恭也のハーレム伝説(in神咲家編)







第10話 夏の夜には……







〜〜恭也視点〜〜

 少しだけ体を休める
 本気で動いたのだ……彼女を相手に……
 あの人は強かった
 もし俺に神速が無かったろと思うと、ぞっとする
 正直なところ、勝てたのは神速のおかげだ
 御神流奥義ノ歩法 神速
 それが無かったら俺には斬られた跡が残るほどの傷が出来ていただろう
 それくらいに完成度の高い、それでいて超一流の剣術
 俺にはまねできない領域だった

「恭也さま、あまり深く悩まないで下さい」
「ん、分かるか?」
「顔にかかれてますよ」
「そうか」

 御架月と落ち着いて会話をする
 と、戸が開いた……多分、和真さんだろう

「恭也くん、起きてるよね」
「ええ、一応ねっころがってますが」
「後2時間ほどで夕飯なんだけど……予定的には
 もしかしたら、御飯無いかも」
「どうかしたんですか?」
「あははは……今、北斗が一生懸命止めているけど無理だろうなぁ」
「だから、何が?」

 苦笑いを浮かべて和真さんが汗をかいている
 何かあった……多分、被害者で俺が一番酷い目にあいそうだ……
 というか、あうだろう……今も悪寒がし始めている

「那美と母さんと薫姉と楓さんと葉弓さんが御飯を作っている」
「はぁ……那美さんが!!」
「ああ、頑張って生き残ってくれ」
「俺は見捨てられるんですか?」
「でも、俺は食べたくないし……」
「北斗くんが食べてくれるだろう……多分」
「いや、北斗なら絶対に裸足で逃げ出すぞ」

 俺と和真さんは部屋で2人で色々と話し合っているとどたどたと走ってくる足音が……
 戸が開かれると、そこには北斗くんが泣きながら居た

「和真兄さん」
「いや、そんな泣かなくても」
「でもでも、あれは嫌だよ」

 北斗くん、本当に君は那美さんの弟かい?
 しかし、どうかしたのかな……

「ところで何があったのかな?」
「恭也さん、あんたね〜〜、どうなるか分かってるの?
 おばあちゃんの話では母さんの料理の腕って今の那美姉より悪かったらしいんだよ!!」
「何!?」
「本当か!?」
「うん……ばあちゃんなんて、
 『わしゃあ、用事でしばらく帰らんからの』なんていって
 逃げていくし!!」
「マジかよ……北斗、俺もちょっと友達の家に……」

 そこで、俺は気づいた
 誰かが戸の前に居る……そして、この気配の消し方は尋常な手じゃないと
 多分、あの中で一番強い人……雪乃さんだ

「うふふふ〜♪ 和真くんと北斗くん発見♪
 さ、お姉さんに着いてきなさい」

 そう言って、戸をあけた瞬間に和真さんと北斗くんは連れて行かれた
 俺はそっと跡をつけることにした……悪いとは分かっていても
 逃げれる時には逃げたいものだ
 退路の確保は重要なことだからな……
 追尾追尾……
 台所の近くまで来た時、御神の血はだてではなかった
 反応したのだ……戦闘領域として……

「ふぅ」

 小太刀とか全部持ってきている
 御架月が1人ぽつりと言った

「食べれる物が出ない可能性高いですね」

 その言葉に俺は頷くしかできそうにない
 そうだよな……食べれなかったら困るのだけど……
 ま、平気といえば平気なんだけど……

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜それは食べるものではないと思う〜〜〜〜」

 和真さんの断末魔のような叫び声だった
 ピクピク震えてることからまだ生きている
 大丈夫……致死性の毒ではないことが判明

「う〜ん、駄目かぁ……」

 那美さんの料理の腕は上がる一方ですか? 違う方向に……

「うっ!! 何これ……」
「雪乃さん特性・愛情夕飯よ♪」
「まずいです」
「何ですって〜!!」

 北斗くんは正直者なんだな……と、その何時から持っていたのか十六夜の鞘が北斗くんの
 脇腹をえぐる……恐ろしい腕前だ……
 あんなの食らったら北斗君の今日の夕飯は要らないだろうな
 しかし、まずいのか?
 困ったな……食べれるものならいいんだが……
 逃げるかな?

「那美ちゃんの料理で和真くん倒れちゃったじゃない」
「そういう、雪乃さんの料理で北斗が倒れてしまったじゃないですか!?」

 と、にらみ合っている2人
 その間に黙々と作り続ける3人
 この3人の料理の腕は大丈夫そうだけど……俺生きていけるかな?
 そういえば、一樹さんはどうしたんだろう?
 ……居た!! 台所の端で体を痙攣させながらも生きてるぞ
 後が残りそうな木刀の跡があるけど



 逃げないと駄目だな……俺はまだ死にたくないし……
 料理は駄目になりそうな勢いだしな
 除き込んだところから、そっと離れると俺はしのび足で歩いていく
 そして……神咲家の道場へと行く
 月夜の晩に道場で瞑想にふけるのもいいかもしれない
 それに、夏だから風邪の心配はないだろう
 彼女たちが何を考えているか分からないし……
 と、後ろから甲高い音とお皿とかの落ちた音がしている
 そして、なにやら怒鳴り声とかが聞こえる
 今日は賑やかだな……夕飯がなくなったのは確かだと思われるが……
 道場に着くと、座禅を組む
 瞑想……一流の剣士になれば、実践を想定したような戦いが出来るといわれる
 俺はイメージで敵を作り上げて、相手との戦闘という形を整える
 そして……動く
 受けるのではなく、流すんだ……
 そう、柳のように……そして、体が答えるように動くはずだ
 神咲雪乃という女性との戦いは満足の行くものだった
 ただ、言うなら、お互いが全力を出せないのが悔いかもしれない
 俺も彼女も本当の全力を押さえて闘っていた
 いや、体力の限界、全力で戦えないという思いがあった
 本来の力を使っていたら
 お互いがぼろぼろで次というものがなくなっていただろう
 それはお互いが望むべきものではない……
 目の前に切っ先がある
 避けれる!!
 まだ、負けない!!
 負けれない!!
 俺は、御神師範代だ!!
 そうだったな……奥義を駆使してでも勝たなくてはいけないのだ
 最強の御神と詠われている剣術なのだから……
 負けれないのだから……
 ふぅ〜剣の速さが増してきている……多分、相手が一刀流だから戦える
 もし同じスタイルの剣術なら速さで負けてるだろう
 手数で勝つしかないのにだ……
 一撃一撃が重たい……勝てると思った一刀を避けられる
 自信喪失に陥りそうなほど辛い闘い
 何時間としていたいという思いと、もう体が膝が限界という考えが混ざり合う
 そして、神速を使って、俺が辛くも勝利を収めていた
 勝てた……

「ふぅ〜」

 汗が流れた……夏の夜でもやはりそこそこに暑い
 でも、まだまだマシなほうだろう……風があるから……
 道場の中を風が通り過ぎる……
 開け放たれた戸……
 優しさと荒くも強い風が俺を包み込む

「勝てた……でも、何とか勝てたというところ……」

 言葉に出して言うと重く
 俺は、まだまだ頑張らないとと思う
 それでも、限界があると分かっている
 壊れた膝のように、限界はすぐに来てしまうという事を……
 もう深夜という時間だろう
 神咲家の方では騒がしくもあるが
 暖かみに溢れている……俺はそっとその家を見ながら考えていた
 賑やかだけどいい家だと……
 そっと、神咲道場で俺は一夜を明かす決心を固めるのだった
 ある一角から放たれる気が美由希以上のものを感じたからだ
 食したら死ぬかもしれないな
 月が綺麗に見えていた……
 月が綺麗に見えすぎているから、星があまり綺麗に見えない


 周囲の気配が静かになってる
 多分、それぞれが諦めたのだろう
 俺はそっと考えて座禅を組む
 再度……神咲雪乃と闘う
 自在に変化していく、あの太刀筋が俺にとっては面白いから……
 俺を楽しませる、とても強い人だから……










 つづく〜








 あとがき
 間違えまくった、この10話目
 シオン「間違えまくった?」
 ああ、前の話との関係が取れないかと思ってしまった
 ゆうひ「毎回取れてないんじゃないの?」
 失礼な……ちゃんと考えてるよ
 シオン「さてと、遊び人をからかうのはこれくらいにして……」
 ゆうひ「そういえば、CSSで気になっていたんだけど……マクガーレン出さないの?」
 あ〜DVDの人だよね
 シオン「そういえば……」
 ゆうひ「うん」
 無理……
 シオン「そっかぁ」
 ゆうひ「何で?」
 キャラがつかめてないから……不可能
 シオン「っち」
 ゆうひ「残念」
 ま、頑張ってみるけどね
 シオン「でわ、また〜」
 ゆうひ「ほなね〜」
 でわ、また〜(^^)ノシ



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