恭也のハーレム伝説(in神咲家編)









 第4話 朝露









 目を覚ましたら、まだ5時半だった
 なんだ、まだ寝れると思う反面、今起きておこうと考えてしまう
 いつもの鍛錬の時間……そういえば、これくらいだな
 最近鍛錬なんて余裕なくて、ずっと走ったりとかで、そんな余裕の欠片も無かった
 ただ、逃げて逃げての日々だったし、体力もついだろう
 腕は鈍っているかもしれないが……問題だな
 まだ和真さんは寝ている
 御架月と目があった

「おはようございます」
「おはよう、すまんな……起きててくれたのか?」
「ええ、頼まれたことはちゃんとしないと」
「そっか……ありがとな」
「いえ、では、僕はこれで……ちょっと寝ますね」
「ああ、お休み」
「お休みなさい」

 そういって、休み出す御架月
 頼まれたことをしっかりとこなしていたのか……頼もしい限りだな
 まぁ、それでどうしたらいいのやら考えるのだが……
 部屋を出て、そのあたりをぐるっと一回りしてみるか
 そう思うと起きあがって、体に疲れがたまっていないか確認する
 大丈夫そうだ……なら、外へと行こう



 外へと出ると、まだ夜明けきってないので朝の光も届いてない
 露が葉をぬらし、周りの木々が少し光っている感じも受ける
 たぶん、光の当たり加減によって変わるのだろう
 こういう朝もいいものだ……すがすがしいというのだが

「ふぅ〜」

 軽くのびをして、足なんかも念入りにもむ
 痛いということは無いが、ちょっと違和感みたいなものを感じるし
 そういうのもいいものなんだがな……
 しばらく、庭をながめて縁側に座った
 ここにも縁側があって、尚かつ、盆栽があった
 俺の盆栽たちは、世話できないから駄目になってるだろうな
 盆栽はぬれすぎると腐るので、ちゃんとカバーをしている
 うまいな……あれも綺麗だし……
 ふむ、あれはあれで……

「おはようございます♪」

 後ろかの声に驚いて庭へと降りていた
 そして、体をひねって後ろの人を見る……声からして女性だった
 そして、その容姿は……薫さん?

「薫さん?」
「あらあら……」

 頬を手にあてて、照れているようだ
 どうかしたのだろうか?

「私は神咲雪乃と申します……薫、那美、和真、北斗の母親です」
「な!!」

 若い!! この人から薫さんが生まれたとかそういうのが考えられない
 第一に薫さんの姉妹でも十分通りそうだ……
 そして、雪乃さんを観察できる余裕が出てきたので、服装などを見る
 浴衣を着ているのだろう、まだ寝起きみたいで少し髪の毛が立っている
 でも、その中の美しさがしっかりと出ていて、驚きだ

「あ、俺は、高町恭也と申します……那美さんの先輩にあたります」
「そうですか、これはご丁寧に……恭也さんとお呼びしますね」
「はい……」
「私のことは雪乃とおよびください……もし、ほかの言い方されても無視しますので」
「……年上の方なのにいいんですか?」
「いいんですよ……それに、男性から名前で呼ばれるのはうれしいことですし」
「分かりました」
「さて、私は朝餉の準備をしますので……これで」
「あ、手伝いましょうか?」
「ん〜、息子と一緒に朝食を作る……いいですね♪
 お願いします」
「息子では無いのですが」

 侮れない人だ……なんて言うか、隙が無いという感じだ
 まぁ、俺もまだまだ未熟なんだろうが……気配を感じなかった
 いや、気配はある……それほどまでに盆栽に集中していたのか
 周りに気をつけるようにと言っている、俺がこれじゃあ、美由希に示しがつかないな

「あ、遅れましたが、おはようございます」
「そうですね……あ、こちらですよ」
「ありがとうございます」

 案内されて、台所へと入る
 昨日は夜中な上に電気をほとんどつけずに入っていったからな
 あまり内装とか知らないんだよな……

「では、おみそ汁とご飯と焼き魚とのりと昨日の残りですけど煮物とかありますから
 温め直したりとか手伝ってくださいね」
「分かりました」
「ご飯は私しますので、お湯を沸かしてください
 おみそ汁の分とか他の煮物とかでもお湯使いますから」
「了解です」

 雪乃さんに従って朝餉の支度をする
 まぁ、それでも言葉にしたがって動くだけだし
 あまりたいしたことはしてない……

「後は、みんなが起きてくるの待っているだけですね」
「そうなんですか?」
「はい、あまり早くに仕上げてもおいしくないだろうから……
 それにみんなにはおいしいご飯を食べてほしいですし」
「なるほど〜」

 雪乃さんはうれしそうに笑うと……

「人に手伝ってもらったことあまりないですけど……
 朝食作るの楽しかったですよ……昼とか夜なら薫や和真も手伝ってくれるんですけどね」
「まぁ、お仕事もあるでしょうから」
「そうなんですよね……強くいえないのが悲しいところです」

 少し悲しそうに下をうつむく
 どうかしたのだろうか?
 何か思い出したのかな……何か、いやどこかだな、似ている……俺と

「あの、どうかしましたか?」
「いえ、何でもないですよ……ただ、昔を思い出しただけです」
「そうですか……」

 にこやかに言い切る雪乃さん
 ただ、俺には泣いているようにも見て取れた
 あまりにプライバシーにつっこむことになりそうなので言葉はかけなかった

「さ、もうすぐ起きるでしょうから、仕上げますね……
 恭也さんも居間のほうへと行っておいてください
 そしたら、持って行きますし」
「いいんですか? 俺が持って行った方が」
「いいんですよ……ほら、お母さんの言うことは聞きなさいな」
「はぁ」

 正確にはお母さんではないのだが、何故か言うことを聞いてしまっていた
 まぁ、年の功という奴かもしれないし
 俺に考える時間というものくれたのかもしれない
 とりあえずは出来ることからだな
 ここに寝泊まりさせて貰うのだし
 居間にはテーブルと椅子の部分と机と座椅子の部分と分かれていた
 おばあさんのためだろうな……
 どっちに座ったらいいのか分からないな

「あ、そちらのテーブルにどうぞ」
「分かりました」

 雪乃さんがそういって俺はそちらのほうへと座る
 雪乃さんも隣に来ると、ご飯とかのりとかを置いていく
 二人分ということは、後で他の神咲家の方たちは来るのだろう

「では、食べましょう……」
「いただきます」
「いただきます」

 そして、俺と雪乃さんは朝餉を食べるのだった












 つづく〜












 あとがき
 ども、遊び人です
 シオン「朝餉ってなんて読むの?」
 朝餉(あさげ)だよ
 ゆうひ「へ〜、って普通分からないんじゃ」
 なんかのゲームでは出てるし大丈夫だろう
 シオン「で、実際は?」
 まぁ、朝食って書こうと思ったのだけど、また変わった言い方もいいかなぁって
 ゆうひ「で、今回は雪乃さん登場」
 あわててない大人の女性♪
 シオン「さてさて、この後どうなることやら」
 雪乃の姿が高校生の頃のしか知らないからなぁ
 ゆうひ「資料を募集だね」
 全くだ……
 シオン「ではでは、またね〜」
 ゆうひ「ほなね〜」
 でわ、また〜



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