とらいあんぐるハート×リリカルなのは
設定です
クイントのお話です。二度目……ほぼオリジナルなので、許してください
『前向きクイントさん』
その人は突如として現れた。といっても、私がプライベートの時にいきなり現れた
「ええっ!」
驚いて、座り込む。今日のお夕飯どうしようか考えてたのだけど
目の前が急に光ったと思ったら、武装した男の人が目の前に!!!
周りも驚きで固まってるし
「……ふむ」
いきなり武器をしまうと、ロングコートの中に消える
でも、ちらりと見えた中は間違いなく物騒なものだった
「あの」
「え?」
「驚かせたようですみません。此処は何処ですか?」
丁寧な物腰と手を差し出されて、質問の意味がよく分からないが答える
「ミッドの地上部隊があるところですけど」
「……聞いたこと無い名前だな」
「あの?」
「あ、すみません。このあたりに海鳴という土地はありますか?」
「いえ、無いですよ? それがどうかしましたか?」
「いえ、すみません」
この人、私以上に慣れている。確かに私は小娘だけど
自分のペースで事を運んでいる。立たせて貰って軽く足などを払ってくれる
その手には嫌悪感など無い。たまに男性だとこう色々触ろうとして嫌悪を抱くのだけど
「あの、どうかしましたか?」
「一応聞いておくか……此処は地球じゃないですよね?」
「え、ええ」
本当にどうかしたのだろうか?
それに地球って何か分からないけど、違うわね
「はぁぁぁ」
「えと、大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃないかな」
でも、この人よくみたら、結構かっこいい人ですね
髪の毛で隠れてるけど、理性的な目に、端正な顔立ちだし
「すみません」
「はい?」
「失礼します。クイントさん」
「あ、どうしたの? 緊急招集?」
「違います。急に現れたこの人に話を聞いておこうかと」
その言葉にああ、確かに聞いておかないといけないなぁと納得
地上部隊の面々がちらほらと集まってきている
「悪いですけど、お断りします。事情はこちらのクイントさんを通してお話します
俺のほうも今は混乱していて、誰かについていくのも億劫なので」
しっかりとしてる受け答え。更に私を前面に出すことで逃げれる手はずは整うって事ね
しかも、こちらをちらっと見ているし
「クイントさん、頼んで良いですか? 非番の時ですけど」
「ま、私の目の前に現れたんだし、良いよ。これも一つの運命かもしれないしね」
とりあえず、部屋につれて戻る。ご飯は簡単なものを作ろうっと
「それで、話は私を通すって事になってるけど、話せるかな?」
私より少し年上。それは間違いないだろう
「考えが纏まらなかったが、まぁ、少しずつ分かってきたというところだ。
俺は異世界からやってきたんだろう。で、この武装だが、まぁ、普段は平和なんだが
護衛に行くときに事故に巻き込まれて、こちらに飛ばされたんだろうな」
「飛ばされた?」
「ああ。俺の世界というべきかどうかは分からないが、HGSという不思議な能力を使える人が居る
そして、その人たちのテレポートを多重にかけられた結果、此処に着たんだと思う」
「なるほど。それで異世界に来てしまって、帰り方は分からないんですよね?
一応簡単にですが、そう報告しておきますね」
「ああ。頼む」
でも、こうやって二人きりでいるのに、そういうそぶり見せないのは
さすが武芸者って所かな? 私もそれなりに出来るつもりだけど、この人には勝てないだろう
魔導師としては無理でも、普通に戦闘をする人としたら異能
いや、異質だ……クロスレンジにおいては、普通の魔導師では勝ち目が無いだろう
「どうかしたか?」
「いいえ。あ、お茶とかお出ししてなくて」
「いや、お構いなく……しかし、困ったな」
「え?」
「護衛の仕事を放り出したことに対してだ」
「真面目なんですね」
「そうかもしれないな」
苦笑いで答えてるのだろうけど、表情にほとんど変化が無い
「戻れるように手はずするのでしばらく待ってくださいって」
「戻れそうなのか?」
「そういえば、そのあたりも書いてないですね」
「まぁ、戻れるなら良いんだが」
「大丈夫だって」
私は笑顔で言い切る。この次元世界でいけない場所なんてあるわけないし
そういう世界の噂は聴いたこと無いけどね
「あ、返事来た……えとね」
……はい?
「どうでした?」
えと、どういうこと?
「あの、高町恭也さんで良いんですよね?」
「ああ」
「そのですね、元の世界に帰れるようにしようとしたところ、その世界に恭也さんが居て
どういうことだって議論になってしまって今、科学者の人たちが集結して原因究明らしいです」
「で、結論は?」
「帰れませんって事です。今のところ、今のミッド、聖王のどちらでも帰れません」
「そうか」
落ち込んでるのかどうか分からないけど、ちょっと空気が暗い
「ほ、ほら、なんだったら私が貰ってあげるから……そんな落ち込まない落ち込まない」
ただ、このせりふが現実になろうとは、この時の私は知らなかった
数日間ほどは私が面倒見て、仕事がどんなのあるか調べたり一緒に動いた
ただ、分かったことは機械が凄く苦手なのと、魔法の才能は無いが
武術を収めており、その強さは、普通のアタッカーより強い事
私もクロスレンジの戦いを教えてもらってる
といっても、駆け引きなんかを……恭也さんの駆け引きは多対一でも役立つものばかり
それに、魔法が使えない状態でも、敵を倒すのに必要なものなども分かってる
今は教導隊で魔法のレベルが低い人専用が出来ないか云々も持ち上がってきている
たまたま起きた銀行強盗犯罪者たちが恭也さん一人で解決したのを受けてた
この世界に残りませんかって話も持ち上がってきている
「恭也さ〜ん、今日のお夕飯どうしますか?」
「そうだな」
二人で買い物もよくするようになった
おいしそうにご飯を食べてくれるのは本当に嬉しいし
たまに、私が疲れて帰ってきたら、ご飯を作ってくれてるし
朝食は交代で作ってるけど、和食という変わったものとかも作ってくれて
本当に美味しいし、驚きです
「あ、今日は野菜炒めにしませんか? ほら、これ安いですし」
「そうだな」
そして、何時ものように夕飯を……って、たった数日のことなのに、何時ものようにって!!
どうなのよ、私!? あれ? そういえば、最近周囲の視線が……
不意に周囲を見渡すと、何故か生暖かい視線
「え?」
「どうかしたか?」
「いえ」
なんかよく分からないことになってる?
(ちなみに管理局では、恭也とクイントが付き合い同棲してるから、結婚間近まで言われている)
結局恭也さんは今の技術では戻せないことが発覚して、働くことになった
といっても、恭也さんと私は一緒の部屋で暮らしたままなのだけど
もう少ししたら給料日だから出て行くって言ってるのだけど
私はそれが寂しく感じ、此処1月が楽しかったことを思い返す
「恭也さん」
「クイント?」
私は、一歩前進しよう。恋愛は下手だ
自覚してる……だから
「どうかしたのか?」
恭也さんも寝巻きに着替えて、私も寝巻きのままだ
明日、恭也さんは引越しの場所を決めて引っ越そうとしている
何で私が彼をここに引き止めたか、分かった
一目惚れしてたんだ。最初から
「私を貴方の物にしてください」
「はい?」
「私と結婚を前提に付き合ってください」
「なっ!! ちょ、まて、落ち着こう。ほら、俺が一月一緒だったから感覚が狂うとか」
「いえ、私は正常です。恭也さんの事、ううん、恭也の事を最初からそう見てた
だから、私は皆が恭也さんを取る前に証が欲しい」
「ちょ」
「無理に出て行くなんて事ないです。二人で小さな部屋で一緒にいる
それがとてもあったかで楽しい事ですから」
恭也さんは焦ってる。私はぷちぷちとボタンを外す
「お、落ち着け」
明るい場所で恥ずかしい。でも
「落ち着いてます。恭也さんは私みたいな小娘嫌かもしれませんけど
私は覚悟してたんです。多分、何時襲われても、心の中で期待してたんです」
「ちょ、ほんと落ち着け」
「だから、私に貴方を下さい」
私は恭也さんの体に収まるように歩いていく
パサリと落ちたズボンは足に引っかかるけど、そのまま恭也さんが座ってるベットに乗る
恭也さんの目の前まで顔を近づけて、座っている足の上に体を当てる
暖かでいて硬いような柔らかいような感触
男性の体に触れる機会はあるけど、もっと筋肉が無かったと思う
それが、この人との違い。この人は普段の肉体から考えてるから
頬が熱い……するすると伸びていく手は私のものじゃないみたいだ
でも、体も心もぽかぽかで……
「きょうや」
ふわりと抱かれる体は優しく、そっと口付けされる
体同士が当たってる
離れると恭也さんはそっと私を見て
「手加減せんからな」
「お応えしますよ」
ちなみに翌日、私は動けず、恭也さんが私の勤めてるところに連絡および挨拶していてくれた
しかも、私の世話まで……腰が、体が
一年後、私と恭也さんは結婚することになった
恭也さんに帰りたいですかって聞いたら、クイントが居るからって答えてくれて
凄く嬉しかった。お腹の中の子も祝福してくれますよね?
おわり
あとがき
いや、これ、本気で甘いな!
しかも、性格がめっさ難しい。いや、恋愛方面の云々が無いからオリジナルで書いたけど
此処まで見事に向こう見ずみたいになるとは思わなかった
斜め上の結果に自分が満足ですけどね……って、自分だけか!!
驚いてる場合じゃないなぁなどと突っ込んでみる
でわ、また〜、クイント二つ目〜〜〜ノシ