隔世遺伝という概念がある。

別名、間歇遺伝とも呼ばれるこの概念は、自分の親は受け継いでいないが、祖父母やそれ以上の世代が持つ遺伝形質を、世代を飛ばして遺伝しているように見える遺伝現象のことを指す。

例えば血液型のように、両親、祖父母もO型ではなくとも、劣性遺伝でO型の因子があればO型の子供が生まれる可能性がある。親の世代で発現しないにも関わらず、子の世代で発現するということは何らかの方法で発現する遺伝形質が染色体内に保存されていることになるが、今もまだメカニズムは解明されていない。

 

月村鈴鹿が自分のことを隔世遺伝の子供であると知ったのは、今よりまだ幼い頃のことだった。

遺伝子の話などとんと解らない歳だったが、それが普通ではないこと、大人が困惑していることははっきりと伝わった。姉である忍が懇切丁寧に説明してくれたおかげで、難しい理屈はさておいて自分の存在について良く分かった。

これがただの隔世遺伝であれば誰も困る話ではない。一昔前のように自分の子供ではないと両親が揉めることがなくなるだけマシなはずだった。けれども、月村鈴鹿は、月村の家はただの人ではなかった。

 

―――夜の一族

 

吸血鬼のモデルとなった一族。人間どころか猛禽を遥かに凌駕する身体能力と、極めて鋭敏な知覚能力、並外れた細胞の再生能力を持って生まれた存在。遺伝子工学が発達した現代において、所謂遺伝子障害による人間の亜種とされている。

月村家は紆余曲折があって日本に流れ着いた夜の一族である。夜の一族はテロメラーゼの高活性化因子を有し、細胞内のエラーを駆逐する未知のウィルスと先天的に共生するため、老化や老衰による死が存在せず、人間と対立しても生きていけるように必ずと言って良いほどに支配者層に紛れる。月村家もまた海鳴においては名士であり、一族は政財界に多大な影響力を持っている。

一方で、致命的な欠陥もあった。極めて子供が出来にくく、また一族の絶対数も少ないため近親交配による劣性遺伝や染色体異常の発現の可能性があった。子供の出来難さは変わらないが、仕方なく普通の人間と交わった。その中で、血統が薄れて行き、少し生命力が強いだけのほとんど普通の人間の方が増えてしまった。

月村家も本家以外はほとんど普通の人間になってしまい、本家の忍でさえ先祖ほどの力はない。鈴鹿が聞いた話によれば、先祖は純血種と呼ばれ、親戚の綺堂さくらでさえ問題にならないほどの力があった。今となっては、純血種は遥か昔から生きている同族だけであり、数えるほどしか居なくなった。

 

 

「貴女が、月村鈴鹿?」

 

 

だから、初めて自称叔母を名乗るエリザに会った時に驚いた。

月村鈴鹿は隔世遺伝によって発現した、純血種の夜の一族であると教えられた。

夜の一族の起源に最も近い彼女は、もう一つ夜の一族とは異なる秘密を授けた。その上で、問い掛けた。

 

「私の後を継ぐ気はないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

エリザヴェード=ドロワーテ=フォン=エッシェンシュタイン。

その名を冠する女性は存命である夜の一族において一線を画する存在として、恐れられている。

一族でも最も古い世代の一人であり、最も血統の純度が高い純血種。現代で劣化した他の一族とは比較にならないほど、桁違いに強い力を有する。おそらく、今の一族が総出で彼女に挑んでも一蹴されるだろう。

けれども、それだけの力を持ちながら一族の権力闘争に興味を示さない。誰もが彼女からの口添えを求めて群がれば、五月蠅がり、あまりに執拗であれば死なない程度にお仕置きされる。

 

月村家の庭先で、まるで自分の従者であるようにノエルへお茶の準備をさせている。

差し向いに座る忍はいつもの飄々とした態度が成りを潜め、心なしか頬が引き攣っていた。

 

「いい手前ね、ノエル」

「恐縮です」

 

ノエルのお茶の味に満足するエリザのことが、忍は得意ではなかった。

月村本家の当主である忍はエリザには及ばないがかなりの血統を有する。それこそほとんどの同胞が失ってしまった能力をまだ有しているほどだ。人間としては成人したばかりだが、一族の権力闘争を渡ってきた忍は多少のことでは動じないが、エリザが相手だとどうにも調子が狂う。

 

「どうしたシノブ、私の顔に何かついているか?」

「ええ、まあ、眼と鼻と耳と口とその他諸々が………」

「そう、それは良かった」

 

普通であれば怒るところを、あっさりと流してしまうエリザがやはり忍は苦手である。

話のペースを決して握らせない。場を動かそうとする言葉を受け流す。

親戚の繋がりであればエリザは伯母に当たるらしい。但し、最古世代であるエリザと忍の両親が実際の兄弟姉妹なわけがなく、“血の繋がりのある女性の親戚”という程度の意味があるだけだ。だから、彼女は日本を訪れた際の滞在先を月村家に定めた。余談だが、日本における一族のまとめ役を勝手に自負した氷川家が空港で勝手に出迎えたために、家の者全員が半殺しにされている。

 

「何か言いたいことがあるんだろう?遠慮はしなくていい」

 

お前が言うのであれば、早々簡単には怒らないと遠回しに言われた。

 

「………私は、エリザ伯母さんのこと嫌いではないですが、苦手なんです。それに、一応血の繋がりはありますけど、逆を言えばそれだけの月村にこうして来ていること自体が、困るんですよ」

「他の莫迦共など捨て置け。必要であれば、私が縊る」

「そこまで血生臭くしなくても結構です!」

 

加減というものを知れと説教したくなったが、そこは流石に堪えた。

かつては一族の権力闘争の重しとなっていたはずのエリザは、百年前に突如その役割を完全に放棄した。更に五十年前から表舞台からも姿を消した。以来、言動は自由放埓の枠に収まらず、傍若無人とも言える。

それとは別に、忍がエリザを苦手とする理由はある。

 

「鈴鹿を巻き込むつもりなんですか?」

 

忍の真面目な表情に、エリザはゆったりとお茶を嗜んでから不敵な笑みを返す。

 

「そうだな。まだ、積極的には動かすつもりはないが、将来的にそう考えている」

「………」

 

エリザが口にすれば、それは確定していくことになる。忍は感情を表に出さないよう鉄面皮で覆う。

 

「あの子を、“魔法”に関わらせないで下さい………」

「それは最終的に私が決めることではないな」

 

正論だが、裏のある正論ほど胡散臭いものはない。

 

「………冗談だ。そうだな。私が、こうしてあの子を追い詰めていったことは否定せん。だが、この方があの子も楽な人生だと、私は思うが?」

「他人に人生を決められることがですか」

「それが悪いと考えるのは主観の問題だ。親が子に人生の模範という枠を与えて縛ることと変わらんだろう。そうとは言っても、私はあの子の親ではないが」

 

本人の言う通り冗談らしい語り口は、しかし、忍の反論を封じた。

反論できないことに悔しさを滲ませる姿に、エリザは少しだけ優しさを見せる。

 

「結局のところ、私達の問題は長く生き過ぎるということに尽きる」

「………」

 

夜の一族の高い血統に生まれた者の定め。

 

「私は、お前達の想像よりも遥かに長く生きている。気が遠くなるほどな。その間に色々とあった。宝石箱に仕舞うような記憶も、入れ損ないの紅茶のような苦く思い出したくないと思う記憶もな。今だからこそこうして受け容れて生きているが、そうなるまでにはそれなりの苦悩や葛藤もあった」

 

話していることに偽りはないのだと、エリザの懐古する表情を見れば解る。忍は言葉を挟まずに、ノエルにお茶の代わりを頼む。

 

「あの子は―――お前よりも、遥かに長く生きるのだぞ?」

「!?」

 

その一言に、忍はノエルに手渡そうとしていたカップを取り落とす。

落ちた衝撃に精緻な陶器は砕け散る。明確な動揺に、ノエルはあえて主人の心に踏み込まず破片を手早く片付ける。一方の忍は動揺そのままに、震える瞳でエリザを見つめ返す。

 

「隔世遺伝の発現で、あの子は私と同じ世代の能力を有している。お前の血統もそれに準ずるものではあるが………お前の方が、何れ訪れる死の顎に早く捕まる」

「それは………」

 

見つめ返してるエリザの表情は至って真面目である。からかいも冗談も感じられない。腹芸もないのだ。

夜の一族は極めて長命である。ヒトという種の寿命を決定づけている因子の内、不確実ではあるが二つを排除している。細胞分裂はほぼ無制限であり、細胞蓄積エラーもリライトできる。

だが、それでも何れ死は訪れる。忍も親戚である綺堂さくらから寿命で死亡した一族の話を聞かされている。何より、最古の一人であるエリザは幾人も見てきている。永遠に生きるかと思われた夜の一族にも死は厳然としてある。

 

「でも、あの子には“今”があるんです………それは奪わないで下さい」

 

忍はその辛さを知っている。綺堂さくらが―――共に生きることを決めた相川真一郎との関係を、今でも苦しんでいる姿を見て来た。愛おしい人との、不可避の別離。しかも、自分達は死ぬまで若々しい容姿を保ち続ける。何時か訪れる別れの日に怯え続け、それは誰にでもあることなど言い聞かせながら、それでも思う。思ってしまうのだ。

―――自分達は、必ず“残される方なのだ”と。

鈴鹿は更にその上。一族からも残されてしまう。

―――自分は、必ず“残される方なのだ”と。

だから、少しでも“今”を大切にしたい。成人するまでは普通に成長できる夜の一族にとって、子供から大人になるまでの期間が、一番無邪気な幸せを享受していられる時間なのだ。忍は両親の突然の死によりその時間を置き去りにしてしまったが、代わりと言うわけではないにしても、理解者を考えられないほど大勢得ることができた。

鈴鹿にとっても、“今”がその時期なのだ。魔法の関係者であるフェイトやなのは、一般人であるアリサ。人と交わることに怯えて居た鈴鹿が一歩も二歩も踏み出すことができる友達が出来た。

 

エリザの後継者になる道を最終的に選ぶことまで忍はとやかく言うことはできない。けれども、せめて今はそれを許して欲しかった。

 

 

「言っただろう。私は強制しない。あの子が自分で選ぶことだ。押し留める役は私ではなく、お前だ、忍。それはノエルであり、ファリンであり、あの子がこの九年間を懸けて造り上げた全てだ」

 

忍渾身の訴えを、非情とも言えるほどあっさりとエリザは受け流した。

それでいて押し付けることも、誘導することもしないことに忍は感謝した。エリザはこれから鈴鹿が味わう艱難辛苦を全て経験してきている先達なのだ。その辛さを知るからこそ気にかけている。

 

「ただ、あの子には不可避な役割があるから、それは受けてもらうことになるが」

「それもあの子が選ぶことなんです」

「ああ、そうだ」

 

詐欺師の手口と言われればそこまでかもしれない。

決して強制はしないが、限りなく選ばなくてはならない選択肢。

 

遠くに、学校が終わって帰って来る鈴鹿の姿が見えた。

 

 

「隔世遺伝か………」

 

忍に聞こえないよう、エリザは呟いた。聴覚センサーが拾ったノエルは聞かないふりをした。

 

 

―――もしも、そいつが君の前に現れた時は―――

 

今から数百年前。今は夜の一族と呼ばれる自分達を救った人。

その約束を、今となっては長老であるエリザの兄と、エリザしか覚えて居ない。一族にとっては恩人であるが、最早鈴鹿達の世代にとっては関係ないと言っていい。報恩を強いることはしたくはないが、鈴鹿は魅入られてしまった。

魂魄が時間の枠から外れてしまった者達。おそらくは自分より長生きしてくれる存在を知ってしまえば、鈴鹿は抗えないのだ。解っていながら手を出すことを止めなかったのは、忍が呑み込んだ言葉そのままなのだろうと内心自嘲する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人間、時々自分で何をやっているのか分からなくなる時がある。

後日振り返ってみると羞恥や後悔で頭を抱えて悶絶したくなるようなことは、多々あるものだ。

現在進行形であるなのはの場合は、絶賛頭を抱えて居た。幸いと言うべきか実際にやっているわけではなく、気持ちの上でなのだから誰にも迷惑は掛っていなかった。

状況だけを簡単に言ってしまえば、公園のベンチに座るなのはの隣には、泣く子を恐怖のあまりに失神させて泣き止ませてしまうような化物じみた容姿のドレットノートが座っていた。傍から見れば幼児誘拐犯の現行犯逮捕に雪崩込みそうなシチュエーション。塾帰りのなのはが、ベンチに不審者・オブ・不審者であるドレットノートと安っぽい街灯があるだけの公園に二人きりなのだから、百人中百人が犯罪の匂いを嗅ぎつけるだろう。

 

しかし、この状況はなのはが無理矢理作り出していた。

 

「………私に、話というのは何だ?」

 

コンビニ帰りらしいドレットノートは、感情を推し量れない抑揚のない声で尋ねる。手にはコンビニのレジ袋を握られ、隙間から覗くと中身はぎっしりと酒が詰まっていた。

 

「えっと………その、聞きたいことがあったんです」

 

強引に呼びとめておきながら、いざとなればかなり大それたことをしてしまったことにパニックだったなのはは、ようやく切り出した。

塾帰りの道すがら、コンビニを出て来たドレットノートを見つけた時に反射的に動いていた。それから、どこか落ち着いて話せる場所―――コンビニ前では恐ろしい容姿のドレットノートは目立ち過ぎるため―――を探して公園までやって来ていた。

 

突飛過ぎて自分の方が驚いた。それでもなのはにはドレットノートに聞きたいことがあった。

 

「いきなりだと思うんですけど………ドレットノートさんは、どうして戦うんですか?」

「………本当に、いきなりだな」

 

おそらく驚いているのだろうが、表情も死滅しているためそこを読み取ることができない。

ドレットノートはレジ袋をごそごそと漁ると、日本であればどこの店でも売っているパフ入りの板チョコを取り出して、なのはへ突き出す。

 

「食べるか?」

「あ、はい………」

 

反射的に受け取ってしまったなのはは、まじまじと板チョコを見つめる。

失礼だと解っているが、ドレットノートのイメージに無い一品。甘党で大酒呑みである士郎を知ってはいるが、恐ろしげな容姿をした彼が買うイメージができなかった。

ドレットノートはなのはの印象に斟酌することなく、自分は袋の中からカップ酒を取り出してプルタブを外し、一口。

 

「………私が戦う理由は簡単だ。復讐だよ」

「復讐………?」

「そう、復讐だ」

 

まだ一口。酒の力を借りた“フリ”をしたドレットノートは忌避される言葉を臆面も無く言った。

復讐―――ネガティブな言葉のトップクラス。そして、魔法に関わって来てから幼いなのはが直面してきたもの。眼の前に居るドレットノートは簡単にそれを言ってのけたのだ。彼は、人から復讐を行う自分がどう見られるのか頓着しないことの証左だった。

 

「君ぐらいだったな………」

「え?」

「今では全くそう見えないだろうが、これでも私には妻も子も居た。子供は、君ぐらいの年だったよ」

 

また一口。もう一口。カップ酒の呑み方で思い起こされるような啜り呑みではなく、一息でごっそりと減っている。残り僅かなところで子供の話をしたドレットノートの言葉から、なのはは復讐の意味を察した。

全て過去形で語られる家族の存在は、既に失われてしまったから。あまりに有り触れていて、根源的に人を復讐へと走らせるものは、いつの時代でも家族の喪失だ。

 

「君は、賢い子だ………逆に聞くが、君は何故戦う?」

「私は………」

 

過たずに復讐の中身をなのはが察したことも解っているドレットノートは、遠慮することなくズバリと核心を突いた。

 

「復讐に走る私が偉そうに言うことでもないが、はっきりしないのであれば戦わないことだ。特に管理局という組織の下では、な。いや、それは全ての組織に言えることだ」

 

気付けばカップ酒は二杯目。それも半分以上呑んでいる。酔いのまわり始めているはずの眼はしかし、まるで酔えないことを厭うように細められていた。

 

「私は、誰かを助けられる力があるんです………助けを求めている人が居ることを知ってるんです」

 

悲しみを背負った人達が世界に居ることを知った。フェイトのように大事なもののために泣きながら戦う人だって居る。なのはにとって、救われるべき人が居て、自分に救う力があるのであれば躊躇なく戦う。理屈というよりも、それが高町なのはという少女の根源にあるもの。

ドレットノートは分厚い雲に覆われて星が隠された空を見上げる。なのはの言葉を理解した上で、賢過ぎる子供の始末の負えなさを嘆くように。

 

「では、君の行為は誰のためのものなんだ?」

「え?誰って………」

「君なら解ると思うが、“人助け”というものは須らくエゴの発露だ。押しつけがましく助けてやったと言う者も居れば、君のように見返りを求めない献身もある。だが、それでもエゴだ。助けたいと思い、相手の気持ちは別にして自分の考える救いを相手に与える。これをエゴと呼ばずに何と呼ぶのかとなる」

「そんなことは!」

 

無いと言い切れるのか。ドレットノートから問われるよりも先に、なのはの心が自分自身へ投げかける。

助けを求めていない人を助ける。それは、きっとその人の在り方が間違いと思っているからだ。けれども、何が正しいのか、間違っているのかは人の主観でしかない。

 

「………結果的に救われることはあっても、それは結果だけってことですか?」

「そうだ。自分の思う“誤っている”ことを、“正しい”ことに是正する行為こそが、人助けだ」

 

酔いに舌がもつれることなく、ドレットノートは言い切ってしまった。

なのははフェイトもそうだったのかと恐れ混じりに振り返る。確かに、ドレットノートの言う通りなのかもしれない。そう思うと身体に震えが走った。フェイトの人生の邪魔をしたかもしれないという深層で抱いていた気持ちが滲みだしてくる、おぞましい感じがする。

 

「だが、そこに善し悪しを持ちこむことができるのは、救おうとした側と、救われようとした側だけだ。それがエゴの産物だ。人を傷つけるのがエゴならば、人を救うのもまたエゴだ。君はそれが不満か?」

「不満………でも、押し付けるのは、良くないと思うんです」

「なるほど。そう考える気持ちは忘れては駄目だな」

 

まるで学校の教師のようなドレットノートの口調は、殺人集団の一員とは思えないほど優しかった。なのはにはどうしてこんな優しい人が復讐に走るのかと思わせるほどに。

 

「人は、一人一人どうすることもできないほど違う存在だ。互いの間には空間があり、抱き合って密着しても肉の身体があり、それを剥き出しにしても心の壁がある。完全に知ることはできず、本当に望むことは何かと想像することしかできない。それは悲しいことかもしれないが、それでも人は人との関係を求める。眼が見えなければ、見えない物に躓く。音が聞こえなければ、向かう先が判らない。だから、人は自分の中にある答えをどんな形であれ信じて行動する。それが人と人の触れ合いである限り、人が信じるものはエゴでしかない。だが、人が人を求め、助け合うときさえも同じであれば、それは決して悪いものではないはずだ。もしも、それが悪いことに思えるのであれば、きっとただそれだけを繰り返して自身のエゴに疑問を持たず、進歩を止めただけだ。エゴが悪しきことではなく、信じるものに疑問を投げかけることを忘れてはいけない」

 

立て板に水のような流暢な言葉達は、なのはに語っているものではなかったのかもしれない。遠くここには居ない誰かに、いつか語った内容をそのまま繰り返しているようだとたった一人の聴衆であるなのはは感じていた。

けれども、ドレットノートの言葉はなのはの心臓をしっかりと掴んだ。乱暴にではなく、教え諭す慈しみを感じる強さで。

 

人は傷つけあわずに解り合うことはできない。

エゴは万事良い方向にも、悪い方向の一方だけには転ばないのだ。結果は解らない。

エゴを押し付けることを躊躇うのであれば、戦ってはならない。ドレットノートの言わんとすることは、抵抗無く受け容れることはできた。消化して自分のものにするまではまだ時間が掛るが指針を得られたのだ。

なのはが感謝の言葉を告げようとする。ドレットノートはそれを察してか、手に持っていたハイボールの缶を握り潰して制した。

 

「戦いなんてものは、所詮は手段でしかない。たまたま君には戦う力があるから勘違いしてしまうが、君の思う人助けは、必ずしも戦うことだけではないはずだ」

「戦うこと以外の………人助け?」

「そうだ。現に、この国で直接戦う者は圧倒的な少数派だ。しかし、それでも日々誰かが誰かを救う事象は起きている。ならば、常に力を持って戦うことだけが救いにならないということだ」

 

時間にすれば僅かな間だったが、ドレットノートは半分以上空けた酒の空き缶や瓶を全て地面に並べる。

 

「君はまだ若い。大いに悩むべきだが………君のその手にある力は無邪気さに任せてもいいものでもない。だが、力は管理されるべきだと考えるのが管理局である以上、選択は常に自分で行うことだ」

 

やはり表情を読むことはできない。怪物の容貌は動かず、口調だけは優しげ。

並べた空き缶や瓶を、魔法で限定的に生じさせた衝撃で飛ばすと公園備え付けのゴミ箱へ次々と放り込んでいく。

普通なら、人の眼に触れるところで魔法を行使するドレットノートに慌てるところだが、少しだけ現実感が麻痺していたなのははその異常さに気付かなかった。

 

「ところでだ」

「はい?」

「ペラペラ喋っておいて今更だが、どうしてこんな私に話を聞こうなどと思ったのだ?」

 

実に今更な質問。なのはもあっさりと相談―――傍から見ればそれ以外の何者でもない―――に乗ってくれると思っていなかったので、すっかり忘れていた。

それはですね、と言おうとして口を噤む。何と言えば良いのだろう。人の生き死のギリギリまで達してしまうほど戦いにのめり込んでいるからか。砂漠の戦いで、怯んでしまった自分と彼らの違いを知りたかったからと言えば聞こえはいいかもしれないが、それだけだ。

同じ理屈であればテラでもBBでも良かった。今日、偶々会ったからというのも理由になりそうだ。けれども、ドレットノートへの回答足り得ない気がしていた。

 

貴方が、私を助けてくれたから

 

そうとしか言えない。クロノやリンディはグラーバクが犯罪者を問答無用で殺す許可を与えられた、殺戮集団と嫌悪していた。実績もそれが事実だと肯定した。実際の戦いの中で、テラやBBはその傾向を強く感じたが、ドレットノートだけが違った。

ディアルムドの【ゾンマァ・ゲヴィッタァ】から二度に渡って助けてくれた。全身に重傷を負いながら、自分より弱いなのはを助けることは、グラーバクの存在意義を考えれば有り得ない、無駄なことだ。

その言葉を上手く伝えようとして、できずに口籠る。頭の中では幾つも言葉が浮かぶのに、いざ言おうとすると喉につかえてしまう。

それを言えない理由があるのだと勘違いしたドレットノートは、レジ袋を手に持ち直すと軽く首を振る。

 

「言えないなら別に構わんよ。大して面白い話をしたわけでもないからな」

「あ………」

 

その時、雲が晴れて射し込むように垣間見えたドレットノートの表情は受け容れるものだった。

所詮は殺戮集団の一員であることを、全部丸ごと受け容れて目的を―――復讐を果たそうとしているのだとなのはでも解った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絢雪御雫祇の使命とは何か?

 

一般的には次元世界の安寧を保つことと理解されている。

代々、破格の魔導士を輩出し続ける絢雪一族は大破壊後の次元世界にとって平和を守護する力の象徴。

管理局でさえ無視できず、常に敬意を払い続ける。一族の総力を結集すれば、管理局最強の戦力である特別教導十二課さえも凌駕するとされるからだ。

 

だが、一般的な理解はあくまで一般的な理解に過ぎないのだ。

歴代の絢雪御雫祇がそう口にしたことがあったわけではない。

 

かつて一人の魔導士が、とある絢雪御雫祇に尋ねたことがある。

歴代の絢雪御雫祇、貴方も含めてその使命とは一体何かを。

とある絢雪御雫祇は僅かに考える素振りを見せてから、おもむろに穏やかな笑みを浮かべると首を横にしたとされている。

 

 

寸暇を惜しんで稽古をつける御雫祇は、フェイトが集中力を高く保っていればギリギリ防ぐことができる速度で攻撃を繰り出す。手を抜いていないが、日々成長するフェイトは確実に捌いていく。

あの人の子供だから。そう思ってしまう自分に自己嫌悪する。フェイトはフェイトなのだと何度も言い聞かせても、払拭できないのだ。砂漠にガルムが現れて以来、その傾向は益々強くなった。

 

それが愛おしくて――――厭わしい。

 

「御雫祇さん?」

 

手を止めた御雫祇に、フェイトが訝しげに尋ねる。

 

「………少し休憩にしましょう」

 

フェイトは過不足なく集中力を発揮しているのに、教える側である自分がこのザマではと自己嫌悪が深まる。鍛錬場所に選んだ神社の石段に腰を下ろし、下界を見下ろす。学校に通うフェイトとの鍛錬は必然的に夜になる。そのせいで、こうして見下ろす下界は家々の明かりが遠くまで見える。

 

「御雫祇さん………あの………」

「隣に、座りませんか?」

 

様子がおかしいことは、フェイトも気付いている。

子供に心配されるようではと情けなさに嘆きそうになるが、席を勧めるだけの精神的な余裕は残っていた。

 

「御雫祇さんは、ガルムさんと………その、何かあったんですか?」

 

いきなりの本命直球勝負に、流石の御雫祇も驚きを隠せずに居た。

絢雪御雫祇とガルムの関係性を疑わない者は過去、居なかった。絢雪真刀流は小太刀二刀術を使う流派であり、次元世界広しとは言えこれと魔法を組み合わせて使うのは絢雪一族しか確認されていない。同じ技を使うガルムとの関係を疑うなというほうに無理がある。

 

だが、絢雪一族に該当する者は居ないのだ。奥義六芸を究め、奥義之歩法まで扱えるほどの破門となった者は。そして、現代においてこの条件に当て嵌まる人物は二人しか居ない。奥義六芸が万全ではなかったり、奥義之歩法を感得していなかったりと力量は申し分なくとも条件外が存在する。

フェイトがそこまでの事情は知っているとは思えないが、およそ女の勘とでも言うようなものが働いたらしい。

 

「昔、色々ありました」

 

隠しだてすることではないので、あっさりと話した。

それは、今の御雫祇の精神状態がガルムのせいであることを肯定することでもある。

 

「ガルムはこの50年の間、ずっと活動してきたのは知っていますか?」

「リンディさんから聞きました………」

 

S級犯罪者。何千人と人を殺してきた大悪人。それがフェイト以外にとってのガルム。

判り易いフェイトに、御雫祇は少し表情を綻ばせる。

 

「ある時は大量殺人を、またある時はたった一人の少女を救うために奔走する。善なのか、悪なのか判断のつかない………その黒衣のように奥深い魔導士。貴女にとっても、そうだと思います」

「私は………きっと、ガルムさんは違うと言うと思うんですけど、私を絶望の淵から救ってくれました」

 

上手くは行かなかったが、壊れて、壊れ続けて、粉々に砕け散ってしまいそうだったプレシアと、ただ盲従するだけで零れ落ちてくる愛を待ち続けるだけだったフェイトの絆を繋ぎ直そうとしてくれた。プレシアから訣別を突きつけられ、生きる意味を失った自分を懸命に励ましてくれた。

今を支えてくれているのがなのはならば、そこに至るまで手を引いてくれたのは間違いなくガルムである。揺れることはあってもフェイトはガルムのことを悪と断じることはない。

 

「ただ………絢雪御雫祇にとっても、メルセデス=ブロムクイストにとっても………」

 

御雫祇には自分が醜いことをしようとしている自覚があった。

何も知らない、何も責任のないフェイトを傷つけること解っていて、話をしている。

外面だけを取り繕い、葛藤を見せずに、まるで刺し殺すためのナイフを隠し持つような。

 

「ガルムは、全身全霊を以って倒すべき存在です」

「え?」

 

跳ね上げるように御雫祇へ向けられたフェイトの表情は動揺に瞳を震わせ、顔色を失っていた。

 

「先代の絢雪御雫祇………私の父は、そう判断していました。そして、ガルムと戦い、命を捨てて相討ちに持ち込みました」

 

御雫祇は星に記憶が宿っているかのように、眼を細めて見上げる。

一太刀で行動不能に追い込まれ、芋虫のように這い蹲る自分。刺突に心臓を貫かれる先代―――父の姿。技量の点では及ばぬからこそ取れる手段はたった一つだった。心臓を串刺しにされることを覚悟し、あらかじめ強く身体に命じておいた動きを、即死して尚、成した。

奥義之弐【ゲルヒルデ】によって、密着状態からの斬撃という矛盾した業で致命傷を負わせた。力無く、その姿を見ていることしかできなかったことを、慙愧の念と共に御雫祇は昨日のことのように思い出すことができた。

 

「そんな………でも………ガルムさんを、どうして………?」

「あの人にも理由があり、目的があることは私も、父も知っていました」

「だったら、どうして―――」

「それでも、あの人は多くの人を殺めました。あの人と、相棒と目されたネロン。あの人自身もそうですが、共に行動していたネロンが殺した者の数は、更に桁が違いました。」

 

ネロン―――カーマインが殺した人数。それはカウント不可とまで言われている。

御雫祇も知らない、カーマインの抱く人間に対する憎悪。それは留まることを知らず、鼻歌混じりに数多の命を捻り潰すほどに高まっている。かつて御雫祇が倒したSSSランク魔導士のギブリ=ユーゴも広域破壊の能力を持っていたが、凶悪さにおいては一歩も、二歩も譲る。

あくまで仕事の範疇で行うギブリと、復讐のために地面を均すローラーのように徹底した殺戮を目的としたカーマインとでは本質的に異なる。

 

御雫祇は、フェイトが薄々気付いているだろう絢雪真刀流とガルムの関係を口にするつもりはなかった。

絢雪の始祖の師でありながら、己の殺戮を省みず、更には同輩の大量殺戮を制止しようともしないことは、次元世界の守護者たる絢雪一族にとって、許容することはできなかったのだ。御雫祇にとっての先々代も、その上の代も先送りしたガルムの存在を、遂に父の代になって誅することを決意し、その結果がギリギリ相討ちの引き分けだった。

だが、それらは御雫祇が口にしない事情足り得ない。己の醜さを自覚している御雫祇は、それがつまらない嫉妬であると解っているのだ。形振り構わず、思い人が自分の娘を救おうとしたことへの。棘となって痛めつけるその想いを呑み下して、御雫祇は顔をフェイトへ向ける。

 

「絢雪は、あの人を許容するわけにはいきません」

「………どうして、ですか?」

 

三度目になる同じ問い掛け。されども、中身はそれぞれ異なる。

 

「それが、絢雪が5000年も積み上げて来た答えだからです」

 

力強く、答えが返る。

 

「絢雪の歴史は、戦いの歴史でもあります。我々が必要とされるということは、次元世界は常に危機に晒され続けていたということです。その長きに渡る闘争の中で、我々は常に敵を見定めてきました」

「その答えが、ガルムさんを倒すということなんですか?」

「我々もそれが絶対の唯一解とは思っていません。多分、方向性の違いなのでしょう………」

「方向性?」

 

よく解らない表現に首を傾げるフェイトに、誤魔化すように微笑む御雫祇。

5000年に渡る次元牢の幽閉の果てに、ガルムが何を見たのか本人しか知らないのだ。だから、これはあくまで推測でしかなかった。

フェイトは御雫祇が答えてくれないと悟り、質問を変えることにした。

 

「ごめんなさい、御雫祇さん。もしかしたら辛いことなのかもしれません。それでも教えて下さい」

「何を、かしら?」

「………御雫祇さんにとって、ガルムさんはお父さんの仇で、そして絢雪の名前を継ぐ者にとっても倒すべき存在と、そこまで強く思っているのに………どうして、御雫祇さんは悩んでいるんですか?」

「………」

 

とても綺麗な、音色のような声が途絶えた。

例えようのない沈黙。不用意を承知のフェイトは挫けぬように奮い立たせた。

 

「私が、悩んでいること………ですか」

 

それは貴女の父親のことですよ、と言えればどれほど楽で、残酷だろうか。あまりの暗く情けない愉悦に愕然として、御雫祇は頭を振る。

 

「父の仇であるガルムが憎いかと問われれば、憎いと答えるでしょう。絢雪の名を継ぐ者として討つべきなのかと問われれば、是と答えるでしょう。けれども、私はそれでも尚、ガルムを本当に討つべきなのか、迷いがあります」

 

限りなく答えに近く、それでいて掠らせない嘘の答えを述べる御雫祇を、フェイトは隠しきれない安堵の眼差しで見つめる。

ガルムのことを悪人と見切ることのできない彼女にとって、父を殺されてもなお迷うことは、それが失礼極まりないことと知りつつも、自分に共感してくれているようにとらえてしまっていた。嘘に対する無垢な反応に、より一層暗い想いがまとわりつき、胃の辺りが重くなる。

 

―――「それが許容できんのは、自身の都合だろう」

 

貴方の言う通りです、と己のデバイスを無意識に撫でる。

狂おしい愛憎をぶつけることも躊躇う臆病が、フェイトに勘違いを強いている。

 

「フェイトさんは………」

 

少しでも己の心苦しさを紛らわせたくて、御雫祇は言葉を弄しようとする。

 

「はい」

「フェイトさんは、ガルムの眼に映る世界はどんなものだと思いますか?」

「ガルムさんの、ですか?」

 

質問の意図を計りかねて、ツインテールを揺らしながらフェイトは首を傾げる。

 

「私は、それを知りたいと思っています。悪人なのか、善人なのか判断の揺れるあの人にとって、世界はどう映っているのか。何故、そこまで人を殺して世界に干渉したがるのか、その根源を知りたいんです」

 

その想いに嘘はない。ただ、フェイトのそれとはベクトルが異なる。

何故なのか。それは、御雫祇はガルムの正体を知っているからに他ならない。

フェイトや、実妹であるなのはが知りたがっている、ガルムの行動理念は最初から知っているのだ。

だからこそ、表に絶対に出すことはないが、御雫祇はフェイト、そしてなのはに嫉妬している。まだ半人前の子供である二人のことを、ガルムが掌中の玉のように愛おしく思っていることに気付いているから。

 

気持ちは何時だってまとまってくれない。

 

 

「あの人の根源を知ることができれば、きっと私の想いにも答えが出るのかもしれません」

 

 

一介の剣士として捧げる敬慕の念。

一人の女として抱く思慕の情。

父を討たれた娘の報仇の誓。

守護者の使命である守護の理。

 

牛引きの刑のように、全てがバラバラの方向へ御雫祇を誘おうとする。

 

フェイトは、やはり困惑している。複雑怪奇な、本人さえ把握しきてれていない感情をまだ9歳の少女が解することは難しい。何よりも、御雫祇自身があまり関わらせたくないと思っている。自分へ手を拙くも手を差し出してくれたこの少女を、汚濁に塗れた女の業に触れさせるたくはなかった。

例え、彼女が成長して、何れ大人となって自分と同じような女となるかもしれないとしても。

 

そう思うが故に、フェイトの奇異な眼差しに気付くことが、御雫祇にはできなかった。

 


あとがき

 

 

話が進まない(挨拶)

ちゃんと2週間連続投稿できました。

 

「リリカルなのは」からの人にとって、「とらは」におけるエリザやら真一郎ネタとか通じるのか微妙ですね。特にエリザに至っては普通にシリーズやってるだけじゃ出てこないし。

ともあれ、この世界における真一郎君はさくらと結ばれました。

同時にそれは喪う日までのカウントダウンスタートであり、伴侶である真一郎は終生ずっと不安にならないように愛を注げば注ぐほど、別離の恐怖を高める悪循環に立ち向かわねばならんのでしたとさ。

 

何度もあとがきにあるように、アールズの根幹にあるのは「何故戦うのか?」です。

善悪関係なく、人は戦う。その理由は何か。原作は守護騎士側の理由は書かれても、なのはとフェイトの理由は素っ飛ばされていました。結果、フェイトはStSにてそこをスカリエッティに突かれて沈黙してしまい、なのはに至っては「管理局の白い悪魔」「魔王」なんて呼ばれるバトルジャンキーキャラになってしまいました。

アールズにおいてはそれは流石にさせられないので、今の内にうんと悩んでもらいます。

それは同時に作者である私も悩むわけで………なのはは家庭環境から解るにしても、フェイトって、やっぱり自主的に戦う理由を見出して邁進するキャラじゃないよなぁ。

 

さて、テイルズ・オブ・エクシリア2は操作方法が広がり過ぎて面倒な上にPVでほぼストーリー解ってしまったせいで萎えたし、アサリンクリード3はバグゲーで血管切れそうだし、CoDBO2はどこのゴーストリコンだよって内容でがっかりだった、という感じで11月に買ったゲームががっかりな展開ばかりで・・・落ち込みました。

大人しく第二次SRWOGでもやるか・・・・。

 

それではみなさん、次回のあとがきでまたお会いしましょう。




なのはたちだけじゃなく、地球にいる鈴鹿にも色々と悩みの種が。
美姫 「まあ、当たり前なんだけれどね」
まあ、鈴鹿よりも忍の方が頭を悩ませているような感じだけれどな。
美姫 「中々に難しい状況に居るみたいね、鈴鹿も」
だな。で、管理局側は今回はなのはとフェイト、御雫祇たちの悩みって所かな。
美姫 「珍しく御雫祇も結構、葛藤していたみたいよね」
今回の会話でそれぞれ、なのはやフェイトにどんな心境の変化や心構えが出来るかだな。
美姫 「まあ、すぐにどうにかなるような物でもなさそうだけれどね」
まあな。悩みながらも戦い続ける少女たちか。
美姫 「次回はどんなお話になるのかしら」
次回も待っています。
美姫 「待ってますね〜」
ではでは。



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