『剣士は花と……』
〜プロローグ1〜
物語が始まったのは海鳴という町。
その町にいかに初めて来たというような二人の女性たちの姿があった。
この二人、今まで二人っきりで一緒にいるという事はなかった。
ではそんな二人がなぜ一緒にいるのか。
最初は二人とも、一緒に行動する予定ではなかった。
それは遡る事数時間前
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その女性は親友とともに海鳴に行こうと約束をしたのである。
しかし当日になり親友から急用のため行けなくなったと連絡が入ったのだ。
だが折角なので
「それでしたら、私だけでも行ってきますね♪」
という事で一人海鳴に行くことを決意したのであった。
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その女性は幼馴染である二人に、一緒に海鳴に遊びに行こうと約束していた。
しかし当日に幼馴染である男の子が風邪を引いてしまったのだ。
普通ならばその男の子は風邪で行けなくなるので二人で行くと考えられる。
だがこの幼馴染の二人は家庭の事情で同じ家に住んでいるのである。
しかももう一人の幼馴染の女の子は、その男の子の家政婦(?)のようなものであり、
その男の子の為に世話をするのが生きがいなのである。
そうなると自然に二人とも行けなくなるのである。
しきりに謝ってくる幼馴染に
「風邪なら仕方ないよ。お大事にね」
と連絡を終えた後、ならば一人で行こうと決めたのである。
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そのような考えをそれぞれ持ちながら、最寄の駅へ向かっていたところで二人は出くわした。
お互いに約束があったが、仕方のない理由でキャンセルとなったという話になったが、お互いに
目的地が同じだと知ると顔で見合わせ
「「じゃあ、一緒に行きましょう(参りましょう)!」」
という事になったのだ。
そんな二人の目的というと
一人はその町にある喫茶店でのシュークリームを食べてみたいというもの。
一人はその町でやるぬいぐるみ展の鑑賞をしたいというもの。
この二つの目的を果たす為、二人はこの町に来たのである。
ぬいぐるみ展での鑑賞会がひと段落ついたので、もう一人の目的地である喫茶店に行こうと
いう事になったので向かい始めた二人。
そんな二人に声をかけてくる男たちがいた。
この二人、自分の見た目を過小評価する傾向がある。
だが周囲の人間に言わせれば絶世の美女と言っても過言ではない容姿をしているのである。
そんな美女が二人だけでいるとなれば、声をかけたくなるのが男の性なのだろうか。
「ねえ、お姉さんたち〜。 よかったら一緒に遊ぼうよ」
在り来たりな誘い文句だ。
見た目はまあ悪くはないのかもしれないが。
女性の内、一人はナンパだという事に気づき、どうやって断ろうかと悩んだ。
もう一人はナンパだと気づいていないようだが……。
「俺たち、いいところ知ってるんだよね」
「そうそう」
「全部俺たちがおごってあげるからさ〜、一緒に行こうよ」
そんな事を言ってくる男に
「すいません、私たちちょっと予定があるので」
とその場を立ち去るように言うのだが
「え、だったら一緒に行こうよ」
「そうだよ、二人だけより楽しいよ」
などとしつこく言ってくる男たち。
さすがに嫌気が差してきたのか、ちょっと強く言う女性。
「すみませんけど、二人だけで行きたいので失礼します」
もう一人の女性の手を引っ張りその場を立ち去ろうとすると
その男たちの中で一番がたいの良いのが女性たちの腕を掴んだ。
「痛っ!」
「……っ!」
「折角俺たちが声を掛けてやったんだから、付き合えばいいんだよ!!」
とさすがにイライラしていたのか力を込めて掴んだのだ。
必死に抵抗するが、やはり男と女。
多少なりとも力の差が出るのは当たり前だろう。
そんな方法で、無理やり連れて行かれそうになったときだった。
「そんなところで何をしている」
という声が聞こえてきたのだ
声のする方を全員が向くとそこには全身黒尽くめで目が鋭い青年が立っていた。
<おわり>
『SHUFFLE!』とのクロス。
美姫 「という事は、この二人は」
うーん、多分、あの二人かな〜。とか思ったりするけれど。
美姫 「正解は次回で分かるかしら」
どうかな。助けにはいった青年は……
美姫 「こっちは多分、あの人かな」
さてさて、どうかな。気になる次回は……。
美姫 「この後すぐ!」