刹那・・・鵬の手からクナイが2本飛んでき、それが沙里恵の手に突き刺さる。
「がぁぁぁぁっ!!!」
そのまま、鵬に押され、クナイは木に突き刺さり、沙里恵は動けなくなる。
「そこデ、黙っていてくだサイ」
そう言って鵬はいずみに向かっていく。
「くっ!!」
いずみはクナイを構えるが・・・。
「はッ!!」
鵬の袖から剣が飛んでいき、それをいずみが弾いた瞬間・・・鵬の手がいずみの胸倉を掴む。
「はぁァァ!!」
そして、いずみは思いっきり投げられ、地面にたたきつけられる。
「鵬ッ!!」
弓華が鵬に襲い掛かろうとするが・・・。
「泊龍・・・お前ハそこデ見てイルといい」
そう言って鵬は鋼糸で弓華の動きを封じた。
「さァ・・・死んデもらいマス」
「待つでござる!!」
その鵬に向かって、沙里恵が叫ぶ。
「・・・・何カ?」
鵬は振り向かず、答える。
「何故・・・そなたはそんな・・・哀しい眼をするのでござる・・・」
その言葉に、鵬がぴくりと反応する。
「どうして・・・そんな哀しい眼をしてまで・・・戦うのでござるか!!」
沙里恵の叫びに、鵬は振り向く。
「何モ知らないクセに・・・判ったヨウナ事・・・言わないデ」
そう言って鵬は沙里恵の腹に拳を入れる。
「ごふっ!!」
殴られ、沙里恵は血を吐く。
「言ったはずデス・・・世界ニ救いナンてありマセんと・・・」
鵬木に貼り付けられている沙里恵に言う。
「それでも・・・拙者は諦めきれんのだ・・・救いのない世などはない・・・」
木に突き立てられたくないを何とか抜こうとする沙里恵。
「無駄ナ抵抗ハ止めてくだサイ・・・死にたくハないでショウ」
鵬は沙里恵に向かって言う。
「主とは・・・もっと違う場所・・・違う形で会いたかったぞ」
一瞬・・・沙里恵は笑う。
次の瞬間、沙里恵の掌からくないが抜ける。
「貴様ッ!!!」
鵬は叫び、鎖鎌を取り出す。
「戸隠に伝わる秘中刹・・・まさか主にくれてやるとは思いもせなんだ!!!」
鎖鎌の放たれた鎌の部分をあえて左腕に突き刺させ、鵬を引き寄せる沙里恵。
「くッ!!」
鵬は鎖鎌を放そうとするが・・・沙里恵の方が早く鵬に組み付く。
「さぁ!!拙者と共に逝くでござるよ!!!」
「何ヲする気ダ!?貴様ッ!!?」
何とか沙里恵を引き剥がそうとする鵬。
「戸隠が奥義陣中七派の一つ・・・幼い頃より飯に少量ずつの火薬を混ぜそれを胃の中にためる・・・ここまで言えば判ろう」
「死ぬ気デスか!!?」
鵬は信じられないといって沙里恵に叫ぶ。
「忍びとは・・・人知れず敵を討ち・・・人知れず死んでいくもの・・・悪いが付き合ってもらうでござるよ、鵬!!!」
「放セッ!!!!」
瞬間、沙里恵の腹に鵬の手刀が突き刺さる。
「ごほぉっ!!!」
そして、腹を貫かれたと同時に沙里恵は大量の血を吐き、それが鵬の体や顔にかかる。
「逃がしは・・・せんでござるよ・・・」
傷口と口から血を流しながら・・・沙里恵は言う。
「いずみ!!おぬしとは・・・もう少し・・・戦っていたかった」
「沙里恵!!」
いずみは沙里恵のほうへいこうとする。
「来るな!!!」
「!!?」
沙里恵の叫びに、いずみは足を止める。
「死ぬのは・・・拙者だけで十分・・・いずみは・・・牙なき人の牙のために」
その瞬間、沙里恵はいずみ達から離れる。
そして・・・。
沙里恵は・・・爆発した。
「さっ・・・沙里恵ぇぇぇぇぇぇっ!!!!」
それを見て・・・いずみは叫ぶ。
そして・・・いずみは沙里恵に近づく。
そこには・・・焼け焦げた・・・二人の死体があった。
「沙里恵ぇぇ・・・」
いずみは沙里恵の遺体を抱き・・・泣き叫ぶ。
「あぁぁぁぁぁぁっ!!!」
いずみの叫びが・・青い空へと染み渡っていった。
それから、いずみは戦っていた。
沙里恵との誓いを胸に・・・。
牙なき人の牙となるために・・・。
それは・・・死んで逝った・・・忍びへの・・・鎮魂歌。
あとがき
忍びの饗宴別ver・・・。
暗いっ!暗いよぉ・・・。
フィーア「なんか、これバットEndじゃない」
本当はこっちが原型なんだよ・・・。
さすがに、これを本編にしちゃうと・・・何となく・・・ね。
フィーア「まぁ、いいわ。どうせ批判喰らうのあんただし」
うっ・・・まぁ、ではでは〜〜〜。(逃走)
フィーア「あっ、逃げるな!!」
こっちは別バージョン。
美姫 「ダークENDって所ね」
まあ、これはこれで嫌いじゃないけどね。
いづみが親友との誓いを胸に、牙なき人の牙となる。
美姫 「確かに、これはこれで良いわよね」
まあ、俺自身、ダーク書くのが苦手だから、たまにはこういうのも良いよね。
美姫 「アハトさん、ありがとうございましたー!」
ではでは。