか?」
「はい。確か仕事の引継ぎ云々は終わったって聞いてますけど」
「もう年だからな……あまりお年寄りが前線出ても邪魔になるから」
「そんな風には見えません」

 すずかはそういって小さく笑う。何時も変わらない
 心配でたまらないときもある。忍も笑うが、それでも義兄である恭也が居ないとどこか寂しそうだ

「パパ、パパ」
「ん?」

 ヴィヴィオが恭也のズボンの裾を引っ張る。恭也はヴィヴィオの頭を撫でて見る
 そして、指差す先には光が集まっている

「来たみたいだな」
「そうですね」

 光が収まる。ヴィヴィオは恭也の後ろに隠れてる
 そこには、高町なのは(完全武装)とフェイト・T・ハラオウン(完全武装)
 さらに、ボロ雑巾のようになっている班長だろう人

「ヴィヴィオ!」
「な、なのは、落ち着いて」

 片手に班長を持ちながらも、全く動きに遜色が無いみたいだ
 恭也とすずかはそれを見て、なのはってば力持ちなどとちょっと違う方向に考える
 フェイトはなのはを止めるために来ているという感じだ

「あれほど、置手紙で出たら駄目って言ってるでしょ!」
「ちゃんと言伝頼んだもん」
「あれは言伝って言わない……遊びに行ってきますって、どこに遊びに行くかちゃんと言いなさい!!」
「う〜」
「う〜じゃないの」

 すずかは苦笑い。恭也を挟んですることじゃないのだが
 恭也は苦笑いだ……元気がありあまってるというのだろうか?

「ママたちなら見つけてくれるって思ってたんだもん。それに何日か帰ってこないし」
「うっ」
「ううっ」

 なのはとフェイトは呻く。確かに仕事の為に数日家をあけたのは事実だ
 そして、すずかは小さくため息をつき、恭也はそれじゃあ仕方ないなと考える

「だから、パパの所に遊びに来たかったから来たの。パパだって居て良いって言ってくれたし
 ちゃんと伝言したもん! そこで倒れてる人に」
「言ったのに聞いてもらえなかった」

 日ごろの行いか、班長らしき人はそのまま寝息を立てる
 疲労回復には寝るのが一番だ

「あは〜」
「私は止めたんだよ。でも、なのは、凄く慌てちゃって」
「てへっ」

 可愛くしてるが、恭也とすずかとヴィヴィオの視線は厳しいままだ

「そんなんだから、管理局の白い魔王とか、白い悪魔とか、白い魔女とか言われるんだよ。ママは」
「こふぅっ」

 なのは、ママとして今まで言われてなかったが、言われて初めて傷付く言葉

「な、なのはっ!」

 横で両手両膝をついて落ち込むなのはにフェイトは支えようとするが、助けられなかった

「ヴィヴィオ、何時の間に知ったの?」
「えとね、書いてあった」
「そ、そう」

 知っていたことなので、フェイトは小さく頷く
 まぁ、前のときも悪魔とか言われてたしなどと、大丈夫そうだし放置に決めたようだ

「その、ほら、私たちも帰ってきたし帰ろう、ヴィヴィオ。ずっと此処に居たら迷惑になるでしょ?」
「いや」
「そう言わないで」
「パパと一緒が良い」
「義兄さん、もてもてですね」
「すずか、それ違うからな」
「知ってます」

 ヴィヴィオは恭也の足にしっかり抱きついてる

「うちはしばらく大丈夫だし、居る分には構わないのだけど」
「義兄さんってば……私も構わないよ。なのはちゃん、フェイトちゃん」

 二人の言葉にのそりと起き上がるなのは

「とりあえず、連絡取れるようにしておくから」
「私も。すずか、頼んで良い?」
「私も明日からは、仕事お休み貰ったし」

 携帯でチェックしていたのはそのあたりだろう

「えっと、それって」
「たまには羽伸ばしたいから……」
「それじゃあ、ヴィヴィオ、またね」
「うん。なのはママ、明日は帰ると思う」

 なのはの顔が劇的に変化する。落ち込んでいた顔から笑顔へと

「うん。分かったよ……じゃあ、明日迎えに来るね」
「うん」

 なのはとフェイトは消えた
 ヴィヴィオと恭也とすずかは慌しいなぁなどと思っていた

「ネコたちのブラッシングもしてあげないといけないしね」

 そっちが本音のようだ。すずか、ネコ好き





 ただ、翌日、急な仕事で来れなくなったなのはとフェイトに拗ねたヴィヴィオがもう一泊していった
 更にその次の日に、なのはとフェイトがヴィヴィオに謝ってる姿が見られたのだが
 恭也曰く「自業自得だな」、すずか曰く「約束を破ったら駄目だしね」との事
 ちなみに、忍も休みを貰い、何とかヴィヴィオから「忍お姉ちゃん」という言葉をもらえるようになったのだった






 おわり








 あとがき
 ヴィヴィオって言うか、なんというかだ。でも、最初は恭也とヴィヴィオです
 ミニマム恭也とヴィヴィオの話が浮かびましたけど、それはちょっと難しいので却下しました
 理由は、恭也に魔法を使う才能云々があるかどうか分からないってのが本音
 後、使うにしてもって色々考えたら難しいという事があったからです
 というわけで、今回はこちら。父子って感じの恭也とヴィヴィオでした
 途中まで本当にそうだなぁと思って、半分くらいからはっちゃけすぎたorz
 でわでわ、ほなね〜ノシ



ほのぼの〜。
美姫 「ヴィヴィオが可愛いわね」
うんうん。またしても一気に投稿〜♪
美姫 「ありがとうございま〜す」
それでは、一気にババンといっちゃえ♪
美姫 「また後でね〜」



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