これは、遥か古の物語……

燃えていた
燃えていた
人が、木が、家が、城が、あらゆる物が燃えていた
ただ、二人の王を除いて……

燃え盛る城の玉座の前で、二人の王が対峙していた。一人の王は、飛蝗の様な異形の姿をした王であった。
異形の王が口を開いた。
「月の王よ、貴様一人では私に勝てぬことは解っているだろう。」
もう一人の王は、綺麗な純白のドレスに身を包んだ美しい女であった。しかし、どこか異形の王に通じる何かを感じさせるものがある。
それは女、いや月の王のあり方が異形の王となんら変わらぬからだろう。
月の王は、嘲る様に言い放った。
「ぬかせ。貴様ごときワタシ一人で十分だ、外宇宙からきた盗人風情に真の王は負けぬ。」
ギシリ
瞬間空気が、いや、空間が軋んだ。すさまじい殺気と共に異形の王は口火を切った。
「ふん、自らの統治する月を滅ぼした間抜けな王が、よくもまあ言えたものだな。」
「かくいう貴様も、もはや支配するべきモノ達がいないようだが?」
「あれらは時間をかければどうにでもなる。それに、後のことは考えてある。」
「ほう。なにやら考えがあるようだが、残念だがそれは無駄になるだろうな。」
そう言ってから、月の王は
「なぜならば創生王。……貴様はここで死ぬのだからな。」
当然のように、死を宣告した。
「お前はガイアを好き勝手に変えすぎた。いかに貴様が王の証たる二つのキングストーンを持っているといえど、許されるものではない。」
だが、それに対して創生王はなんら動じることはなかった。いや、むしろ
……ク、クククククク、クハハハハ ハ!最高だ!最高の夜だ!朱い月よ。この闘いはガイアの代理人たる貴様と私との、ガイアの支配権を賭けた闘いな訳だが。」
ただただ、純粋に
「そのような事は、忘れて全力でかかってくるがいい。私はこの世界を創りし王、創生王である。そのような瑣末ごとに気をとられては私に勝てぬぞ?」
この状況を楽しんでいた。
「その台詞、後悔しないことだな。創生王よ。」
もう言葉は要らない。
必要なのは、相手をただ打ち倒すことのみ。
そして二人の王は、
「よい、逆らうことを許す。」
「我が一撃、その身に刻むがいい。」
激突した。

二人の王の闘いは、すさまじいの一言に尽きた。
拳がぶつかるたびに両者の肉が裂け、血が噴出す。
しかし、瞬く間に傷が再生していく。驚くべき復元能力であった。
迸る闘気の余波に、大気が悲鳴を上げて軋む。
凄まじき魔力の応酬は、極彩色の花火を思わせた。
両者の戦いは、七日七晩にもわたって続いた。その永遠に続くかと思われた闘いは八日目にしてついに決着した。
勝ったのは、創生王であった。不意をついて王者の石の輝き(キングストーンフラッシュ)を使い、ありったけの魔力をまとわせた王の証の剣(サタンサーベル)で心の臓を貫いたのだ。
さしもの、朱い月といえどもこの一撃の前には耐えられずその身を滅ぼされた。

勝利を収めた創生王ではあったがその体は深く傷ついており、もはや滅びるのは時間の問題であった。
創生王は最後の手段として滅びを免れるためその身を捨て、その魂を巨大な心臓の姿をした予備のボディに移し変えたのだ。
そうした後、創生王は動けない自分の代わりに配下として三神官を創り出し、大神官ダロム、大神官バラオム、大神官ビシュム三神官は数多の怪人たちを纏め上げ暗黒結社ゴルゴムを立ち上げる。
総ては、順調であった。
だが創生王は、大きな問題に直面していた。
それは朱い月との闘いの結果、ガイアに生きる生物は怪人を除いてもはや僅かばかりの数になってしまったのだ。
例え勝っても、支配すべき生物がいなければ意味がない。そこで、創生王は考えた末にある考えを実行に移す。
残された生物の中でも、強い勢力を持つ種から53種のアンデッドを創り出し、勝った種にガイアの支配権を与える闘いバトルファイトを行ったのである。
この闘いで人類の祖先(ヒューマンアンデッド)が勝ち残り、敗れた52体はラウズカードに封印された。
この闘いを見届けた後、創生王はゴルゴムと共に人類に支配権を渡し、次の創生王誕生の日まで永い眠りにつく……。

後に朱い月は数千年後再び出現するが、宝石の翁によって滅ぼされる。
また、それから数百年後創生王はゴルゴムの世紀王候補の一人であるブラックサン、いや仮面ライダーBlackの反逆により滅ぼされる。

創生王が滅んでから17年後、今再び種の繁栄を賭けたバトルファイトが始まろうとしていた。

原作 石ノ森正太郎 那須きのこ

仮面ライダー×月姫&Fate/staynight STORY
黒き太陽と朱き月

次回予告

聖杯戦争
それはあらゆる願いを叶える万能の釜、聖杯をめぐって行われる七人の魔術師と七騎のサーヴァントによる戦争である。
正義の味方を目指す衛宮士郎は、ひょんな事から最優のサーヴァントセイバーを召喚し共に聖杯戦争を戦い抜く事を誓う。
聖杯をめぐる戦いが熾烈になっていく中、不気味な影が冬木市を覆うとしていた。

次回「太陽の仔」
ぶっちぎるぜぇ!


後書き

はじめまして、今回初めて投稿したアルトアイシェンというものです。 柿の種さんに刺激され、勢いだけで書いたものですが頑張って書いていきたいと思います。 どうかこれからお願いします。



初めまして、アルトアイシェンさん。
美姫 「投稿ありがとうございます」
仮面ライダーとのクロスSS。
美姫 「果たして、どんな展開を見せるかのしら」
次回を楽しみにしてます。
美姫 「次回、微笑みの天使、美姫ちゃん降臨」
……次回、死天使、美姫にはもうこりごり(ぼそ)
美姫 「ふっふっふ。浩〜、ちょ〜〜〜〜〜っと良いかしら」
い、嫌です。
美姫 「良いから、来るの!」
く、首を掴むな! 俺は猫か!
美姫 「はいはい。後でゆっくり言い分は聞いてあげるわよ。
尤も、その元気が残っていればね……」
ゾッゾ〜〜〜〜〜〜。
美姫 「っと、それじゃあアルトアイシェンさん、また次回を待ってますね〜」
だ、誰か、助けて〜〜〜〜〜〜〜!!



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