恭也のハーレム伝説(in神咲家編)












第18話 バレた時は……











 俺はシャワーを浴びて、すぐにお風呂から離れた……ばれたら問題だからだ
 しかし、何で俺はこう隠れながらの作業が上手になったのだろう?
 父さんのおかげかもしれない……隠れて家から逃げる方法から
 逃走の方法、一人だけなら逃げられるだろう場所等などいろいろ教えてもらった
 そのおかげで生きてるってかんがえもあるのだが……
 実践だとか言って、女風呂に投げ込まれたときは死にかけた
 何せ、もともと免疫が無いときな上に上から降ってきた俺に対して
 まったく女性たちは隠すことせず、逆に撫でられたりしたのだ
 血という血がある部分から噴出しそうになり、危うく三途の川を渡るところだった
 逃げるまでに要した時間を父さんははかっていたのだが、1時間を経過して
 心配になったのか、番台さんに聞いたみたいだ……
 そして、俺は半分死にながら戻ったのだった……その間の記憶は無い
 父さん曰く「いい経験したな」って笑顔で言っていたけど……
 俺は良くない!!

「はぁ〜」

 自然とため息が出てきてしまった……まぁ、それを何かしたいといっても過去の事だ
 過去は変更できないものなんだしな
 って、いまさら思い出したが、やはり、あれはどうしたらいいのだろう?
 犬に噛まれたと思ってと言われたが、初めてだった上にいい感じで弄ばれてしまったし
 で、でも、気持ち悪かったと聞かれたら、違うと言い切ってしまうだろうし
 逃げるか?

「なぁ、御架月……俺は逃げるほうがいいと思うか?」
「聞かないで下さい……僕はどうせ巻き込まれるのですから」
「いや、そろそろ耕介さんにお返ししないとって思ってるのだが」
「難しいんじゃないですか?」
「まぁ、人づてなら手が無きにしもあらずって所なんだが……」

 俺はそういいながら、ひとつのことを考えていた……御架月をどうやって返すか?
 もともとは耕介さんの物だ……実際には神咲流のものらしい
 で、それを俺が使うことは出来ない……
 それでも持ってきたのは、逃亡用として、耕介さんを盾にしたときに使うことだった
 御架月はそれに対して反対していたのだが、耕介さんに諭され
 仕方なしに手伝ってくれてる……というのは建前で奪うときに耕介さんの首には
 鋼糸が巻き付いていたりするのだが……

「耕介様がもっとしっかりとなさっていれば……僕は巻き込まれずにすんだのに」
「まぁ、そこが耕介さんの優しいところだ」

 かってに批判しては悪いぞ……
 御架月は俺を軽く見て、一言

「その発端を作った人にいわれたくないです……
 とっとと決めてしまえば、こんなことにはなることは無かったのに」
「だが、なってしまったものは仕方ないだろう……なら、どうするかだ」
「ですが、恭也さまは誰が一番好きで、そばに居たくて、愛してるんですか?」
「俺?」
「ええ、それによってすべてが決まるんですよ」

 そ、そう言われてみれば、俺が答えを出さないからこうなった
 では、俺が答えを出した場合どうなるのだろうか?
 結果はわからないけど、それでもみんな良い人だから、大丈夫だと思える

「恭也さまは誰かが悲しむのを見たくないからって答えを先送りにしてるに過ぎませんよ
 なら、ちゃんと考えて答えを出すのが一番ですよ」
「だが……」
「一番大事なのはお互いの気持ちが同じって事でしょう?」

 そ、それは……!!
 御架月の言ってることは正しい
 頭では理解できてる……しかし、それだと……

「誰かが傷つくとか考えるなら、恭也さまを好きな女性に対して失礼ですよ
 恭也さまを好きだからこそ、諦めもつくし、好きな形が変わるだけです」
「それでも、彼女たちは俺を慕ってくれてるなら……俺は……」
「親友として、友達として付き合えばいいんですよ……下手な同情なんか要らないでしょう
 友達として、親友として、受け入れ、お互いに楽しんだらいいのですよ」

 年の功か? それとも、御架月自身が耕介さんを見てたからかの答え
 そして、俺に対する一言……

「人を傷つけるのは怖いです……でも、今の状況はそういう状況ですよ」

 そうだよな……確かにその状況だ……
 ならば、俺はどうしたらいいのだろうか?

「考えてください……悩んでください
 誰を一番愛して、誰が一番好きなのか?」

 御架月は俺をジーと見て聞く
 俺が一番大事な人……誰だろう?
 ずっとそばに居たいと思え、守りたいと思う人物……

「それを皆さんの前で言えば、すべて解決です
 追われることも無く、必要以上な事も無いでしょう」

 小さく最後に多分と付け加える御架月
 そこはそれで可愛いといえる……経験をしてたから
 身近で近いものを感じた者の言い方
 だから、俺は……

「誰かが好きか?」
「はい」
「俺が選ぶのか……」
「それしか手が無いですから」
「……」

 御架月は俺の顔をじっと見続ける
 その瞳に揺らぎは無い
 俺が答えを出すのを待っている状況だ

「恭也さまがご自分で出された答えなら、誰もが納得するはずです」

 そうなんだ……漠然とそんな言葉が出そうになった
 でも、場の雰囲気から俺はそれを言葉に出すことは出来なかった
 だからといって、何も考えずに逃げ出すのももうやめなければいけないのかもしれない
 しかし、俺は誰が好きだということをまったく考えてない……
 いや、正確には考えるのを恐れている……

「恭也くん、ご飯やで」

 ふすまを軽くノックして来たのは楓さんだった
 俺はそれに「わかりました」と応えて、立ち上がる
 悩むしかないだろう……此処で何か答えが出るとは思えない
 しかし、俺は誰の手を握ればいい……誰が得するかじゃない
 俺がもっとも近くに居たいと思える人
 野郎を近づけたくなくて、ずっとそばに居たいと思える人……
 雪乃さんも同じ事を言っていたような気がする
 あなたが選んでも誰も恨んだりしない
 仮に選んだ相手が違っても私はその人を祝福したい
 それが人を好きになり、振られても願えることだから
 君の恭也くん自身の幸せをみんな願ってるんだと私は思うと……
 ならば、俺は……することは決まっている
 だが、今は選べない
 誰も決まってない俺には……

「あ、来たね……って、難しい顔してどうかしたの?」

 葉弓さんがそう言って俺の顔を見る

「いえ、何でも無いです」

 と、応えて、椅子に座る
 そして、目の前に置かれたご飯を食べ始める……
 誰が好きかとかはじめて考えてると思う
 誰をもっとも大事だと思うか……本当に誰なのだろうか?

「悩んでますね」
「そうやね……薫は何か分かる?」
「…………耕介さんが誰を選ぶか悩んでたときに似てる」

 近いものですね……でも、俺は……食べながらも何事かと考える
 誰を一番近くに居たいか……家族として
 いつもそばに居たいと思え、守りたいと願えるか
 彼女のそばに居て、俺がもっとも守りたいと思える人
 いや、俺も守られる立場の人……誰だろう?

「恭也くん、私の言ったことに悩んでる?」
「雪乃さん、違いますよ……ちょっとした考え事ですから」

 雪乃さんに答えながら、俺はご飯を食べ終わるとお茶をもらい飲む
 そういえば、此処には長期滞在ということは考えてないんだ
 もともとひざの治療のためだ……もう、治ってるわけだし
 普段の生活に支障は無い……まぁ負担のかかることは出来ないけど
 それだったら……一度海鳴に戻るという手も……

「えっと、一度、家に帰ろうかと思いまして……」
「え?」
「だって、ひざは?」
「そ、そうですよ……」
「何で?」

 雪乃さんは多分違う驚き方だろうけど、それぞれが驚きの声を出す
 しかし、それは俺にとっては普通の反応と見ている

「簡単に言いますけど、膝は治ってます
 それで、一度報告もかねて、帰ろうかと思うんですよ
 電話だけだと母さんたちに詳しく話せませんし、なのはも心配してると思うので
 それで、一度帰りたいと思ってるのですが」
「わたしゃ、かまわんよ……まぁ、誰か付き添いで連れて行くのがいいじゃろう」
「ばあちゃん!?」
「まぁ、家としては娘たちというより、孫全員もらってくれるとありがたいのじゃが」
「それは、嬉しい申し出かもしれませんが、お断りしたいです
 俺はまだ、心に決めてないので……」
「そうかい? まぁ、それなら仕方ないね
 一応ティオレたんにも言っておくよ……決めかねてる青年に押し売っても駄目じゃと」

 ティオレさんと面識があるのか?
 それはそれで驚きだな……まぁ、それについては深く聞きはしないようにしておこう
 聞いてしまったら後戻りできないような気がする……

「で、どうやって戻るつもりなんだい?
 簡単には行かないと思うよ……ほら、周囲ティオレの子たちで囲まれてるし」
「……そうなんですか?」
「ああ……うちらも説得はしたんやけど、なかなかね」

 そういわれて、俺は困ってしまった
 どうも、ティオレさんは俺を再度イギリスに連れて来させたいのか
 みんなに言ったそうだ……「婚姻届用意しておくから」と
 だから、まだ決めてないのに、そういうのは駄目でしょうと俺は言ったのだけど
 「孫抱きたいから」の一点張りだ……ちなみに俺の孫をらしい
 「フィアッセのはいいのか?」と聞きたいところだけど、やめておいた
 多分聞いても、「秘密よ」とか応えそうだし

「でも、連絡あるまで出れないと思うけど……」
「大きなダンボールと宅配で生もの、速達で家までって駄目ですか?」
「そ、それはちょっと……」
「その、なんていうか、御架月も連れて行きたいので」
「ああ、なるほど」

 納得したのか、うなずいてる……
 しかしなぁ、どうしたものか?
 ティオレさんの説得は結構大変なんだよな

「まぁ、私たちが露払いするからってのが楽かしら?」
「そうですね……」
「ま、それが妥当かな……確かに恭也くんに抱いてもらいたいとか
 守って欲しいとかあるけど、やっぱりそれは恭也くんが決めることやから」

 うっ、だ、抱かれてって……薫さん、何気に大胆発言ですね

「くぅん、久遠も抱かれたい」

 いや、久遠、今はその発言は止めてくれ

「私だって」
「胸がもうちょっとあると嬉しいんだけどなぁ」

 何気にその発言は困ります……那美さん、楓さん

「あれ? 恭也さん、真っ赤ですけど……どうかしたのですか?
 雪乃さままで……」

 葉弓さんが此方の様子に気づいた
 しかも、雪乃さんまで頬が赤い……和馬さんと北斗くんがなにやら話してる

「怪しいですよね」
「まさか、一閃を超えてるとか?」
「ああ、母さんは奥手だから、恭也さんが?」
「違います! 先に手を出したのは私よ」

 雪乃さんの自爆が今炸裂した……俺はだっと飛び出すと
 すぐに部屋を目指す
 そして、御架月を手に取ると

「逃げるぞ!」
「えっ!?
 ね、ね〜〜〜さ〜〜〜〜〜ん!! ごめん、今日の夜の散歩無理です〜」

 窓から身を出し、玄関へと逃走
 そこから、靴を履き、再度飛び出す
 裏口から……玄関は陽動の意味があるし、外に出たら誰がいるか分からない

「どうしたんですか?」
「ちょっと昼にいろいろあって、それをばらされたら命がなさそうだから逃走だ」
「えっと……それって、雪乃さんが恭也さんを」
「ああ、それだ」
「でも、あれは……」
「後ろから来る殺意に気づいてないわけじゃあるまい」
「すみません……逃走手伝いますね」
「ああ」

 御架月を携えながら、走る
 御架月は手伝うことに関しては何も言ってない
 というか、何とかしようという意気込みさえ見せてる
 ああ、なんと言うか助かった……しかし、どうしたらいいものか?

「御架月、こっちには何があるんだ?」
「がけです」
「まてぃ!! こっち逃げても駄目って事か?」
「いえ、がけから降りて、下には小船があるはずです」
「そうか……運がよければ、どこかに辿り着けるかな?」
「多分……悪かったら遭難して、そのまま海の藻屑です」
「了解!!」

 走る速度を落とさずに駆け抜ける
 草と木々の間を抜ける
 抜けた!!
 地面が無かった……

「空中浮遊ですね」
「難しい事言うな!!!!!!!!」

 俺の怒りとちょっとした悲しさを持った声がそのまま下へと向かう
 着地を何とか成功させた……岩が突出してなくて良かった〜
 小船をつないでるロープを切って、漕ぎ出す
 もう、何でも来いだ!!
 太平洋でも何でも出てやる〜〜〜〜!!
 そして、小船を追いかけてくる様子が見られず、そのまま鹿児島を後にするのだった










 つづくよ










 あとがき
 あれ? お、終わってしまった?
 シオン「いや、終わってしまったって」
 まぁ、これ続きあるけどね……御架月が居る時点で……
 ゆうひ「どういうこと?」
 えっとね……太平洋だよね
 シオン「だね……でもね、恭也って何も言わずに飛び出したわけでしょ」
 そうだね
 ゆうひ「ってことは、この続き的な話があると?」
 いや、無い
 シオン「まてぃ!!」
 次、最終章あたりで、3メンバーと2メンバーと1メンバーを掛け合わせる
 ゆうひ「ひとつ質問」
 はい、何でしょうか?
 シオン「どうやって掛け合わせるの?」
 聞くな!? 自分だって最終章考えてないんだから
 ゆうひ「え?」
 だってな……難しいんだって……一応、次でこれはラスト本当の
 シオン「どういうこと?」
 次は恭也の就職というかバイトがいろいろとって所になるはずだから
 ゆうひ「意味がわからないし……」
 分からなくていいの……大学に戻らないと恭也、退学になっちゃうし
 シオン「…………そういえば、大学どうなってるの?」
 桃子さんが手を打って、フィリス先生と結託してる
 ゆうひ「簡単に言うなら、学校に出たら行けない病気にかかったのでパスと?」
 ああ
 シオン「それも鬼ね」
 ま、最後は全員フル出場が目標だから、ちょうど良いかもしれない
 ゆうひ「で、結局ヒロイン何人よ?」
 えっと、30から40くらいかな?(数えてません)
 シオン「数えなさいよ」
 だって、面倒だもん……3だけで、ハーレム最初が入るから、20人近くだけど
 ゆうひ「けど?」
 ほかの生徒たちが入るから、100名は軽く超えてしまう可能性も否定できない
 シオン「そうだね」
 それに、恭也の本当のお母さんはって話も終わらせてないし
 ゆうひ「ってことは、最終章でそれをすべて終わらせると」
 予定的にはだけど……はじめ忍の家庭を全部暴露とか考えたけど、人数がさらに増しそうだから
 シオン「パスしたのね」
 ああ
 ゆうひ「じゃあ、次で頑張りましょうか?」
 おうよ
 シオン「でわ、またです〜」
 ゆうひ「次回で、これはどこまで行くのか……」
 ほなね〜(^^)ノシ



恭也、逃げる!の巻〜。
美姫 「それにしても、恭也も大変ね〜」
うむ、まさに恭也の受難って感じですね。
でも、その分、いい目にもあっている事だし…。
美姫 「ある意味、仕方がないって?」
そこまでは言ってないぞ〜。
遊び人さん、投稿ありがとう!
美姫 「ありがとう!シオンもゆうひもありがとうね」
では、次回、また。
美姫 「バイバイ」




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