<警告>

この作品は若干オリキャラ最強状態になりかけるのでご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

Side Evangeline

 

 

まったく、なんで今になって……

 

私は今、今朝見た夢について考えている。あれは、だいたい300年ぐらい前のころのだったか…………。

 

 

 

 

 

「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック! 氷の精霊17頭。集い来たりて敵を切り裂け!『魔法の射手 連弾・氷の17矢』!!」

 

――ズドドドドンッ!

――ギャァアオオオオオアアアアアアア!

 

私の生み出した氷の槍に貫かれ前方にいた悪魔どもが消えていく。だが、先ほどの攻撃をかいくぐってきた一体の悪魔が口に炎を生み出しこちらに撃ちだしてくる。

 

チッ!

「『氷楯』!」

 

咄嗟に氷の楯を出現させその炎の塊を跳ね返す。跳ね返った攻撃はそれを放った悪魔に当たりその身体を燃やし始める。

 

――ザシュッ!

「ダイジョウブカ、御主人」

 

先ほどの悪魔の首を斬りながら、従者のチャチャゼロが聞いてくる。

 

「ああ、大丈夫だ。だが……」

 

そういいながら私はこうなった経緯を思い出す。

 

各地を彷徨っていた私たちは、たまたま近くの街か何かを襲撃しようとしていた悪魔の集団に出くわしてしまった。連中は私が持つ強大な魔力を察知して追いかけてきた。そして今に至る。

 

状況を確認する。私の前方にはまだ数十体の悪魔どもがいる、「おわるせかい」を使ったのにも関わらずに、だ。そして背後には切り立った崖……。しかも、体力だけでなく魔法の使いすぎで魔力も残り少ない……最悪である。

 

そう思いながらも魔法を使おうとし

 

「リク・ラク・ラ――」

「――ッ!御主人、上!」

 

そのチャチャゼロの声に反応し上を見上げると一体の悪魔がものすごい勢いで向かってきていた。迎撃しようにも間に合わない!

 

そう思ったとき

 

 

「――はぁっ!!」

――ザクッ!

 

 

その悪魔を切り裂きながら

 

 

――コツ

「大丈夫ですか!」

 

 

一人の少年が現れた。

 

 

 

 

六翼の「天使」と魔法使い 第1.5話:ルシィとエヴァ

 

 

 

 

「あ、ああ、大丈夫だ……。だが貴様は一体―――!」

 

そう返事をしながら、私はこの少年の姿を見て驚いた。

 

「おまえ、『天使』なのか!」

 

そう、その少年の背中には綺麗な純白の六つの翼が生えていたのだ。

 

「ええ、そうです。自己紹介をしたいところですけど、その前に……」

 

少年の姿をした天使はそう言い

 

「この悪魔たちを始末してからにしましょう」

 

悪魔たちへと向き直った。

そして左手を空に向け掲げ詠唱を開始する。

 

「光の力を司りし精霊たちよ、我が声に従え。光の雨となり、彼の者どもを滅せよ。降り注げ! ジャッジメント・レイ!!」

 

そして、悪魔どもを光の雨により一体も残さず消し去った。

その様子を見て

 

「さてっと、これで大丈夫ですね。それでは―――!」

 

――トサ……

 

私は誰かに抱きとめられるのを感じながら意識を失った……。

 

 

 

――パチパチ

 

何かが燃えて弾ける音を聞き、私は目を覚ます。

 

ん……ここは?

 

そう思いながら身体を起こす。

 

「……ん、起きましたか?」

「オッ、気ガ付イタカ、御主人」

 

その声のほうを見ると、そこにはチャチャゼロと姿が違うが先ほどの少年が丸太に座って焚き火に木の枝をくべていた。

どう違うかというと、まず背中に翼がない。そして腰の辺りまであった髪も金色ではなく水色になり肩のあたりまでになっていた。服装も違っていた。先ほど私を助けてくれたときにはつけていた軽鎧と右手に持っていた槍はなく、その下に着ていた白いシャツに黒いズボンというラフな格好をしていた。

 

「どうです、身体の具合は?」

 

少年が心配してかそう聞いてくるので

 

「あ、ああ、どこも悪くない」

 

そう返しておく。確かに身体はどこも悪くない。たぶん、疲労と魔力の使いすぎでさっきは倒れたのだろう。

 

「そうですか。よかったです」

 

私の返事を聞き、少年は安心したようだ。

 

「それよりもお前は誰だ? それとここはどこだ?」

 

私はいくつか質問をした。そしていくつか分かったことがあった。

まず、少年の名前はルシアンというらしい。姿が違うのは力を抑えているからだそうだ。何故あの場にいたかという質問には、悪魔の気配を感じて来たところ、あの場面に出くわしたようだ。それとここは先ほどの荒野から少し離れた所にある森の中だそうだ。

そして少年は最後に

 

「それと、僕のことは『ルシィ』と呼んでください」

 

そう言って、純粋な笑顔を向けてきた。

 

………………………………………………

「ん? 僕の顔に何か付いてます?」

「え? い、いや、な、なんでもないぞっ?!」

 

くぅ〜っ! なんていう顔をするんだ。思わず見惚れてしまったではないか!!

 

「そうですか? それでは今度はこちらから質問しますね」

 

少年―ルシィはこちらの様子に気付いた様子もなく、

 

「君は何者ですか?」

 

そう言ってきた。

 

…………いきなりそのことからか

 

「……普通は名前が先だろ。まあいい、私は魔法使いだ」

「でも、ただの魔法使いではないですね?」

「……何故、そう思う」

「君から微かに魔の気配を感じるからです」

 

なるほど、隠しても無駄か……まあ、当たり前か。相手は悪魔を退治する存在だ、それくらい気付いて当然か。

 

「私は真祖の吸血鬼だ。名前はエヴァンジェリン・AK・マクダウェル、『闇の福音』と聞けば分かるだろう?」

 

ルシィは私の正体を聞いて少し目を見開き驚いたような表情をした。

 

ふんっ、他の奴と同じ反応か……。これで、こいつも私から逃げたり、殺そうとしたりするだろう。天使といえどやはり他の奴のように…………

 

そう思っていると、

 

「君があのエヴァンジェリンですか。……噂は知っていましたが…………へ〜、本物はこんなに可愛らしいんですね」

 

とか言ってきた。

 

「な、な、何を言っている!? 私はあの『闇の福音』だぞ! 悪の魔法使いなんだぞ!何故怖がらない? 何故殺そうとしない! 何故そんなことを言う!!」

 

私はこんな奴を知らない。私の正体を知っても普通に話す奴にあったことがない。だから、私は疑問に思ったことを一気に口にした。本当に何故……。

 

「何故って、それは君が普通の女の子と変わらないからだよ。それに噂だって所詮君の事をよくも知りもしない人が勝手に言ってることでしょう? 僕は本当のことを知らないでそういうことを勝手に言う人って嫌いなんだよね」

 

私が口にした疑問にそう答えてきた。

 

私が普通の女の子と変わらないだと?

「それは本心か?」

 

私は彼の言葉がまだ信用できなかったのでそう聞いた。

 

「本心だよ。それに同情で言った言葉でもないからね」

「なら、私から逃げたり、私を殺そうとしたりもしないんだな?」

「しないよ。こんな可愛い娘と知り合えたのに、どうしてそんなことをしなければいけないんだい?」

 

そう答えてきた。

 

私が可愛い……

「本当か?」

 

私はもう一度聞いた。

 

「本当だよ」

 

彼は殆ど間を置かずに即答してきた。

そしてしばらく考えて

 

「それと、今考えたんだけど、しばらく君と行動をともにしてもいいかな?」

 

と、言ってきた。

 

え……

「どうして?」

 

私は問い返した。

 

「ん〜とね、何となく君を守りたいと思ったから……じゃあダメかな、エヴァンジェリン?」

私を守りたい……

「…………でいい」

「ん?」

「私のことはエヴァでいい」

「分かった。それじゃエヴァ、どうだい?」

「ふ、ふんっ! まだ信用できん。わ、私を守りたいという気持ちが本当かどうか、しょ、証拠を見せろ!」

 

私は照れ隠しのためにそんなことを言ってしまった。

 

あーもー、そんなことどうやって証明すればいいと思っているのだ、私は!

「ん〜……証拠ねぇ…………」

ほら考え込んでしまったではないか

 

と、そんなことを考えていると、

 

「…………それじゃあ……エヴァ、そこで立ってくれるかい?」

 

何か思いついたのかそんなことを言ってきた。一体何をするつもりなんだ?

 

「……立ったが、何をするんだ?」

「ん〜とね、そこを動かないでくれるかな?」

 

そういって立ち上がり、こちらに近づいてくる。

そして、私の前で立ち止まり跪き

 

私の右手を取り

 

――チュッ

 

口づけをした。

 

〜〜〜〜〜っ!?!?

 

「君のことをこの先ずっと守るとここに誓おう、エヴァ」

 

そして私の顔を見上げ微笑んだ。

 

その後、私たちは傍に座って、お互いに一言も話さずに焚き火の炎を見つめていた

しばらくしてチャチャゼロに「何デ、俺ノコト紹介シテクレナインダヨ!」と怒られたが……。

 

 

それから私たちは一緒に旅をした。チャチャゼロ以外の誰かと一緒に旅をしたことがなかった。だから楽しかった、ルシィと一緒に旅をするのが。本当に……。

 

途中、「天使の仕事は大丈夫なのか?」と聞いたことがあったが、「他の連中でも大丈夫なレベルのばかりだから大丈夫だよ」と笑顔で返されて、またその笑顔に見惚れてしまった。どうも、彼の笑顔を見るとこうなってしまう。

 

ある時、立ち寄った街でルシィが何か宝石を買ってきていた。それをどうするのかと聞いたら「内緒だ」と返された。その後、私は何日か機嫌が悪く、ルシィは困っていた。でも、一週間経ったある日、ルシィから「プレゼントだ」と、緑色の宝石がついたペンダントを渡され機嫌が直った。これをどうしたのかと聞くと「こないだ買ってきた宝石で作った」、と言われた。私の首にそのペンダントをかけながら、これが魔法具の一種で私が危険な目に会っていたりすると対となるイヤリングにそのことを伝えてくれる物だ、と言った。そして、私の首にかけ終わると自分の右耳に対となるイヤリングの方をつけた。

私は嬉しかった。この身になってから人からプレゼントを貰った事なんてなかったから。何より、ルシィからというのが嬉しかった。

そのころになって、私はあることに気が付いた。それは、私がルシィのことを好きになっているということだ。本当はあの夜、彼に「君を守る」と言われたときから好きだったのかもしれない。

そのことに気が付いたとき、私はすぐにでも彼に自分の気持ちを伝えようとした。でも、思いとどまった。

何故なら不安だったからだ。告白したら今の関係が崩れてしまい、彼が私の元を去ってしまうのではないか、そう思い私は自分の気持ちを伝えなかった。

 

 

でも、後になってからそれは間違いだったと気付き、後悔した。

 

 

 

一緒に旅をするようになってちょうど2ヶ月経ったころそれは起こった。いつものようにルシィが風を感じていたら、突然険しい表情をした。

 

「どうした?」

 

私は気になってそう尋ねた。

 

「近くで悪魔の気配を感じる。それに……」

 

答えながら途中で考え込み始めた。本当にどうしたのだろう?

 

「少し様子を見てきます。ここを動かないでください」

 

そう言って、意識を集中し始める。そして身体を縛る金色の鎖が現れた。

 

「我が身体を縛りし聖なる鎖よ、我が命に従いその戒めを解き放せ……」

 

そして

 

「封印解除」

 

金色の鎖が弾け跳び、辺りが光に包まれる。

光が収まったそこには天使の姿をしたルシィが立っていた。

 

「いいですね。ここを動かないでくださいねっ」

 

そう言って三対の翼を広げ、先ほど見ていた北の方角へと飛んでいった。

私は不安だった。何故なら、私と旅をしていて今まであんな表情をしたことがなかったから。

しばらくして、私の予感は的中した。ルシィが向かった方角で魔力の高まりを感じたからだ。

私はいつもの黒いマントを纏い、自らの従者に声をかけた。

 

「チャチャゼロ、行くぞ!」

「了解シタゼ、御主人」

 

チャチャゼロを伴い、私はルシィの後を追い北の方角へと飛んだ。

 

 

しばらくして、魔力の高まりを感じたところの近くの丘まで来て、そこに降り立った。

そしてルシィの姿を見つけたが

 

「何なんだ、こいつらは……」

 

その光景を見て最初に出たのがその言葉、ルシィが相手にしているものに対して出た言葉だ。

数的には2ヶ月前、ルシィが助けてくれた時の悪魔と同じぐらいだったが、状況がそのときとは違っていた。

ルシィが苦戦しているのだ。一体を倒すのにかなり時間を食っているのだ。

私はルシィに加勢しようと思い、チャチャゼロと共に駆け出した。

するとルシィが私の存在に気が付き、こちらを向いて

 

「――っ!? 来るなっ、エヴァっ!!」

 

そう言ってきた。だが、私はその言葉を無視して魔法の詠唱を始めた。

 

「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック!闇の精霊29柱。集い来たりて敵を切り裂け!『魔法の射手 連弾・闇の29矢』!!」

 

そして一番近くにいた悪魔の様なものの集団に向け闇の弾丸を放つ!

 

――ドドドドドンッ!

 

全弾命中した。が

 

「何!」

 

殆ど無傷の状態で目の前に現れた!

そして、その内の一体がその刃物のような爪が生えている右手を、驚きのあまり動きが止まってしまった私に向けて振り下ろそうとして

 

「――シャイニング・ブリット!!」

――ドドドドドドドドッ!

 

右後ろから高速で撃ち出された光の弾丸に他のものと一緒に身体を撃ちぬかれ、光に還っていった。

 

「エヴァ!」

 

その声と共に先ほどの魔法を放ったルシィが来た。…………何となく怒っている気がする。

 

「風の精霊よ、我が下に集え。暴風となりて我らを包め! テンペスト・ウォール!!」

 

周囲に風の結界を張ってから声をかけてきた。

 

「どうして来たんです!」

――ビクッ

「……怒って、るのか?」

「当たり前でしょ!」

 

やっぱり怒っていた。そう落ち込んでいると

 

「私を心配させるからですよ……」

 

そう言って抱きしめてくれた。驚いて顔を見上げてみると目に涙を溜め、泣いているような微笑を浮かべていた。

 

「すまない」

 

私は素直にそう謝り、彼の身体に顔をうずめ腕を回し抱きついた。

少しの間そうしていた。だが、いつまでもこうしているわけにもいかない。どうにかして奴らを倒さなくては……

そう思っていると、ルシィが抱擁を解きながら

 

「ここでいったんお別れです、エヴァ」

 

そんなことを言ってきた。

 

「な、何を言って――」

 

私は突然言われた別れの言葉に反論しようとしたが

 

「聞いてください」

 

という真剣な彼の声を聞き黙った。

 

「これから私は本来の力を強制解放します。そうしなければ彼らには勝てません」

「……奴らは何者なんだ?」

 

私はさっきから気になっていたことを聞いた。

 

「……あれは魔の力に取り込まれてしまった元『天使』、『堕天使』たちです」

「『堕天使』?」

「ええ、そうです。天使の中にはああなってしまうものが少なくありません。そうなると、理性を失い、全てのものを破壊しようとしてしまうのです。しかも堕天使になっても天使の特徴である“人では殺しきることは出来ない”というのも残りますので厄介です」

「そうか、だからさっき私の魔法が効かなかったのか……だが、何故その堕天使がこんなにもいる?」

 

今の話を聞いて思ったことも聞いてみる。

 

「私にも分かりません。ですが誰かが意図的に発生させたとしか考えられません」

天使であるルシィにも分からないのか……

「だが、それとさっきの別れの言葉はどう関係がある? そのこともちゃんと説明してもらいたいものだが」

 

そう、私が一番聞きたかったのがこれだ。納得できる理由があるんだろうな?

 

「それは…………さっき言った力の強制解放のことです。あれだけの堕天使を相手にするにはこれしかありません。ですが、私にもまだ強制解放した力をうまくコントロールすることができないんです。そして、たぶんこの辺りにある物を全て破壊してしまうかもしれません。そうなるとあなたまで巻き込んでしまう。だから、さっきそう言ったのです」

コントロールできないって……

「お前は大丈夫なのか? そんな制御できない力を使って」

「大丈夫ですよ。ただ、あの状態になると魔の反応がするものを全て殺さないと止まれなくなってしまうだけですから平気です」

 

そう言ってぎこちない笑みを浮かべる。これで安心しろとでも言うのか?

 

「そろそろ時間が少なくなってきましてね。これからあなたをここから離れた安全な所に飛ばします」

「待て、まだ話は――」

「――別にこれが永遠の別れというわけではありませんからね」

 

そう言って

 

 

――チュッ

 

 

額にキスをして、私から離れていった。

目を閉じて私の足元に魔法陣を出現させる。

そして私とチャチャゼロを光が包み込む

 

「また、会えるよな、な!!」

 

転移の魔法が発動する中、私は必死で問いかけた。

その私の問いかけにルシィは

 

「ええ、会えますよ、絶対に」

 

そう答えて最後に

 

「それでは元気で……エヴァ、また会いましょう」

 

 

笑顔を浮かべそう言った。

それと同時に転移の魔法が完全に発動し、私の意識はそこで途絶えた……

 

 

 

 

現実に戻る。

 

あの後、目が覚めるとそこはルシィが私を守ると誓った森の中だった。そして私はルシィに再び会うため、ルシィの最後の言葉を信じて各地を旅して回った。だが、再び会うことは出来なかった。そのルシィを探している途中で再発行された「六翼の天使」の御伽噺の本を偶然手に入れ、そこで彼が「伝説の天使ゼロ」であることを知った。

 

ルシィとの再開をあきらめた私はそのとき、ナギ―サウザンドマスターと出会い、従者にしようとして失敗し、逆に「登校地獄」なる呪いをかけられ今に至る。奴は私が卒業するころに戻ってきて呪いを解いてやると言っていたが10年前死んでしまった。

 

まったく、なんで私が好きになった男は皆約束を破るような奴ばかりなんだ

 

そう、自分の好みに呆れていると坊やの魔力を感じた。もう時間のようだ。しかし、坊やの近くに別の魔力を感じる。

 

この感じは……どこかで…………

 

そう思っていると坊やが入ってきた。坊やが教卓の所に立つと

 

「「「3年!A組!!」」」

「「「「ネギ先生ー」」」」

 

クラスの殆どの奴がそう叫んでいた。まったく、ほんとにこいつらは中学生か?

そんなことを思っていると坊やが挨拶を始めた。

 

「えと……改めまして3年A組担任になりました、ネギ・スプリングフィールドです。これから来年の3月までの一年間、よろしくお願いします」

「「「「はーい。よろしくーー」」」」

 

坊やの挨拶にまたしても大声を上げる。いい加減静かにしてくれ。

これでHRが終わったと思っていると

 

「え〜と、突然ですが、このクラスに新しく副担任の先生が来ることになりました」

「「「えーー!」」」

「ねえねえ、朝倉知ってた?」

「いや、知らなかった。この私の情報網に引っかからないなんて……」

どうやらまだ終わりではないようだな

「それでは入っていただきましょう。ルシィ、入ってきてください」

…………今坊やはなんて言った? 確か……

 

そう思っているとドアが開き

 

「ネギ君、一応学校の中なんだから先生を付けて呼んでくださいね」

 

そういいながら先ほど呼ばれた人物が若干苦笑混じりの声で返事をしながら入ってきて、教卓へ向かって歩き始めた。

そして、教卓の所まで来て正面を向いた。

 

――なっ!?

 

その人物を見て、私は頭の中が真っ白になってしまった。

 

何故なら、そこには

 

右耳に緑色の宝石が付いたイヤリングをし

 

水色の髪と瞳をした

 

「どうも初めまして。このたび3−Aの副担任になることになりましたルシアン・フローリアです。どうぞ、よろしくお願いします」

 

私が二百何年も探し続けていた愛しの「六翼の天使」――ルシィがいたのだから。

 

 

 

 

 


あとがき

どうも、アゥグで(げしっ)ぐはっ……い、いきなり何をっ!

アイリス「ふふっ…ふふふふふ……毎回この話を読むと思うんだけど……」

な、何を……?

アイリス「何なのよ! この感動のラブストーリーのような内容は!!」

え、えっと

アイリス「どうして、恋人である私のがなくてこの金髪よぅじょのがあるのよ!!」

い、いや、落ち着いて……

アイリス「早く私とルシィのラブラブ話書きなさい」

あの、予定ではここで書くわけにはいか――

アイリス「そう……ならお仕置きが必要ですね……」

えっ!? ちょっと……

アイリス「ヤーウェ・エロヒム・カスマリム……」

って、また!?

アイリス「来たれ炎精、闇の精。闇を纏いて焼き尽くせ煉獄の炎……」

あ、あのですね。これでも私は一応作者なんですけどと言うかそれはまずい!?

アイリス「うるさい。燃え尽きちゃいなさい。『滅びの業火』!!」

――ゴゥッ

ぎゃぁぁぁぁぁあぁあぁああぁぁぁぁ……(ぷすぷすぷす…)

 

……………………

(へんじがない。ただのけしずみのようだ)

 

アイリス「ふぅ〜。すっきりした。それじゃまた次回でね♪ では」

 





いやいや、まさかエヴァとこんな過去があるとは。
美姫 「さて、行き成りの再会となったわけだけど」
さてさて、この後の二人はどうするのかな。
美姫 「次回を待ってますね」
ではでは。



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